2022.11.05 Sat
リカ茉莉花椿
「んっ……あぁっ……あぁんっ❤」
思わず、苦しそうな呻き声をあげてしまうように脳が痺れてしまいそうになった。誰もいないからこそ、静寂の中で響く淫猥な雌声。
いつもは舞台の上でも出さない声を、ベッドと言うステージの上で自分は出してしまっている。
そして、官能的な熱に包まれて、熱に侵されていく。オナニーをしたのは、何年ぶりだろうとすら思えてしまうほどには、夢中になってしまう。手の動きが止められないのは、狂おしいほどの嫉妬の感情が自分の肉体の中に眠っているから。
ねっとりと包み込むような蠢いている膣肉の感触に溺れてしまいそうなほどに呼吸が荒くなっている。
指が入り込んできたことに歓喜してきたように絡みついてくる。
自分で、自分を締め付けられる感覚に、脳が再度、いや、先ほど以上に痺れてしまい、もし、これが立ったままだったのならバランスが崩れてしまいそうだ。
もしかすれば、これが絶頂したことを意味するのだろうか?
とすら思えてくるほどに脳細胞が快楽電流で焼かれていくような感触、馬鹿になる。
オナニーに夢中な猿になってしまうような感触が、今、肉体と言うサーキットを走り回っている。
「あぁ、リカぁ❤私も、私も❤リカ❤」
なぜ、今、リカの名前を呼んでしまうのだろう。
媚肉を爪先で優しく引っ搔くようにするだけで、それは鮮明に脳裏に映像化された。
見てしまったから。
リカと茉莉花のセックスを。
そして嫉妬している自分がいた。
あくまでも、自分は親友であるということか。葵衣にも抱いたことのない感情。葵衣が、他の女に優しくする場面を見ることよりも、椿の思いは嫉妬に駆られた。
素直になれない自分が悪いのは解っていても、リカの寵愛を一番、受けている茉莉花の存在が羨ましい。リカが受け入れた茉莉花だから、それでも、自然と茉莉花に抱く嫉妬と羨望の感情、自分も……自分もと、あの光景を思い出しては媚肉を指先で撫でて、肉体を震わせるだけの牝になる。
僅かなライトに照らされて映る、その顔は普段の気丈な顔とは真逆なほどに、それは媚肉たちが熱を帯びるたびに情熱的に吐息を漏らすように、興奮の湯水を溢れさせて、椿と言う女を牝に変えていく。
性欲に従順で、背徳感に満ちた、あのステージの上では凛々しい顔が、水に充てられた砂糖菓子のように狂おしく溶けていく。
吐息が、心地よいほど、洩れてしまう。
くちゅり……
この粘膜が擦れるような水音が、どの音色よりも美しいと感じてしまうほどに。リカの音は……リカの……瀬戸リカのおまんこからは(どういう音色が聞こえるの。)教えてほしくなる。
茉莉花と一緒でもいい。椿の中に逡巡するのは葵衣ではなく、瀬戸リカだった。心地よさ、最終的に自分のことを何でも理解してくれるのは葵衣ではなく、いつもリカだ。
リカと茉莉花のセックスを見てから、蕩ける二人の身体と、顔を見てから、貪りあうように、ただただ快楽がひしめき合う、あの世界を見つめてしまってから、それを美しいと思ってしまった。
それからだ。
Merm4idの官能的なパフォーマンスを見るたびに、濡れてしまうのは。興奮してしまうのは。ライブが終わった後に、リカが自分の元に来て感想を聞くたびに、ライブが終わった後の牝の匂いを発散させて、自分を狂わす。無意識に、椿の身体が、リカに抱かれたいとすら思えてしまうほどに、無邪気に接してくる匂いは椿の身体を思った異常に欲情させてしまっていた。
自分も入りたいと思えるほどに、リカと……
すでに何度目の絶頂を経験したことだろう……自分を愛してくれる。リカなら、リカだから……常に自分を見つめてくれていた……媚肉たちを擦るたびにリカが自分の媚肉を撫でているような気がして、ほんのりと、リカが自分を受け入れてくれることに歓喜しているように、頬は赤く染まり、そのまま……絶頂した。
「リカ……」
ぎゅっと、名前を呼んで袖を掴んでしまったのは無意識だったのか、いや、意識してのことだろう。
リカに甘えたい。
そういう思いが強くなっていったのはいつからなのだろうか。
Merm4idのライブに一人で訪れることも当たり前になっていた。
そして、楽屋で感想を述べて甘えるように……
(最近の椿、なんていうか、猫みたい……)
(ふふ、椿ちゃん、リカのこと❤)
茉莉花は解っているし、その本性的なものにリカもわかっている。
それと同時に、葵衣とは、そうそう上手く行っていないことも、いや、葵衣以上に、リカの魅力に取りつかれてしまったかのようにも見えた。
それとも気付いたのかもしれない。
葵衣は悪い存在ではないが、それでも……椿をやきもきさせてしまうのは解ってしまうし、おそらく、一生、どこか後悔じみた感情のようなものが突き刺さるだろう。
人として出来が良すぎる分、ある種、それは葵衣と言う人間の魅力でもあり、欠点でもある。外見に反して、人を見る目はあるリカと茉莉花からすれば……椿なら、それを乗り越えられるだろうという部分も含めて応援してきてはいたのだが、なんとなく、人からすれば胡散臭さのようなものも感じてしまうのだろうと思う。あれは、好きな人を狂わせる。
それは長くいれば長くいるほど。長所と短所が表裏一体の、ある種、付き合うだけで面倒くさい女なのだろうとも……
「どうしたの?椿。」
でも、リカはそうじゃない。
自分の負の感情すらもストレートに受け入れてくれる。
「一緒にいたい……」
つくづく、いやな女だ。
自分からアプローチしないで、葵がほかの女に優しくしていると胸が締め付けられるような痛みと、むしゃくしゃするようなささくれが立って仕方ない。ざわつくような感じ、そして、どうにも葵の顔が自分の中で胡散臭い存在に見えてきてしまう。
どこまで子供なのだとすら思えてしまう、そんな自分に無性に腹が立ってしまうのは、どうしようもないのだろうか。
感情が、いつまでも水の中でおぼれているような、この処理できない情緒というのは、どうすれば良いのかと無意識に手を伸ばす。それが、自分のことを一番わかってくれている、瀬戸リカという女に対して、いつの間にか溺れていた感情はリカを掴んでいた。
そういう思い、自分が悪いとわかっているのに、それでも、どうしても求めてしまうのは、どうしてなのか。
相手をしてくれないなら自分をわかってくれる人に逃げるなんて、そんなことに対して自己嫌悪に陥っている自分がいる。
(つくづく、面倒くさい女だな……私……)それと同時に嫉妬深いのかもしれない。その嫉妬は、報われても、葵のあの優しい態度を見ていても抱くのならただのメンバーとして感情を処理するのが一番なのかもしれない。それは逃げなのかもしれないとすら思うが、それでも葵の性格は変わらないだろうし、もし一緒にいれば辛い思いをするかもしれないから……
「リカ……」
「茉莉花も一緒になるけど、来る?」
「うん……」
心配そうな顔をして覗き込んでくるリカの顔、あまり、彼女は今の自分に対してものを語らなかった。
「それじゃぁ、リカの家に行こうかー」
茉莉花がふんわりとしたような声色でリカの手を引っ張った。一瞬、目が合うと愛らしくウインクしている。彼女も、何かを察するのが得意なのだろうかとすら、勘ぐってしまうほどに。
瀬戸リカは良い女だと思う。
性格も明るいし、何より、自分の感情を察してくれるから甘えたくなってしまう。
感情表現というものが苦手な自分からすれば、どこかアイドルじみた視線で見てしまう自分という存在がいる。
それでも、リカは椿という女の好きなところを泉のように言葉を溢れさせて伝えてくる。その笑顔には嘘も偽りもない、心から出ている純真な言葉……そうなると、やはり、人というのはそばに近寄りたくなってしまうものなのかもしれない。
居心地が良いのだ。
自分のことをわかってくれて、自分を導いてくれる瀬戸リカと言う女が好きになってしまう。
「ねぇ、今、リカと付き合うと私もついてくるけど、良いの?」
茉莉花が耳元でそっと頷く。
リカが受け入れた女なのだから、それは……椿からすれば文句はない。
それに、今は、自分のわがままで茉莉花を排除することは、余計に自分が嫌な人間に見えた。
自分は瀬戸リカの性格を利用して、こうして一時の寂しさを埋めるために利用しようとしている。つくづく、椿自身、自分というものが嫌になってしまいそうだ。
屈託のない笑顔が好き。常に自分に拒絶されながらも、手を差し伸べてくれるリカが好き。リカの温かい手が好き。リカの声が好き。
(ダメ……リカに溺れる……いけないってわかってるのに、私の全部を愛してくれるリカに溺れちゃう……)
「いいよ。おいで。椿。」
リカの口から告げられる言葉は福音にも感じてしまう。
(そして、私を拒絶しない、リカが好き)
リカは本当の意味で自分の大切な人になるのかもしれない……
誘われるがままに気づけば、椿はベッドの上にいた。
茉莉花とリカが自分を見つめてくる。
深く、詮索はしない。
二人は私の中にある苦しみを取り除くかのように快楽を与えてくれた。
それは、あまりにも甘美で、心地よくて、溺れたら、もう戻ってこれない。溺れれば溺れるほど、二人が強く抱きしめて自分を受け入れてくれる。
だから、はしたなく、下品に貪欲に、リカを求めた。
リカに抱かれるたびに気持ちの良いものが広がっていた。
リカ……
リカ……!
リカ!
もっと、欲しい。
あなたが、彼方達が私に与えてくれるものが欲しい……
二人が与えてくれるセックスの快楽は、そういうものだった……
いつまでも、ここにいたい……
ただ、溺れていく……
快楽が、自分を満たしていく感じが心地よかった……
リカ……
茉莉花……
自分に欠けていたはずのものを与えてくれる。芯から温まるようなぬくもりが心地よい。
これが、瀬戸リカ……
水島茉莉花……
与えられるばかりの環境、しかし、いずれ、返せればいいとすら思えてくる前向きな感情を二人の快楽から二人に与えてくれた……
セックスの終わり、異様なまでの渇きが肉体を襲った。
昨晩は、相当、抱かれていたことを思わせるかのように寝ているリカの背中に五本の赤いラインが走っている。
「昨日、凄かったからね。」
リカの寝顔を撫でるように、隣にいたのは最初の彼女である水島茉莉花。
「ずっと、離れなかったし。」
「それは……」
「でも、椿ちゃんも、ああいう顔をするんだなーって思ったら可愛いって思えたし。」
「そう、なの?」
「うん。」
「そ、それより、貴女は良いの?私、リカと……茉莉花は、リカの彼女でしょ……?」
思えば、情熱だけで、ここまでしてしまったが、だんだん、願いが叶ったことに対する落ち着きを肉体は取り戻してきたのか、目の前で直面する問題を、ふと、口にした。
でも、それに対して、茉莉花は困ることもなく、まるで、それすらもわかっていたかのように口にする。
「だって、リカが一番良い女なのは、私が一番よく知ってるもの。そんなリカを好きになる子がほかに出てくるのも、それをリカが受け入れるのも当たり前。だから、椿ちゃんなら、リカのもう一人の彼女になっても、私は良いよ?❤リカが好きになった人だから❤」
水島茉莉花は、なんという女なのだ……
それは、まるで椿を罪悪感から解放するような、聖母のような言葉だった。
「ダリアも、さおりも、私も、皆、リカが大好きなの。そして、そんなリカの彼女である私は、誇らしい……」
そう言葉を紡ぎながら、茉莉花は目を細めて、リカの頬に唇を重ねた。
リカは愛らしい寝相を見せて二人に無意識の誘惑をかけた・……
| 適度なSS(黒歴史置場?) | 00:00 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑
FAKE OFF
てっきりD4DJチャンネルで期間限定配信すると思っていたDouble Mixを見損ねてしまって…円盤買います。
SSの方は、拗らせた椿も受け入れるリカ茉莉花の神対応よ。Merm4id全員、人間の器がデカ過ぎだろう…
ユニット内での恋愛事情を鑑みるに、椿にとっては想定外のリアクションだったのではと思われます。
何だか作中のリカからは、後光が差してる様な気すらしてきましたよ…
宗教的な意味合いはないですが、やはり百合は救いだ。ありがてぇありがてぇ…私には実質宗教か。w
| kwai | 2022/11/06 20:33 | URL |