2020.12.27 Sun
Episode 5『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』



「君には分からないさ!大隊長を父に持ち、宇宙警備隊のエースに上り詰め、"ウルトラマンNo.6"などともてはやされている君にはね!」
トレギアにはタロウは眩しすぎる……
ヒカリを止められなかったトレギアに対して、ウルトラマンナンバー6とまで呼ばれて、ウルトラマンケンを父に持つタロウと言う存在に対しては、どこまでも太陽なんですよね。
タロウもケンも思うんだけど、どこまでも親友を心配しているのよね。
彼らはウルトラ一族の中でエリートと呼ばれる存在だからこそ彼らの中にある劣等感って言うのは理解できない。
他者の劣等感も自分たちがカバーすればいいとすら思っている感情が逆にトレギアもベリアルも傷つけてしまう。でも、それはコンプレックスを煽るだけで。
憧れが反転してしまう要因でしかない。
森久保さんの演じるウルトラマンタロウが、どこまでも爽やかで、その爽やかさが悪い意味でトレギアを傷つけてしまう。親友なのにな。
って言う、このキャスティングの力、凄ない?
さらに闇と戦う力が無いことに悩んでいた時にベストなアドバイスを送ったヒカリが闇堕ちして、トレギアが……
もうトレギアが辛いな。


ヒカリのことも、違うんだよ。タロウ、そうじゃねぇんだよ……ってなるから、もう、なんかさぁ、辛いね。互いに片方の局面しか見ないんだよ。
自分に価値を見出してくれた尊敬する上司が闇堕ちして、更に攻撃されたことで心が傷ついているのに、タロウは理解してくれない。
ある種、太陽そのものだからこそタロウはトレギアの奥にある喪失感を理解できないし、言い方悪いけど、トレギアの、そういう部分すらも自分の光で覆い隠して、トレギアの闇を光にしようとする傲慢な部分があるんですよね。本当は「大隊長の息子で……」ってくだりも本当は、そう思っていないけどタロウの、何気ない発言がトレギアには力を持っている側の思い上がった視点に感じてしまうんですよね。
更に自分のコンプレックスまで刺激されて……本当は対等でありたいんですよ。でも、そうならないのよ。
人間で言う向き不向きってやつで死ね。
憧れのタロウと対等でいようとするために宇宙警備隊の入隊試験を受けるも落ちてしまって挫折して、だから、そんなタロウから守られる。って言うのは何処か、対等でありたいがゆえに、辛い。自分はタロウの傍で戦える存在ではないことに対する辛さ、そのコンプレックスをわかってくれたはずの人も闇に落ちてしまう。どうしようもない。もう、こればっかりは。
トレギア、辛いな。しかも、自分のコンプレックスである戦闘能力の低さから止められなかったこともますます刺激されてしまうの辛いな。
だから、好きなんだけど。
って、これはもう辛いですよ。
地球人の絆のことを言ってもね、あの時期から、小説版だと地球人の乱暴さとか、そういう部分が絆に対する不信感も抱いているし、だからそんな地球人と自分の親友だったタロウが絆を紡いだことは信じられないし、更に、タロウはこの事態の中にあるトレギアの闇に気づいていないからこそ、トレギアは「絆は嘘だ!!!」って思ってしまうんだよね。
だから、作中で「絆なんて反吐が出る!!!」って言葉があったけど、自分のことを理解してくれなかったタロウとの間に自分はあったと思ったんだけど、タロウは自分のことを理解していないから、そこに対して絆を感じなくなっちゃったんだよね……
無自覚に親友を追い詰めちゃうんだよね。
ケンもタロウも、無意識に強いからこその自意識過剰なところが実はあったりして、それは、あのタロウのテンペラ星人のシナリオとかでもわかるんだけどね。そうそう、人って言う存在は、変わらないことなのかもしれない。って思うと辛いところでもある。
「タロウ、そういうところやぞ。」
って言いたくなる。
トレギアに肩入れする第三者視点って、そう見えちゃうよな。って辛さ。だから、トレギア目線で見ると、こうなっちゃうんだよねw
トレギア目線でタロウと言うウルトラマンを見ると。
心配はしているんだけど理解しようとしていない。後述でも言うんだけど、これでだとトレギアは闇に負けてしまうということを言われているようで、それは、確かに、ああなるよと。
トレギア視点でタロウの過去を見ればさ、思えば、だから、健一君に対して、結構、あれなことは言ってたよね。光太郎さんは。あれは、健一君が、まだ理解ある光の優しい子だったからよかったけどさ。
思えば、健一君に対して、結構、無神経なことは言っているんだよね。一応、そのあとにフォローは入るけど。
何気に最終回の彼の台詞って言うのは、「いや、親父が死んだんやぞ?!」ってなるし。そのあとに「君だけに辛い思いはさせない。」って言うけどね。
良くも悪くも昭和のノリって言うのは、トレギアと言う存在に対しては辛いものなのだろうというのが自分の中で芽生えてきます。
だから、トレギアって好きなんですよね。
そういう部分、含めて。




タロウの「トレギアは俺が護る」発言は、タロウの隣に立ちたい、しかし、それが出来ないもどかしさや悔しさ、タロウほど強くはないからヒカリが復讐心に囚われて助けることが出来なかった心の傷に塩を塗るような行為でしかないの辛いね。
しかもタロウは、まったく、その気はない。って言う(=ω=;)
トレギア……
ウルトラマントレギア……
なぁ……
タロウが光でありすぎたが故に……良い奴なんですよ。
そして、彼は闇を憎む心もあったんですよね。トレギアって存在は。
でも、光は自分を傷つける。
だからこそ、行きついた矢先が混沌だった……
だから、彼は闇を憎むし、ひかりも憎む。だから両方を取り込んで混沌になったんですよね。
太陽の輝きに憧れたものが、最終的に行きついた先が、大好きな太陽の影になることだったのでね。自分の中で、まじめに、トレギアがタロウに抱いている感情は恋愛に近いもの、もしくは恋愛感情だと思っているので、そこから生まれた憧れの思いが全て反転していく感じ。
コンプレックスは太陽が生み出す影そのものなったような……
ジャグラーは太陽に対になる月だけど。
トレギアは太陽が生み出す影になる。
この違いは結構、大きいんですよ。
トレギアもジャグラーも根っからの悪人ではないんだよね。もとから。だから辛いのよ。ただ、タロウとは別のベクトルで憧れていたヒカリが怨霊と言う負の力に飲まれて自分に剣を向けたこと、それをタロウが理解していないと思い込んでしまったことが彼の悲劇なんだろう。共にいたいからこそ「守る」って言う言葉は、ある種、一緒に立てないということの証明にも思えてしまった。
ただ、自分はね、タロウはそうじゃないと思うんだよ。
ってことで、こっからウルトラマンタロウから見た、今回の物語の視点を自分なりに解釈してみるy。
タロウはさ、タロウはトレギアのことを知りすぎたからこそ踏み込めない領域の問題に対してああいう感じに言っちゃったんじゃないかな。
友人関係って長ければ長くなるほど踏み込んじゃいけない領域を察してしまうんだよね。ましてや千年単位の友人関係だしウルトラマンという種族を考えると色々と思う。
タロウだって、トレギア物語の中ではトレギアも果敢に自分と一緒に戦ったからこそ、どういう存在か知っているし、だからこそ「もしトレギアが闇と戦って負けそうになったとき"俺がトレギアを守る"」って意味合いでタロウとっては最大限に気を使ったエールのつもりがトレギアは我々のようにネガティブに受け止めてしまった。
ってことだと思うんですよ。自分の中ではね?
まぁ、タロウは……光太郎さんの時とはいえ、父親を亡くした塞ぎ込んでいる健一に向かって「君は強く生きなきゃダメじゃないか!」って普通に言うからなー……この後、「でも、君にだけ辛い思いはさせない!」とは言うけど。今日、このくだり、二回目なんだけどさ。
思えば、こういうところを言ってしまえば昭和のノリで片づけられるけど結構、残酷なこと言うけどさ。でも、あれは、タロウなりのトレギアに対するエールだと思うし、タロウは長年の友人だから、その守るの前に、どういう意味があるかわかってくれるはず。って言う甘えもあったと思うんですよ。
しかし、思えば劇場版タイガ……
タロウはトレギアを救うことばかりを考えて、トレギアの内面を考えていなかったな。って言うのを今回のギャラクシーファイトを見ていて思ったね。今思えば、ニュージェネクライマックスのラストのトレギアの断末魔である「タロウ……」は、失望感なのかもしれないね。
最後まで理解してくれなかった。
って言う、あの感じ・・・・・




でも、タロウにとってもトレギアは邪神に飲まれたとしてもトレギアは闇に負ける存在ではない!!って思っている証拠だと思いたいのよ。
それが、だって、ウルトラマンタロウと言う存在のやさしさであり厳しさだから。
「君には分からないさ!大隊長を父に持ち、宇宙警備隊のエースに上り詰め、"ウルトラマンNo.6"などともてはやされている君にはね!」
ってトレギアが言うセリフ、普通のドラマとかなら傷つくじゃん。
でもタロウは「どうしたんだ!?トレギア!」って自分のことより他人の心配するのよね。本当にタロウはトレギアのことを友達だと思っているけど、思っているんだけどね。
「光」であり「正義」の人であるという部分の体現でもあるという。だから今回のラストのタロウの叫びがどれだけトレギアを大事にしていたのか解るのも辛いね。
でも、トレギアは解らない。
タロウのことが大好きだからこそ表面上で、その全てを受け止めてしまう。トレギアのタロウに対する失望感は伝わってくるんだよね。
今回、タロウは無神経では?って言われてるけど、私、そう思わないのよね。
一緒にいたからこそトレギアは闇と戦うときは全力で戦うことを知っているしそれで負けそうになった時にタロウは「俺が護る」って意味だと思うの。

だから未来での戦いでタロウは「光を取り戻すんだ!」って台詞があると思うの。
でも、あの精神状態だとトレギアは表面上だけ受け止めてしまうのも無理はない気が(=ω=)
戦いとは辛いことであるというのを知っているウルトラ戦士だからこそ「君にだけ辛い思いはさせない」って言うのは、トレギアに対しては。
用はウルトラマンだからこその阿吽の呼吸で、もし、闇と戦って屈服されてしまいそうになったときはーーー「自分が護る」って意味だと思うの。
ただ、トレギアがああなったのもタロウに教えるため。ってのもあるかも。
そこがタロウに対する恋愛感情の拗らせなのよ。
ここからくる失望感はタロウに対する思い、「自分が闇になるから、タロウの影になることで同等になる。そうして光も闇もすべては同質であり混沌である。」って証明をしたかったのにタロウは解ってくれない。
寧ろ、自分に対して助けたいって思う感情はトレギアをますます失望させたんだろうって思う。
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| | 2020/12/27 00:49 | |