2020.09.04 Fri
脚本
同時に、これだけの脚本が書けた少女は、どれだけの人生を歩んできたのだろうと思わず邪推をしたくなる。聖翔音楽学園に赴き、脚本をかける少女を探していた時に出会ったのが熱い心を秘めている9人の少女の存在。
その中で天堂真矢や西條クロディーヌ、愛城華恋など、非常に面白く情熱を掻き立てられる舞台少女達との出会いは実に感動的だった。その中に、唯一、脚本がかける少女がいたのだ。
それが大場なな。
ソルベット王国の演目に、何か脚本を……とお願いしたところ、今、ひびきの手元にある脚本が「過去に囚われた少女」と言う演目なわけだ。
読み終えた時、まるで、一人の少女の人生を追っているかのように見えた。過去から解き放たれたとき、側には自分を見守ってくれる大事な人がいた……その過程が丁寧に描かれている。
なぜ、過去から解き放たれたのか、なぜ、敗北したのか……
まるで一人の人生、そのものを追いかけているような気分にもなった。
「どれだけ、こういう脚本が書ける情熱的な人生を送ってきたのだろうね。」
「ひびきさん?」
「貴女を、そこまで夢中にさせる脚本、どういうものなのか気になるわね。」
彼女であるアリシア・シャーロットが覗き込んでくるので完成された脚本を渡した。
「大場なな……聖翔音楽学園の……」
「あぁ。彼女に、今回、脚本を任せて見たんだ。とっても、エクセレントな内容だと思わないか?」
「まだ、読み始めたばかりよ。」
子供のようにテンションを上げる様を見て苦笑しつつも、ゆっくりと目の前の脚本の世界に陶酔し溺れ始める。
「純那ちゃんが手伝ってくれたおかげだよ……だから、だからね……お礼で……・」
「いちいち、許可を取ろうとしないで良いの……私は、ななを手伝いたいから手伝っただけだし、なながしたいときは……」
「純那ちゃんっ!」
純那の優しく撫でるような声が愛しくて仕方ないのだろう。唇を重ねて、舌先を搦め合い好きなだけ口腔内を愛でた後は純那の全身をマーキングするようにキスマークを付けたり、舌先で敏感な部分を這わせた。
(んっ……)
しかも今日は脚本を書きあげた後は気分が高揚しているのか、いつもよりも全身を密着させる度合いが強い。
「純那ちゃんの、純那ちゃんのおまんこ……美味しい……とっても、美味しいの……純那ちゃんの」
「もう、ななったら、普段は皆のお母さんのようなのにこうなると子供みたい。」
いつも以上に興奮している。呆れることも無く、普段は皆の母親としてふるまってマフィンなどを作って癒している存在のはずが純那の前になると、こうも子供らしくなる。
ななの本質と言う部分は、ここにあるのだろうと思った。
気を張って過去へのこだわりから皆を包み込む母親になったが、本質では年相応で子供らしく甘えん坊で泣き虫で……愛する人の前では貪欲。だからこそ、その一部分を自分だけが知っているとなると愛したくなる。
ななは強いようで弱い。それでいて精神は脆い。そう言う部分に唯一、純那は気づいてくれて、そして自分を愛してくれた。ななにとっては、これほど自分の中で大事になれる人はいない。
自分の中にある孤独に気付いていつも手を差し伸べてくれる純那。
だからこそ、愛したい……
自分だけが純那の中で一番になってほしい。
ななは純那が誰よりも愛しいし、誰よりも愛したい。愛情を注ぎたい。この世に二人といない大事な人……
「だって純那ちゃんの、とってもきれいでぷにぷにで可愛くて……」
言葉が湯水の様に湧き出すぎて上手く繋がらない。
純那とセックスする時の、ななはいつもこうだ。だから、愛しくて仕方ない。このななは、唯一無二の、自分だけの……大場なななのだから。乱交する時にも見せることのない、純那と抱けセックスする時にだけ魅せる……純那を魅了する。
「可愛い、私だけのなな……」
ななの愛撫が一層、苛烈になった……・
| 適度なSS(黒歴史置場?) | 00:00 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑
バナナになった少女たち
ばなななら自身の苦い記憶も創作に昇華できそうな気がするし、それをひびきさんが見たとしたら、その才能に感嘆するかも知れない。そういう所に今回、リアリティを感じました。
ひびアリパートもじゅんなななパートも、視聴当時の心境が思い出されるSSですね。
形は違えど、どちらも激動のドラマを経て成立したカップルだったなあという感慨もあります。
| kwai | 2020/09/04 22:31 | URL |