PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

ACT-ⅡⅩⅢ「∞」

なのフェ編決着。


「違う・・・こんなの・・・私じゃない・・・」

見えるのは、焼け爛れた街・・・

それが、怒りを買うと、誰が思うのだろうか。

神の怒りをかい、殺されるであろうと、誰が予期しただろうか。

既に、自分たちの石ではないと言っても、単なる言い訳にしかならない。

所詮は、力に負けた、この女二人に原因と呼べるものがある。

とはいえ、抗うことは不可能か。

「違う・・・ここは違う・・・私じゃない・・・!!」

自分が自分で無いと思ったのは、いつのことか。

自分の人格が、どこかで刷り込まれていたような感覚がある。

「どういうこと・・・?」

自分の目で見ているものは地獄。

そして、自分の目で見ているものと、体の動きは違う。

目の前にいるのは、スカートを穿いた一人の少年と、娘である筈の、ヴィヴィオとアルフ。

何故、ヴィヴィオは恐れ、あの少年は怒っているのか。

この二人には、わかりはしない。

「なのは・・・恐い・・・何処なの・・・?なのは・・・」

「フェイトちゃん・・・此処にいないの・・・?」















「さぁ・・・これから・・・」

血だらけのクロノ・ハラオウンは立ち上がった。

さて、これからが、新しい戦闘の開始かと思った時。

「はい。終わり。今日は、時間切れ。」

クロノ・ハーヴェイは、突然の終わりを告げた。

「ばいばい。」

「おい・・・!?お前・・・っ・・・」

「君は、まだ、俺に勝てない。ここで、俺を殺したいけど、それも出来ないからね。じゃ。グッバイ?」

男ながら、妖艶な笑みを浮かべ、クロノ・ハーヴェイは消えた。














「すずか・・・・・・」

携帯電話は、通じていた筈だったのに、連絡がつかなくなった。

捜しに以降にも、子供たちがいるが故に、捜しに行けない。

声が、確かに聞こえていた。

すずかと連絡を取り合っていた。

いつもと、変わらぬ声だったはずなのに、先ほどまで、いたはずなのに、今は、まだ、無い。

一人で二人の子供とじゃれる一人の父親。

「お母様・・・遅いですね・・・」

「あぁ・・・そうだな。」

「お父様、眠いです・・・」

「そっか。ころな、今は、お眠り。」

「はい・・・」

ただ、待つのは、愛する一人の妻の帰りだけ。

すずかの帰りを待っていた時、別の所から、力を感じた。

しかし、それと同時に、暖かい何かを感じていた。

「くっ・・・あぁ・・・」

突然、魔法陣が展開し、そこに現れたのは、制服を着て、傷一つ無い憐と、ボロボロのクロノだだった。

「クロノさん・・・?!」

「出血が、だいぶ、酷いわね。このままじゃ、死ぬかも。」

既に、死ぬという前に、燈也は動いていた。

おおよそ、察しはついていたとは言え、確かに、このままでは、死ぬ。

恐らく、敵の幹部と戦ったのだろうと、燈也は推測した。

シャマルが、すぐに、こっちにきたとき、シャリオ・フィニーノから、無線連絡が入った。

「どうした?」

「敵機出現です・・・既に、キャロが対処に当たってますが・・・」

「そうか。俺も、出撃しよう。それと、すずかは、そっちに戻っていないか?」

「いえ、まだです。それと、今回・・・今回の敵に・・・フェイトさんが・・・」

「フェイト?なのはもいるのか?」

対して、驚く事ではない。

何れ、戦うのだから、当然だと思っていた。

「いえ・・・それが、なのはさんもいなくて、バルディッシュも持っていないんです・・・」

「どういうこと・・・?映像を回してくれるかい?」

「はい・・・」

映像が、回され、燈也は、その今回の敵を率いている女を見た。

見た瞬間、自分は、戦えるのかと、自信を失った。

こんな事が、あるのかと、思ったからだ。

一度も、一度も、姿を見せたことが無い。

ただ、見たのは、本の、10年前、単なる、幻想の中で、幻想の中で、あの人の姿を見た。

嫌な感じがした。

殺さなければならない相手に、あの人がでたとでも言うのかと。

しかし、その人は、まさしく、幻想の中で出会った、あの人だった。

殺さなければならないのか。

敵としてであった分、敵を殺さなければない。

しかし、今の自分に殺せるのだろうか。

しかし、私には解る。

今の、燈也に、それは出来ない。















「さて、二人の娘がきたようだ。救うも、殺すも、あの子次第。」

「だって・・・助かるって・・・」

「桃子・・・」

リンディは、ふと、孫でもある、瑠璃を見た。

何か、震えている。

それは、ティアナも気付いていた。

「どどうしたの・・・?」

「恐いのです。なのは叔母様と、フェイト叔母様が・・・あの時以上に。」

兄が完全に覚醒したとしても、勝てるかどうか。

「そういえば、瑠璃・・・」

「はい?」

「お前は、話したのか?」

「何を・・・ですか?」

「あの子の最後の記憶・・・」

「いえ、思い出したみたいですが・・・」

「そう、か・・・」














老いも若きも、大人も、子供も、赤子も、炎に包まれ、死んでいく。

全てが、赤に染まり、京都全土は炎上した。

全ては、紅に染まり、鬼の血を滾らせる。

「お前等を・・・殺す・・・!!」

既に、鬼神化している、その、悠介の体。

今度は、巨大な鬼からなる者ではなく、いきなり、あの時、バラバと戦った時のように。

燃え盛る。

京都の名所といえる名所が、全て崩れ落ちていく。

京都が地獄絵図と化した、その瞬間。

悠介の中では、既に、牙が、人間の物ではない牙が生えていた。

鬼・・・

首を左右に、鳴らし、拳を鳴らす。

「フェイト・・・着てるの・・・?」

「アルフ・・・ダメだよ・・・」

ヴィヴィオは急ぎ、アルフを服の中に入れた。

今は、こうして、ばれないように。

「おい・・・よくも、やりやがったな・・・?」

地獄絵図と化した、京都。

今、悠介は炎の中にいる。

破壊の為に。鬼となった事で、口調が荒くなる。

いや、それ以上に、怒りが、悠介の中に充満しているといってもいい。

「この・・・虫以下がぁぁぁぁ!!!!何とか言ったら、どうだよ!?こらぁ!!!」

何も言わずに、なのはは、レイジングハートを構え、ディバインバスターを照射する。

「それが、答えか・・・!!」

片腕で、ディバインバスターを受け止め、事なきを得るが、収まりきれない、ほかの光は、悠介の上半身に着た服を燃やすが、その程度の熱さなど、それに勝る集中力で補えば良い。

仰け反る様子も無いが、事実、今の悠介は、そうしている。

それが出来るほど、あの時ほどの迷いもなく、目の前の敵集中できるほどの殺意を向け、力を抑えた、リミッターは徐々に、解放されつつある。

その証拠として、悠介の左半身に、刺青のような模様が出現する。

なのはの光を吸収しているかのように、見えた。

手に収束されていくディバインバスターの光を悠介は、空に浮かんでいる、なのはとフェイトに放出したが、簡単に避けられる。

しかし、それは、解っていたことだ。

それくらいは、解っている。

本当は、

「・・・!?」

いつの間に、フェイトの包囲網をかいくぐり、なのはの目の前に、悠介は、存在していた。

「早いって・・・言いたそうだな!!!」

なのはの前髪を、乱暴につかみ、そのまま、顎に膝蹴りを食らわせる。

何本か、抜けたが、それは、すぐに、鬼の血によって、燃え裂ける。

食らわせるのと同時に、口から、鼻から、大量の血が、悠介が降りかかる。

「バリアジェケットんところに、ダメージ与えりゃ、あんただって、人間だろ?そんくらい、俺でもわかる!」

さらに、至近距離で、先ほど、腕に収束された光を放出する。

直撃した瞬間、なのはは、吹っ飛び、フェイトがそれを庇う。

「らぁっ!!!」

瞳から、出たのは、光線だった。

黒い光が、一瞬にして収束し、なのはとフェイトを飲み込んだ。

庇った、一瞬の隙にだ。

「まだ、終わりじゃねぇ・・・!!!」

そのまま、空を駆け、光に飲まれた、なのはとフェイトをとらえた。

しかし、向こうとて、ただでやられるほど、愚かではない。

アクセルシューター、トライデントバスターの同時撃ち。

その軌道を読みながら、紙一重で、かわして行く。

辺りの地面が抉れていることに、一瞬、その二つに、かなりの威力があると言うことを、改めて、確かめる。

これは、危険だと。

右、左、上、下・・・最終的に、大地に降下し、火花を上げながら、ギィィィィィィと、と、言う、音を上げ、地面を抉るように、滑りながら、後退した。

後ろに屈み、陸上のクラウチングスタートを行う前の体制になり、滑り牙をむき出しに見ながら、なのはとフェイトを見た。

「っ・・・」

一瞬、痛みが走る。

その軌道を読んでも、紙一重で避けたとしても、微妙が、傷が生まれ始める。

しかし、今は、そんなものを気にしている場合ではない。

それでも、相手にダメージがあるようすが無いのは、顔以外に覆われた、バリアジャケットが、その身を守っているからだ。

悠介が、先ほどの体制から、足首のばねを使い、飛び上がる。

最初は、同じ部類で、明らかに剣の差は、こちらに分がある、フェイトから狙う。

「オラァァァァァ!!!!!!!!」

フェイトが、ライオットセイバーを構え、それを、あえて、悠介は、受ける形で、フェイトの拳に、17発の拳を入れ、その衝撃だけで、十分だった。

ライオットセイバーを突き刺しても、なおも、攻撃する体制に、何故か感情を表に出さない、フェイトも、一時的に動揺したように見えた。

しかし、そこに、隙がある。

防御が、確実的に高い分、衝撃を、その身に受けるが、その衝撃は、今の悠介の拳は、強い。

その後、頭部を鷲掴みにし草薙の剣で、フェイトの首をかッ切ろうとした。

「エィァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」

バルディッシュが、腹部に刺さっている形でだ。

今、悠介の鬼の細胞が、活性化している。

それによって、バルディッシュで突き刺されたことなど、単なる掠り傷程度の痛みしかない。

「魔力反応・・・でかい!?」

フェイトを突き放し、強大な魔力反応から、ヴィヴィオを守るために、動き出す。

「お兄ちゃん・・・あれ、ママの一番、凄い技だよ・・・スターライトブレイカー・・・!!」

広がりを見せる、桃色の魔力光。

それは、京都を焼いて人の憎悪が集まり、生まれ出た、モノノケのように、悠介は見えた。

とても、醜い光であると言える。

「スターライトブレイカー?」

たかが、邪悪な物。

悠介は、そのように捕らえた。

「そんなもん、俺が、超えてやる!!!」

「バルディッシュが・・・刺さったままだよ・・・?」

「こんなもん、いたくねぇ・・・!」

変わり始めている。

体は、血の赤で、濡れようとも、本人は意にも帰さなかった。

強がりじゃない。

本心なのだろう。

安っぽい軽い刃の二本の剣、突き刺されたくらいで、壊れるほどの、やわな体ではないということだ。

しかし、邪魔であることは間違いない。

そのまま、体から、二本の、剣を抜いた時、久しぶりに痛みというものを感じた。

血が、ドバッと、出てきたからだ。

しかし、その痛みなど、どれほどのものか。

「ッ・・・」

しかし、それも、簡単に、止めることができる。

出てきた血は、全て、露出している上半身や、顔に、化粧に塗り下る。

血化粧、さらに、草薙の剣を持っている右側には、紅い刺青が出ている。

地面に落ちた、その血潮は、既に、意志を持っているかのごとく、悠介の血の化粧に彩られていく。

それによって、悠介が、真なる鬼に見えるほどだ。

もう、ヴィヴィオの母親だろうが、なんだろうが、構ってる暇はない。

殺すものは、殺す。

そう決めたのだ。

今まで、ここまでの戦闘力を発揮できなかったのは、ヴィヴィオを悲しませるということが、どこか、糧となっていた。

しかし、今は、ヴィヴィオの母親である前に、故郷を焼いた、女二人であるということに、強い怒りを感じる。

故に、スターライトブレイカーなど、大層な名前をつけた魔術であろうとも、本人には、絶対的に弾き返す自信がある。

鬼の力が、バルディッシュのコントロールを無理やり奪い、ザンバーモードに変更し、記気腕である、右腕は、草薙の剣、左腕には、バルディッシュを装備している。

「ザコがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

所詮は、雑魚の放つ光。

気合一閃とでも言うべきだろう。

バルディッシュは機能停止したものの、二つの刃の一閃が、スターライトブレイカーを掻き消した。

そして、スターライトブレイカーの光に相殺されたが、地面が、10m・・・

巨大な、蛇が、進んだかのような半月上の月が浮かび上がっていた。

地面が爆発するほどの、凄まじい、斬撃が、全てを打ち消した。

さらに、その状態でありながらも、五体満足の状態で、さらに、余裕と言うものがある。

「軽すぎるんだよ。この剣。」

機能停止した、バルディッシュを、もう、いらない玩具のように、フェイトに投げ捨てる。

血化粧に、炎がバックになっている分、人から見れば、悠介が邪悪な存在に見える。

いや、この戦いに、正義も悪も存在しないのだろう。

「ヴィヴィオ、生きてるな?」

狐目で血化粧の悠介を見た瞬間、どことなく恐怖を覚えた。

一応、本人にしては、ヴィヴィオを心配しているのだが、ヴィヴィオにしてみれば、今、目の前にいる母以上に、悠介は邪悪な存在に見えた。

「うん・・・」

恐い。

正直な、ヴィヴィオの感想はそれだった。

「そうか。」

ある種、アレは、母の最大出力と言える、スターライトブレイカーをたった、一閃、しかも、余裕のあるような顔をまだ、している。

恐怖・・・

怯え・・・

邪悪・・・

「来いよ!!!殺人鬼ども!!!!」

インビジブルを使用して、敵は逃げた。

姿を消して、今は、一時的に戦線を離脱したということだ。

この相手に、どう、対応する。

敵を見つけ、今すぐ、刺し殺したい。

強い。

強い。

強い。

確かに、この男は強い。

しかし、邪悪だ。

何処か、力に飲まれそうな、いや、ヴィヴィオにとっては、何故か、死に急いでいるように見えた。

「お前だけは、助ける。」

「ママ達を・・・殺さないで・・・」

「お前が、見たいのは・・・俺の死か!?母の死か!?選べ・・・!!」

選べるはずもない。

出てしまった、一つの言葉で、何かが狂い始める。

何故か、何かが、狂い始める。

何か、嫌だ。

嫌な気がする。

頭を、かき乱し、平常心を保とうとするが、女々しすぎる、ヴィヴィオの声が、どうも、頭の中に、音叉のように、残る。

こんな、女など、いなければいい。

「いつまで・・・いつまで、現実を受け入れないつもりだ!!」

苛立ちと同時に、また、生まれる。

何か、このまま、殺して良いのかという感情が。また、一人の女に憑り付かれるのか。

そんな、弱い人間じゃない。

「俺は・・・お前に言われようが、殺す・・・!!」

そして

「俺のやることに、文句があるのなら・・・俺は、お前を殺す・・・!!」

もう、生かすも殺すも、全て、この男に委ねられていると言っても良い。

ヴィヴィオの命さえも、既に、悠介に握られていると言っても。

今、復讐鬼たるこの男には、何をおいてでも、あの二人の女をそれが、自分でも本心なのか、どうなのか、良くわからなかった。

ただ、口から出た言葉が、それだった。

それか、一つの覚悟なのだろう。

自分に言い聞かせる為の。

此処で、自分に負けるようなことがあれば、足かせとなっている、ヴィヴィオを切り捨てることによって、強くなれるのなら、そうする。

そのための覚悟。

「酷い・・・よ・・・ママたちだって、反省してる・・・殺す必要なんて、無いよ・・・!!」

ずいぶんと、的外れなことをいう女だと思った。

「そんなわけ・・・あるかよ・・・!!」

瞳の輝きが、いっそう増した。

見えないところに向かって、光線を撃ち放つ。

「はぁ・・・!!」

隠れているであろう部分に、光線を撃ち放ち、地面が抉れるほどの、光が舞い上がる。

「やめて!!殺そうとしないで!!」

甘い、そんな、ヴィヴィオを、許すことはできなかった。

ヴィヴィオの母である前に、悠介の前では、故郷を破壊しつくした、殺人鬼であると言える。

湧き上がるのは、殺意。

この女に対する、思いは、殺意。

しかし、ヴィヴィオの言葉で、実際に出力が落ちてきているのが解る。

それを見透かしたかのように、敵二人が現れる。

「・・・殺す。」

「悠介ぇ・・・!!」

「さわんな・・・!!」

触れられると、どこか、力が抜けていくような感覚に襲われる。

「強い・・・」

「強化・・・必要・・・」

第二形態は、単なる、お遊び。

と、言ったところなのだろう。

それは、そうだ。

まだ、悠介には、余裕があるし、向こうも、それなりに何かがある。

瑠璃が圧勝した者を倒したとしても、意味はないが、悠介の場合、さっきのヴィヴィオの一件から、力が抜けるような感覚があり、それが、怖い。

負ける気がする。

何かが、あるような気がする。

あの時、なのはと対峙した時も、迷ったのは、ヴィヴィオのことだった。

「やっぱ、あんだろ・・・?」

ヴィヴィオの中で、嫌なヴィジョンが、どこか、嫌なヴィジョンが流れ込んだ。

アマテラスにいってから根の国へ行こうと思って、アマテラスが治める高天原へと登っていく。

アマテラスはスサノオが高天原を奪いに来たのだと思い、弓矢を携えてスサノオを迎えたこと。

自分が、何れ、スサノオに、悠介に刃を向けるのではないのだろうか。

そのような、嫌なヴィジョンが、頭の中に入った。

ただ、今、自分が、そのヴィジョンを見た時、確かに、この時間の中で悠介を殺そうと思った。

母を殺すのなら、その前に自分が、悠介を殺すと。

殺せる自信は、何故かあった。

ヴィヴィオの中に、それはあったのだ。

「フェイト・・・ダメだよ・・・フェイトぉ・・・」

「アルフ・・・もう、目の前にいるフェイトって人は、おまえの主人じゃない。俺の故郷を焼き払った女だ・・・」

「アル・・・フ・・・ごめんね・・・」

「フェイト?」

「楽にしてあげる・・・」

機能を取り戻したバルディッシュをアルフに向ける。

「フェイトチャン、ヤラナクテイイヨ。ワタシガ、ヤッテアゲル。」

「アリガトウ。ナノハ。」

杖先端部に生み出した巨大な光球が、

「ブレイクシュート・・・」

4つの砲撃を出し、アルフに襲いかかる。

避ける気が無いのか、それを冗談とみているのか、アルフは動く気配が無かった。

悠介は、それを見て、エクセリオンバスターを着る為に、動いた。

「でも、完全に断っちゃえば、消えちゃうよ。」

「そっか・・・余興だね。」

意味深な会話。

アルフというものに対して、何か、解らない。

使い魔と聞いたが、その意味は、良くわからないし、考えている暇というものも無い。

「ちっ・・・!!」

草薙の剣を使い、一つの砲撃を適切に対処し始める。

力が、落ちた感覚は本物なのだろう。

どこか、一発の対処に時間がかかりすぎている。

「くそっ!!」

徐々に、押され始めている。

三つは、破壊。

あと、一つ。

あと、一発の対処。

しかし、それを対処しようとした時、何故か、体が動けなくなった。

「ちっ・・・!」

敢えて、それを、身に受けようとしたが、ぎりぎりで、左腕で、それを受けた時、左腕が、粒子となって、消滅した。

「はぁ・・・はぁ・・・ちっ・・・」

左腕の再生は、出来るものの、先ほどの攻勢から考えれば、明らかに再生は時間の無駄だ。

そして、ヴィヴィオと、アルフという名の荷物がいることすら、先は、負担にならなかったものの、今は、負担になっている。

アルフは、守れたものの、既に、弱っている、このアルフは、何をするかわからない。

「なのはママ、フェイトママ・・・やめて・・・!!私だよ?ヴィヴィオだよ?」

なぜ、そこまで、大罪を犯したと言うのに、

「お前たちは、庇うんだよ・・・!!理解出来ねぇよ!!俺には!!」

体が、反応し、奴らを殺すために、悠介は動き出す。

刀を振り下ろそうにも、自分の中で、迷いが生まれた。

自分は、こんなに、一人の少女の言葉に揺れ動かされるほどに弱い人間なのか。

攻撃しようとするたびに、決定的な打撃を与えられない。

自分のダメージが浅いのも、そういうものが関係しているのだろう。

「なのはママも・・・!!」

何か、独特の狂気に近いものがある。

しかし、それでも、何かがたりない。

強い。

外見的には、第二形態。

ならば、既に、中身は、第三形態と言っても良いだろう。

「光あれ。」

なのはとフェイトが、突然、そのようなことを言い始めた。

こうして、光があった。

なのはとフェイトに降り注ぐ、秘取るの強大な光が。

既に、あの、光線を撃ち続けている間に、中身は、第二形態から、第三形態に変換していたのだろう。

しかし、今一、実感というものが無い。

その奥にある恐怖というものがある。

それでも、

「殺せるときに・・・!!」

自分の力が、発揮できていないのは、自分がよくわかっている。

ヴィヴィオによって、狂っている。

「無粋なのは・・・」

「嫌い・・・」

斬撃が、二人の張った、バリアのようなものに、邪魔される。

第三形態というのは、単に、二人の外見ではないと、あの時、衝突したときに悠介は理解した。

あの時なら、この程度のものは破っていたと、過去に縋りつく。

「アルフ!?アルフ・・・!?」

「どうした・・・!?」

また、面倒事かと、舌を打ちヴィヴィオとアルフの前に立ちながら、左腕を再生させる。

「弱ってる・・・」

「弱ってる・・・?こいつの、エネルギー供給源は?」

「フェイトママ・・・供給が断たれると、消えちゃう・・・」

既にフェイトが、その所有権のような物を切り離したという事だろう。

後は、消えるのを、待つだけだ。

「そうか。」

自立させることができる。

あの時、祖母に触れて思い出した。

「アルフ。」

正気は保っていない。

ここで、正気にするのなら、一つの手がある。

「え・・・・・・?」

「俺の血を飲ませる。」

「お兄ちゃん・・・何を・・・?」

言っている。

突然、血を飲めと言う行動に理解などできはしない。

神人の血は、言わば、神の血。

「大量の神が眠っている俺の体の血は、人間の者じゃなくなっている。」

神人と呼ばれる人間は、血が人間メインで構成されている。

それ故に、身体のダメージに関する、回復は、一度だけである。

燈也の心臓が、アヤに刺されても、その後復活したのが、例による一度きりの回復のポジションだ。

たった、一回きりではあるが。

しかし、悠介の場合は、それが、力がある限り、何度も使用できる。

それでも、体力は、人並み以上に使い、時間がかかることになるが。

今の修羅と化した悠介になれば、体力消費はそのままであるが、時間ははるかに短くなる。

先の爆発的な内蔵修復速度は、完全に、これによる恩得である。

神の血に変換された、その血を飲んだ、人ならざるものは、より神格化されると言うものだ。

ありとあらゆる、制約を解き放ち、今まで以上の力を発揮する。

どこか、贄ノ血を髣髴させるが、原理は、それと同じだ。

「完全に自立させる。完全に。」

戦力は、多いほうがいい。

自らの血液を採取し、無理矢理、アルフに、血を飲ませた。

飲ませた直後に、アルフが、苦しみだしたのを、放っておいて、目の前にいるであろう、敵を見る。

壊せない、殺せない。

その苛立ちが、自分の中にあった。

「ヴィ・・・ヴィオ・・・」

「アルフ?」

「悠介を怨んじゃダメだよ・・・」

「え・・・?」

「アイツの血を飲んで・・・解った・・・アイツ、これで、二回目なんだ。この体験は。」

徐々に蘇ってくる。

自分の記憶。

思い出す。

この、炎の光景。

あの時は、断片的な記憶であった物の、今回は、完全に、読み絵がってしまったといっても良いだろう。

あの悪夢を・・・

故に、それをまた、見せた、この女二人を悠介は怨む。

「くっ・・・」

徐々に、変わり始める。

あのときの記憶から、何かが、蘇り始めている。

「くっ・・・!!」

バサッ・・・!!

全ての、今の鬼神の形から、鬼のような、燈也とは対照的な悪魔的な翼が生える。

鬼神のような、姿から、新たに、翼が生えるのだから、それは、正に、悪鬼神・・・しかし、それこそ、正に、スサノオの姿なのだろう。

鬼神の紅い眼、体に刺青のような模様、鬼のように鋭い爪、牙、そして、翼・・・

「悠介お兄ちゃんが、悠介お兄ちゃんじゃない・・・」

「それだけ、アイツは、起こっているんだよ。下手すれば、フェイトも、なのはも殺すかもしれない。」

そのための

「ヴィヴィオなんだよ?」

「え・・・?私・・・?」

「後、月の女神がいれば、いいんだけど・・・悠介、あいつは、暴走してる・・・ヴィヴィオのお陰で、抑えてきているとはいっても・・・やっぱり、それでも、怒りが強いんだよ。」

やはり、今の彼に必要なのは、

「月の女神・・・」

悠介の血を飲んだとことによって、ある程度の記憶をアルフは、共有した。

「うぇ・・・」

人が焼ける臭い。

やはり、慣れないものだった。

生きていたものが、突然、命の花を燃やし、人と思えないほどに、強烈な臭いを発する。

周りの、有機物が燃えていることと、人が燃えているにおいで、余計で、鼻につく。

ヴィヴィオは、アルフに、臭いを消して貰っているものの、鼻の利く、アルフにとっては、鼻がもげそうな異臭だった。

あぁ、思い出している。

確かに思い出していたのです。

この男は、全てを、思い出そうとしていたのです。

鬼の姿でありながら、嘔吐を繰り返し、頭の中に蘇ってくるのは、かつて、自分がいたものの仲・・・

思い出されるものの中、見たものは、かつての自分の仲間が炎に焼かれる姿。

そして、殺される姿。

姉妹兄弟のように過ごしてきた仲間達が、全員死んだ。

殺された。

この、人が焼け死ぬ光景のように。

漂う、人の体から出た硝煙が、気持ち悪かった。

皆、殺された。

殺される姿が、脳内で、写真のように、一枚づつ、血の色まで、殺され方まで、活動写真のように再生される。

全ては、このような似た光景から、作り出された。

思えば、やつらは、戦士だった。

死は、覚悟していた。

それでも人の死を見るのはいやだった。

それが、家族同然に過ごしてきた奴等の死なら、当然の事だ。

そして、今、今もなお燃えているのは、自分の故郷である、京都。

京都に生きる、全ての人間の全ての炎上が引鉄となって、あのときの、仲間の死を思い出す。

そして、今回は、何の罪もない子供や、老人、そして、再会した友人、ただ、この平穏を満喫していたい人間たちまで、巻き込んで、奴等は殺した。

燃やして、人が、苦しむ殺し方の一つで。

全てを燃やし尽くし、悠介に与えたのは、強大となる、復讐の炎。

ふと、見れば、逃げ送れた人達は、腕や足、胴体を切り離されたり、瓦礫によって、潰されたりし、助けを求めて、熱い炎の中で、助けを求めて死んでいく。

地獄だ。

そんな、地獄の中で、結果的に、迷いの無い、憎しみの力で、悠介の力は、完全覚醒されつつあった。

時間が無いとは言え、覚醒を成功させたことによって、一応は、京都府全府民の犠牲を持って、スサノオは覚醒する事になる。

ヴィヴィオの母親であろうとも・・・許すことの出来ない、この我が憎しみの炎。

「貴様等・・・絶対に・・・・・・殺してやる・・・ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぅぅぅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

スサノオは、周りの炎が、さらに舞い上がるほどの雄叫びを、上げた。















「やはり・・・心痛む・・・」

しかし、覚醒させるには、この手段しかない。

死んだ者達の冥福を祈りながら、天霊は、ただ、祈る。

無事に、極楽へと辿り着けるようにと。


「死ぬ・・・叔母様達が死ぬ・・・」

「瑠璃ちゃん!?」

「お兄様の力は、消える者かと思っていました・・・でも、これは・・・ティア・・・感じるでしょう?お兄様が、禍禍しく・・・」

「うん・・・進化してる・・・悠介が・・・怒り、憎しみ、怨恨、全て、あのこの力になったか・・・このままでは、そなた達の二人の娘は、死ぬ。良くて、相打ち・・・」

「ティア・・・?」

「いえ・・・私は、ツクヨミ。お久しぶりです・・・おばあ様。」

「そうね。知世。」

「知世さま・・・!?」

「瑠璃・・・生きましょう。あのこの力を、邪から、本来の物に変えるために。」

「そんなこと・・・」

「私は、できる。」

知世は、瑠璃の手を取り、そのまま、此処から、抜け出していった。

「天さん・・・なのはさんたちが・・・」

「そんな・・・」

「事実だ。しかし、これは、ある種、5分と5分の賭け。まだ、あの二人が助からないと決まった訳は無い。」

すべては、月の女神次第。

しかし、その二人を、なのはとフェイトを純粋であるが故に、生かすことを許さない、二人がいた。

「「悠介様は、助けなきゃいけないの。」」

「でも・・・」

「フェイトお姉さまと、なのはお姉さまは別・・・」

「「あの二人は・・・」」

「ママたちを・・・」

「虐めたから・・・」

「心配させたから・・・」

「「桃子ママを泣かせたから・・・」」

最も許せないこと・・・

「「殺さなきゃいけないの。」」

セレスとエリス・・・この二人が、残酷な事を言うのは、全て母のため。

マザーコンプレックスが、一番強い、生まれたばかりの時期に、急な成長を遂げた二人は、魔法の扱い方と言うのが、自然と解っている。

全ては、自分達が最も愛している母が愛した、自分達の姉が、自分達が最も愛している母に心配をかけているというだけで、純粋すぎる、この二人には極刑物なのだろう。

「大丈夫だよ。桃子ママ。」

「お姉ちゃんたちがいなくても、私達がいるもの。」

何が起こっているのか解らない、二人の母親に、二人の生んだ娘達は、優しく抱きしめる。

一見、家族愛に見えるこれも、歪んだ愛情であるといえるだろう。

そして、この二人の歪んだ愛情は、悠介に憎しみの力を与える事になる。














「ぐるるるるるるる・・・・・・・・・・」

そのように、唸っているように聞こえた。

より、鬼に近い形になろうとしている。

憎しみに囚われた、鬼神スサノオ・・・

「彼等は、いるべき存在だった・・・」

「でも、従わなかった。」

「「だから・・・」」

照射された光が、解放される。

「「仕方なかったの。」」

もとより、二つあった影が、一つとなっている異様感。

ヴィヴィオは、その二人の姿に恐怖を覚えた。

なのはであって、なのはでなく、フェイトでフェイトでない。

言葉にするのなら、なのはであって、フェイトであり、フェイトであって、なのはであるという表現方法のほうが正しい。

「私は・・・ウリエル・・・」

フェイトとなのはの声が、重なって聞こえるように見えた。

「ウリエルの・・・アンゲルスノイド・・・」

かつて、戦っていた、敵の種族の名前を総称して、悠介はそう呼んだ。

テスタメント・・・いや、神人同様の強さを誇る。

アヤ・スカリエッティも、このアンゲルスノイドから創られた。

神の御前に立つ四人の天使の一人。

ウリエルという名前は、「神の光」を意味する。

『アンサラー・・・』

神の光は、悠介達を脅迫するかのように、後方に、光を撃ち放った。

それと同時に、光の波と、地面が抉れるように、飛び上がり、その威力を震撼させる。

いや、それは、

「塞がれた・・?!空間断裂防壁・・・」

「ウリエルか・・・瑠璃、時間がかかるが・・・手を貸して欲しい。」

「解りました。知世様・・・」

全ては、防壁の意味をなして、此処に存在している。

「ヴィヴィオは、隠れてて・・・」

「うん。アルフ、無茶はダメだよ。」

「解ってる・・・」

神秘的な何かを身に纏いながら、悠介の隣に獣は立った。

「俺は、殺すよ?」

「私は止める。でも、ダメージは与えるんだろ?それまでは、共同作業だよ。」

「そうだな。」

既に、足は動いている。

「ディスカティルス・・・」

恐らく、あの二人の持っているデバイスが、その、名前なのだろう。

その名を聞く前に、アルフと悠介は既に動いていた。

「ディバインアンサラー・・・」

照射された、光の砲撃は、一時的ではあるが、どこか、奇妙なものがあった。

一瞬、撃たれた後の残光の中で、何かが変わった。

「空間断裂か・・・!!」

アレを喰らい、もっていかれれば、同じ物をくっつける事が出来なくなるのと同時に、自分の何かも持っていかれる。

とは言え、悠介の場合は、別物であるが。

ここで、注意すべきは、アルフとヴィヴィオ。

この空間断裂まで起こす、光で、何を行うか、わかった物ではない。

「纏え・・・鬼神・・・!!」

足をバネにして、悠介は、敵に向かって、飛び上がる。

ある程度、敵の攻撃を呼んでの行動だろう。

自分の身、黒いオーラに纏われている。

アクセルシューターなどと呼ばれるものは、全て、この男の前では、鬼神の前では無力。

両の腕で、草薙の剣を持ち、刀身に黒い、邪気のような物が入り込んだ。

黒く身に纏い、それは、巨大な何かを造りこむ。恐らく、それは、悠介の溢れる気迫、力、怨恨。

その全てだろう。

「無限絶薙ノ太刀・・・!!」

太刀は、強大なまでに伸びる。

それこそ、言葉どおりに、無限と言う言葉が相応しい。なんと言う、おぞましい中で生まれる、美しいエネルギー体だろうか。

黒い鬼神を纏ったかのように、正に、黒い、邪悪なエネルギー体そのものが、今、此処にあろうとしている。

悠介自体、あの二人は、完全に消すつもりでいる。

此処で、完全に、破壊する。

全てを、完全に破壊する。

その意思が、具現化したのかのように、その刀身に纏う力は、まさに、悪鬼神といってもいいほどにまで、恐ろしく、気高いとでも言うべき物に近い。

修羅といえば、正に、その力の象徴は、修羅なのだろう。

ヴィヴィオは、その光景を見て、身震いする。

そして、黒の中にある、美しさの中で、身を委ねたくなる。

なのは以上に、いや、ウリエル以上に、恐ろしいほどの空間断裂を起こすほどの、異様なものに。

そこに、エネルギーの束があるだけで、辺りの空間が、破壊され始めている。

母の制止よりも、それに見とれるほどの、強大な力だった。

アルフに至っては、そのような物をいきなり、出してくるとは思わなかった。

故に、対処の使用が見つからない。

刀身から、外れて、より、巨大な黒いエネルギー体が恐ろしかった。

飛び上がったときからだった。

地上との距離から距離が開くたびに、刀身の光が、大きく伸びる。

さらに、刀身の横幅が、より、太くなる。

横幅、100cm・・・地面から、悠介までの距離は、おおよそ、100m・・・恐らく、横に振るうときは、より、強大なものになるだろう。

より、強大で、恐ろしいほどにまで・・・その達は、正に、神の使いとでも言うべきだろうか。

神の持つ、神の刃とでも言うべきなのだろうか。

それが、スサノオ。

それが、草薙の剣のシンの威力なのだろうか。

この、破滅した京都の前に、鬼として、そこにいる悠介は、その力を得るにまで、憎しみの力をその身に宿したといってもいいだろう。

その全てを伸ばし、一定時間、全身の筋力や、一時的に全ての潜在能力を解放し、全力を込めて横振りした。

「スターライトブレイカー・・・オメガ・・・!!」

展開されたのは、無限に近いブラスタービット。

それを、無限に近いほどの数を一瞬で、召喚した。

さらに、雲の上に、ウリエル自身を作り出す。

ディスカティルスから、「スターライトブレイカー」をレイジングハートから放つ。

同時に無限に展開されたビットからも同じような魔力エネルギーが放射される。

それを、降下してきた、ウリエルが受け止め、全てのエネルギーを吸収し、炎と化して、悠介に、突撃する。

天使と鬼神・・・いくら、四大天使と言おうとも・・・言われようともだ。

「狂ってやがる・・・二人とも、私に、こんな力を含めた、血を飲ませたって言うのかい!?」

あの二つから、完全に守るほどの力くらい、あるはずだ。

このままでは、ヴィヴィオを巻き込む。

故に、ヴィヴィオの盾となった。

「照射・・・!!!!」

「ザァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!!!!」

ぶつかり合う、強大な二つのエネルギー・・・漏れた、エネルギー余波は、激震を呼び、ありとあらゆる水を呼び出し、側は、暴水し、防波堤を破壊、ありとあらゆる者まで、破壊し、飲み込み、天へと昇るかのごとく、上昇する。

竜巻さえ、起こし、空間断裂の防壁を破壊し、全てが露になった。

その名のとおり、無限にまで、大地を抉り取り、全てを薙ぎ払う物なのだろう。














「何だよ・・・これは・・・」

「ぶつかり合ってる・・・アルフ・・・あの二つは、同じ、破滅の光・・・ダメ・・・何とかしなきゃ・・・」

「ヴィヴィオ・・・!!」

「アマテラス・・・!!」

「瑠璃お姉ちゃんに・・・ツクヨミ・・・さん?」

無駄に力を利用し、破壊する手間が省けたというべきだろう。

しかし、この状態はなんだ。

「にい様・・・ごめんなさい・・・」

「瑠璃・・・お姉ちゃん・・・?」

「今は、弁明している場合ではない・・・悠介が勝利しても・・・」

暴走する。

そのために、

「ヴィヴィオ・・・あなたを、一時的に解放します。」

「え・・・?」

言われた時、既に、アマテラスを発動させる、魔法陣を描いていた。

それは、参柱と呼ばれる、同一神の一人である、ツクヨミの血で、形成されていた。

「あくまでも、これは・・・一時的なもの・・・本来の出力の半分です・・・良い?ヴィヴィオ。」

「うん・・・お姉ちゃん。」

儀式・・・開始。














「ウォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!」

僅かに、ウリエルから、亀裂が見え始める。

咆哮とともに、空間が、ガラスのように割れ、ウリエルにも亀裂が入る。

「消えろ・・・!!!!!」

ガッ・・・ガッ・・・大地は、いとも簡単に、切り裂く事が出来る。

しかし、このウリエルだけは、大地ほど、簡単にいかない。

「ぐっ・・・」

全身のバネは、いつでも、斬れるような体制に入っている。

腕のばねは、限界以上に伸び、腰のバネは、全て、限界まで、回っている。

ピキッ・・・

「ふっ・・・」

邪悪な、笑みを、悠介は浮かべる。

ウリエルの体に完全に食い込んだ、その時だった。

「助けて・・・!!お願い・・・!!」

ヴィヴィオの・・・

「母親の声かぁァァァ・・・助けてやるさ・・・」

ふっと、笑い、悠介は言った。

「そして、100年ご、ヴィヴィオに会わしてやるよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

貴様を斬る。

京都、全ての人間を殺した命、貴様の体で・・・

「刻み込む・・・!!」

すべての体が、元に戻るような感覚を覚えた。

そうだ。

これは、全てが、もとに戻った。

そして、ウリエルを完全に切り裂いた。

あぁ、終わった。

ウリエルを切刻み、あの二人の肉を切り裂いた、感覚はあった。

大地に、悠介は降りた。

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!」

エネルギーは、全て、悠介の中に収まり、剣を持って仁王立ちし、悠介は吼えた。

勝利した・・・そう、思ったときだ。

「・・・!?アルフ・・・どういうことだ!?」

巨大化・神獣化したアルフが、二人を既に、別の場所に移動させていた。

アルフの上に乗っているウリエルは、気を失っていた。

「これで、終わりだよ?もう、良いだろう?」

「馬鹿か・・・そいつを生かしておけば、また、災いが増える。今度は、京都だけではすまない事くらい、わかっているだろう!?」

「聞こえなかったのかい!?この、ウリエルから・・・なのはとフェイトから助けてって、声が、聞こえてきただろう!?」

「聞こえた。だから、もう、魂を・・・人を殺さないように、あの世へ送る事で、助けてあげようとした。」

「殺しちゃ、意味無いんだよ!!ヴィヴィオだって・・・!!」

「たった、一人の人間の感情に動くのか!?そいつは、敵に洗脳された、残虐な殺人マシーンだ!!」

「違うんだ・・・操られているんなら、元に戻す事だって・・・!!」

「甘いんだよ!!もう、敵は、殺さなきゃいけないんだ!!その二人を殺さないと、俺が、狂っちまう!!お前だって、殺しちまうぞ!?」

全て、そうなるように仕向けた。

「いいえ・・・スサノオ・・・違うわ。」

「アマテラスか。」

背後には、アマテラス。

そして、銀髪の女と、妹である瑠璃がいた。

銀髪の女は、ツクヨミ。

「アルフ、そいつを寄越せ・・・!!」

「何で、殺すことしか、考えないんだい!!」

「アァァァァルゥゥゥゥゥフゥゥゥゥ!!!!!」

蘇らせた事に、恩を売るつもりは無い。

しかし、その場で、あの辺りだけは、此処で味わった人間の痛みを覚えてもらいたかった。

それが、死だ。

再び、邪気を纏い、悠介は動き出す。

しかし、それを、別の暖かさが止めた。

「アマテラス・・・ツクヨミ・・・!!俺は、あいつに、あいつの主にも・・・!!」

「お前の力は、憎しみの力なのか?悠介。」

「ダメだよ。そんなことしたら。」

何故、自然と、力が抜け始める。

こんな者は、望んではいない。

「大丈夫。」

「何がだ!?」

目の前に、殺すべき獲物がいるというのに。

しかし、抵抗は出来なかった。

アマテラスと、ツクヨミに、内側にある、今の悠介の力の源である邪気が全て、消えうせようとしていたからだ。

アマテラスの全てを優しく照らす光と、ツクヨミの個人を慈しむ光が、邪気を浄化する。

それと同時に、アマテラスと、ツクヨミの血で作られた結界と、陣。

それが、悠介の絶対防御。

「殺すのかい・・・?」

確かに、アルフにも思うところがある。

操られているとしても、なのはとフェイトは確かに、償いはしなければならない。

悠介に委ねるべきなのだろうか。

しかし、殺してはならない。

生きて、罪を償わせなければならない。

アルフは、そう考える。

悠介に渡せば、殺す。

自分は、どうする。

そう、思ったときだった。

体に、激痛が走るのと同時に、前方に、光が照射された。

「なのは・・・フェイト!?」

「アルフ・・・助けてくれてありがとう。でも、あの子の、言うとおりだったね。私達は・・・殺すべきだったよ。」

血を出しながら、純白のウリエルの体に、紅い鮮血が見事に入った。

「言っただろ・・・アルフ・・・!!」

放出された光を、悠介はアマテラスとツクヨミを守るために、エネルギーフィールドを展開した。

しかし、邪気を纏っていないためか、簡単に破られ、腹部に、穴が開くと思ったときだ。

別のバリアが、悠介を守っていた。

「はぁ・・・はぁ・・・死ぬつもりか・・・!?」

「いえ・・・あなたの中にある、憎しみの力を、本来のあなたの属性に変えているだけ・・・」

「そうすれば、超神武装も行える・・・」

「超神・・・武装?」

聞き覚えはある。

しかし、今は、

「悠介は、99%覚醒している・・・」

「残りの1%は、貴女の本来の力じゃないと、意味が無いの。その1%は貴方の本来の70%の力に相当するわ。」

邪気ではない、本物の、力でなければ、意味が無いのだ。

故に、二人は、今、悠介を守っている。

殺したい、相手が目の前にいるというのに。

殺せない。

「邪気はダメ・・・悠介。」

「ツクヨミ・・・あんたは・・・」

「だったら、はやくしてくれ・・・!!」

でも、

「そうさせないよ?」

「俺に、殺す・・・殺人マシーン!!」

悠介の中に、入るな。

鞘の中に入った、草薙の剣が、ディスカティルスを真っ二つにしていた。

「悠介!!まだ、でるな!!」

「殺されちゃうよ!!」

自分が、遅くなっていることはわかる。

しかし、それでも、殺すことができる。

「それが、貴方の抜刀の速度?」

「遅すぎる・・・かな?」

「何!?」

急ぎ、ガードの体制を取った後に、ウリエルの攻撃を受けた。

「グッ・・・!?」

自らの体から、鮮血が出ていることに気付く。

「まさか・・・!!」

先ほどの力を出そうにも

「ぐぁ!?」

それが、

「うぉぉぉ!?」

でない。

全身が、切刻まれている。

「ライオット・シルヴァレイナ・・・」

「ぐぁぁぁぁぁ!?!?」

まだ、生きている。

自分が、生きている事ができる。

生きている事を、確認する事ができる。

自分が助かったのは、攻撃力よりも、連撃を重視した、剣であるが故の事だろう。

「ち・・・!!」

そして、止めの一突きを行おうとした時、悠介が、それだけは、抜刀で受け止める。

しかし、右足が、切り落とされ、左肩から、全て、抉り斬られていた。

「ぐぉぉぉぉぉお!?」

さらに、巨大な杭を、腹に、両足に突き刺さり、大量に血をまき散らす。

三途の川が、頭上に入り込む。

「別に良いんだよ?再生しても。でも、今の貴方に・・・勝てるのかな?」

「再生したら・・・より、力を使ってしまう、貴方に・・・」

「「ふふふ・・・」」

フェイトと、なのはの声が、重なり、いやな不快感を与える。

悠介は、良いように笑われて、不快感を押し殺す事が出来なかった。

あの時、完全に、殺していれば、勝てたというのに。

「スサノオ・・・此処で、貴方を・・・」

「終わらせない・・・!!」

「出力が7割しか出ていない、貴方に、勝てる訳が無い。」

ティアナ・ランスターの体では、他人の体であるが故に、まともに、戦う事ができない。

「どうかしら・・・勝てるかもしれないわよ・・・?」

「いえ・・・つくよみ様は、お下がりくださいませ。」

「そーだよ。悠介の回復に、専念。」

「しかし・・・!!」

「大丈夫です。死ぬつもりはありません・・・アルフ・・・!!」

「あぁ。瑠璃。」

「ティアを宜しくお願いします・・・」

瑠璃は、自らの刀を構え、そして、アルフは、本来の力が発揮できるようになった、神獣形態となりて。

「解った・・・」

悠介を抱きかかえ、魔法陣に連れ戻す。

「・・・ごめん・・・」

「良いわ・・・その、貴女の無茶を許し、愛するのも、私の役割よ・・・」

悠介は、魔法陣に入り、素直に、ツクヨミに詫びた。

今は、己の力を帰るべきときだと、はやる気持ちを改めて、抑えた。

「ヴィヴィオ・・・ごめん。」

「大丈夫だよ。今は、お姉ちゃんと、アルフに任せよう。」

「あぁ・・・」

「悠介・・・五体満足にして。」

「解った。」

改めて、集中し、切り離されたパーツを生やした後に、後一つ、やるべきことがある。

突き刺さった、三本の杭を抜くことだ。

このまま、三本同時に抜けば、確実に出血多量で死ぬ。

そうでなくても、先ほどの、ウリエルの技で血を大量に出したのだから。

神の力を持っているとはいえ、所詮は、この程度かと、自嘲気味に笑う、自分がいる。

「先ずは・・・左足から・・・」

悠介は、その杭に触れた。

抜こうと思うたびに、激痛が体全体に溢れるようだった。

「ぐっ・・・!?」

「私が、悠介の傷口を塞ぐ・・・先ずは、この一本だ。」

「解ってる。」

生きるために。

生きる。

生きる。

生きる。

如何なる、激痛にも耐えて、今は生きる。

「グッ・・・」

全身の毛穴と言う毛穴から、汗が吹き出てきた。

それと同時に、この痛みを、後、二回も受けなければならないのかということを思い知る。

「おぅぇ・・・・・・・」

先ほどから、嘔吐を味わい、前に京都で食した物が、一気に口から流れ出た。

貫通している事に、相手の凶悪さを思い知る。

「くっ・・・うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

左脚に刺さった、杭を勢いで抜いた後、一瞬、貫通した、穴の開いた、自分を脚を見た後に、血が、一気に流れそうな感覚を覚えたが、タッチの差で、ツクヨミが傷を塞いだ。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

まともに、言葉を発する事が出来ない。

相手の凶悪さが、滲み出ていた。














「ウォルカ・ハウリング・・・!!」

「!?」

神獣の咆哮が、ウリエルを拘束し、

「氷血閃・・・連牙!!」

魔法陣の上から出現した複数の氷の杭が飛び、ウリエルの心臓目掛けて、飛ぶ。

「ちい・・・!!」

拘束を解き、透き通るかのような、氷の杭をウリエルは、後方に逃げて、速度を殺しながら、杭を破壊したときに、こう東部から、直撃が来る。

「ぐぁはっ!!」

「フェイト、なのは・・・私は、二人を殺せない・・・!!だから、戻ってきて、おくれよ・・・!!」

「アルフ、無駄です・・・!!」

「あんたまで、フェイトを殺すっていうのかい!!」

瑠璃から、言われた言葉に、殺気があった。

破壊された杭から現れたのは、小型の氷のナイフだった。

「氷刀・・・閃牙・・・・!!」

固定砲台に近い立ち位置で、接近戦はアルフに負かせ、自分が、確実に狙撃で相手を貫く。

せめて、兄の味わった痛みは、

「受けていただきます!!」

召喚された、氷で出来た、各刀剣は、様様な形に作り変えられ、ウリエルに向かって、放出する。

「トライデントスマッシャー!!」

三つの光が、刀剣によって、精製された、氷の龍と戦うも、次から、次へと、氷が形作り、無意味な破壊となる。

それに気付いた、ウリエルは、ただ、逃げるのみ。

ほぼ、無限といってもいいだろう。

精製される時間は、0.1秒とかから無い速さだ。

「くっ・・・!!」

上昇、ジグザグ・・・全ての動きを読んだ後に、アルフの拳も避ける。

しかも、刀剣たちは、追尾性と来たから、厄介な物だった。

しかし、その間にも、動き、逃げながら、徐々に、遠回りながらも、ウリエルは瑠璃に近付いていた。

龍のような形をした、刀剣から、逃げると同時に、破壊するのと同時にだ。

「氷刀龍・・・旋風・・・!!」

龍を操作し、買い手を加えながら、相手を抉り食い殺そうとする龍・・・

しかし、瑠璃は、気付いていない。

ウリエルが、近くにきていることを。

「ライオット・・・エクスプロージョン・・・!!」

デバイスが、紅き刃に姿を変え、瑠璃に、振り下ろしながら、降下した時だ。爆発する事無く、ウリエルの体は、凍りついた。

「ふぅ・・・かかりましたね・・・アルフ・・・!!」

「あぁ!!ツイン・ファング!!」

自らの牙を媒体とし、二本の刃を作り出し、その手に持った。

「ふぇいと・・・!!なのは!!痛い思い・・・してもらうよ!!」

その刃が、凍りついた、ウリエルに当たろうとした時だった。

「ふふふ・・・甘いよね・・・フェイトちゃん。」

「甘いよね。なのは・・・」

「「アブソリュート・・・スターライトブレイカー・・・」」

ウリエルの凍ったからだが、溶け、さらに、輝き始める。

「「まさか!?」」

ウリエルが、自らの体から、放出した光は、瑠璃も、アルフも破壊した。

一瞬、何が起こったのかが、解らない。

しかし、自分が、かなりのダメージを受けているのは解った。

しかし、自分が落ちている事くらいはわかる。

落ちる前に、まだ、やることがある。

歯を食いしばりながら、思念と眼だけで、龍のコントロールを行い、食い荒らす。

「片腕だけでも・・・!!」

まだ、余った力で、氷の龍を片腕に落とした。コントロールする中で、既に、落下する体の事など、考えていない。

しかし、そこに、アルフが瑠璃を乗せる。

「人間風情がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

片腕を持っていくことは出来た。

うねうねと、神経のような物が、切れた腕を求めるかのように、蠢いていたのを見たとき、一瞬、瑠璃は、良しと思った。

しかし・・・

「アンゲルスノイドたる私を甘く見るでない!!!」

再生・・・再生・・・

「ちぃ・・・!!」

再生・・・食ったはずの腕が、再生された。食ったのと同時に、瑠璃の集中力が切れ、龍も消える。

「くっ・・・」

やられた。

一糸報いても、部分再生が瞬間的にできるのが、アンゲルスノイドの強みである。

一瞬、兄へと眼をやったと、最後の杭が、今、抜かれようとしていた。

そして、準備は、力の変換は、全て終わっていた。

後は、最後に、杭を抜くだけだ。

後は、残り少ないスタミナで、どうやって、相手と戦うか。それだけだ。

「にい様が、最後の杭を抜き終わるまで、アルフ・・・!!」

「解ってる・・・!!」

化物だった。

ウリエル。

改めて、倒せるのは、悠介しかいないと、アルフは踏むしかなかった。

「やっぱり・・・」

フェイトとなのはの死を見なければならないのか。

何かが、引っかかる。

しかし、それは、乗り切らなければならない。














「こいつが・・・一番の山場だな・・・」

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

生きよ。

殆どは、もう、抜かれている。

抜いた後の杭には、血が、べっとりとついていた。

もう、杭の先と腹板はほぼ、同じ位置にある。

聞こえるのは、瑠璃たちの声。

苦戦している。やられている。

「ヴィヴィオ・・・一気に抜け・・・」

こればっかりは、自分一人で出来るわけが無い。

精神を集中させる。

その間に、知世に治してもらい、自分が、ただただ、二人を当てにする。

そうするしかない。

後は、全てを、二人に委ねた。

「ぐっ・・・」

ヴィヴィオが、それに触れたのが解る。

触れただけで、自分に痛みが走る。

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

ただ、只管自分に暗示をかける。

「はぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「うぉぉぉぉぉ!!!!!」

ヴィヴィオが引っ張る仕草を行い、悠介はこのときだけは、気合で、耐えるヴィヴィオが、勢い良く、引っこ抜いた。

「ぐアァァァァァ!!!!!!!!!!!」

引き抜いたのと同時に口から、大量の血が湯水のように溢れ出た。

これで死なないのも、スサノオの恩得と言える。

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

生きよ・・・

知世が穴の開いた部分に、両手を被せ、傷を完全に癒す。

まだ、生きている実感がある。

魂が、体から離れていない。

一体感がある。

生きた・・・

生きた・・・

生き残った・・・

生きた・・・

生きた・・・

生き残った・・・

生きた・・・

生きた・・・

生き残った・・・

生きた・・・

生きた・・・

生き残った・・・

生きた・・・

生きた・・・

生き残った・・・

生きた・・・

生きた・・・

生き残った・・・

ゆっくり、自分に言い聞かせ、今まで、額にべっとりついていた、汗を拭き取った。立ち上がろうとしたが、少し、ふらつく。

血が、かなり流れたという結果だろう。

自業自得だ。

しかし、それでいい。

生きているだけで。

指を動かしてみる。

まだ、動く。

脚も、体も。

全て。

しかし、問題は、

「スタミナか・・・」

気合を入れるために、パンッ!と、自分の頬を叩いた。

「よし・・・!」

「力が全部・・・現役時代の貴方に戻ったわ・・・」

「でも、体力だけは・・・」

「何とかする。アレを倒すなら・・・一発だな。」

そう、判断した。

「知世。」

「何?」

「いつもやってた・・・俺が勝つための呪い・・・」

「解った・・・」

知世は悠介の頬に、そっと、知世は悠介の頬に、そっとキスをした。

悠介は、熱くなった、自分の体をクールダウンする事が出来た。

草薙の剣を手に持ち、ゆっくりと動き出した。

それと同時に、瑠璃とアルフが、落ちてきた。

悠介は、それを、そっと受け止める。

「大丈夫か?瑠璃、アルフ。」

「お兄ちゃん・・・?」

「大丈夫だ。後は、任せろ。」

「うん・・・」

瑠璃は、かつて無いほど、安心した気持ちになる。

そして、

「アルフ・・・殺すかもしんない。そん時はごめん。」

「うん・・・」

腕を鳴らし、体を全て伸ばして、目の前にいる、敵を見た。

「さぁ、行こうぜ。最後の戦いに・・・!!!!」

「スサノオ・・・」

「一発だ・・・!!俺の体力上・・・それしか、もたねぇ・・・!!」

それで、一撃で、倒す。

草薙の剣を振り回し、それで、魔法陣を描き出した。

「無限神・・・それで、あんたを倒す。」

腕を組み、魔法陣の中心に自らの体と刀を置いた。

「スターライトブレイカーオメガ・・・」

照射された。

一つの光。

照射された光が、先ほどの光よりも、巨大で、禍禍しい者を誇る。

しかし、悠介は恐れる事は無い。

全ては一瞬であり、全ては光の中に消えた。

光は、全て、魔法陣の中に飲み込まれる。

入り込む。

入り込む。

光が、入り込む。

永遠といえるほどの光が、魔法陣の中に入り込んだ。

「ありがとうよ。無駄に力は・・・使いたくないんだ。」

ニッと、笑った後、勢い良く、胸の辺りで、手を叩き、目を開きながら、血を流した。

「出てこい・・・・・・俺の、前世の息子たち・・・・・・!!」

多紀理毘売命、市寸島比売命、多岐都比売命、正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命、天之菩卑能命、天津日子根命、活津日子根命、熊野久須毘命・・・

現れた神々は、神々しく。

猛々しく。

そして、美しく。

その後ろに、堂々と現れるのは、スサノオ・・・各神々が、巨大に映る。

いや、実際に巨大なのだろう。ウリエルは、その姿に、恐怖と言う二文字を刻み込まれた。

「行け・・・!!」

動き出す、八体の神。

ヤマタノオロチなど、この神々の前では、赤子に見える。

しかし、この技でなければ、相手は倒せないという事なのだろ。

「凄い・・・」

「何・・・あれ・・・」

「神・・・」

「全て、スサノオとアマテラスの間に生まれた・・・神々・・・」

スターライトブレイカーオメガの全ての光は、この神々に吸われ、全てを飲み込んだ神々は、ウリエルを、食い殺すかのように、攻撃をする。

斬・・・

斬・・・

斬・・・

斬・・・

斬・・・

斬・・・

斬・・・

斬・・・

八体の全ての神の攻撃が終わり、反撃の隙すら与えられなかった、ウリエルは、先ほどの悠介と同じ。

剣を体の中に何本も打ち込まれ、悠介と同じように、何回も、嘔吐し、突き刺された体の傷口から、血が放出された。

そして・・・最後・・・

「無限斬・・・行くぜ?」

「纏え・・・鬼神・・・!!」

足をバネにして、悠介は、敵に向かって、飛び上がる。

ある程度、敵の攻撃を呼んでの行動だろう。

自分の身、金色のオーラに纏わ れている。

敵の攻撃は全て、この男の前では、鬼神の前では無力。

両の腕で、草薙の剣を持ち、刀身に金色を纏い、神気のような物が 入り込んだ。

それは、巨大な何かを造りこむ。

恐らく、それは、悠介の溢れる本物の気迫は悠介の、その全てだろう。

「真・無限断絶ノ太刀・・・!!」

先ほどと同じではあるが、確実に違う。

邪気が無い。

恐らく、それが、本物なのだろう。

太刀は、強大なまでに伸びる。

それこそ、言葉どおりに、無限と言う言葉が相応しい。

なんと言う、おぞましい中で生まれる、美しいエネルギー体だろうか。

鬼神を纏ったかのように。

悠介自体、あの二人は、完全に消すつもりでいる。

此 処で、完全に、破壊する。

全てを、完全に破壊する。

その意思が、具現化したのかのように、その刀身に纏う力は、まさに、先ほどと違い何かを助けるかのように。

しかし、それでも、気高いとでも言うべき物に近い。

神といえば、正に、その力の象徴は、神なのだろう。

ヴィヴィオは、その光景を見て、身震いする。

そして、光の中にある、美しさの中で、身を委ねたくなる。

なのは以上に、いや、ウリエル以上に、恐ろしいほどの空間断裂を起こすほどの、先ほど以上に、凄まじいものに。

そこに、エネ ルギーの束があるだけで、辺りの空間が、破壊され始めている。

刀身から、外れて、より、巨大な光のエネルギー体に魅了された。飛び上がった ときからだった。地上との距離から距離が開くたびに、刀身の光が、大きく伸びる。

さらに、刀身の横幅が、より、太くなる。

横幅、100cm・・・

地面から、悠介までの距離は、おおよそ、100m・・・いや、それより、長く、刃を描く。

恐らく、横に振るうときは、より、強大なものになるだろう。

より、強大で、恐ろしいほどにまで・・・その 達は、正に、神の使いとでも言うべきだろうか。

神の持つ、神の刃とでも言うべきなのだろうか。

それが、スサノオ。

それが、草薙の剣の真の威力なのだろうか。

この、破滅した京都の前に、神として、そこにいる悠介は、その力を得るにまで、憎しみから、悠介の全ての力をその身に宿したといってもいいだろう。

その全てを伸ばし、 一定時間、全身の筋力や、一時的に全ての潜在能力を解放し、全力を込めて横振りした。

ディスカティルスから、その場しのぎのための「スターライトブレイカー」をレイジングハートから放つ。

しかし、スターライトブレイカーを放った時、体内から、大量の血が噴出した。

鬼神・・・それを全て、取り込んだ。

正に、無限だ・・・。

避けられない。

その体に、全てを食い込まれる。

破壊。

破壊。

破壊。

ウリエルの体を破壊する。

「ウォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!」

僅かに、ウリエルの体から、皹が入る。

亀裂が見え始める。

咆哮とともに、空間が、ガラスのように割れ、ウリエルにも亀裂が入る。

「帰れ・・・!!!!!」

ガッ・・・

ガッ・・・

大地は、いとも簡単に、切り裂く事が出来る。

「ぐっあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

ウリエルは、叫び声を上げた。

今、最高の出力を持って、悠介は、ウリエルに、なのはとフェイトを相手している。

全身のバネは、いつでも、斬れるような体制に入っている。

腕のばねは、限界以上に伸び、腰のバネは、全て、限界まで、 回っている。

ピキッ・・・

「ふっ・・・」

邪悪な、笑みを、悠介は浮かべる。

ウリエルの体に完全に食い込んだ、その時だった。

「助けて・・・!!お願 い・・・!!」

聞こえてくる、なのはと、フェイトの声。

今回だけは、助けてもらったヴィヴィオに、恩を返さなければならない。奇跡でも起きない限り、助ける事は出来ない。

しかし、それでも・・・

「助けてやるよぉぉぉぉぉ!!!!うぉらぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

一瞬、刃の弱め、牙突の体制で、なのはとフェイトの両胸の中心を突き刺した。

再び、血が噴出する。

しかし、突き刺さった、刃の先に、紅いコアのような物が刺さっていた。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

コアを取り出した瞬間、ウリエルが、なのはとフェイトに分離した。

悠介は、ゆっくり笑い、これで、一つ終わったと呟いた。

落ちる、二人の体・・・

「オメデトウ・・・コレハ、サービスダ・・・」

この言葉と同時に、ウリエルのコアが再び、動き出した。

「ちぃ!!」

もう、どうすることも出来ない。

どうする。

しかし、思ったときには、もう遅い。

なのはとフェイトの体を再び取り込んだ。

そして、草薙の剣から、分離し、巨大な獣を・・・京都の三分の一は支配する、巨大なメガセリオンを作り出した。

一回、足を地面につけるだけで、大阪、奈良に甚大な被害を与える。

このまま、ディバインバスターなど撃たれてみれば、この世界など、真っ二つだろう。

「っ・・・またかよ・・・!!」

いい加減にして欲しいが、そうはならなかった。

しかし、もう手は無い。

このまま、一緒に死ぬのか?

全員に、それがよぎったときだ。

この絶望的な状況から。

『私を・・・』

声が聞こえた。

「お前は・・・」

その声の持ち主は巨大な影の声と同じだった。

「お前の名前は・・・」

「君は知っているはずだ。」

突然、白い空間が映される。

「俺 は、お前を知っているのか?」

閉ざされた過去。思い出さなければならない過去。

「知っている。思い出すんだ。君が、私の名前を呼 べば、私はこの世界に現れる。」

「悠矢の親友・・・」

徐々に、その声の記憶が蘇る。

あの時、一緒に闘った。

悠介が元の世界にいたときだ。

「お前か・・・」

しかし、名前は思い出せない。

しかし、覚えている。

「悪いけど・・・お前を具現化させる・・・!!」

名前は、思い出せないが。出したのは、青いホログラム上の巨大な者。

「良いよ・・・もう、私達を・・・」

「殺しても・・・」

聞こえたのは、絶望。

「殺したいが・・・ヴィヴィオが泣く・・・100%にした礼だ!!」

だから、

「いい加減にしろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!ウリエルゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!」

悠介が、拳を伸ばした時、体を突き破り、コアを掴み、そのまま、取り出した。

ホログラムの腕に持つ、ウリエルのコアは、隔壁を破り、なのはとフェイトが、姿を表す。

「助けた・・・ヴィヴィオ・・・皆、助けた・・・・・・!!!!」

悠介は、二人の母親を、こちらに来た、アルフとヴィヴィオに渡した。

叫びを上げた時、京都上空に、光が現れる。

アレは・・・

「天の岩戸と・・・・・・同じか・・・・・・」

「戻るのね。」

「あぁ・・・帰ろう・・・ミッド・・・チルダへ・・・」

途切れ途切れ、悠介の体力が、かなり消費されている。

ツクヨミに抱かれ、光に吸い込まれるままに、悠介達はミッドチルダに戻る。

「やったの・・・・・・?」

なのは達の姿を見て、助かった姿を見て、桃子は気を失った。

「桃子・・・」

崩れる、桃子をリンディは優しく抱きかかえた。

「許すべきなの?」

「ママ達を泣かせたのに・・・?」

二人の子供達は困惑する。

「もう、許しておやり・・・あの紅い球に取り込まれてしまえば、誰が、悪いとか・・・そう言うものじゃないんだよ。」

天霊は、優しく二人の娘に告げる。

そして、セレスとエリスは・・・

「「スサノオとその神々に・・・勝利の祝福を・・・」」

消える、悠介達を見て、ただ、そう、呟いた。















その顔は、恨みに染まっていない、優しい、純粋な少女の顔だった。

ミッドチルダに戻ったとき・・・

「これは・・・」

そこは、地獄。

「悠介くん!?ティアナ、瑠璃!?」

「アルフに、ヴィヴィオ!!なのはちゃんに、フェイトちゃん!?」

ここには、優しく微笑む、一人の少女がいた・・・

「初めまして。出来の悪い姉の・・・アリシア・テスタロッサと申します。」

ゆっくり優しく微笑む少女は・・・

正に、天使だった・・・

| TESTAMENT IS SAVER | 00:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://civer.blog122.fc2.com/tb.php/804-3c9e4d0d

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT