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ACT-ⅡⅩⅡ「京都」

なのフェ恐怖


「ティーダ・・・」

「アリシア様・・・」

「フェイトに、会わせてくれますか?」

「はい・・・」

ゆっくり、彼は頷いた。

ティーダは、アリシア・テスタロッサにあこがれ、尊敬のまなざしを向けている。

慈悲のある、姿に、聖母マリアを想像するほどに、奥ゆかしく、優しい女だったのだ。

他の女など、忘れてしまうほどに、アリシア・テスタロッサは、美しかった。

アリシアと、フェイトの声は違う。

同じ顔をしていながら、この二人の声は似ていない。

アリシアの方が、母性を感じるような声に、ティーダは聞こえた。

それは、早めに、母をなくしてしまった、この男の母と言う存在に対する、思いなのだろうか。

彼の中で、アリシア・テスタロッサが美化されていても、それは否定しようのない事なのだろう。

「フェイト。」

いつもと変わらぬ、母のような声で、アリシアは療養中のフェイトに声をかけた。

「アリシア・・・」

「大丈夫?痛くないかな?」

瑠璃から受けた、氷の刃。

それは、地獄と呼ぶべきなのかもしれない。

ティアナ・ランスターを傷つけたというための報復。

「相手を憎んでは、駄目よ?それは、なのはさん、貴方にも言えること。」

「うん・・・」

「わかってる・・・」

そして

「私たちの目的は、人たちを殺すわけではないのよ。」

「でも・・・」

「言い訳は、いけません。あの中でも、優しい人は大勢います。あなたたちは、それらの人々を、殺すところだったのです。」

本当の母親のように、アリシアは、フェイトとなのはを諭す。

「お互いが、お互いを諭さなければなりません。二人とも、これからは、気をつけてね?」

「うん・・・」

「はい・・・」

アリシアは、笑顔で、それだけを伝えた後に、戻り始めた。

そこに、ティーダが合流する。

「お優しいのですね。」

「あなたのように・・・罰を与えるほどに、強くなれればいいのだけど・・・」

「いえ・・・私は、弱い人間です。あの二人が、愚かなことをしたゆえに、いら立ち、罰を与えてしまったのですから。」

「それが、本来、人にあるべき強さなのでしょう・・・私は、怖いのです。罰を与えたら、あの子たちに嫌われてしまうのではないのだろうかと。」

ふっと、笑い、前に進み、いっかい、回ってから、ティーダを見た。

「そろそろ、あの子をこちらに呼ぼうかと思います。」

「あの子・・・燈也ですか?」

「はい。それと、すずかちゃんも。」













「なに・・・?この感覚・・・」

知っているような気がした。

知っているような気がして、ならなかった。

導かれるように。導かれるような気がした。

「すずか・・・?」

「先に戻ってて。私も、後から、ちゃんと帰るから。」

「しかし・・・」

「大丈夫だよ。心配してくれて、ありがとう。」

すずかには逆らえない。

あの時も、なのはとの和解の時もそうだった。

すずかに、強制されて、台詞まで、考えさせられた。

ただ、演じる事は出来たが。

「あぁ・・・」

ただ、それでも、すずかがいないことに恐怖を覚える。

それでもイクスや、コロナが待ってるから。

その言葉によって、燈也は、仕方なく、六課の隊舎に移動した。

この日、撃墜数、二人同時に、200を超えた。

生きている。

まだ、生きている。

何故か、そのような言葉を聞いた。

「あなたが・・・月村すずかちゃんね。」

目の前にいたのは、いなくなったはずの友人とよく似た人。

フェイト・テスタロッサ・ハラオウンと良く似ている人物。

違うのは、声。

そして、感じも、どこか違う。

かつては、双子だと言われていたものの、違う。

その、声色は、完全にフェイトと違うと言っても良かった。

「私の、妹・・・」

「アリシア・・・テスタロッサ・・・」

その問いに、アリシアは、笑顔で答えた。

「そうだよ。アリシア・テスタロッサ・・・フェイト・テスタロッサ・ハラオウン・・・そして、燈也の実の姉です。そして、貴方のお姉さんでもあるんだよ?」

優しさしか無い。

その奥に、殺意というものなど、全く、感じることができなかった。

本当に、何をしに来たのか、すずかは、解らなかった。

敵しか見ていない。

「今、貴方の力が必要なの。来て・・・くれるかな?」

不思議と魅かれる。

この女の持つ、母性と呼べるものに。

元より、アリシア・テスタロッサと言うのは、そういうものなのだろう。

母性に満ち溢れたのが、この女なのだろう。

何故、なぜ、惹かれる。

自分が、惹かれている。

警戒をしているつもりなのに、なぜ、惹かれるのだろうか。

この女には、邪気というものが存在しないからだ。

あまりにも、無邪気すぎる故に、攻撃衝動と呼べるものが、既に、存在していない。

しかし、ほかに、何かを持っているような気がした。

そうでなければ、ここまで魅かれることなど無いと、すずかは思ってしまった。

この女は、何を持っている。

そう、疑っても、その笑みの前では、何も、思わない。

何も、持っていない。

そう思ってしまう。

何も持っていない。

しかし、この、魅かれる物はなんだ。

何故、惹かれてしまうのか。

ただ、一つの言葉で、それは、表現できるのかもしれない。

愛・・・愛とでもいうのだろうか。

愛を持ち合わせている。

故に、殺意を持っていた、すずかは、全てを無効化される。

彼女の中で、素直に、抱きしめられたいという欲求が生まれる。

いや、アリシア・テスタロッサに、甘えたい。

その者を求めてしまっている欲求が生まれる。

何故、生まれる。

自然と、アリシア・テスタロッサの頬に触れる。

そして、アリシア・テスタロッサは、その頬に触れているすずかの手を優しく、両手で触れた。

温かさが、腕を通して伝わってくる。

ふと、その顔を見るだけで、暖かくなる。

彼女は、はは。自分の、すずかを産み、育ててくれた本物の母親よりも、彼女は、母親のような温かさを持っていた。

聖母・・・

その言葉に相応しいと言えるのだろう。

すずかにとっては、この、目の前にいる、アリシア・テスタロッサ。

温かみは、全てを包み込み、殺意や、戦意すらも奪っていく、ある意味では、究極と言える存在なのかもしれない。

全ては、愛ゆえに。

聖母マリアのような、優しさを持っている、アリシア・テスタロッサは、人を魅き込み、全てに慈悲を与えるこの女に、すずかは、ひきこまれていった。

ただ、彼女を見る。

気づけば、全てを彼女に委ねていた。

アリシア・テスタロッサの中で、寝息を立てて、彼女は眠りについた。

「おやすみ・・・すずかちゃん。貴女の愛している人は、すぐに会わせるわ。」














「さてさてさて・・・」

私は、ただ、それを見てる人。

おそらく、相手が一番警戒しているのは、私のこと。

クロノ・ハーヴェイ。

もう一人のクロノ。

私は、ただ、それを見ている。

クロノ・ハラオウンと、クロノ・ハーヴェイの戦い。

私、憐・ヴィオラは、彼らの戦いをみるとしよう。

さて、自分は一人だけで良い。

そして、一番強い自分は、自分だけ。

どうやら、そういう、感情に囚われているようね。

だから、クロノ・ハラオウンと言う人間は、面白いと思うのだけど、どうも、その感情は、クロノという個人だけという気もするわね。

「はぁ・・・!!」

「ほら、遅いよ。いや、予想より、速いか。」

相手は、戦闘中に、指を口に当てるだけの余裕はあるけど、クロノは、攻めることに精いっぱいみたい。

クロノは、スラッシュケインを使った剣術を利用して縦横無尽、言うならば、見よう見まねの、燈也や、悠介の剣術をするのは良いけど、全て、紙一重で、避けられてる。

「おい、それが、本気か?」

至近距離のバスターも失敗か。

弱いわね。

クロノ・ハラオウンは、弱い。

弱体化しているのかしら?

確実に、弱くなってる。

多分、クロノは、向上心が高すぎるんだと思う。

自分より、上の自分を見つければ、それを超えたくなる。

超える手段はいくらでもある。

今回の手段は、こういうことだったってだけ。

特に、深い意味は無いのよ。

多分ね。

「おい・・・弱いよ?」あ

くびをするほど、余裕があるっていったところかしら?

まぁ、良いんだけどさ。

クロノは、ここで殺されちゃうのは、仕方ないことでしょ。

実力の差だしね。

「ほら、剣って言うのはさ・・・こう、使うんだよ。あれ?あぁ、これ、刃無いんだ。」

スラッシュケインを取り上げ、優しく、振り下ろす、クロノ・ハーヴェイに、悪意は無いのだろう。

だから、簡単に、クロノ・ハラオウンに斬り付ける。

「ぐぁ・・・!?あぁぁぁぁぁ!!!!」

上半身から噴出す、血飛沫は、致死量を超えるもの・・・

って、いえるかもしれない。

ま、良く知らないけど。

それより、負け・・・ね。

これで、全部負け。

あの子の負け。

でも、あれほど、血しぶきが飛んだなら、それは、もう、敗北でしょう。

完全な、敗北。

これで、終わり。

負け。

さようなら。

クロノ・ハラオウン。

短い、友情だったわね。

ま、私はあんたに、友情を感じたことなんて、無いけどね。

あら、ドゥーエ、信じられないの?

嘘じゃないわよ。

私は、この件に関しては、嘘はつかないわ。

多分ね。

簡単に、やられたわね。

恐らく、彼は、クロノが、本気で来ていないと思っているのね。

恐らく、あれ、知らず知らずに、スラッシュケインのコントロールを奪って、既に、どーん・・・恐らく、テスタメントが持たないと、本当の力は発揮できないって訳で。

つまり、今行ったクロノ・ハーヴェイのスラッシュケインが、本当の姿ってところでしょうね。

まさに、宝の持ち腐れとでも言った様な気がする。

恐らく、軽く振った程度で、あの力と言うわけでしょうね。

やっぱり、デバイス作成に関しては、燈也は化け物と言えるす力をはじき出してる。

それでも、クロノにとっては、宝の持ち腐れだろうけどさ。

目の前で、それを見るとは思わなかったわ。

「くッ・・・!!はっ・・・!!」

あらあら、動くと、血が止まらないというのに、良くやるわ。

本当に、良くやる。

この男。

スラッシュケインを、ハラオウンの方に返して、そのまま、

「ちくしょー・・・・・・」

あらあら、良く、動く。

バリアジャケットで、止血して、スラッシュケインを手に、持った、レイスティンガーを撃ったりしているものの、あぁあ・・・

「がぅぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

倍返しか。

弱いわね。

本当に、弱い。

あの子は、弱すぎる。

覚醒すれば、勝つのは、ハラオウン。

恐らく、ハーヴェイと私の力は互角。

経験も私と同じ。

覚醒した時に見せた、あの力は、一撃は私以上。

クロノ・ハラオウン、覚醒しないさいな。

詰らない戦いね。

この戦いは。

本当に、詰らない。

スラッシュケイン・・・使いながらも、その力を100%・・・それ以上の力を持って、相手しなければ、結局は死ぬ。

ただ、覚醒しても、今の状態は、血液不足によって、相手にならずかも。

「お前にだけ・・・お前にだけは・・・」

負けたくない。

それは、

「めのまえに、お前より優秀な俺がいるから。どこか、向上心が異常なまでに貪欲なんだろうね。俺達は。」

だから、

「殺したくなるほど、上へ昇りたくなる。」

最も、上に。

どの世界の中にいる、

「俺以上の俺として、存在したくなる。もとより、そうしたくなったのは、父親を超え全てを守ろうとした傲慢な考えから・・・」

そして、

「誰よりも強くなりたかった。全部を守りたいから。母のように悲しい思いをするのは、母だけで十分だ。」

そして、

「あいつ以上に強くならなきゃ、救えない。あいつ以上に強くならなきゃいけない。取り合えず、お前は、全てのクロノの中で、一番それが強いんだろうな。かつて・・・」

戦った相手によって、より、強くなりたいと思ったとでも言うべきだろう。

「燈也・・・かな?それは。」

「ッ・・・!!」

確信ね。

多分、一人はあの力を見て、より強く、向上心を植えつけられた。

「クロノ・ハーヴェイは、魅了されたとでも言うべきかしら?」

それが、

「クロノ・ハラオウンと、クロノ・ハーヴェイの違い。」

「そうだ。憐・ヴィオラ。」

あら、ボソッと、呟いたのに、もう気付かれちゃった。

「ま、今は君は単なる見物者ってところかな?」

「そうね。」

ま、向こうの危害を加える気はないみたいだ。

助かる。

それで、助かる。

「人と話している余裕がっ!!」

「あるのよ。クロノ。」

「憐!?」

驚いてるわね。

ま、傍観者としてつまらないけどね。

「ハラオウン?」

知らず、知らず、燈也によって、向上心を植え付けられ

「浦島悠介の、その、例の力を見せ付けられたってところかな。」

嫉妬・・・つまりは、嫉妬ね。

便りも、強い力を欲してしまったのね。

強いものを見せてしまったから。

超えよう超えようと、向上心が逆に破滅を生む。

向上心が破滅を生む。

全てが、破滅。

昔、燈也が自分のことをイレギュラーといっていたけど、そういうことなのね。

本当に、イレギュラー要素なのね。

ま、イレギュラーである分、面白いけどさ。

向上心が破滅を生む。

これは、面白いわ。

クロノの、努力と言う言葉が、全てを無に返してしまったのね。

無意味にしてしまったのね。努力が破滅を呼んだ。

一人は魅かれる何かを与えられ、一人は向上心を与えられ、クロノという同じ種類の人間でありながらも、ここまで違うと言うのは、面白いものね。

同じ人間でありながら、ここまで違う。

くくく・・・ハーヴェイは利口で、ハラオウンは愚か。

「つまりさ・・・なんかしら、全てのクロノが、嫉妬してるんだよ。何かに。それも、全て形が違うものとして。」

一つは浦島悠介、一つは月村燈也、一つは高町なのは、一つはフェイト・テスタロッサ・ハラオウン、一つは、まだ見ぬ第三者。

全てのクロノが、何かに嫉妬している。

何かに、何かに・・・何かに・・・・・・何かに・・・・・・・・・そして、目の前に、一番強いであろう、クロノ・ハーヴェイが現れた。

超えようと、躍起になる。

誰もが、超えようと躍起になる。

「主に聞いたよ。俺は、嫉妬によって、向上心っていうのが高くなる人間のようだよ?」

だけど、

「貴方が、クロノという可能性を潰していった・・・」

「ま、クロノの中で、唯一、テスタメントだったのは、クロノ・ハラオウンと、俺だけだったけどね。」

それでも、

「残念だよ。クロノ・ハラオウン。格の違い・・・でも、見せようか。」

ゆっくりと、笑い、クロノ・ハーヴェイは、距離を置き、手をポケットの中に入れながら、魔法陣を出現させる。

そこには、水の色の魔法陣が描かれ、なのはの扱うような、数十の、ワームホールが現れる。

クロノは、一瞬、危険な感じを覚え、接近して、逆に使用させないようにしようとけど、前方だけということは無いはず。

一度、クロノ・ハラオウンは燈也との戦いで、オーディンに覚醒。

浦島悠介の助けがあったっていうけど、それは、どうなのかしら。

でも、まぁ、クロノ・・・遅いわね。

「ばーん。」

クロノ・ハーヴェイが、指を拳銃の形にして、そのまま、掛け声とともに、引き金を引く仕草をした。

ワームホールから、現れたのは、魔力光やら、ミサイルやら、弾丸やら。

でも、前方ではなく、後ろから。

これも、時の神の力の応用ってところかしら。

クロノ・ハラオウン、幻滅って言ったところかしら。

「スピードは、なかなかだね。前方だけに展開できなかったら、勝てなかった・・・かもね。」

まぁ、余裕を見せておいて、良く言うこと。

良いんだけどさ。

ここで、クロノが死んだなら、ここまでって、ところかしら。

「さて、どうしてだろう?自分だからかな。やっぱり、自分を殺すというのは、抵抗があるね。それじゃ・・・ばーん。」

腹部

「バーン。」

「ぐぁ!?」

右腕

「バーン。」

「あぁっ!?」

左腕

「バーン。」

「あぅっ!?」

右足

「バーン。」

「えぃ・・・」

左足

「バーン。」

「みぃ・・・」

死ぬ間際まで、愛する人の名前を忘れない。

あぁ、偉い偉い。

4箇所、全部封じられて、動けない。

本当に、勝ち目は無い、放って置けば、出血多量で死ぬのみ。

ま、このまま生きていても、仕方が無いでしょう。

死になさい。

「どうする?このまま、君がこっちに来れば、俺は、お前を助けてやっても良いんだが・・・」

・・・クロノ、貴方、不甲斐無いと思っているのかしら?

元より、不甲斐無いくせに。

それは、そうよね。

自分に、ここまで、良いようにされているんだから。

それは、そうか。

この感情は、悲しみ?

それよりも、いい加減に、覚醒しなさいな。

私と戦った時みたいに。

早く。

「さて、お前は、蘇生させてやる。」

「どう・・・言う・・・」

所詮は、人間と言うことね。

「俺は人間だ。もう、数百の俺を殺してきたのが・・・嫌なんだよ。俺を殺すというのはさ。」

「あら、残念。クロノが、クロノを殺す瞬間を見たかったわ。」

「おや、君はクロノ・ハラオウンの親友じゃなかったのかい?」

「頭、冷やす、冷やされる程度の関係よ。戦場に一緒になっただけ。誰よりも多く。それで、向こうが勝手に嫉妬して、勝手に親友だって、思っただけ。」

「そっか。真意は、どうでも良いか。じゃ、行くぞ?」

それで、

「どうするのさ?」

「誰が、行くか・・・!!」

それでも、立ち上がる執念には、拍手を送りたいけど。

送りたいけど、そこには何も無い。

何も存在していない。

存在しているわけが無い。

「僕は!!お前に、利用されていたのかもしれない・・・!!僕の力の根源が、嫉妬であろうとも・・・そうさ。嫉妬していたよ。」

「負けたくないって、青臭い台詞ね。負けは、負けなんだから。」

潔く、

「死になさい。」

「憐・・・僕は、まだ、生きたいんだ・・・まだ、まともに、あの二人に顔覚えてもらっていないような気がするからね。」

「あらあら、必死ね。」

「それに、僕は・・・嫉妬してたよ。まずは、憐、お前に。」

見せ付けられた、格の違い。

「燈也、ティアナ・ランスター、ティーダ・ランスター・・・浦島悠介。僕は、僕のためだと思ってた。そして、誰かを守るためだと思ってた。でも、本当は、違う。誰よりも強くなりたかったんだな。」

その嫉妬を、全て、受け入れるか。

「受け入れるの?」

「ま、できれば・・・ね。」

だから、思うのね。

「僕は、僕だ。解っていたのに、自分で、これを否定していたんだ。クロノ・ハーヴェイに言われるまで、気付かなかったさ。」

「急に、悟ってんじゃないわよ。」

「うん・・・」

覚醒の時来る。













「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

京都に巣食う、百鬼夜行の全滅。

全ての妖怪と呼べる者達の腕は、悠介をボロボロにした、高町なのはと、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンの出力7.5の実力。

束でかかれば、それは、脅威となるだろう。

「ご苦労。無事だったかな?」

「相変わらず・・・悪い趣味してんな・・・ばあちゃん・・・」

京都の奥深くにあるとある、神の住む山。

全の殲滅に6時間。

京都府全域にちりばめられた、全ての妖怪を殲滅するまで、その空間は、解放されず。

全てを見つけ出すのに、8時間かかった。

全てを見つけ出した時には、全員がボロボロの状態になっている。

さらに疲労も溜まりきって、全員、その場に眠りに就く。

話すという行動が、既に、できなくなり、食すと言う行動さえも、辛いものになる以前に、する気など無かった。

全て、転送されたときには、その中で、眠りについた。

全てを殲滅させた後、強制的に、そこに転送させられた、四人。

そして、後日、全員、朝10時に起床。

朝食を取り、いつもの服に着替え、

「婆ちゃんに・・・会うんだっけ・・・」

人間が、朝に行う、ごく普通の行動を行った後に、悠介、そして、瑠璃の、そして、悠介の祖母。

「瑠璃から、お前のデータは、送られてきたデータを見たのよ?その中で・・・悠介、3人の中で、最低の戦績だったぞ?」

ばあちゃんと呼ばれながらも、その風貌は、美しい。

外見は、30代前半と呼べるくらいだ。

女として、熟している、良い時期といえる。

瑠璃と、ティアナは、ほぼ同時に最大出力で相手をし、最低出力は、浦島悠介。

スサノオのみ。

一撃で倒すのも、困難であると言っても良い。

破壊。

破壊。

破壊。

そして、この事態に、一番焦っていたのは、悠介本人だった。

一撃で、下すことができないことに、歯痒くなっていた。

戦っている中で、思い出したのは、あの程度の敵は、一撃で倒していたはずということだった。

脳裏に出てくるのは、確実に、一撃で倒していた自分。

あの程度の敵に苦戦している、自分に驚いた。

二激で倒せるのは、草薙の剣を持って、4歳になったとき。

今の自分は、過去の自分の、4歳の時よりも、劣っている。

そう、思えるほどだ。あの程度のものに。

「おばあちゃん達は?」

「彼女達は、安全な場所に移してある。」

流暢な着物を身に着け、御淑やかを演じ、茶を拵える。

「自分で、自分が一番弱いことくらい・・・解ってる・・・」

「そうだな。大体、札を使った技は、初心者の行う事。悠ちゃんは、三歳卒業しました。」

「だね・・・」

「悠ちゃんが、強いのは、家事手伝い調理、戦闘だけだもんなぁ・・・そのスカートも可愛いし・・・女装すると、私より・・・しかも、声色まで、変えて・・・そして、戦績が、これか・・・」

「悠介・・・この人・・・」

「あ、ティア・・・私が、紹介しましょう。浦島家の裏役者・・・天霊様です。」

「天ちゃんで良いよ。出番は、ここと、次で終わりだから。」

「呆気ない・・・」

「でさ、婆ちゃん、時間ないんだよ。」

「婆ちゃんって、お兄様・・・思い出したのですか?」

瑠璃は、焦り、悠介を見る。

「いや、全部じゃない。でも、ここにきたことで、婆ちゃんがどういう人間かは、思い出せた。そして、今、俺が、この中で一番弱いことも自覚してる。あん時、すっごい・・・俺、弱かったの覚えてる・・・」

悠介は、どこか、焦っていた。

この状況、全てに、何かに。

「このまま、死にたくない。」

「死に、怯えているわね?」

「まぁね・・・」

「取り合えず・・・だ。悠介。」

「何?」

「そこの、アマテラスのお嬢ちゃんと共に・・・清水寺で、何か、美味しいの・・・買ってきて。」

「遠いな・・・こっから近いのは、金閣寺なのに・・・解った。行こ。ヴィヴィオ。アルフも、おいで。」

「え、え、と・・・」

「ちょっと、おばあちゃんは、ティアナお姉ちゃんと、瑠璃お姉ちゃんに大事な話があるんだ。良いかな?」

「はい・・・」

「んじゃ、行ってくる。」

「悠介ー、ズボンじゃなくて良いのかー?」

「良い。こっちの方が、落ち着くー。」

「そうか。あ、腕は?」

「ちゃんと、動くよ。両方ね。」

既に、後遺症的に、動かないということはない。

既に、あの時の戦闘で、それは解っているはずだと思いながら、ヴィヴィオを連れて、悠介は外に出た。

厄介払いというわけではないが、悠介とヴィヴィオは、嵐山に向かって言った。

「さて・・・瑠璃、そして、ティアちゃん・・・まずは、こっちにおいで。」

「はい。天霊様。」

立ち上がり、ゆっくりと、天霊に近づき、二人は静かにその場に座った。

「瑠璃、お前は・・・分霊から、人間にしようか。」

「おばあさま・・・でも、それは・・・」

「元より、二つのものだったのだから、ここで、人間になってもおかしくあるまい?それに、貴方だって、それを望むでしょう?」

ティアナは、その言葉に、ゆっくり、頷いた。

やはり、望むのは、浦島瑠璃が分霊から、人になるということ。

「私が、呪いをかけて、何れの晩に、二人が、夜伽をすれば、瑠璃は人間だ。」

「はぁ・・・」

「さて・・・聞きたい事は、ほかにあるのだろう。」

瑠璃に、そのまじないのような行為をしたのちに、改めて、二人を見た。

「にいさまのことです・・・」

「あそこまで、弱いと・・・さすがに・・・な。スサノオの力を完全に、ものにするまで、10年はかかったからね。さらに、その記憶を、自ら、捨てた・・・」

「やはり・・・私は・・・」

「そんなこと言うもんじゃないわ。瑠璃・・・あの子は、本当に、瑠璃の事を好きだから、あそこまで・・・したのだから。」

ただ、

「いつまでも、悠介をあのままにしておくわけにもいかないわね。」

「どうするんですか・・・」

「ショック療法・・・それしかないわね。」

「ショック療法って・・・」

「あの子は、記憶を消しても、ある程度の、酷いこと、自分の身に危険が起きれば、完全覚醒できるようになっているのよ。今まで、どうだった?」

思い返してみれば、ユーノ・スクライアの殺人動機。

バラバの圧倒的な力。

選別と言う名の、人殺し。

フェイト・テスタロッサ・ハラオウンと、高町なのはの挟撃。

あの辺りは、正直、異常なまでの力を感じた。

最後のものは、アマテラスの天の岩戸の発動によって、陰に隠れてしまったが。

「あれ以上の・・・何かを与えなければいけないんですか・・・?」

「そうね。辛いけれど。」

「まさか・・・今回、にいさまを出したのは・・・」

「もう、期限が来たのでしょう?」

一昨日ティーダからの宣言、そして、翌日は京都に移動し力量を図り、今回が、その三日目。

「無駄に、鍛えなおすより・・・人を殺して、覚醒させた方がましということ!?そんなの!!ましてや、何を破壊させるんですか!!」

「京都・・・その物を・・・」

その目は、いたって真剣だった。

「まさか・・・・・・!!」

「何故ですか!!!ここは、にいさまの故郷なんですよ!?」

「だからよ・・・そうすれば、あの子は覚醒する・・・故郷と引き換えに・・・今頃は、懐かしい思い出が蘇ってるでしょうね。」

「あなたは、馬鹿ですか!!そんなことをしたって!!蘇ったばかりの思い出を、そのまま炎の業火で無に帰してしまうなんて・・・貴女が、戦えば・・・!!」

「それは、出来ないんです・・・ティア・・・おばあ様が、最強でいられるのは、この空間のみ・・・そして、この空間から、出ることは、世界を、元の97番目の世界と、この世界の繋がりを消すということ・・・でも、これは・・・!」

「あの子を覚醒させるために、したこと。繋がりを消せば、世界は消える。嫌な賭博よ・・・アマテラスは、未熟のまま、ツクヨミは、貴方の中・・・そして、スサノオは半覚醒状態・・・!!そのようなもので、バラバに勝てるとでも思っているの!?貴方達の戦っている敵を倒せると思っているの!?バラバを倒しても、その奥にいる物は、それより危険なのよ!?」

「ッ・・・」

言葉に詰まった。

倒せない。

浮かんできた文字はそれだ。

ましてや、近くにいた、ティアナは、その力に恐怖した。

天霊は、そのまま、言い聞かせる。

「今回の戦いに必要なのは、明らかにあの子と、アマテラスである、ヴィヴィオ。そして、貴方達、二人・・・私だって、辛いわ・・・だって・・・いえ・・・何でもない。」

祖母としての思いなのか、その奥に、何があるのか。

わからなかった。

しかし、悠介が外に出ている以上、この三日目に、何れは、敵が来る。













「さて・・・ヴィヴィオ、金閣寺にでも行くか?」

「え、と・・・買い物は?」

「んー・・・まぁ、多少寄り道したいから。本当に、俺の故郷なのかさ。」

アルフを抱き上げながら、そのまま、動き出した。

まだ、実感と呼べるものはないが、駅のホームに立った時、何か、気持ちの良いものがあった。

その感覚が、本物か、どうか、確かめる為に、悠介は少し、寄り道したくなった。

「金色の・・・お寺・・・」

目の前にある、金色の寺に釘付けになる。

「ま、一度焼けたんだけどね。これ。」

「そうなの?何で?」

「Wikiを読めば解るよ。」

「そうなんだ・・・」

目の前にある美しい寺を、誰が焼いたのか、そのような行いをした、人間の心が良く解らなかった。

悠介も解るはずも無いが、真相すらも、わかっちゃいないこのことに、興味など湧かなかった。

「んじゃ、次いくか?」

「次・・・?」

「らくがきで寺ー・・・」

バスに乗って、そのまま移動し、らくがき寺こと、単伝庵にて、ヴィヴィオは自分の母親のことを願い、悠介は、記憶が蘇ることを、望んだ。

その後は、悠介の覚えている限りの観光案内に行い、ヴィヴィオとアルフも、どこか、そんな、案内をする悠介が、楽しく見えた。

悠介が、そこまで明るいのを見たのは、初めてだったからだ。

アレが、何で、これが、何で。

悠介は、楽しそうに解説する。

それを見るたびに、新たな、悠介を見ていくことが新鮮で面白くて、仕方なかった。

悠介は、どこか、自分が充実していることを肌で感じていた。

ここが、故郷であると、確かに、実感していた。

わざわざ、大目にもらった資金で、少し、美味い昼ごはんを食べた後のことだった。

人懐っこい笑顔を、見せていた。

見たことの無い、魅力的な顔だった。

「あれ、ゆーちゃん?ゆーちゃん、ゆーちゃんおへんやろか?」

店を出て、振り返れば、見知らぬ、京都の高校の制服を着た、同年代のような女性が立っていた。

「え、と・・・水橋?」

「そやよ。久しぶりやね。達者やった?うぅん、今まで、姿を見せおへんどしたやけど・・・ビブロスをぶち壊しどした後、なんをしとったん?」

「わかんね・・・何か、気づけば、ここにいたって感じかな・・・」

「かな戦いの後、みんな、帰れへんで、死んかて報告受けて、やて、ゆーちゃんが生きてて良かったよ・・・やっぱり、みんな、死んほなったの・・・かいな?」

「多分・・・」

やけに、親しげに話す、悠介と、水橋という女に、自分の中では、良く解らない感情に苛まれ、急かすように、スカートを引っ張った。

「その子は、何?」

「知り合いの友人の子供でね。」

水橋という女は、決して、嫌な女ではない。

生理的に受け付けない、女でもないのだ。

それでも、ヴィヴィオは、どこか、この女が嫌いだった。

そして、自分に問う。

何をしているのかと。

瑠璃を復活させて、ティアナを元の鞘に戻した事に、対しては敬意を表しているといってもいい。

ただ、母親を殺すということに、恐怖を抱く。

危ない人間でありながらも、どこか、変わりつつある。

ただ、ヴィヴィオの中で、ほんの少し、優しくしてもらった、時間で子どもの心が簡単に動いていると言うことに、ヴィヴィオは気付かない。

結果的に世界のために動いていると言うことはわかっている。

悠介も、一応はその感情に気付いているものの所詮は、年下の子どもが年上に憧れる程度のものとしか思っていない。

「ほして、これさかい、どこにいかはったんどすか?」

「清水寺。」

「ほなぁ、一緒に行かはりますか?」

「んー。」

「駄目・・・!!私とお兄ちゃんは一緒なの!!」

「なん?二人とも、デートやてしとったん?」

「いや、散歩だよ。散歩。」

「デートだよ・・・!!」

今だけの、怖い悠介ではなく、新しい、面白い悠介を自分のものにしたかった。

独占したかった。

「俺が、一緒にいたいんだよ・・・この人と。俺を知っているから・・・」

少し、顔つきが変わる。

また、いつものような顔になり、楽しそうな部分は、また、隠れた。

この女のせいだ。

やはり、嫌だった。

この女が。

「悠介は、デートではおまへんって。やったら、一緒に行ってもええどすやろ?」

「良いよ・・・・・・」

顔を見ずに、目を逸らして、ヴィヴィオは頷いた。

悠介の面白い部分を消した、この女を、何故か、許すことはできなかった。

悠介の怖い部分は、完全に消えて、無邪気な子どものように笑う少年だった、浦島悠介は、ヴィヴィオの前でも、大きな声で、恥だと思うことなく、笑っていた。

不思議と、その感覚が、心地よくて、楽しかったはずなのに、それを奪った、この水橋と言う女は、嫌だった。

「うちの下の名前、覚えてる?」

「覚えてない。」

「香奈枝・・・水橋香奈枝どすえ。」

「あぁ・・・」

バスの後ろの席を独占した、3人は、そのまま、清水寺に向かった。

バスの中で、ただ、悠介の裾を強く掴み、さっきの怖い、悠介が消えないようぎゅっと、強く握っていた。

バスが、到着し、清水寺へ向かうための坂をあがっていく。

「ここは、うちが払うよ。うぅん、払わせて。」

流暢な手つきで、三人分の料金を払い、街の良く見える本堂に移動した。

「変わらないな・・・」

「まぁ・・・ここは、悠ちゃんたちが、必死で、守った街やもん。命を賭けて、みなを守った、悠ちゃんの故郷。」

「そっか・・・ヴィヴィオ、綺麗だろ?」

「うん・・・凄い・・・綺麗・・・」

緑、街、下に見える物達。

要綱に照らされて、全てが綺麗に映る。

あぁ、ここで、俺は育ったんだ。

悠介の中で、今までの観光案内で、自分はここで生まれ、すごしたんだと実感していた。

「悠ちゃんのことさかいに・・・知世はんと一緒やと思っとったやけど・・・」

香奈枝が、ふと、そのようなこと言う。

悠介は、振り返って、香奈枝の両肩を掴んだ。

知っている。

知っている名前。

覚えている名前。

「知世・・・?香奈枝・・・なんか、俺、その人、知ってるような気がするんだけど・・・」

腕の力を抜いて、ただ、めのまえを見た。

「忘れたん?」

引っかかる。

それが、思い出せない。

お前なら、知っているんだろ。

「お兄ちゃん・・・ここから・・・でよう・・・」

何か、ヴィヴィオは、嫌な感覚が、背中に走った。

「少し・・・待ってくれ・・・香奈枝・・・知っているんだろ?」

「うん・・・」

「お兄ちゃん!そんなの、後で聞けば・・・!!」

時間が経つたびに、嫌なものが、来る。

その感覚が、強くなる。

何か、怖い。

突然来た。

何か、今になって突然に。

良く知っているけど、認めたくないものが。

香奈枝は、より、陽光に当たる部分に、出て、悠介に知世のことを話そうとして、腕を伸ばした。

「知世はんも・・・」

全てのことを話そうとした時、光が、落ちた。

本堂の一部が、崩壊、いや、消滅し、周りや、悠介自身、何が起こったのか、わからなかった。

そして、ヴィヴィオは、きてしまったのかと、思った。

周りが、抉られたように、そこに、そのようなものなど無かったと訴えるように、ぱっくりと食われていた。

無論、そこにいた、人間は、全て食われただろう。

光となって、消滅した。

確信して言える。

そこにいた、水橋香奈枝の腕が、ぽろんと、転がっていた。

さらに、追い討ちを賭けるように、京都全体が、燃えるかのような、赤を出した。

いや、実際に、燃えていた。

炎上していたのだ。

何かによって、京都全体が、炎上していた。

「なんだよ・・・これ・・・なんだよ・・・これ・・・なんだよ・・・これ・・・」

次第に、桜色の砲弾が、清水寺にも直撃し、炎が舞い上がり始めた。

逃げ遅れた。

そう、思ったときには、もう遅い。

さらに、桜色の砲弾と、今度は、金色の閃光が、悠介の体を貫こうとしていた。

「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

あげた、咆哮は、閃光を逸らし、自分達のいる別の場所に直撃する。

なんで、

「ぶっ壊すんだよぉぉぉ!!!!俺の故郷だぞ!?俺の、俺の、大事な場所だぞ!?何だよ・・・壊されるたびに・・・蘇ってくるじゃないか・・・」

思い出す代償として、全てが、炎によって、燃えていく。

次第に、炎は、清水寺の柱を燃やし、本堂にも、火の手が回る。

絶叫に呼応するかのように、炎は舞い上がり、悠介の今、いる場所を燃やす。

地獄にいるような、熱さ。

より、炎が、怒りとなって、舞い上がる。

スサノオの咆哮に反応していた。

「ヴィヴィオ・・・逃げよう・・・」

はやる気持ちを抑え、香奈枝の腕を持ち出し、急ぎ、まだ、火の手の出てない飛び降りる。

「うん・・・・・・」

本堂から、どのまま、下に飛び降りようとした時、人の声が聞こえた。

助けようとした時、桜色の砲弾が、その無視の粋だった人間のいる、場所に直撃した。

辛い。

助けられなかった、自分が辛い。

舌打ちしながら、ヴィヴィオを抱きかかえ、本道から飛び降りた時、そこは、もう、地上の人間の住む世界ではなく、死に行く人のための世界、地獄変だった。

燃え上がる街の中で焼け死ぬ人間の姿が目に映る。

何もしていない罪を感じさせない人すらも身もだえしつつ、纏った服装とともに焼け焦がれていく。

人が、炎と共に、狂った舞を踊り、そのまま、炎が燃え尽きた時は、死を意味する。

そのような、異常な光景。

地獄絵図とは、まさに、このことだと、悠介は、周りの燃えていく、人間を見ながら、思った。

池の中に人が入り、炎を落とそうとしても、内側から、出るような、炎が、数百人の炎が、池の水を蒸発させ、阿鼻叫喚の地獄絵図を作り上げる。

異常だ。

水が、蒸発するほどの、炎など、もう、対処のしようが無い。

「これが・・・これが・・・奴等のやることか・・・?」

「悠介・・・」

「ヴィヴィオ・・・お前だけでも、守る。お前に、恨まれようとも・・・」

「ママ達・・・ママ達がやったの・・・?」

「そうなんだろ・・・!!」

信じることが出来なくても、この光景だ。

そして、三日目。

追ってくるのは、あの二人。

「こんなものを、俺に見せやがって・・・」

燃えていく。京

都の伝統が、歴史が、文化が、全て燃えていく。

悠介の故郷が、燃えていく。

その、光景に。

「やっと、帰ってきたんだぞ・・・?おい・・・やっと、帰ってきたのに・・・これかよ・・・」

「怖い・・・・・・よ・・・・・・」

もう、ヴィヴィオは、周りを見ることができなかった。

あければ、地獄。

そのようなものなど、見たくなかった。

町を燃やす、何かがいる。

黒い影は、しっかりと形を作り、その姿を現した。

「・・・」

「・・・」

なのはとフェイト。

二人は、何も言わない。

何も言わなかった。

しかし、悠介は、無情なまでに、京都を地獄と化す、二人をきっと、睨み、怒りの咆哮を上げた。

「この世界の、友達に会えたって言うのに・・・これかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!」

戦闘・・・

開始。

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初めまして SSLINKS投稿願い

初めまして、羽桜と申します。
この度、とらハ&リリなのは系SS
LINKSを始めました。宜しければ是非ご使用お願いしたい所存です。掲示板に作品の紹介を書き込んで頂いて、それから私がピックアップをしてリリなのは新着LINKSに上げる手法を取っております。

リリカルなのはSS情報サイト
とお考え頂ければ幸いです。
使い方が至って単純と申しましょうか、簡単に自分の作品を紹介
出来るのが一番の長所だと思っております。
最近はやはりブログが多いので、こういう形式の
方が投稿よりもいいのかも、と思って立ち上げた次第でもあります。

是非投稿宜しくお願いします
m(__)m

| 羽桜 | 2008/03/05 19:40 | URL |















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