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琴瑟相和

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前にツイッターで書いた奴を加筆修正した、折神姉妹のレズセックスSS。
なんていうか、朱音様と紫様と言うか、折神姉妹が一番好きな百合カプなんですよね(つ=ω=)つ
ってか、朱音様は川澄綾子さんが声優さんだから、色々とね。
やりたくなった(=ω=)つ
ついでに、百合妊娠もSSでやりたかったんよ(つ=ω=)つ


 「眠っていたのか……」
 「はい。三時間ほどぐっすりと……大分、お疲れだったのですね。」
 「タギツヒメとか、そういうことに関わっていれば神経も張りつめてしまうさ。」
 周りの緑が濃い。
 都会の雑踏に紛れていた頃に比べると、あの世界が夢現だと思ってしまうくらいには喧騒などが聞こえない静けさが紫の世界を支配する。
 こういう場所では自然と一つになったような錯覚が生まれて溶け込むように、日頃の疲れが吐息一つで吐き出されて、ゆったりと倒れ込む。ここで今の内に休んでおけという、紫の意思を組んだ自然からの言葉のように都合よく受け止めた。
 今日から、この静かな場所で朱音と一日中、交わり、そして、この場所に響くのは自分と朱音の嬌声。まるで性欲を満たすためのようだが、全ての雑務を紗南たちに二日ほど任せて、 わざわざ、この場所に来た意味はある。
 それは考えるだけで胸が熱くなること、そして紫の、もしかしたらと言う出来事の為の未練が全て満たすできる場所。
 「朱音……」
 愛しい人の名前を呟くだけで胸が熱くなった。とても姉思いの優しい妹。紫からすれば、今すぐにでも良かったのだが、いざ世相や戦いから隔離された世界に腰を下ろした瞬間に強烈な脱力が襲い掛かり動けなくなった。
 此処はまるで、人の住む世界ではないようだ。こういう場所を天国とでも呼ぶのだろうと実感してしまう程に。『少し、お休みください。』と、笑顔で朱音に撫でられてから妙な眠気に包まれて、そのまま眠りについてしまったところまでは覚えている。
 微かに、もっと眠りにつきたくなるような香りに包まれて、このまま一日を過ごすのも悪くないと、まどろんでいたが、それでは紫にとっては、この場所に来た意味がない。しかし、そんなことを忘れてまどろんでしまう程に朱音の膝枕は心地よ過ぎた。
 しかし、いつもの服装と感触が違うことに気づき、紫は「温泉に、入ったのか?」と朱音に問う。
 「はい。眠っている間に。」
 「そう、か。そうでなければ、私達がここに来た意味はないからな。」
 「えぇ……」
 どこか寂しげな顔をしていたが、紫は見ることが無かった。朱音の膝枕の心地よさが、まるで母親に抱かれているような気分だったから。朱音は肉体年齢が一回り以上も上だから、ある意味では、そう言う感覚であっても仕方ないのだろうが、それを感じてしまうたびに申し訳なさと、何処か寂しさのようなものを覚えてしまう。
 素知らぬ顔をしているが、それでも長い年月の間、待たせてしまったことには申し訳なさ。だから最終決戦を前にして、そして万が一の時がある為に、ここに来たというのに。
 「どうなさったのです?」
 一瞬、自分の中にある思考を悟ったのだろうか?と、朱音は考えたが、紫は自分の事しか考えていなくて、朱音の奥にある考えを読んではいない。それは錯覚だった。自分の事しか考えていない紫に対して安堵と同時に寂しさも湧く。
 しかし、朱音は紫の考えていることが手に取るように解っている。だから、その思いを叶えるために、先ほど、紫よりも先に温泉に入ってきた。しかし、その紫の思いの全てを叶える気は無い。
 朱音からすれば、紫の一つの思いと言うのは呪いとして利用するつもりだ。
 “自分勝手……”
 ぼそりと呟きながら、それでも姉の考えを理解し、これからのための準備をしたのだから、随分と紫には甘いと一瞬、後悔に近い溜息を吐いた。
 「いや……なんでもない……」
 夢心地、荒魂など存在しない静かな空間。
 心地良い畳十畳の塵一つ落ちていない綺麗に整頓されて畳の中心に布団が一式のみという空虚と言っても良いほどの和部屋の縁側で、一人、戦いから無縁の世界に柔らかな心地よさと天然イ草の畳の臭いに身を委ねて時間の流れすら止まってしまったかのような空間に心も委ねた。
 刺し込む柔らかな太陽光と自然の息吹を感じさせるような、そよ風を、この身を浴びて今、生きているという事を折神紫は実感する。荒魂などという存在が元より存在していないとでも言うような静けさが夢と現実の乖離を生みながら、今、自分は死人なのではないのか?不安が芽生えて疑問を抱くが、この素肌に感じる風の心地よさも、耳に響き渡る小鳥たちの囀りを感じることが出来る今、自分は生きているのだと感じることが出来る。
 ずっと戦いの世界に身を置いてきた分、こういう戦いに無縁の自然が溢れる世界は心が不安になってしまうものなのかもしれない。しかし、この心地よさは口を開けて無造作に髪を広げて子供のように大の字になって呆けたくなるような誘惑が襲い、事実、そんな状態になっている。
 全ての紫の今の立場などを全て無に帰してしまうかのような自然の偉大さと優雅さ、雑踏を掻き分ける必要もない程に社会から隔離されたような自然の楽園とでも呼べる場所にポツンと立っている。
 知っている人間でなければ廃墟として見られても仕方のない場所だが、部屋の中は外見に反して手入れされているのが特徴だ。部屋の外から見る風景と言うのは歪に入り組んだ樹々に囲まれて、これらを見てしまえば、こんな場所に来ようとするのは余程の好奇心が旺盛な人間であると言える。
 人から聞いても噂程度に流されるほどには目立たない場所にある、折神家所縁の場所。緑に覆われたけもの道と呼ばれる場所を通らなければ辿り着くことのできない、見つけたとしても幽霊旅館か何かと間違えそうになるほどの寂れ具合だが中は紫が子供の様に朱音の膝枕の上で落ち着けて寝てしまうほどにはゆったりできる位に整理されている。凡そ、人が寄り付かないであろう一見すると山奥の秘所と呼べる場所に基本は折神家の夫婦のみが利用することのできる温泉旅館がある。
 ここで折神家の娘達は両親から技術等を伝授するのだが、成人した折神家の女が、愛する人と此処に来るというのは、もう一つの意味がある。
 「待たせてしまったかな?」
 「いえ、そんなに待ってはいません。」
 愛する女の声に心地よさを感じて純粋に嬉しいように紫は口の端を釣り上げ、瞼を薄く閉じて微笑んだ。
 「それにしても、本当に、この部屋は布団しかないのですね……」
 畳十畳の和室の中心に布団が敷かれており、それだけ。そして、この場所でしかできないことをもって、折神紫の思いを成就させる事でもある。
 「知らないわけでは無いだろう?」
 「そうですが……」
 朱音は、この場所で何をするのか、もう悟っている。
 その奥にある紫の思考さえも解っているから憂いを帯びた表情を浮かべた。
 (姉さまが、ここで過ごすと決めた理由……)
 折神家の人間なら、この旅館を使う意味が解る。
 元来より、その歴史が始まってから折神家は優秀な刀使を生み出すために刀使同士で子供を作る。この世界は一周回った後だとか、折神家どころか刀使の始まりは元より月の社にいたという二人の偉大なる太陽と月を司る巫女を祖先としているらしい。そして、その二人の巫女が中心となって折神家を地球の守護者として作り上げた。二人の巫女の期限である月に眠る巨大なる御刀、天群雲剣折神を操り、その昔、荒魂とは違う邪神と戦ったといわれている。
 二人の巫女は、この土地の守護神として再臨しつつ、折神家創始者である二人の巫女は女同士で子供を作り、紫や朱音たちに繋げていくと同時に、折神家は刀使同士で結ばれ繁殖することで優秀な刀使を産む。
 刀使が術に使う力を子宮に、胎内に集中させて子供を授ける身体に変化させ、女同士でセックスをすれば……と、言う訳だ。例外なく紫も朱音も二人の両親は刀使である。遺伝子上の掛け合わせという単純でありながらも、そこに愛と言う力が交わることで強い刀使が生まれる。
 折神紫の基礎的な強さと言うのは、こういう秘密がある。そして朱音の本来の強さも、紫が全部持って行ったというのが通説だ。
 「朱音?」
 「いえ……」
 「最近、そういう顔が多いが……?」
 「そんなことは……」
 朱音とて、折神家の人間ゆえに、この場所に連れてこられた意味は嫌でも解る。本来なら、朱音も小躍りしたいくらいには嬉しい。
 (朱音?)
 妹との関係を取り戻してから数ヶ月経とうとして折神紫の心の中は、あの頃程とは違うものの充実しているはずだった。潜水艦で朱音に愛撫をした時、確かに朱音の身体は喜び、関係が戻ることへの祝福の接吻までした。
 しかし、朱音はどうにも乗る気じゃない時がある。
 それでも一度、紫が甘い言葉で誘惑すれば精神は洗脳されたかのように動かされるし、快楽の海まで誘えば燻っていた情熱が蘇るように何度も自分を求める程、乱れるというのに、20年、待ち続けて今の関係になった分、あの熟れた牝肉は紫を求めて情欲の灼熱を纏っている筈だと思っていたが、そういう疼きはないのだろうか?と不安になる程、自分から誘おうとしない。まだ学生だった時代は恥じらいながらも紫と一つになることを望んでいたというのに。見当違いな勘違いをしていることに気付かず、紫は、そっと手を伸ばして朱音の頬を撫でた。
 (何を考えて……)
 時折、見せる暗い表情が紫を不安に陥れる。今という時間だからこそ、朱音に対して、あの時に残せなかった事を今の内に、タギツヒメが世界に混乱を起こす前の、この少ない時間の中で朱音との間に確かな絆を作っておきたかった。
 なりふり構っていられない。
 今回の決戦は、あの時、二十年前以上のものだというのは誰にでも解る。
 タギツヒメとの決戦で討伐されることが無ければ不測の事態が起きれば紫は自分の命を持って封印をするつもりだ。
 その前に、今、前向きに朱音との関係を見据えているための……折神朱音に自分の全てを刻み込む為に。
それに朱音が乗り気じゃない態度は、時間の問題もあるかもしれないとはいえやはり寂しいものがある。朱音を抱かないと、愛してくれないと不安にもなる。
 あのころ、自分が自分として毅然と戦えたのは朱音が精神的に自分を支えてくれたから。だからこそ、自分らしく毅然と戦うために万が一の時のために、もっと朱音と交わりたい。そして、ここで朱音に自分の子を妊娠してもらいたい。人からすれば、これからの朱音に対する行いは悲観的に見えるのかもしれない。しかし紫からすれば、それが今、自分が朱音に出来ることだと思い込んでいた。
 それに朱音の熟した果実は、紫に刹那の思い出を全て朱音に託そうとしている。
 (お姉さま……その考えは退廃的すぎます……)
 不穏なことは過る。
 折神家に所縁のある、この場所に来た不安な感情が、変に前向きになって、自分との間に子を為そうとしているのだろうというのは嫌でも解る。それが、余計に朱音の不安を掻き立てて、この場所で交わることに恐怖を覚える。
 もし紫との間に子供が生まれれば、朱音が妊娠するのであれば、それで未練がなくなり、タギツヒメとの戦いに平然と命を賭してしまうのではないか自分に託して、自分は一人、隠世に行ってしまうのではないだろうか。
 今の紫は、そういう死に急いでいるような部分を感じて仕方ない。
 それでも朱音の中にある紫への思いは日増しに強くなって行くし今すぐにでも紫に愛されたいと思うのに、本音を言えば今からでも戦いが終わっても毎日、爛れたような生活を送りたい。
 子宮は疼くし、色欲に煽られることもあるし、臭いを嗅ぐだけで下着がぐっしょりと濡れてしまうことだってあるし、この牝特有の臭いが色欲を呼び覚ます。紫に乳房を揉みしだかれたいし、舌を突出させて乳首を口の中で転がしてほしいし、紫の純真な狂おしい程の愛を捧げたくてギラギラと輝く瞳で見つめられながら口で淫語を囁かれて媚肉を掻き回してほしいという欲望が溢れる三十路の熟れた肉体から溢れるほどの色欲。紫が求めてくることで、紫が人間として、今、目の前にいることで肥大化して抑えようもない情熱が渦を巻いている筈なのに、いざ自分から誘おうとすれば不安が嘲笑するかのように、情熱に冷水をかけられたように冷めてしまう自分がいる。
 姉の身体からは強烈とまでは言わないが仄かに香る死の臭いが鼻を刺し、心を虚無に落とし込もうとする。姉を抱いて、この時間で姉を愛してから漂う、折神紫から漂う死の臭いは今の朱音の心をアンバランスゾーンに落とし込むには十分な素材。
 本当は、この場所で紫の子供を妊娠したい。
 その為の準備だって、もうしてきた。だが、紫が、もし自分の考えているようなことを考えているのであれば。
 杞憂であればいい。
 そうすれば、もっとのめり込むことが出来る。
 愛することが出来る。
 だが、どうにもできないほどに姉から漂う死の臭いが朱音の心の中に灯る色欲の炎にブレーキをかけて、心が息苦しくなって心臓に針が突き刺さってしまったような痛みが、紫と交わり、歓喜の嬌声を上げながら快楽の海から現実に戻る度に何度も胸が締め付けられそうになる。
 なのに……身体は紫を求めている。紫と二人きりになると、どうしようもなく、あの頃の色欲に塗れた最高の時間を改めて享受したくなる。
 二律背反の感情が、毎度、襲う。いつもよりも胸が締め付けられるようで心が息苦しくなる。
 心は恐怖しているのに、肉体は疼き求める。
 退廃的な紫の思いを理解しながら、この場所の来訪を拒絶しなかったのは朱音の中に子を宿すことで、愚かで退廃的な思考が変わるのであればと期待を込めたから。
 冷水をかけられた冷めた情熱を、どうにか燻らせつつ、この場所に最愛の人と来た。
 変わらなければ自分が変えるのみ。
 (朱音が……私の子供を実らせてくれるなら、もう……それに、ここで朱音をずっと抱いていれば、私は……)
 ここのところ、セックスに対して過剰と言えるほどにまで誘い出すのも……そして、この場所に連れてきたことも……
 悩ましい顔を浮かべながらも、伸びた紫の手が朱音の頬を撫でた。そのような顔をすることは許さないとでも、その表情は訴えている。
 「朱音……」
 命の灯が消えるように掠れながらも、もがいて生きようとする声で名前を呼ばれ、朱音は心配な面持ちで振り返る。
 紫の意識が、この世界に戻ってきて、そして互いの身も心も満たし合う関係が戻って来た。普段は剣を握る勇ましい手が優しく包み込むように朱音の中で蠢く何かを確かめるように抱きしめる。どことなく子供のころに母親に抱きしめられた時のような温かさと指の一つ一つの動きが柔らかな感触に抱きしめられるのが、過去に姉に愛された記憶が呼び起こされて肉体に熱が走る。
 「どうしました?今日は随分と甘えん坊ですね……お姉さま……」
 解らないわけでは無い。
 ただ、この姉の中にある焦りが朱音には怖い。これが最後の時間だと思えば思うほど余計に。
 しかし紫は、朱音の奥底にある感情を解っているのか解っていないのか、いや、自分の妹だから解ってくれると思い込んでいるのかもしれない。
 恐らく、この場所から出て戻ってくる頃には最終決戦の鐘がなる。
 そのためにも、紫は、朱音と言う安らぎをもっと堪能していたいのだ。
 未練を残さないためにも。
 「朱音の身体は甘えたくなる……」
 この瑞々しさを保たずに大人として熟れた肉体に成長した朱音を抱きしめた時に浮かべる、恋人としての折神紫の蠱惑的な表情が朱音の肉体を疼かせる。 年老いているとはいえ、それでも一応は刀使であった分、二十代前半の若々しさを保っているからこそ、年老いているという言葉は同年代の一般人には失礼になるが。
 既に、この顔を見せた時は刀使として前線に赴く折神紫ではない。
 折神朱音の彼女である折神紫。
 振り解くことに罪悪感さえ覚えてしまいそうなほどの折神紫の表情、誰よりも優しくて凛々しさなんて言葉とは程遠い誰よりも美麗な姉の姿が目に映る。
 「わかっているだろう?こういう時、私がどうしたいのか。」
 「はい……解っては……います……」
 目を細めて柔和な笑みを見せるも、途切れ途切れに返事する仕草に不安の顔を浮かべていた。身体は乗り始めているのに、心はまるでここにあらずな朱音が乗る気ではないことが嫌でも解ってしまう程の声。
 「昔は朱音の方から誘ってくれたのに、どうした?」
 寂しがっているのか憂いを帯びた失恋した少女の様な顔を浮かべてしまえば、朱音とて罪悪感に苛まれる。
 紆余曲折あって若手の刀使達のおかげで、自分達は元の関係に戻ったし、年を取れば本心では姉に情欲の熱帯夜を過ごしたいなどと誘うことは三十の後半にでもなれば性欲旺盛な女の一人にもなる。
 本心から、この場所で姉の子供を身ごもることも本来なら喜んで受け入れるだろうし、この身体は欲しくて疼いている。幻滅することも無く、激しく乱れて求めあうことを悦ぶだろう。三十の後半とは思えないほど美麗という言葉が相応しい柔らかな癖になりそうなほどの肉体は疼く。
 しかし、これが最後になるのだと紫が考えているのだとすれば?
 考えるだけで全身が怖がるし、嫌な風が身を包み込んで心臓に針が突き刺さるような痛みが全身を襲い、このまま嘔吐してしまいそう。
 この後のタギツヒメとの戦いの為に等という事を考えていたら、そんなドラマじみた愚かな思考を考えているなら、どうして乗れようか。
 覚悟があって、この場所に来たとしても、どうにもならない不安が朱音にはあるのだ。
 心と体は、冷水と熱の相反する感情が疼き、乖離する。
 これは「朱音」と「紫」の心理そのものだった。
 「姉さまは……」
 「朱音?」
 その後の言葉が出ない。
 二人きりになれば途端に折神家の最強の刀使の紫ではなく、最愛の姉であると同時に最愛の彼女として目の前にいる。そういう素振りを見せる姉に強く言えなくなる。その後のことを聞くのが怖くなる。
 「ゆっくり、今は身体を預けて……」
 紫は、最愛の妹の胸と尻が垂れつつも余分に付いた肉を、そっと愛撫し始めた。ここで無駄な時間を過ごすつもりはない。すぐに、もっと心地よくなる場所へと連れていくような愛撫だった。
 それなりにトレーニングはしているとはいえ、トレーニングで抗いようのない部分は熟した部分に官能的な味を出していて、柔らかな肉の感触が紫の肉欲を突き動かし、朱音の奥底にある不安に気付きながらも、その不安をかき消すために愛撫を続けた。
 柔らかな肉の感触が愛しい。
 本心から朱音を愛しているがゆえに、この後の戦いのことを考えて、この場所に来たというのに、その奥にある紫の思いからは、どうにもならない不安が朱音には見える。
 自分の身体の中に大蛇が巣食って蠢いているかのようで激しい嫌悪が交じり合い吐き気が込み上げてくる。今の姉の中にある希望と言うものに肉体は違和感を抱いているようだった。姉の野心を利用するとは言ったものの、その前に愛する人であるからこそ、本当に、そのようなセンチメンタルと言う名の毒に侵された姉を心配になる。
 呪詛のように狂気にかられて、己の考えを希望だと思い込む、いや執着する姿は愛する朱音にしか本心を出さないからこそ、愛している朱音が見ても鋭利な刃で傷つけられたかのように痛みが走った。
 「朱音……」
 そして朱音の身体を抱きしめて名前を呼び、愛でることが多い。
 熟した妹の肉体の触り心地が良さを堪能しているかのようだ。口にはしていないが、余程、心地が良いらしい。凛々しい顔を崩して自分の目の前で時間が止まった恋する乙女とミステリアスを混ぜ合わせた様な十七の、いつもの顔が崩れたような柔和な表情で解ってしまうし、その顔が朱音の心を乱す。
 名前を呼んだ姉の声色は、もう、余計なことを考えないで欲しいと訴えているかのようだ。
 この顔は自分の中に紫への隠しきれない思いを見透かされているかのよう。
 ゆっくり抱きしめて身体を堪能するように大人としての自分を捨てて子供としての自分を抵抗なく、二十年以上も前、初めて朱音を抱いた時の様に普段は勇ましく刃を振るう腕が自分を愛でるためだけの腕に変貌する。
 朱音と二人きりになる顔だけ見れば折神紫と言う女が普段は刀を振るい、世界を救うために動き出していると信じることすらできないだろう。
 「朱音の、この熟れた身体を抱きしめるのは癖になりそうだ。暖かい……」
 「私は、お姉さまの瑞々しい若い身体の方が……好きです……お姉さまとの違いを色々と実感します……」
 「そう?私の手に吸い付くような今の朱音の身体は好きだな。昔以上に、私を求めているようで。」
 その肉体年齢相応の無邪気な表情が朱音の心を惑わせる。
 純粋に偽りのない、荒魂に憑依もされていない、折神家の最強の刀使でもない、恋人を愛でる顔。失われた筈のもの、もう二度と戻ることが無い二人の時間。二十年という莫大な時間を失ってしまったことへの甘んじて受け入れることに憂いを帯びつつ、それでも、これからの朱音との関係を前に進めていくことを決めた瞳の輝きが眩しい。
 精神年齢は自分よりも年上だというのに。
 眠るような静寂の空間に徐々に呼吸が乱されるような淫靡な手つきで朱音の身体を紫は弄り始めた。
 「朱音、私は、朱音と毎日したいし、朱音に誘ってほしい。」
 「ね、姉さまっ……!」
 そんな時だけ、我儘な子供の様な言葉遣いをするのは罪悪感を煽られる。
 「ん?どうした。私が、こうするときは、どういうことか解っているだろう?」
 「わ、解っていますが……」
 「どうなっても、朱音……私は、朱音が好きだよ。」
 「あぁ……」
 感嘆と快楽が交じり合った朱音の声に紫の喉を鳴らして唾液を飲み込み、熟れた汗の滴る朱音の首筋に甘噛みした。
 朱音の奥にある本心を敢えて無視して強引に事に運ぶために。
 あの時、交わってから何回もしていること。
 紫が、もう、朱音の言い訳を許さないという合図。朱音の中にある、何もかもを、これから口にするのは許さないという意味でもある。ただ姉妹同士の快楽に溺れて混ざり合う。
 「私と一つになる時は、何も考えるな。あの頃の様に快楽に従順だった朱音を見せて。」
 耳元で囁かれる誘惑の声に悦楽電流が肉体を凌辱し始める。
 熟れた肉体は合図に呼応するように汗がじんわりと浮かび上がり、艶のかかった瞳が紫を見つめる。
 「朱音……」
 「お姉さまぁ……」
 「さぁ、始めよう。」
 許さないという合図だとはわかっていても、この二十年という時間の間に失ったものと、新たに得たものを考えてしまえば、今の紫の様に過去の関係を新たに構築して楽しむ余裕など……紫の本心を知ってしまえば乗れなくなるが渦巻く色欲は朱音に拒否の言葉を漏らすことを許さずに嬌声を上げた。
 「もう、始まった時は、そういうことを考えるな……と、言ったはずだぞ?朱音。」
 ブラのホックを外した紫が少し怒りを込めた瞳で乱暴に鷲掴みにして、人差し指と中指で強く硬くしこり始めていた乳頭を強く摘まんだ。
 「あぁっ!!ね、姉さま!?そんな……いきなりっ……!」
 艶のかかった声が響き、紫は、そのまま躊躇いなく捨てるようにブラを捨てて、切なさと儚さが同居する白い豊満に育った乳房が重力に逆らう力を失ったかのように少し垂れ落ちて、煽情的に少し広がる朱音の乳房を露出させた。
 白い肌と、それに相反するような赤い乳輪のコントラストが実に淫靡で紫からすればこれ以上にないデザートのように映る。
 「それに、お前の身体は早く私と交わりたいようだが?」
 くりくりと真っ赤に染まった乳頭を二つの指で蹂躙するように、指をくねらせて、慣れた手つきで抗議する姉の視線は構ってくれない恋人が膨れっ面をするようで申し訳なさを覚えてしまうのだが、それでも、それでもだ。
 もし、この今の姉との夢のような時間が終わりを告げるようなことがあるのなら、朱音は自分が立ち直れるのだろうかと考えてしまう。
 解らないわけがない、タギツヒメの抱く野心、世界を巡る攻防は日々、過激さを増しているというのに。今、荒魂の戦いに身を投じる姉の姿を見てしまえば、この関係は再度、終わりを告げることになることになるかもしれない。
 年を取ると嫌な記憶だけ残る。
 そして嫌な可能性ばかりを考えてしまう。
 これからの戦いが激化の一途をたどると考えれば考えてしまう程に、姉を大荒魂に奪われ、人ならざるものになり、自分との記憶すらも蹂躙されて行く姿に耐えられずに殺そうとしたことだってあるのに。
 そして、また今の戦いで自分の元から去ろうとしている予感が脳裏に何度も過る。
 あの時の決心とダブり、そう言った複雑な感情が混ざり合い、どうせなら、この関係などなかったことにした方が良いとすら考えることもある。
 「そ、そんなに激しくしないで……お姉さまぁ……」
 この感情を解っているのだろうか?解っていても無視するように紫は熟れた朱音の身体を舐めまわすように見つめた。
 まるで限りある終わりに向かう時間までに朱音との思い出で全てを埋め尽くそうかとしているほどに、紫はいつも激しく快楽の海へと導いてくれる。
 これからのことなど考えたくはないかのように、再度、結ばれてからの朱音と紫の淫靡な関係は激しさが増した。
 「気持ち良くはないか……?」
 実際は精神の冷め方に対して肉体は愛する人に抱かれる悦びに満ちている。
 「お姉さま……」
 一瞬、愛撫を止めて朱音の言葉に付き従うように一瞬だけ目を反らす最愛の姉の姿。このままで終わる訳がない。万が一という時のことを考えているような朱音を不安にさせる顔。
 せめて、あの時の様に。
 初々しい生娘とまでは行かないが、あの頃のような二人の心が紅蓮の炎のように燃え上がるような熱い夜の時の情熱を思い出すように紫は求め、そして朱音は、その炎のような情熱とは真逆の冷水の様な恐怖に囚われ始めている。
 再度、朱音を残して隠世に行く可能性。
 隠世に行けば身体は残らずに本当に朱音を残して消えることになるだろう。どうせ、泡沫に終わるのなら虚しさしか残らないから関係を再度、持たない方が良いと考えている朱音と、そうなるかもしれないからこそ最愛の妹との関係を激しく情熱的に刻み付けるように紫は求める。
 (そうならない、ことだって……あるかもしれない……でも、貴女の瞳は……何処か焦っている。)
 言葉を途切れ途切れにしながら寂しげな顔を浮かべて、朱音の中にある紫の思いを理解したのだろうか、それとも、この場所を離れてから訪れるだろう最終決戦の己の考えた結末に酔い、寂しさに堪えられないのか、思わず強く抱きしめた。
 朱音は何も言わずに、ただただ、紫を抱きしめてそっと撫でた。
 あの頃のようには戻ろうと思えば戻ることは出来るだろうが、潜水艦で一度、過ごした後の夜は焦りのようなものを見せるようになった。失われた時間を取り戻そうと考えているのだろうは思ったが、どうも、それは違うようだ。
 長女と言う立場は何でも背負い込みやすい性格らしい。
 それは紫にも当てはまり、だから、何でも抱え込んでしまう。
 二十年前に仲間を助けるために、その身に大荒魂を。
 そして今度も、一人背負い込んで若い刀使や朱音に未来を託すために自分はどうなっても良いとでも思っているかのような覚悟で最終決戦に向かおうとしている。今回は命を懸けてなんて、かっこいいことを考えてはいるのだろうが、それは残される朱音からすれば迷惑そのものだ。
 何でも背負い込み過ぎて、それが裏目に出てしまうことは良くあることだ。
 朱音には紫が、自分達の、この行為の意味を忘れているかのようにも思えた。
 そういう何でも背負い込むからこそ、自分達の今の時間の意味を忘れてセンチメンタルに浸ることが心地よくなってしまうのだろう。
 あの頃は重圧から少しでも朱音は憧れの紫お姉さまに対して楽になってほしかった。従来の刀使としての強さ、気高さに惹かれ、愛し合う関係になるにつれ紫の奥にある孤独を知る。孤独や強者と言う立場にいるからこその重圧から来るストレスは圧迫感となって襲い掛かり、これから生まれる精神的な痛みは半端ないものではない。交えたり、二人きりになると甘えてくる紫の姿から、朱音は察することが出来た。だから、そんな紫を癒すための大事な二人だけの時間は日を重ねるごとに増えてくる。それ程、折神紫が折神紫でいられる時間は心地が良かったのだろうと思う。
 朱音の身体は心地よく姉を包み込み、暖かく、柔らかく、全てを奪うかのように忘れ去る。
 まるで、母親の胸の中に抱かれているようで、重圧や圧迫は意識の深層と言う海に沈むように、朱音と一人でいる時は悪夢のようなものに苛まれなくなる。
 そうして朱音に愛されることで、ストレスの塊をリフレッシュし、極度の緊張が氷解し形を失っていく。
 紫が年相応の少女の顔を浮かべて朱音に甘える姿を見た時は、「あぁ、折神紫も人の子だった。」と、安心するが、今となれば、その思いが、逆に怖くなる。  
 己の未来に対する希望を残す為に、紫は朱音に自分の全てを委ねたかった。 しかし、かつての二人の仲間のことやタギツヒメの事を背負い込んで、一人、自分しかいないかのように、この国が古来では愛される自己犠牲の精神から生まれるセンチメンタルに浸る紫の姿は朱音には情欲が興醒めしてしまいそうなほどに痛々しかった。
 元は紫に安らぎを与える為の行いが、センチメンタリズムを叶える道具になっているのは朱音にとっては最愛の姉であっても、いや、最愛の姉だからこそ許し難い。
 「朱音、今は他のことは考えないで……」
 「姉さま……」
 「そう何度も挟まれては、私も興ざめする……」
 「しか……」
 言葉を紡ごうとした瞬間、頬が真っ赤に染まる紫の顔を見た。朱音が処女を捧げた時のように。
 しかし、もう「朱音は私のことを解っているのだから詮索は許さない」と言うかのように、紫は朱音と唇を無理やり重ねた。
 指と指を絡めて、強く握り、これは自分達の関係の為に必要なことなのだと。訴えるように。
 あの頃よりも強く何度も愛し合うことで、この戦いの後、自分達の関係は虚しさを抱えたまま終わらないと強い意志を朱音に伝えるように。
 (お姉さまの子を妊娠すると誓って、それで、お姉さまを変えようとしたのに……)
 どうしても、その真意を知ってしまうとどうも心は乗り切れない。
 しかし、身体は心よりも素直になっている。
 だからこそ、もっと……
 自分の冷めた心すらも、その気にさせてほしいと瞳が情欲に染めることを訴えた。
 そうでなければ、朱音が乗りきらない感情のまま、ここに来た意味がない。
 既に朱音のみを護る衣服は紫によって剥ぎ取られて、熟れた肉体が露になる。姉に抱かれることの喜びを再度、覚えた朱音の肉が蠢き始める。しっとりと汗が浮かび上がっていて、紫の物を言わせない情欲に身体は身を委ねるように……
 露わになった肢体は奔流されるように肉体に灼熱の渦が湧きあがった。
 「今日は私の気が済むまで相手をしてもらうぞ?」
 「はい。お姉さま……」
 「熟れた果実は、とても美味だ……朱音。」
 「そんなこと……」
 「朱音の吸い付く肌に夢中になる……」
 耳元で奏でられる紫の言葉に、さらに熱は燻り吹き出る汗となって灼熱を帯びた真赤な乳頭が、もう紫と愛し合うことを我慢できないと告げるように芯が入ったかのように卑猥に勃起する。
 「ここも、ものほしそうだ。」
 「お姉さま、そんなに……」
 そして下腹部も例外なくビッシリと生え揃った処理することを忘れられた茂みの奥からマグマのように滾った媚肉から卑猥な汁が求めて、既に全身は紫の体を受け入れる準備は完全に出来上がっていた。
 「ここのことか?」
 「そ、そうです……」
 「子供のころは、こんなに生い茂っていなかったな。」
 「そ、うですよ……?お姉さまとしてから、気持ちよくて、お風呂の時も、処理することを忘れて……」
 ふふんと悪戯っぽく笑いながら、しかし、愛しそうに恥毛が無造作に生えて処理されていない性器を撫でた。くちゅりと音を立てて……
 「ふぁぅ!?」
 溜まらず身悶えて心地よい甘い嬌声を響かせる。
 「これくらいで感じてしまうのか?朱音……さっきまでは躊躇っていたというのに、お前の身体は心より正直だ。」
 重力に逆らえない大きくなっただけと朱音が年を取ったと実感させられ、それでも若々しく少々垂れた白桃の様な尻肉は歩くたびに、たぷんと揺れて愛しそうに撫でながら、赤みを帯びて身体が真っ赤に染まった妹の身体を抱きしめた。
 今と離さないと、そういう意思ですら感じるような強い抱きしめ方に過敏に反応する朱音の膣口から、歓喜の蜜がとろとろと流れ落ちている。
 失禁したように、くらくらする感情に翻弄されて、電流が走ったように軽い絶頂が熟れた身体を揺らすように走る。
 「快楽に満たされていく朱音は可愛い……私の手でされるとなると、余計に、愛しい……」
 自分の手で満たされていく朱音の姿が何よりも愛しい。
 「んっちゅ、くちゅり……」
 「じゅる……」
 淡く熟れてぽってりとした桃色の唇から甘い香りが漂い、溜まらずに唇を重ねて、さらに舌を挿し込んだ。紫のキスが始まれば、もう、これからは悦楽の海に浸る時間。とろとろ甘い香りが漂う唾液が充満する朱音の口の中、蹂躙するように紫の舌が蠢き貪り、その全てを知りたいとでもいうかのように、じゅるじゅると口腔を吸い上げる。
 瞳を見開き、硬直した後にビクビクと電流に満たされたように身体が跳ねる。
 力が抜けていく朱音の身体を支えながら、紫は、それでも朱音を求めてキスを止めようとしなかった。
 奔流されていくように淫靡で芳醇な香りが漂い始める。
 (朱音、もっと舌を動かして……)
 どろどろとした、ねっとり具合と、ざらざらした両方の舌の感触が混ざり合い、そして絡み合う。
 舌を蠢かすたびに、熱の奔流は暴走する。絡めて朱音の熱が紫の肉体に巡り伝わるたびに、このキスだけで二人の身体の熱は共有されて、徐々に紫の身体も乳頭が隆起し始めて芯から身体が熱くなる。
 もっと、この唇を味わっていたいとはなるが、どうしようもないほどに本能が満たされ次の段階を求めようとしている。
 それだけで、とめどなく溢れる淫蜜が白い腿を伝って流れるたびに、じゅわりと何度も何度も朱音の肉体の軽い絶頂と一緒に、紫の肉果実も呼吸するたびに膣口がひくひくと蠢く感触を感じてキスだけで満足できなくなる。
 (お姉さま……)
 唇の端から透明な唾液が垂れ落ちて、蕩けた目元の紫が朱音を見つめてくる。
 貪りあう感触がたまらなくなって、何度も求めたいというのに、口だけでは不満だというように肉体が強烈な疼きを纏い早くしろと訴える。
 快楽を求めて、徐々に快楽に思考を満たして、とろとろに溶け合ってしまいそうになるほど肉体が妙に軽くなるのを覚えた。
 「はぁ……はぁ……」
 ちゅぷっと唇を離して唾液の糸が伸びて、そして二人の身体に落ちる。
 「さぁ、これからが……」
 「は、い……」
 言わなくても解る。どうしようもなく身体が激しく疼く。
 体内で激しく膨れ上がる本能の生み出す熱に耐えきれずに衣服を脱いで紫の肢体が露わになる。鍛えられながら露骨な筋肉は目立たずに二十年前のままの若々しい、あの肉体。 若々しくて妹から見れば張りのある豊満なバストに普段の凛々しい顔つきとは似合わないほどに可愛らしく映る桃色の乳輪とのコントラストが美しい。
 「お姉さま……もう一度、キスしてください……」
 情熱とは真逆の冷水が、再度、精神にかけられる。しかし、情欲から生まれる熱は徐々に精神すらも熱で支配し始めた。どうせなら、今だけは忘れられるように、冷水すらも熱湯に変える程の情熱が欲しい。
 「朱音が望むなら……」
 凛々しさと情欲を混ぜ合わせた、子供のように快楽を求める姉の顔から、いつも以上に、とろとろの膣口から暖かで濃厚な蜜を垂れ流す。
 「あぁ……」
 一糸纏わぬ姿で抱き合いながら朱音のとろとろの柔和な身体が、紫の汗の引き締まった鍛えられた肉体が、元より一つだったように抱きしめ合う。
 二つの豊満な胸が潰れ合うように密着し、吹き出た汗が、ぬちゃぬちゃと卑猥な音を立てながら身体を擦らせあう。
 唇を重ね合わせながら、紅潮する頬を見つめ合わせながら甘い響きが漏れて、そっと抱きしめていた紫の手が這うように朱音を撫で始めた。
 (お姉さま……)
 肉体が液状になってしまいそうなほどに汗という名の粘液がくちゅくちゅと、ねっとりと白い肌に吸い付くような粘液同士の接触に、吐息を漏らして淫靡な匂いが口の中で共有される。
 激しく紫がポールダンスでもするかのように身体を動かし豊満で柔らかな胸同士が潰れ合い、一緒に大粒の乳首が擦れ合い弾きあうたびに過敏になった二人の肉体に悦楽電流が走り、ぶるっと震え鼓動と脈動が二人の肉体を響かせた。
 快楽の度合いを無理やり引き上げるような朱音の意思を無視したかのような強引な愛撫だった。
 「んぁっ……」
 嬌声を漏らすたびに愛しくなって唇を塞ぎ、吐息が上がれば飽きることなく唇を重ねて何度も何度も、今、繋がっていることを確かめ合う。
 それだけで過敏になった身体が大袈裟に、密着し合いながら蠢くのだから、本能に操られるように卑猥なダンスを踊り、むにゅむにゅ自在に胸は形を変えて何度も何度も乳頭を弾かせ合う。
 くちゅくちゅと、口からも、密着し合った身体からも混ざり合い、どろどろに噴き出て愛し合う肉体からは、紫と朱音、封じていた二十年のたまりにたまった、肉体の火照りを解消するために蠢きあい、自然と息は荒くなる。
 「んんっ……」
 「んっ……」
 「相手が朱音だから……」
 余計に愛しくなると平然と恥ずかしげもなく、そのようなことを口にする。
 「それに、朱音も嫌がってない……知らないと思ったのか?朱音はキスをするたびに蜜壺が甘く蕩けるんだ。キスをするだけで……。」
 「そ、そんなこと……」
 今、恥ずかしいと思えることをしているのに、その言葉からくる羞恥に思わず顔を背けて身体が大きく動いた。
 「んっ!?」
 「あぁぁっ……!」
 混ざり合うように踊るだけ潰れ合う両者の胸が隆起した勃起乳首同士が窮屈そうに蠢いて、擦れあい弾きあい強烈な刺激を受けながら、打ち寄せる快感に二人の身体ががくがくと震えて、軽く何度も絶頂しているのだと実感させられる。
 小さな胸の先端にある性愛機関から軽い絶頂が止まらずに、こね回し合いながら、互いの身体が軋む。
 既に淫部からは蜜が溢れ出ていた。
 「全く、悪い子だ……っ……はぁああ……」
 耳元で囁きながら淡く熱のこもった言葉が吐息と一緒に侵略する。その証拠を教えるとでもいうかのように、若草という言葉では誤魔化しきれない濃密な黒い茂みを掻き分けて、尻肉を愛でていた手が、くちゅりと粘液が弾く音と一緒に淫裂に手を伸ばした。
 「お姉さまぁ……」
 「あかね……・」
 陶酔するような、いや、哀願するような力の抜けた声が濡れた瞳と一緒に崩れながら両手を指し延ばす。
 快楽によって崩落する図、既に蘇ったというのに二十年のブランクというのは、あまりにも長く熱の開放を許してくれそうにもない。
 姉に愛されれば愛されるほど、身体と精神の乖離は激しくなり、濃厚なフェロモンを発して紫を挑発している自分の姿が、一瞬、鏡に映り紫の手によって、とろとろに快楽によって、ほだされる自分の姿が目に映る。
 自室にこもって二人きりになれば求められ、それに悦びを覚える自分の肉体が映された。
 頬を紅潮させて、あれほど違和感のようなものを抱いていたというのに、いざ、こうして愛されれば従順なほどに愛する人を求めている自分の身体。恍惚に微笑む紫の顔は、自分の腕によって愛されることに喜びを覚える精神だけが二十年前の最後の夜から遡るように初々しい生娘だった時の様な心地よさに満たされて行く。
 思い切って姉である紫に愛の告白を告げに来た、あの頃の妹の姿が紫に瞳に映る。
 淡く濡れた朱音の唇が自分を求めるように言葉を紡ぎ切なげな瞳が誘い出す。
 「姉さまぁ…………」
 淡い切なさを含んだ声で朱音が紫を詠んだ瞬間、愛撫する手が止まった。
 この瞳は、この声は、自分の肉体にタギツヒメを取り込み……
 まだ折神紫としての意識があった時に見た。
 恐怖と切なさ、それから生まれる孤独を予見したかのような朱音の瞳。その瞳は、もう自分は朱音を抱ける存在ではなくなったということへの……何もかもを見透かしたような瞳。その瞳には自分の、これからの決心も解っているだろう。
 だから、さっきまで拒絶していたことも解ってくるからこそ強引に身体を重ねて、朱音を無理やり、その気にさせて情熱的に朱音の肢体を求めた。
 導き覆いかぶさるように朱音の両腕を拘束し、息を激しくさせながら紫は、ただただ見つめて一瞬の忌まわしい過去のフラッシュバックが蘇り紫の動きを止めてしまったのだ。
 「お姉さま……?」
 「朱音……」
 少しか細い声。
 これが最強と謳われた、折神紫の声なのだろうか。戦場で勇ましく刀使達を率いて戦う、あの折神紫の。初めて身体を重ねた時の感情が朱音の、あの頃の淡く甘い記憶が蘇る。
 恐怖が顔面を覆うような、そういう顔だ。
 そこから生まれる不安を消化、そして刻み付けられた姉の心を癒すための、この行いだったはずだというのに。
 本来の目的を忘れて自分勝手な希望を渡そうとしていることの罰があったのだろうと朱音は客観的に分析する。
 しかし、紫の気持ちを考えれば、そういう思考になるのも無理はないかもしれないが、だが、二十年待ったのだ。今度は永遠の別れになる今など、誰が許すことが出来よう。
 喘ぐような息を漏らしながらも、姉の身勝手さにささくれ立った感情が沸き上がりそうになるが、その気持ちを抑えた。紫のセンチメンタルを和らげて、再度、深層心理の海に落とし込み霧散させ、二人だけの新世界を作り上げるのだから。紫に生きる希望を与えるのは自分の役割なのだからと紫の希望と言う名のエゴに近い、朱音は己の中にある愛と言う名のエゴを自覚しながら、それでもなお、言葉と言う名の槍で姉を突き刺した。
 「20年の空白があると言っても私は、お姉さまと何度も体を重ねた人ですよ?その言葉遣いや一瞬の瞳で解ります……だから、解ります。お姉さまは身勝手です……」
 「だから……朱音!私は……」
 朱音の消極的な態度や突き放すような言葉が紫の中に徐々に纏わりつくような不安を生み出す。
 このまま、今日と言う日が終わるのであれば紫の思いは達成できなくなる。これでは、朱音に己の希望を託せずに終わってしまうような、完全に水を差すような朱音の言葉にたじろいだ。
 どれだけ未来のことに希望を朱音に与えようとも、それは託された側からすれば身勝手な重荷でしかない。
 今回の戦いは、あの時以上のものになるし、そして、今、朱音との幸福を改めて得られたのだからこそ、幸福を実感できる今、己の自己犠牲を持って希望を与えようとする、その気持ちは朱音とて痛いほどわかるが、朱音は紫ではないからこそ、解るが受け入れたくない。
 紫からすれば大荒魂に肉体を捧げた日から朱音の自分を見る瞳が恐怖に染まっているのを見てから愛するとすることが出来ない。ただ抱きしめても暖かさを感じない神経すらも徐々に肉体を汚染する、あの感触が徐々に徐々に蝕んでいく。醜いヘドロの風呂に身体を満たしていくような苦しみは地獄だった。
 朱音に、今、拒否されることは、あの時の地獄を一瞬にして紫の中に産んだ。
 いまは、その凌辱地獄にも等しい環境から帰っては来たが、戻ってきた今度の世界で繰り広げられる戦いは、その比ではない。あの六人ではタギツヒメには勝てないかもしれない。しかし、若い命を散らす必要はない。そうなれば自分がタギツヒメの封印の為に肉体と魂は、この世界から離れることになるだろう。
 だからこそ、最後の戦いを前に……自分の我儘として最後の希望を……
 (ごめんなさい。お姉さま……でも私も怖いのです。たぶん、貴女と同じくらいに。)
 「これを最後だというのなら、私は姉さまを抱かれる気はありません。」
 「朱音っっっ!」
 「お姉さまとの子供なら、私は喜んで妊娠しましょう。でも、貴女のセンチメンタルの道具になるつもりはありません。」
 先ほどまで、快楽に溺れていた声とは違う険しい声色で、朱音はきっぱりと言い放つ。
 折神紫は強い。
 しかし折神紫はテレビドラマに出てくる超人的なヒーローではない。ただ剣術が強いだけの人間であり、その心には罪悪の感情を抱えながら今、出来ることをするために恐怖と戦い、希望を残そうとする女の姿。
 今の紫は再度、美奈都や篝に続いて、己が自己犠牲的な行動を行い、この世界から消える。責任感が強い人だから、仲間思いだから。しかし、その意志は愛する人の心を壊すことを知っているのか知りたい。
 だからこそ、紫の性交渉を拒むのは、己の中に対する紫の身勝手さに対する怒りだったのかもしれないと、ふと、今、過る。
 この場所での交わりが何を意味するのか、紫が愛という安らぎを得ると同時に、それは紫の中での、この世界での終焉を意味するのなら、一つになることを、この肉体を今の紫に委ねることは出来ない。
 これが朱音の意思であると伝えた。
 (朱音……私は……)
 朱音を抱くことで今の紫が存在するという事を確かめたかったのだという事を忘れていた。甘えて良い存在に甘えるどころか、今度は自分の我儘を押し付けようとしていた。
 「お姉さま……そんな感情で抱かれては辛いだけです……また私を苦しめるのですか?」
 この最終決戦、戦場に赴く折神紫を止めることは朱音にはできない。それに紫の強さは、S装備を身に纏った下手な刀使よりも強く、純粋な強さで言えば、最強と言う称号に相応しいし誰よりも戦力になることを望むだろう。
 解っているからこそ朱音は朱音なりの考えを持って、この場所に来た。
 戦場に赴くのなら、せめて帰ってきてほしい。
 朱音を残して自分だけ未練を解消して行くなど、朱音の中に渦巻く愛と言う名のエゴが許さない。
 これは折神紫と折神朱音しか知らない戦いに赴くものを送り出す者に安らぎを与える為の必要な儀式。
 折神紫が折神紫として戦うための大切なこと。
 次も、その次の任務も生きて愛し合うという誓いの証。
 それは解っていた筈なのに紫のセンチメンタルな退廃的な思考は、そのことを忘れていた。
 いや、この折神家所縁の場所に来ることで自分勝手に歪に美化していた。
 「私は、姉さまが必ず帰ってくる事を信じて、この身を愛する貴女に捧げてきたことを忘れないでください。」
 (私は、この安らぎを……私だけのものだと思い込んでいた……)
 だからこそ、紫は、ここで最後に朱音を抱くことで最後の安らぎを得て最終決戦に行こうとした。タギツヒメを封印する己の朱音にできる最後の役割を為し、未練なく隠世に行くために。
 己の、そういう重圧から解放してくれる朱音の手段をセンチメンタルの道具にしていたと、朱音の言葉で実感する。
 紫は、もう未練を解消するために。
 しかし、朱音は明日を繋げる証として。
 「貴女の全ての考えは私を、置いていかれる私は子を為したとしても寂しくなります……貴女がいない中、お腹の中の子供を、ちゃんと育てられるか自信がないのです……私も、もう耐えられません。貴女がいない日など。だから我慢しません。」
 だから退廃的な思考を前向きとはき違えた思考を変えたくなる。
 向こうの世界に行かせたくなくなる。
 だからこそ、安らぎを与える代わりに未来の希望と称する自分達の間にできる子供を、朱音は紫が生きるための「まじない」にしたい。
 「ですから、もう勝手に行かないでください……貴女が私に残す希望を、貴女の希望にもしてください。」 
 そして、だからこそ思い出し、紫を、逝かせたくないと決心も強くなる。
 この二十年の間の孤独、あの事件から18年後に気付いた真実、自分が折神紫を殺すと覚悟を決めて組織「舞草」を立ち上げたて長になった時、その孤独と、いつ崩壊するか解らない不安と自分の死に苛まれた時、紫が自分の為にしてくれた全てのことを理解する。殺すための組織を作っておきながら、長になった時に気丈に振舞うことで紫が自分にしてくれたことの意味、全てを知るのは実に皮肉なことだった、あの時のことを思い出す。
 朱音と言う精神的な支柱があったからこそ、紫は気丈でいられたこと。毎晩、情熱的に安らぎの場所に身を委ねるからこそ刀使の頂点として君臨できた。しかし、その最愛の人を殺すために立ち上げた組織の長を精神的な支柱が無い時を続けることは不安になる。
 長として立つ時間が長くなればなるほど紫が愛しくなるし、届かぬ哀願の涙を流す。それでも折神紫であって、折神紫ではない大荒魂に支配された折神紫の身体を解放するために動けば胸が痛くなった。
 組織の目的は解っているのに、準備が着々と進むたびに反比例し愛しい人が余計に愛しくなる。
 この時から沸々と沸き上がるものを封印しながら最愛の人のことを理解し、殺さなければならない現実に苦悩した。
 だが奇跡は起こり、紫は朱音の元に戻ってきた。
 この思いに幼馴染である紗南に感情を吐露しようとしたが、それを朱音の心の中にある積もりに積もった紫への愛が許さなかった。  
 そして、あの時、潜水艦の中で空白の二十年の寂しさをぶつけ、もっと愛しくなった。だから離したくなくなる。この思いは止めたくない。止めてしまえば、紫は逝ってしまうことを知れば心細くもなるだろう。
 あの時の孤独は紫だけのものではないのだ。
 二度と手に入らないと思っていたもが、今、また自分の胸の中で生まれたばかりの子供の様に暖かく、確かな形を持って折神が紫はいる。
 この二度と手に入らないと思っていた幸福を再度、失うというのはどれほど辛いことか解っているのだろうか。この無遠慮に自分に甘える折神紫に聞いて見たくもなった。
 再度、失うことは人の心を永遠の夜気を含んだ風の吹く闇の世界に置くのも等しい。光芒溢れる希望の世界を道化の様に夢、見ている姉は、まるで、あの頃と学生時代と変わらない聞き分けが良い子、世間知らずで穢れの知らない折神朱音の面影を見ているのだろうと思った。
 あの頃の自分は確かにいるが、しかし、成長した朱音は、あの頃の朱音であって、あの頃の朱音ではない。
 「ダメです……」
 大荒魂に解放され、もう一度、朱音を抱くときの心境は恐らく、あの時、改めて肉体関係を持った時の朱音と同じ喜びだろう。
子供のころの様に夢中になって互いの身体を貪り合った、あの日のように二人には祝福される日。
 「朱音、私は……」
 「私は昨日のことのように、初めて姉さまに愛されたことを覚えています。あの時、私は姉さまの特別になったことを自覚しました。貴女に一生、尽くそうと。でも今は……」
 「私は朱音が解ってくれるものだと思っていた……だが、朱音は……」
 忘れていた感覚だった。
 任務の前に朱音を抱いて、そして、帰ってきて朱音を抱きしめることで生きている自分を実感していた。
 朱音の温もり、呼吸、鼓動、その全て……
 刀使としての任務から生きて帰ってきた証。
 朱音に愛されることが折神家の人間でもなく、刀使でもなく一人の少女として生きている安らぎの証だった。
 だから、抱くたびにまた任務から生きて帰り、朱音に甘えようと紫は生きてきた。
 では、今はどうだ。
 今は己の希望と言う名の身勝手なエゴに朱音を巻き込んでいるだけ。
 「私は……」
 紫には今が大荒魂の見せている夢の世界だと思わないために、こうして朱音を愛し、そのぬくもりを感じることで今という時間を生きていることを確認するように朱音を何度も今も昔も求めていた。
 恐れながら弱々しく手を這わせて自分を求める姿が愛しくなる。
 大荒魂に魂を暗い牢獄に閉じ込められた二十年という愛しい人にも触れられずに汚染された時間は短いとは決して言えない。
 だからこそ解放された今、終わらぬタギツヒメとの戦いの中、世界から己の様な人間を生み出さないために自分が、今、この世界に降りてきた意味を考えれば、今の内に沢山、触れたいし愛したい。
 たとえ朱音が嫌がっていたとしても。 ここまで自分を愛してくれたのは朱音だけなのだから、こんなことは朱音にしかできない。
 しかし、求めていたはずが拒絶される。
 激化する戦い、そして大荒魂の見せた夢の世界ではないことを実感すれば実感するほど、今後の戦いの不安と言うものが、背中に怨霊のようなものが纏わりつき、それが不安にさせる。
 タギツヒメの今は、まさに禍々しい不穏な空気を背負い、自分の首元に何時でも切れるように御刀を当てているかのよう。戦場では、この恐怖を常に纏わりつき戦っている。
 この戦い、自分は朱音を置いて消えるかもしれない。それは哀しいことではあるが、朱音に対して自分が生きた証と言う名の希望が欲しい。
 そうすれば、後世に自分を朱音に残すことが出来る。
 そうすれば、未練は……解消される。
 朱音も寂しくなくなるかもしれない。
 そういう意味も求めて最後の情欲に満たされた夜を送るつもりだった。
 ここまでのこと、朱音に全く言わなかったのは朱音なら解ってくれるという甘えがあったと紫の顔に罪悪感が走る。
 「朱音……」
 「姉さま……」
 「私は……お前を……朱音を……」
 「愛してくださるというのなら誓ってください。私を置いて、この世界から一人でいなくならないと。紫……」
 その全ての二人の間に生まれた空白の二十年の感情をぶつけ合うように情熱的に……
 か細い声で改めて名前を詠んだ後に、いつの間にか、紫は言葉なく静かに頷き、ここで一瞬で朱音が紫に対して何を思っているのか解り、罪悪感は一瞬で湧き上がり針が刺さったような小さな痛みが身体に走り苦痛の表情を浮かべた。
 朱音は心優しい小さな少女の様な紫が愛しくなって抱きしめた。
 「もっと私を愛してください。私の全てが、あの時以上に、お姉さまを愛しく感じられるように。貴女の身勝手なセンチメンタルの道具にしないというのなら、私は、貴女に……」
 勝手に希望を与えようとして、それがただ、朱音を哀しませるだけだと知り罪悪感を抱く姿を見て、あぁ、あの時の初めて交わって、ただの折神紫の姿を見た時の事を思い出し、この人も、そういう弱さがあったのだと、改めて己の中で確認するように一つ一つ毛糸を編むように朱音の左手は恋人のように絡み合う。右腕は覆いかぶさっていた紫が密着するほど強く抱きしめて、このまま一つになることを望むように受け入れた。
 (でも、お姉さま、私は……本当は、もっと抱かれたいのですよ?そういう感情を抜きにして……)
 朱音は紫が、これで未練を残さず消えることを、その思考全てを許すつもりはない。
 だから、バカなことを考えないように、もっと自分の身体に折神紫を刻み付けるように……自分に溺れるように。
 「誓ってくださるのなら、あの時以上に……私は、お姉さまを愛します。意地悪をしてすみません……でも、姉さま、この情欲の夜は退廃的な希望ではなく、一方的な愛を育む時間なのですから。」
 卑怯かもしれない。
 しかし、それでも構わない。
 耳元で甘いフェロモンを纏った吐息を言葉と放つ。
 肉体を侵略し始める最愛の妹の言葉に、どろりとした汗が浮かび上がる。
 肉体が熱くなる。
 朱音のフェロモンが紫の内側を侵略し、淫らな牝である折神朱音の彼女として生まれる。
 「誓う……私は……」
 ぶっきらぼうに言い放つ。
 そこには、全ての保証は出来ないという言葉を意味していたことを朱音は解らないわけでは無かった。
 でも、今は……それでいい。
 徐々に快楽に溺れさせていけば。
 「構いませんよ……お姉さま……」
 愚かなことを考えないように、折神紫に、折神朱音を刻み付けよう。
 悪戯に微笑み、慈しむように抱きしめあう。
 ぶわっと、浮かび上がる汗同士が、ぐちゅりと卑猥な水音を立てて粘液状で一つになる。 何度もしているというのに、こうして抱きしめあうことが、どれほど好きなのだろうと、水音が響き渡ると同時に卑猥な電流が敏感になった肉体に走り回る。
 (朱音の身体は……)
 引き締まった身体の紫からすれば、肉体的にも若々しさを保っているとはいえ柔らかな肉感は自分に安らぎを与えてくれるために神が遣わしたのではないか?と勘ぐってしまう程。甘美な痺れが襲い痙攣を起こすたびに二人の髪が靡いて絡み合う。
ずっと、このまま抱きしめていたい。
 安らぎを与える熟れた朱音の肉体が紫の年齢に反した瑞々しい肉体と溶け合うように、そして、元より鋭い棘のような言い回しの 自分も消えていくようだと紫は溶け合うように朱音の肢体に溺れていく。
 「もう、またキスですか……?」
 唾液と蜜液に満たされた己の唇を朱音と重ね合わせるように一方ではなく互いに体内を蕩けさせる快楽の鋭い棘が全身に突き刺さり、その先に毒があるかのように全身を満たして大きく痙攣し始める。軽く喘ぐ紫の声を抱きしめて、ゆっくりとふわりとした朱音の熟れた掌が紫を撫でた。
 「こうすると、朱音と、もっと一つになれる気がする……」
 「甘えん坊ですね。」
 「か、からかうな……」
 口の中で、どろどろに蕩け合い攪拌された濁白の唾液を交換し合い、ほろ甘い美酒を共有し合う。 今の二人には媚薬という事が相応しい。
 「お姉さま、最初に私を抱いた時も強がりな、お姉さまのままで、その後、この快楽にのめり込むほど、私を求めて甘えてきましたから。」
 あの時の紫が自分に甘えてくれる紫の姿が、今の紫と一番被る。
 最初は、朱音の思いを汲んでいても、それが唯一自分を理解してくれる朱音であったとしても弱いところを見せられない妙なプライドが邪魔していたが、それでも自分の心を絆そうと常に気を張っていた紫に安らぎを与えられるようにと真剣に、自分の前では年相応の少女であってほしいという思いを込めた朱音の一つ一つの仕草は、いつの間にか紫にとってなくてはならない、20年前から全ての刀使い達の頂点に立つ常に気の張る存在として君臨する中で、少しでも姉への思いから行った朱音への思いは紫の中で安らぎと温もりを与えてくれる、まほろばの様な存在になっていた。
 それからは言うまでもないほどに、朱音の柔らかな肢体にのめり込むように、愛するようになっていった。
 房中術なんてものもあるのだろうが、それにかかってしまうのも、朱音への純真な思いがあるのなら悪くない。
 前は自分から「してほしい」と頼むまで自分から愛撫することは無かったというのに今日は……自分からしてくれる。
 朱音は、刻みつけたかった。これで、自分の織り成す快楽によって消えるなどと言う、バカなことをしないように考えないように、生きることだけを考えるように。
 今まで朱音と一つになることで何度も自分の秘部を結びあうことで自分も快楽を得ていたのだが、二十年以上もブランクがあるとしても、流石にリズムが狂わされる。
 「あぅっ!?」
 熱が溜まった口の中で朱音が鳥のように胸を啄み、舌先でチロチロと舐めながら乳頭を優しく突く。ねっとりとした唾液の感触と一緒にざらざらの舌の感触が持つ熱が紫の身体に過敏に反応する。
 一瞬、心地よい音色の嬌声が響き、同時に快楽の沼に浸かり始めたように、その心地よさから思わず仰け反ってしまう。
 自分の中にある違和感、自分で今まで我慢していた甘い嬌声が身体の内から響かせるたびに肉体が別世界に連れていかれるかのような、意識が身体と乖離するような心地よさが荒波の様に今まで望まぬ限りされてこなかった肉体に何度も不意打ちが快楽が襲い掛かる。
 「一緒に気持ち良くなりましょう。」
 姉の可愛らしい姿を見て満たされているのか悦楽の笑顔を浮かべながら「ぴちゃぴちゃ」と音を鳴らす。
 襲い掛かる甘美な痺れに我慢を出来ずに口から洩れる嬌声を抑えることが出来ずに、さらに過敏に反応するように何度も紫の身体は仰け反り、妹の前で小さな絶頂を繰り返してしまう紫がいた。
 (さぁ、もっと感じてください……お姉さま……私の身体でとろとろになってください。)
 吸い付くような朱音の淫靡な肉体の心地よさと、控えめであるはずなのに夥しい程の熱が肉体を蹂躙する朱音の愛撫、紫の初めての愛撫が何度も身を震わせた。 鍛えられた肉体が全て粘液になってしまいそう。
 「あ……朱音……」
 迷子になった子供か、それでも愛しさを沢山つめたように愛する妹の名前を弱弱しく呼ぶ姉の姿に思わず朱音の中で何かが弾ける。
 折神紫の艶声と言うのは、ここまで愛らしい声だったのだろうかと、絶えず絶えず息苦しさと一緒に漏れる声、小さな絶頂が波の様に襲い掛かれば例外なく快楽は大きな波となって紫の身体に襲い掛かる。
 「あぁ、姉さま、凄い音を響かせてますね……」
 ちゅぷっと乳頭から唇を、音を立てて離し、二人を粘液の糸が輝きながら繋いで朱音が微笑んだ瞬間にツプっと切れた。卑しく勃起した己の乳首と上目遣いで自分を手玉に取る恍惚な笑顔を浮かべる朱音の姿が目に入る。己の身体の中の奔流に惑わされて、思わず強く朱音を抱きしめている自分がいた。
 快感に溺れる、うっとりと陶酔するような朱音の顔が、自分が幼子になってしまったかのような錯覚を受けて、さっきから下腹部の疼きから生まれる淫蜜がとめどなく流れだし、止まろうとしない。心地よい解放感にまで襲い掛かり、このままだらしなく絶頂するだけの身体になってしまいそうだ。
 この胸が温もりを与えてくれるのに、温もりとは真逆の激しさが奔流となって肉体に襲い掛かる。
 紫の嬌声に合わせてフェロモンに満たされた熱気がさらに濃厚になり、朱音が撫でるだけで自分の自由が快楽に封じられて未知なる快感が襲い掛かる。
 「心地よいのですか?」
 「あ、あぁ……さっきから、何度も……」
 何度も軽い絶頂が頭を揺らしてどうにかなってしまいそうだ。
 妹に縋り、だらしない快楽漬けにされた顔を見られたくない。これでは朱音の妹になってしまうようで、そこは姉らしさという、どうにも子供じみたプライドが邪魔をする。
 しかし、見られたくないはずなのに顔の筋肉を無理やり強張らせて堕とされない顔を浮かべるが、だが、軽い絶頂が何度も襲うたびに全身から力が抜けて顔は蕩け始める。
 膣肉が激しく脈動するたびに、肢体をくねらせて今では刀使というよりもグラビアアイドルが劣情を誘うようなポーズを無意識に繰り返している。
 ただでさえ、二人ともグラビアアイドル等とは顔負けの肢体を絡ませ合い、折神紫は快楽に酔い痴れて、折神朱音は止まることなく乳房を愛でて卑猥な水音を響かせる。
 「あっ……あぁっ……」
 「姉さま、ここは、どうですか?」
 姉だというのに肉体年齢だけは妹の朱音が年上で、一方的に妹から快楽を与えられるようでは、これでは何もかもが逆転してしまっていると自覚すればするほど肉体に刻み付けられる快楽が、また狂おしく紫に刻み付ける。
 「ここはどうですか?」
 ハリのある汗だくな肉の尻タブを掻き分けて、そっと菊門を優しく中指が撫でる。みっちりと挟まった双丘の谷間は汗が雫のように滴っており、ドロリとした水滴が朱音の指に纏わりつく。
 普段は排泄を司る場所が性愛機関にかわる違和感が紫に違和感を与えて、紅潮した頬と絶え絶えになる呼吸は、新たな快楽を前に余裕がなくなっている証拠。
 「どこで……こんなの……」
 陸に上がった魚のようにハネながら、何度もぬめっとした汗を押し込めるように。
 「今は、女の子同士の性愛を扱ったお話、多いんですよ?こういうプレイをする女の子の話もあるんですから。」
 「そ、そう、なのか?」
 菊門に与えられる快楽が、徐々に精神も蹂躙し、そして声も甘くなる。
 折神紫が、朱音によって、どんどん牝になって行くことに妹としては、そんな新しい姉の姿を見るだけで悦びを覚えてしまいそうだ。
 欲情の肉花弁が自分も触れてと、ひくひく蠢く膣壁の違和感と、胸の愛撫以上に弾けるように、窄みに爪先が優しく撫でるように引っ掻く度に意識が消えて何倍もの汗をかいている。
 じわじわと這い上がるような排泄以外になじみの薄い場所を愛でられる違和感。
 「い、いやぁ……いや……」
 「姉さま、そんなに可愛らしい声を出すことが出来るのですね。とっても可愛らしいです。」
 「か、からかうなぁ!」
 艶っぽく囁く紫の声が朱音には心地いい。姉であるはずなのに、肉体だけでなく全てにおいて紫が妹になったような錯覚が心地いい。
 (朱音お姉ちゃんに甘えながら、お尻で感じちゃう紫ちゃん……ふふ。)
 楽器を奏でるような、何度も頭が真っ白になってしまいそうになるほどの鮮烈な刺激で意識がくらくらと崩壊しそうになる。
 「あかねぇ……」
 弱弱しい声で呼んでしまえば、もっと愛したくなってしまう。
 それは徐々に快楽に溺れているという証拠……もっと、癖になれば……離れないようにすれば、未練を残さずに消えるなどと、バカなことは考えないように。
 容赦なく朱音の指が抉るように紫の、普段見えない括約筋を愛でて爪先は撫でるように、筋の一本一本を愛でるように、双丘に挟まれた指は何倍以上にもかいた汗がどろどろと指に絡みつく。
 「か、身体の感覚、無くなりそうで……もう、やめてぇ……」
 ダラダラと涎を垂らして、無理やり姉の威厳を保とうとしているというのに、その壁を打ち破る程に伸ばした指がくるくると容赦なく愛撫する。
 「あ、あかね、もう……」
 「どうしたのですか?凛々しい顔が台無しですよ?昔の雪那が見たらがっかりしてしまいそうなほど。」
 「い、今、雪那は関係ないぃ……」
 ぐずついた子供がプライドを保とうとしているのに、朱音の手で蹂躙されることで見事に破壊されて快楽漬けにされて凛々しさを失った顔を最愛の人によって導き出される。
 「も、もっと、ここも……」
 先ほど以上に、膣肉は大きなうねりをあげて、こっちも朱音にしてほしいと決して紫の口から言えない淫らな願いの代弁者のようにドロドロの蜜を垂れ流し、今か今かと待っている。凶暴な快感の嵐が肉体を蹂躙し、そして翻弄されて、一心不乱の快楽に髪を振り乱しながら荒い呼吸と一緒に甘い嬌声を放つ姿は、朱音からすれば新鮮な部分もあるのだろうか、今までの分もあってか、もっと見たくなってしまう。
 「もっと感じてくれていいのですよ?」
 不敵に笑いながら菊門を撫でていない片方の手が忍び寄る。
 「ま、待て……朱音……」
 「どうしたのですか?お姉さまのここは欲しがっているようですが?」
 確かに紫は淫裂の愛撫を求めている。
 しかし、朱音自身、普段自分すら見ることのできない機関を蹂躙されて体験したことのない場所の愛撫に肉体が予想以上の悦楽電流が肉体を蝕むのに、更に、これ以上に敏感になっている場所をされたら……
 荒魂と戦う時以上に自分の肉体を巡る快感に恐怖に近いものを抱いて反射的に朱音を抱きしめていた。
 シーツは汗でベットリと染み渡り、二人のフェロモンが入り混じった濃厚な香りが、熱気が更に強くなる。
 「ほ、欲しいが……」
 怖いという言葉が口が裂けても言えない。
 快楽が怖くなってしまうなど、既に何年もしているのに生娘の様な反応をするのは恥ずかしいというのもある。
 言葉の詰まり方で、今の紫が何を考えているのか解ってしまう。
 二刀の御刀を振るう腕が朱音を強く抱きしめ、その胸に顔を埋めて朱音の愛撫を待っている姿が可愛らしい。
 くちゅ……
 一瞬の今まで可愛がられてこなかった紫の淫裂に粘液をはじく水音が響き渡り、身体が震えて腰が波を打つ。
 「ふふ……姉さま、今まで私にしてきたことですよ?」
 「わ、解っているが……」
 それでも朱音が、ここまでしたことが無いことを思えば、一瞬でも心臓を鷲掴みにされたような衝動が包み込む。
 ただでさえ、尻を撫でられ慣れていない状況で、そんな性とは真逆だと思っていた機関に、気持ち良くないと思えば思うほどに乖離を生んで肉体は正直に心地よいと訴えて波を打つ。
 戸惑いの中で本来、愛される場所の刺激を知っている紫からすれば……こんなものをしてしまえば……
 「怖くないですよ……」
 ぬっぷりと暖かな粘液が朱音の指を包み込み、奥へ奥へと何層も大事な場所を護る為の肉ビラを掻き分けて、朱音の中指が初めて……
 「ふわぁぁぁ!」
 不意打ちという訳ではないのに、それに近い感覚がなだれ込み、激しい悦楽が身体を走る。 その隙に朱音は紫の膣肉の中に撓らせた尖った指を抉りこんだ。
 「い、一緒なんてぇぇぇ……っ!」
 プツンと紫の中で何かが切れて、ゾワゾワと溜まる何かが違和感や、今まで抱いていたものを蹴散らして新たな喜びが疼く。
 何度も何度も襲い掛かる快感嵐は、更に大きくなって翻弄されて自ら大きく広げた脚が朱音の足に絡みだす。
 「あ、朱音……もう、もう、ダメだ……」
 弱弱しく縋る声が朱音の中に、今までの姉を壊している罪悪感が生まれてしまうようだ。それでも弱弱しさと真逆の心地よさに満ちた声に昂って、美少女の下腹部の全てが蜜によって塗れて朱音は紫の性器を指で滅茶苦茶に、それでも確実に弱い場所を突くように愛した。
 身体が暴れるようにがくがく震えて、小刻みな振動が朱音の肉体を揺らす。
 「来てしまいそうなのですね?」
 口から舌を出して、喉が浮くように仰け反った。大きな絶頂に向けて、今まで溜めてきた小さな絶頂の塊が一つになり始める。
 二つの肉穴が過敏な場所を貫かき、紫は初めて自分だけで絶頂の彼方に飛ばされた。
 「あ、あぁ……ぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ……!」
 意識が白濁とする中で朱音を強く抱きしめて、朱音も紫を強く抱きしめ初めて訪れた一人だけの絶頂を共有する。
 悶絶する快感絶頂に浮かび上がり艶やかな嬌声を響かせる。
 「こ、これがぁ……」
 一方的に絶頂させられることだという事を確かめて全身が電流に満たされて、いつまでも帯電しているかのように襲う心地よい小刻みの痙攣が止まることがない。
 だが、これで終わらせるつもりもないとでも言うように終わることのない絶頂の波の余韻に紫は眼を妖しく細めた。
 「まだ、これから……だろう……?」
 「はい……望むなら……一緒に……」
 紫の意図を汲んで朱音も目を細めて妖しく微笑んだ。
 「あの時は……あ、朱音の……」
 自らを快楽の絶頂に送り込んだ朱音を声も絶え絶えになりながら艶やかな瞳が見つめて頬を包み込むように撫でた。
 汗でべっとりとしながらも暖かな温もりが心地よくて自然と、朱音の表情から柔和な微笑が零れる。
 「言わないでください。20年、姉さまがしたくて出来なかったことを沢山しましょう。姉さまの大好きな……」
 未練が無くなっても、快楽に終わりなどと言うものはない。
 このまま心地よくなれば……
 粘液が弾く水音を立てながら、にっこりと微笑んで両手で肉壁を掻き分け艶やかなピンクの媚肉が露になった。
 紫を求めているようにとろとろと膣縁から蜜を流す。
 先の姉の艶声から自分の熟れた媚肉も貪欲に灼熱を帯びて交わりたいと口にしていた。膣口から香る牝の交尾を求める甘ったるいフェロモンが紫の鼻をくすぐり、誘われるままに紫も媚肉を剥きだしにした。
 貝合わせ……
 紫がずっと、フィニッシュに持ってくるための体位。
 初めて結ばれた時も、一緒に気持ち良くなりたいからと積極的になれなかった、あの頃の朱音と気持ち良くなる為に学んだ体位が、今では、紫の一番のお気に入りだ。
 この体制、一時の終わりを告げる時間。
 そうなると自然と二人の身体は火照り始める。紫は二十年という歳月が、そして朱音は二十年も熟れた牝の肉体を持て余した衝動が、この時になると、迸るように肉壺は、じゅわりと淫蜜が溢れ出す。
 見つめ合いながら徐々に近づき、紫は剥き出しになった媚肉を愛する妹の淫らに求める媚肉に唇を寄せるように、高揚から生まれるゾクゾクとした心地よさと一緒に「ぐちゅり」と、これまでにない音を立てて二人の花弁同士がキスをした。
 「ンぁっ、あぁっ……あぁ……っ!」
 「朱音……」
 純粋に快楽を堪能するような声に紫の胸は高鳴った。
 もっと、気持ち良くなろう。
 これからの二人のためにと、胸に誓う。
 心地良く、そして愛しくディープキスをする時の様に肉ビラが擦れあい、肉花弁を舐め回す様に卑猥なダンスを繰り返す。
 「あっ……んぅっ……」
 ビクンと肢体を震わせたら敏感な淫核同士が擦れあい、さらに強く腰を蠢かすたびに、それに合わせて二人から甘い嬌声が口から漏れる。
 「んっ……ちゅ……んぅ……」
 「んぅ……」
 クチュクチュと淫猥な音色と品性の無い、ただ、快楽だけを求めるような嬌声。
 ただただ、互いに愛しくなる。こうやって密着するだけで相手の体温も鼓動も何もかもを共有して本当に一つになってしまったかのように、たおやかな牝を司る肉芽同士のつながりあい、貪欲に貪り合うよう、むにゅりとした柔らかさと熱さが重なり合う。
 それは今までの疼きを満たすような本能的な交わり。
 重ね、擦り合わせるたびに周りに白濁の混ざり合った液体が飛び散る。
 「あっ……それ……っ!」
 紫の中で、先ほどの悦楽の痕が残っているのだろう。
 艶やかだった声を隠そうともせずに嬌声を漏らし、これでなければ味わえない愉悦に陶酔するかのようだった。
 淫裂同士が擦れあう。さらに互いに欲しがるようにぱっくりと開いた状態で。
 割れ目同士がディープキスをするかのように。肉ビラ同士は絡み合い、淫核同士は圧迫し合いながら強烈な愉悦刺激を二人の肉体に走らせる。
 今まで欲しがっていた性愛機関同士が結ばれて、一度、腰を引けば逃がさないとでもいうかのように、ぬちゃぁっと粘液が糸を作り惹かれあう。
 敏感になって痙攣していた場所同士、一度、結ばれあえば強烈な刺激を与えあい、悲鳴にも似た嬌声をあげて麻薬のように癖になる愉悦に何度も求めあった。
 「あぁ、やっぱり、こうして結ばれあっている時のっ……あっ……あぁっ……」
 「姉さまの……エッチな貌……あぁぁぁ……」
 「こうしている時がぁ……一番、好きィ……っ!」
 留まることのない淫猥ダンスに更に体が熱くなる。
 限界を知らないように肉体を襲う熱は上昇し、互いの悲鳴にも似た嬌声が昂りを抑えてくれそうにもないし、寧ろ、煽られているかのよう。
 紫自身は、もっとと言うように、朱音に折神紫の今を、そして未来を刻み付けるように何度も貪り押し付ける。
 ぐっじゅ……ぐじゅぐじゅ……
 淫部と淫部を押し付けて、ビクッと跳ねるたびに噴き出る愛液を何度も、何度も朱音の膣肉の奥へ流すように。
 (子宮、姉さまが、欲しくて仕方なくなってる……)
 与えられる愉悦の幸福に紫がもっと欲しいというように朱音の子宮が降りてくる。どろどろの膣肉の奥に溢れる程に増えた淫蜜が朱音の子宮口を覆いつくし、徐々に浸食をし始める。
 暖かな姉の粘液が自らの子宮の中に入りこんでくることを実感し、淫蜜同士の接触も、粘液音も、もっと大きくなる。
昂りを抑えきれず、互いの身体が求めあい、そして大きな絶頂を迎えたがっている。
 そして、朱音の身体は、もっと子宮に紫の愛液を注いでほしいとでもいうかのように降りてきていた。
 朱音の媚肉の要望に応えるように紫のダンスはもっと激しくなる。
 「わ、私が、あの時、朱音に求めていたものを……いっぱい……」
 絶え絶えになる呼吸、それでも伝えたいことがあるのに、言葉にして伝えようにも愉悦が邪魔をして、だらりと口から飛び出した舌がキスを求める。
 肉厚な朱音の舌が紫の願いを叶えるように舌同士が絡みつく。ただ何も考えることなく本能のままに求められれば、どろりと唾液の感触が互いの口腔を侵略しあう。
 (あぁ……お姉さまが激しく……)
 荒々しく乱暴なキスをすればするほど肉体が愉悦を覚えて体の疼きはより激しくなり、紫はより朱音を求めるようになる。唾液を啜ることも抵抗がなく、朱音を自分の中に取り込むように、下品な音を立てて朱音の中にある唾液を舌で絡めとり、喉を鳴らして飲み込む。
 うっとりした表情で熟れた朱音の柔らかな体が、紫のキスによって、さらに、とろとろに、もっと紫を求めて仕方ない愛を覚えたての子猫のように見つめ求めた。一方の一度、唇を離してしまえば、また朱音の唇が愛しくなって発情する。
 瑞々しい張りのある紫の乳頭が紅く染まりが、この繋がりによって更に隆起して、熟れた朱音の豊満な蕩けた柔らかさの胸を食すかのように潰れあい、密着しあうたびに粘液が絡み合う音が二人の耳に響き肉体の火照りは灼熱のように激しくなる。
 下腹部と唇同士が濃厚なキスをするたびに、肉体の疼きがより激しくなり熱の発散が追い付かない。
 (朱音も嫌がっていたのに、今では……)
 冷水のように恐れていた心も、こうも情熱的に求められてしまえば、ずっとお預けを食らって熟れた牝は紫と離れたくないという欲求が、熱が、人に戻った紫との関係の熱が、より表に出てしまう。この互いの性器を結び付けるように快楽を貪る行為になれば余計に、今まで燻り続けていた熟れた体を満たす唯一の存在が朱音を愛してくれるのであれば。
 「や、やはり......朱音もぉっ……か、快楽には敵わないのかな?」
 「い、意地悪を言わないでください……姉さまが……姉さまが……わ、私は……」
 ただ、紫が朱音に対して、もっと未練を残すようにしたいだけ。
 あちらの世界に行かせたくないだけ。
 紫が心地よくなる姿は愛しい、自分が心地よくなることも、それは副産物に過ぎない。この未知なる快楽に溺れてくれれば、これでもっと自分のことを……紫が愚かなことをしでかさないように、もっと……
 初恋の人から、こうして愛されるのであれば自分の愛している人が、こうして若いころの姿のまま己の中で眠っていた情熱が爆ぜてしまいそうなほどに叩き起こされる。
 情熱は快楽へと変わりだし、より貪欲に肉芽は吸い付き離れようとしない。
 自分の起こした快楽の嵐……
 その嵐は、紫に纏わりついていた腐臭に近い死の臭いを吹き飛ばすかのようだった。
 「ねえしゃまぁ……もっと、もっと、紫ねえしゃまとぉ!」
 「あぁ、朱音……あの頃のように、もっと快楽に素直になって……私の名前を呼んでぇ……!」
 貪欲に名前を呼び合い、あの頃のように純粋に紫と交わりたい頃の自分が心地よくさせると意気込みながら紫の愛撫に溺れて可憐さと妖艶さを混じり合わせた少女の朱音を思い出し、紫は思わず童心に戻ったように興奮を覚えて口の端を一瞬だけ上げてニヤッと笑い身体をぶるっと震わせ、すぐさまねっとりとする快楽に表情を歪ませて嬌声の音色は大きく変わる。
 「あ、あぁぁ……姉さまぁ……もっと、もっとぉ……」
 「あぁ……もっと、しよう……朱音……私を、もっと……」
 求めてくれと言わんばかりに紫は朱音を、もっと心地よくさせるために、朱音は、もっと紫から愉悦を欲しいために無意識に、もっと腰のダンスを激しくさせて、互いの性愛機関を激しく愛撫し合う。
 「ねえしゃまぁ!ねえしゃまぁっ!はぁぁぁあ……あぁ、姉さまぁ!」
 「はぁぁ、朱音、あ、あかねぇ!」
 牝の発情臭は臨界点まで突き詰めていることを確認するように汗も淫蜜もとめどなく全身を濡らす。抑えのつかない快楽が弾けてしまいそうなほどに、相手を求める姉妹。
 淫蜜と汗が混ざり合い媚薬となるのはいつものことだが、情熱、童心に戻るように押し付け合った。弾けそうな名前の中で何度も名前を呼び合った。
 半永久的に続くであろう淫靡なダンスと嬌声の合唱がいつまでも続く。
 「あぁぁ……あ、朱音……も、もう……」
 若い肉体の分、過敏に反応する紫が限界を告げる女々しい声を上げた。
 「わた、しも……!あ、んんんっ!……一緒に!一緒にぃぃぃっ……!」
 冷水のような思考がありながらも内なる肉体が本能的に紫を求める熱は、あの頃から強くなって、一度、肉体を交えてしまえば焼け石に水という言葉が相応しい程に肉体の熱は吹き上がる。ある意味では、紫が戻ってきた時点で既に臨界点だったと姉の前ではいうことの出来なかった自分の中に眠る淫乱な性欲。
 しかし、紫は、朱音のことは誰よりも知っているからこそ……
 「はぁああああっ!」
 朱音の声が弾けるような絶叫を挙げて、二人の中にたまっていた快楽が爆ぜて意識も何もかもが白く染められていく。
 虚無とも違うふわふわした愉悦の後に現実に戻すような強烈な痙攣が起こり姉妹の肢体を震わせる。
 紫から噴き出される淫蜜が子宮の中に入り込み、熱い感触が甘く染み渡り、全身に広がり心地よいぬるま湯につかっているかのような幸福を感じ取っていた。余りの心地よさに意識を手放しそうになる程の強い眩暈を不意に感じて現実と虚無が混ざり合うように混沌としながらも、意識が弾けて広がるように愛する人と一つになるような心地よい快楽が紫が、自分を抱きしめるような温もりを一緒に感じ、これが紫の子供を妊娠したのだという事の実感だった。
 自分との快楽を心の底から悦んでいるかのような朱音が自分のことが愛しいと告げるような幼い声にたまらなくなって、再度、唇を重ねた。
 絶頂した後の唇は、全身が、このまま、どろどろに溶かして二人を一つにしてしまいそうなほどに柔らかく蕩けていた。 
 力が抜けて、このまま快楽の海に二人、意識を漂わせながら愛する人と幸福を共有する愉悦の吐息を吐いた。
 「朱音……これから……」
 「はい……姉さま……これで、私はもう貴女の子供を宿しました。貴女は、この子の為に身勝手な希望を押し付けるのは……」
 「あぁ……」
 できるだけ、そうでありたい。
 出来ない約束だとは言えなかった。また、この愛しい妹を哀しませるようなことをしてしまう約束だけは。
 タギツヒメに対するこれからの状況次第で自分の命がどうとか言える問題でないというのは分かっているというのに。
 いざ、自分から、こういうことを求めているというのに朱音のか弱い瞳で見つめられると決心が鈍る。子を為せば、これで未練もと考えてはいたが、今日、朱音が自分を求めすぎる部分に改めて己の無責任さを感じながら、このまま子を為せば死ねないと言う感情が渦巻き始める。それが人を愛することだという事を改めて実感させられた。これが改めて人に戻ったのだという実感と、小説などでよく見る「愛する人を得ることで弱くなる」などと、そんなことは物語の中だけのことだと思っていたというのに、朱音が見つめるだけで意志が歪みそうになる。
 あの時から、朱音に、ずっと、こんな哀しい瞳を浮かばせていたという罪悪感が紫の中に冷静さを取り戻したことで蘇る。
 そして己の責任からタギツヒメとの最終決戦で己の身を以て全てを封印する前に朱音に刻む折神紫の全てを刻みつけようとしていた身勝手な自分。しかし、最悪の事態になった時、誰かがやらなければならない。それは若い刀使ではなく、自分の役割でもある。
 その筈だったというのに、再度、決心するために未練を残さないために朱音に己の子を宿らせるつもりだったのに、これは身勝手なエゴだと口にする。朱音が自分をなかなか受け入れなかった理由、それは朱音にとって、余りにも自分のやることがエゴで満ち溢れていたからだ。だから、折神朱音は、折神紫を刻み付けようと大胆に快楽を刻み付けた。
 紫の中にある希望を、自分の願い、紫を生き残らせる為に利用した。
 自分から、こういうことを求めているというのに。
 無論、今は朱音を置いて隠世に行くつもりはない。
 だが万が一の状態が起こったときを考えて、朱音に自分の全てを託してタギツヒメを連れて行くつもりだったことが、朱音の、か弱い瞳で見つめられると、その姉の考えが解っているかのように見つめる瞳は見ていて辛い。
 朱音の紺碧の海のような瞳から感じる、自分がいなくなった後の朱音のことを考えると首を縄で締められて蜥蜴を磨り潰す時に出すような人とは思えないような声が出そうになる。
 こうなると、いざという事態になった時がよぎっても、その中の自分は決心が鈍る。
 朱音の瞳はいざという時の封印すら許さないと訴えているかのように寂しさと哀しみに染まっていた。
 改めて人に戻ったのだという実感と、小説などでよく見る「愛する人を得ることで弱くなる」などと、そんなことは物語の中だけのことだと思っていたというのに、朱音が見つめるだけで意志が歪みそうになる。 守りたいと思うが、その分、自分を大切にするという事も学んでしまう。
 託すものを全て託してから、朱音に新しい生命を、自分の遺伝子を受け継いだ新たな命を……その為に折神家の秘術を司る場所に来たというのに。
 あの時から、朱音に、ずっと、こんな哀しい瞳を浮かばせていたということが紫の中に冷静さを取り戻したことで己の身勝手で独りよがりで無思慮な部分から罪悪感を抱かせ後悔の念が募る。
 「いざという時など考えないでください……そんな退廃的な思いを前向きと捉えて現実逃避をするのはおやめください……お姉さま……絶対に……だめなのですから……この場所に連れてきたということは、それは許されないことなのですよ?それに、もう、寂しい思いはしたくないのですから……もう、お姉さまの身勝手は、お腹の中にいる子の為にも許されないのですから……」
 姉の覚悟は痛い程、理解はしているつもりだ。
 それでも、このような事態は望んでいない。」
 死や己に訪れる未来の恐怖に抱かれながら朱音に安らぎを求めてきた。
 「退廃的……か……」
 紫が勝手にセンチメンタルに浸っているだけのこと。朱音のことを考えているようで、今までで一番、朱音を突き放していたとすら思う。
 そして今回は互いに互いのことを考えていながら考えていなかった。
 朱音と愛し合うこと、これからのこと。
 己の中にある前向きな考え、自分がいなくなり、これからの朱音のことを考えていたことが退廃的と言われてハッとなった。 朱音の思い、それは紫が朱音を愛すれば愛するほど深くなった。
 愛し合った者同士、朱音は紫の哀しみ安らぎを得て、そして朱音と深くつながる為の手段としてのセックスを遠ざけて不安を与えていた。紫は朱音を置いて隠世に自分の魂を置く自分の考えは無責任だと言うことを理解した。
 そして己の責任からタギツヒメとの最終決戦で己の身を以て隠世に向かうことで全てを封印する前に朱音に刻む折神紫の全てを刻みつけようとしていて、その意志を何もかも朱音の中に託そうとしたというのに、こんな顔をされてしまえば残して隠世に行く覚悟を抱くことにすら罪悪感は紫を蝕む。
 「20年間、ずっと寂しかったのです……だから、姉さま……もう……」
 “どこにも行かないでください。”
 この一方的な思いは自分のエゴになるのではないのだろうか。
 世界を引き換えに姉との幸せを取ろうとしている朱音の。
 姉妹だからこそ、姉だからこそ、姉の決心が解らないでもない。
 快楽に染まっている時だけは、そんなことを忘れて気持ち良くなれるのに、いざ、こうして快楽という名の夢心地から覚めると、結局、そんなことを考えてしまう。 そして、こうして愛されるたびに愛しくなるのだから、世界が滅びても、それまで紫と一緒に、こうして愛し合っていたい。
 愛してしまったのだから。
 でも、もう、この20年の紫がいない虚無に等しい情愛が無い時間はオアシスが存在しない虚無の砂漠に永遠に拘束されているようなもので、これが、また訪れるのだとしたら、それが永遠なのだという事を意味するかのような、この場所での交わる意味を考えれば辛い。
 朱音は、たとえ、この身に紫の子供がいたとしても、もう耐えられる自信がない。紫がいなくなれば、また、あの虚無の砂漠に置き去りにされる。
 子供が出来たとしても、貴女がいなければ何も意味がない。
 貴女がいない生活が、もう耐えられない。
 隠世に行けば、もう、この前のような奇跡が起きることは絶対にありえない。帰ってこれなくなるだろう。
 また、また貴女がいない世界という名の、貴女の愛が受けられなくなる虚無の砂漠に堕とされるなら、この関係に何の意味があるだろうか。
 それでも、紫の思いを受け入れるかのように、朱音が妊娠する体になることを受け入れたことには一つの理由がある。
 「姉さま、ここで私を妊娠させることは私も姉さまも、母親になることなのですよ?」
 紫を愛してしまったのだから。まだ生娘だった、あの時代から、ずっと。 一度は殺そうとしたほどに、大荒魂に肉体を凌辱され続けるのなら、そんな思いを抱いて反乱組織を結成した、あのころ。
 それでも奇跡は起きて戻ってきたのだから。 今、こうして無限のように感じる刹那の時間を失いたくないから、これが許されない我儘だとしても……
 命を賭してタギツヒメを封印しようとする姉の覚悟を朱音は鈍らせるように、己の感情を全て吐露した。
 愛されるたびに愛しくなる。
 この人に抱かれれば、抱かれるほどに。 強く、愛しく、抱きしめながら……
 紫の瞳が揺れたのを見て、朱音の中に、今、もっと自分を抱けば紫は隠世に行かずに、また自分の元に戻ってきてくれるのではないのか。いざという時などと、馬鹿な考えを抱かなくなるのではないか。
 自分の存在が紫にとっての安らぎになるのなら、もっともっと自分に安らぎを見出して愚かなことを考えないようにすれば良い。
 夢物語のような幻想を抱き切なげな表情を浮かべて朱音は紫を見つめた。
 ジワリと涙が 朱音の頬をつたう。
 切なさというナイフが朱音の涙袋を切り裂いて熱い涙が身体を布団を濡らす。
 自分を抱くことで紫の決心が鈍るのであれば、喜んで、この体を何度も差し出そう。
 例え、それがエゴだと思われても……
 「まだ、してください……」
 「あぁ……」
 二人の距離が改めて縮まっていく。人から見れば、これは退廃的な時間にも見えることだろう。それでも二人にとっては愛を刻み込む為の一人は己の願いを叶えるために、一人は愛する人を逝かさないために……大事な時間。
 唇と唇が近づいていく。
 瞳を濡らして、もう一度快楽の時間におぼれるためのキス……
 (だめですよ……?姉さま……もう、ダメなんですから……私を残していなくなることだけは。)
 呪詛のように紫に言葉を吐きながら朱音は紫の胸を抱きしめて重なる唇をの感触を享受した。まだ肉体に絶頂の余韻は残っていたが、それすらもスパイスとして機能するのならば。最大の愛を持って籠絡させよう。ここ数ヶ月、抱いていた紫への負の感情をかなぐり捨てて朱音は何度も紫を求めて呟いた。紫は朱音の思いを抱きしめて手を朱音の淫唇まで這わせた。
 この場所で交わる意味。
 既に女同士でも妊娠できるように変質した肉体。
 紫が生きるというのなら、この状況も、これから育まれる子供でも何もかもを姉の為に利用しよう。
 それが朱音の抱いた、紫を活かすために抱いた小さな野心、この場所に来た意味。
 絡み合う情欲と肢体。
 紫は朱音の思いを背負い、見捨てることは出来ない。
 しかし、それでも……
 生まれる思考を無視し、ただ、今は、朱音に……
 「さぁ、始めよう。これからの為に……」
 子宮が灼熱を帯びる。
 この場所に来てから徐々に身体は折神家の女としてあるべき形になろうとしている。
 「姉さま……」
 絶対的な約束は出来ない。
 それは朱音とて子供ではないからわかっている。
 それでも……紫には生きてほしい。
 虚無の砂漠に堕とされる、また哀しみに暮れる時間が永遠に訪れるのであれば、紫が生きて戻ってくるのなら、何でも利用するつもりだ。
 姉の決意さえも、何もかも。
 だから、朱音は、この場所に来て紫の子供を妊娠する準備を受け入れた。
 (姉さまが生きる為に、これから、一緒に生きる為に……私に姉さまの子供を妊娠させてください。)
 終わることのない情欲溢れる宴が再開する。
 胸に願いを秘めて二人は唇を重ねた。


 折神家の屋敷に初夏に入る季節が最も激しくなる変わり目に入る煩わしい日差しが部屋に入り込む。
 屋敷の中には療養時代に使用していたベッドと近くには談話用のソファとテーブルが良くあるセットで置いてある。塵一つ残っていないのは、朱音が無理して掃除をしているからで、家政婦に任せれば良いものの、これだけは自分の仕事とでもいうように言うことを聞かない。
 戦いが終わってから、ずっと寝込んでいた病室を改装し、紫は自分と朱音の部屋にしていた。親衛隊の服装にでもなれば、暑苦しいだろうと思いつつも、それ以上に朱音のいつもの服装も随分と暑苦しそうだと、いつもの制服を纏わずに普段着を見に纏った折神紫は、ただでさえ動きにくいのにいつもの大仰な衣装を身に纏う妹をまじまじと心配しながら見やった。
 十条姫和と衛藤可南美の帰還を持って、この戦いは終わりを告げた。
 それから十カ月過ぎた後のことだ。
 そして、これから紫は朱音と一緒に母親になった。
 しかし、それだけではない。折神朱音の永遠の伴侶になるのだ。
 「朱音、無理はするな……」
 「ダメです。お姉さまは結芽の面倒を見ていてください。」
 「駄目だ。これだけはいうことを聞いて。」
 この部屋の掃除も紫がやると言うが、どうにも家事全般をさせてくれないことに不満が募る。この前、少し掃除機を暴走させて部屋の中で台風が発生して暴れたような惨状になったくらいでと、そんな思い出を頭の片隅に置きながら、それでも無理はしてほしくないからこそ紫は朱音を抱きしめながら掃除をやめさせてソファに座らせた。あの出来事から半年以上、交わってから一年近く経った今、既に朱音のお腹には紫との間に出来た命が、新たな命が実り、誕生の時を待っている。
 (しかし……)
 すっかり妊婦の、ソレになった朱音の身体。
 長女が生まれた後、すぐに妊娠していることが判明し、お腹にいるのは次女である。先ほど検査から帰ってきて、紫がふがいないという事に自分で気づかないからこそ家事は自分でやらなければと思い込み無茶なことをしているから本質に気付かない。
 「紗南たちに手伝ってもらえばいいだろう?」
 「一々、なーちゃん達を呼んで迷惑をかける訳には行きません。」
 「しかし、朱音のお腹は……」
 今の朱音は、普通の同じ歳月を過ごした妊婦よりも大きな腹部は妙な違和感を紫は抱く。最初のうちは、お腹の中の子供の成長が早いのだと片付けたが、だからこそ、もしものことがあったら大変だ。一年前の戦いで紫が重傷を負って歩けるようになったものの、まだ無理は出来ないという部分もあるからこそ、子供が宿っている身体でありながら朱音は今の様に無理をしてしまうときがある。
 しかし、朱音にとっては紫が、こうして生きているだけで、重傷を負っただけで助かったというのは幸福なことだ。朱音の思いが紫に通じたのだと、だから、今、紫が、やっと動けるようになった状態だからこそ、自分がと思っているのか浮かれているのか朱音は無茶をして一人で無茶をする時がある。
 ここ最近、紫に取って朱音が自分よりも逞しく映るときがある。春が訪れて、環境が変わるように、そして止まっていた自分達の時間も、ゆっくりと前へと動き出した。新たな段階に。あるべき関係になった証なのだろう。
 「朱音、やはりダメだ。お前のお腹の中には……」
 心配そうな、今にも泣きそうな瞳で見つめられては、どうしようもないと、お腹の中の子供と朱音を思いやる表情を見せられては無茶などできる訳がない。これが、人妻になった折神紫の顔なのだと実感して、今までの厳しさは何処に行ったのか、どうにも可笑しくなって笑ってしまう。
 「解りました。」
 泣きそうな瞳に根負けして姉の言うとおり、無茶をせず家事をやめ、紫の寵愛を一身に受けた。大きくなった新たな命が宿るお腹を優しく撫でながら、この世の幸福を全て噛み締めているような、とても最終決戦まで退廃的な思考を前向きと捉えていた、あの時とは違う新しい命を慈しむ表情だった。
 やはり、ああいうことがあったからこそ安堵する。舞衣が紫を連れてきてくれなかったら、最悪のことを考えると眠れなくなる。だが、それは杞憂なのだから、もう気にする必要はない。
 しかし……
 まだ、戦いは続くだろう。
 治れば、紫も、また戦いに出ることになるかもしれない。
 「もう、無茶はダメですよ?お姉さま。」
 「解っているさ。朱音。」
 『朱音ママも無茶をしたらメーだよ。』
 「お姉さま……ふふ……」
 長女の結芽を抱っこして人形のように無理やり身振り手振りで動かし、朱音に注意を促す。
 これで笑みを浮かべてくれるのだから可愛く映るものだ。
 紫とて出来れば、これからは、朱音自身、紫と一緒に幸福と言う名の海に永遠に浸かっていたくなる。
 優しく紫が朱音を包み込むように、そして、ずっと幸福の海の中に身を落として一つになりたい。
 幸福の海に抱かれる妄想を抱いていた時だ。
 「うぅ……」
 「ほら、結芽がぐずり始めましたよ。お姉さま……」
 「結芽……あ、あぁ、どうすれば……」
 朱音との間に生まれた長女の名前を紫の言う通り結芽とした。
 しかし、その長女は先ほど無理やり、手足を動かされた不快感なのか、突然、ぐずり始めて泣きそうになっていた。
 おどおどしながらも朱音に助けを求める紫
 「姉さま、一人で何が原因か探ってみてはいかがですか?」
 「一人でか……」
 紫からすれば、最も生を謳歌したい時期に、その命の灯は消えてしまった燕結芽のことを考えれば思うところはある。自分の責任のようにも感じていた紫は、結芽の魂が輪廻を巡り、自分の子供として転生してくれればと、小説のように淡い夢物語を描きながら、この思いは伏せて、ただ朱音の中にいる子供の名前を決めた。無論、この子供は、あの結芽と同じではないし、万に一つ、あの結芽の魂が輪廻を巡り自分の子供として転生したとは限らない。しかし、それでも、どうしても紫は最愛の人との間に生まれた子供の名前を結芽にしたかった。せめて、この子は幸せになるように。
 「もう、お姉さま……いい加減、おむつの変え方くらい、覚えてください。仕方のないママですね。結芽。」
 「おむつ……だったんだな……」
 朱音に抱っこされて笑顔になる結芽を見て母親としてのスキルは圧倒的に朱音に劣ることに嘆きつつも、安堵の溜息を吐いた。 朱音がいなければ、ただただ泣かせていただけで、どうしたら良いのか解らず、ずっと機械が苦手な老人のように、おろおろしていただろうと思うから。
 (結芽……)
 朱音は、その名前を知らないわけでは無い。紫からすれば、この名前は一つの贖罪とでも言うべき名前なのだろうと、深く意味を聞かずに、ただ受け入れた。
 「や、やっと、落ち着いたかな?」
 「そうですね。」
 「そういえば、今日は検査に行って来たんだろ?結果は……」
 結芽の穏やかな笑顔を見て落ち着いたのちに、朱音はにっこりと笑い、思い出したというよりも、報告を聞いたらどうなるか楽しみにしていたような表情を浮かべていた。
 今日の検査の結果である。最初に聞いた時は朱音も驚いた。
 「そのことですが、お姉さま、実は私の中のお腹には二人の命が宿っているそうです。」
 「そ、そうなのか!?」
 さらりと言い放つ朱音に思わず噎せ返ってしまいそうなほどの衝撃が襲い掛かる。リハビリと称して折神家所縁の温泉宿で療養していた時に妊婦になった朱音の身体を見て変に高揚した気分になったのを覚えている。
 通常の妊娠とは違うとはいえ、あの施設の場合は、そういうこともあるのかと改めて実感してしまう。
 「あ、あの時か……」
 「はい。もう、結芽はお姉ちゃんになるそうです。しかも、今度は双子だそうですよ?」
 「ふ、双子……」
 「えぇ。私も驚きました。」
 あの時の感情の高ぶりが、まさか、こうなるとは思いもしなかったが、紫からすれば後悔の念と言うものはない。
 朱音のお腹の中には、さらに二人の命が宿っている。
 「双子……そうか、双子か……」
 黒ずんで母乳が出るように肥大化した朱音の柔らかな肉体と言うのは紫にとっては心地よく……妊婦の感応的な色香に負けて交わりたくなってしまったのだ。
 (つい……)
 劣情を煽られて性欲をコントロールできない子供のように朱音としてしまった思い出が脳裏に映画の様に蘇り慄きつつも、寧ろ喜んでいるような、そっちの感情の方が強いようにも見えた。
 にっこりと微笑む朱音の顔を確認して、紫は新たに愛しい人が生命を宿したという事実と言う幸福の空気がふわりと紫を包み込む。20年という歳月、空白になった朱音と築くはずだった未来を今、築いていることを実感し自然と紫が隠すことが出来ない程の幸福に顔が緩む。
 「そこで何ですが……この子の名前、姫子と千歌音……で、どうですか?」
 「姫子と千歌音……」
 「折神家の創設者である……二人の巫女のお名前です。なんだか、この名前が良いな。って。」
 「結芽の名前は私が決めたようなものだからな。それでいい。」
 紫は新たに子供が生まれることに歓喜し……
 「結芽、お前は、お姉ちゃんになるんだ……」
 結芽と一緒に二つの命が宿った朱音の、お腹を紫は一緒に撫でた。


 双子の名前を付けた日に、折神朱音と折神紫はいつもとは違う夢を見た。
 そこには、荒魂ではない別の邪神の様な機械仕掛けの巨大な何かと対峙していた刀使達の姿だった。
 しかし、朱音は何故だか理屈抜きに、その刀使たちの名前を知っていた。
 その刀使達の母親が誰なのかも知っていた。
 衛藤可奈美と十条姫和の娘である衛藤涼花。
 柳瀬舞衣と糸見沙耶香の娘である柳瀬南那。
 古波蔵エレンと益子薫の娘である古波蔵智恵理。
 此花寿々花と獅童真希の娘である此花凪沙。
 内里歩と田辺美弥の娘である内里奈々未。
 安桜美炎と瀬戸内智恵の娘である安桜飛鳥。
 そして朱音と紫の間に生まれた長女の折神結芽が、あの頃の燕結芽の面影を見せながら、かつて紫が身に纏っていた白い制服を着用し「童子切安綱」「大包平」を手にして、殿を務め、次女の折神姫子と三女の折神千歌音が月から舞い降りた二つの御刀。
かつて邪神の一味でありながら、その気高く崇高な戦士の意思を受け正義に転生し邪神に叛逆して御刀になった「嶽鑓御太刀神」と「武夜御鳴神」、そして折神家の宝刀である御刀である二刀の「剣神天群雲剣」を分かち合って巨悪に立ち向かう。
 「結芽お姉ちゃん……!」
 「結芽姉さま……」
 まるで、巨大な人型兵器のような無機質な邪神達の群れ。
 SFアニメに出てくるような悪鬼の前に、御刀のみで立ち向かう。
 絶望と呼べる、この光景だというのに不思議と絶望を感じない。
 しかし、その感情とは真逆の無慈悲とも言える程の多くの都市が邪神達に破壊される光景が広がる。
 二人は、この状況が夢だと解っていながらも、これがどうにも現実に思えてしまい、手に汗を握って応援していた。
 しかし、それを絶望とは感じなかった。
 親バカだからなのだろうか?
それとも夢の中だからだろうか?
 この子達がいれば大丈夫なのだと絶対的な自信があった。
 「大丈夫。怖くない。先代の二人の名前を冠した巫女は孤独だったらしいけど、今は、お姉ちゃんがいるでしょ?それに……今は仲間がいる。」
 確かに折神家の創設者だった二人の巫女は、その境遇故に孤独だったという。まだ、同性愛と言うものに寛容ではなかった時代に愛し合った二人の巫女。
 その伝説は儚くも美しい。
 しかし、ただ、儚く美しいだけではなかった。
 何故って、それは、ちゃんと折神家と言う希望を残していたのだから。
 (大丈夫。)
 「大丈夫だよ。姫子と千歌音には仲間がいる。それにお姉ちゃんがいる。二人に過酷な運命が待っていても、乗り越えよう。私のママ達のように。それに、二人を不幸にする運命があるなら……お姉ちゃんや皆がぶった斬る。お姉ちゃんにまっかせなさい。」
 結芽が天然理心流の型を織り交ぜた二天一流の構えを、姫子が千歌音が純粋な二天一流の構えを取った時、邪神は三人に向かって黒い雷を放つ。
 放った雷を結芽が切り裂いた時、凄まじい衝撃が朱音と紫の視界を広がった。
 「私の妹に手を出すとか良い度胸してるよね。悪いけど、死んでよ。」
 結芽が極めて残酷だが、味方であれば頼もしい語気で吐き捨てるように言い放つ。
 この夢が現実だとしても結末はハッピーエンドであることが、この子達がいるだけで安心だと解り安堵した時、私は目が覚めた。


 「妙な夢を見た……」
 「姉さまもですか……」
 ハッと目が覚めた時、そこは崩壊しかけた都市ではなく、いつもの紫と朱音が共に夜を過ごす寝室のベッドの上だった。
やはり、夢だった。
 しかし、その夢は妙にリアルだったし、この身に刻まれたリアルさが後に起こる現実なのだろうと、何故だか理解していた。
カーテンによって遮られた太陽光が無理に侵入しようとして寝室には一筋の白い光が入り込んでいた。
 まだ、朝の六時であることを確認して瞳を動かして近くの時計で確認する。
 そんな夢を見ていたせいなのもあるのだろう。汗がべっとりと肉体を不快な感触が満たし、喉から全身に走るような渇きが息苦しさを感じて、口の中に何か微生物の塊のようなものが溜まっているような感触に違和感を覚えて、昨日の無理が祟ったのか、少々、節々が痛むもののシーツで上体を隠しながら、ゆっくりと。
 近くにあったカップを手に取り、近くに置いてある麦茶ポットを手に取って注ぎ込んで、紫に渡し、次は自分のカップに麦茶に注ぎ込んだ。
 麦茶を手に取ったことで身体を隠していたシーツがはらりと重力に従い落ちた。三人目を妊娠してから余計に大きくなったサイズの胸と一緒に茶褐色の乳輪が姿を現し、それを気にすることなく、八カ月目の妊婦のソレを優しく撫でた。
 全裸健康法という訳ではない。ただただ、昨日、熱帯夜と妊婦の朱音が生み出す情欲に負けた紫と交わってから終わることのない宴に参加しただけのこと。恐らく、その時に湧き出た汗が原因で喉が渇いたのだろうと、この喉を含めた異様な渇きに答えを導きだしつつ、あの夢のことを考えていた。
 「この子達が大きくなるころに、また大きな戦いが起きるんだな……いや、夢だから、杞憂かもしれないが。」
 「そうですね。杞憂なら良いんです。でも、あの夢が辛い試練が真実なら、この子達が一番楽しい時代に訪れるかもしれません。でも、この子達の未来は明るいです。沢山、仲間がいましたから。」
 「そうだな。」
 麦茶を飲み干して、身体全体に潤いを感じた後に一呼吸した時に唐突にカレンダーが視界に入った。
 「後、二カ月で十月……そういえば、十月は神無月でしたね。」
 二人が生まれてくる季節、秋、十月に思いを馳せながら、朱音の中に眠る夢の記憶から入り込む、娘たちの未来を何故か知っていた。
 自分のお腹の中で眠る子が十月一日に生まれることも。そして、十月に生まれる双子は未来で過酷な運命に立ち向かうが、二人が運命の渦に飲み込まれないために、姉である結芽や、他の仲間達に支えられて絶対に明るいものになるという事も。
 「お姉さま……?」
 「ん?どうした?」
 水分を体内に取り込んで水を得た魚状態になったのか、這うように妊婦の腹部に手を回し、まだシャワーも浴びてすらいない汗ばんだ髪に鼻を当てた。
 「もう、お姉さま……お盛んですね……」
 「キスだけで終わらせるつもりだ……それに、目覚めのキスは大切だろう?」
 そのまま、ゆっくりと朱音の身体をベッドに倒し、先ほど飲んだ麦茶で官能的に濡れたぷっくりとしたピンクの唇を重ねた。
 汗の臭いと一緒に清々しい水の感触が伝わり、甘美な痺れが襲い掛かる。
 本当はキスだけで済ませるつもりだったが、抑えきることのできない性欲が紫を襲った。

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