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ACT-ⅡⅩ「なのはを、愛していいのは、私だけ。そして、なのはが、愛していいのは、私だけ。」

別タイトルは、狂気のなのフェ。


目の前にいる人間は、どれだけ愚かなのだろうかと、考えたことがある。

それは、人にとって、さまざまなことだろう。

犯罪を行う人間、タバコを吸っている人間、電車のシルバーシートで、携帯電話を使っている人間。

勝手な人間が増え続けている、この世界で、どれだけ、愚かな人間が増えているのだろう。

「ま、消していい人間なんて、かなり、増えてるけどな。」

だから、

「基本残るのは、子供だけだ。それも、10にもなってない子供が多い。」

そして、この世界の俺は、どれほど、愚かなのだろう。

クロノ・ハーヴェイと、クロノ・ハラオウンの違い。

二つ目の砂時計が、全て落ちた。

一つの砂時計の時間は、12時間。

二つ目と言うことは、丸一日経ってしまったと言うことだ。

もう、外の戦いは終わってしまっただろう。

目の前にいる、男は、どのような、決断を下すのだろうか。

俺は、読んでいた書物をたたんで、目の前にいる男を、眺めた。

決断は、そろそろ、出るころだろう。

答えは、わかっているはずだ。

しかし、人というのは、決断を下せない時がある。

それを手助けするのが、自分だと思っていた。

しかし、従わないというのなら、その決断も、また、新たに必要となるだろう。

その覚悟はある。

なるべく、穏便に済ませたかったが、それが、できるかどうかは、あの男次第。

「クロノ・ハラオウン・・・来るか?」

「行かない・・・!!」

だから、

「僕は、お前を殺す!!」

クロノ・ハーヴェイは、本当に、頭を抱えた。

本当に、愚かなのではないのだろうかと、悩んだ。

「なぁ、お前・・・俺より、弱いって言う自覚無いだろ?」

愚か過ぎて、流石に、失笑が出そうだった。

自分と自分の戦いなら、確かに勝てるという、自信がどこかにあるのだろう。

しかし、経験と力の差は、同じ思考を持つものであっても、勝利する事は難しい。

戦うのであれば、それ以上の力が必要となるだろう。

それが、この男にはわかっていない。

恐らく、常に、自分は一番強いものであると考えているのだろうか。

クロノ・ハラオウンは、動き出そうとする。

どうすれば良いのか。

考えもなしに言ってしまったことを、クロノ・ハーヴェイという、一人の男は、わかっている。

「はぁ・・・本当に、俺か?融通が、利かないな。前の俺もそうだったけどさ。」

クロノ・ハーヴェイの、右手の周りの空間が、歪み始める。

「さぁて・・・客を、招待しようか?」

「客・・・?」

歪みだした空間から、一人の人間が現れる。

呼び出したのは、

「エイミィ・・・!?」

エイミィ・ハラオウン。

「クロノ・・・!?これって!!」

「なるべく、俺は、お前を傷つけたくない。」

故に、

「彼女を人質にしよう。あまり、この手は、使いたくないけどね。」

呼び出したのは、一人の母親。

何故、ここに、存在している。

いや、あの男が、呼び出したのか。

「これも、時の神の力の応用だよ。」

「クロノが二人・・・!?」

何が、あった。

何が、あったというのか。

エイミィ・ハラオウンに、この状況を理解しろというのは、不可能だろう。

誰も、誰も。

「よければ、お前の子どもを呼び出すことも出来るが?」

「やめろ!!まだ、あの二人は・・・!!物心が、ついたばかりなんだぞ!!」

「そうだねぇ・・・あの二人を殺すのも、良いかもしれないね。」

エイミィは、それを、嘘と思った。

今、自分の目の前にいる、クロノの言葉。

しかし、それを、嘘と暴露すれば、確実に殺されるだろう。

そして、目の前にいるクロノは、今の言葉が、嘘であるということは、わかっていない。

「あんた、クロノなんでしょう・・・?どうして・・・」

「どうしてかな?」

エイミィは、それを虚であるとわかっている。

これは、今まで、人を見てきた、それなりの力だ。

しかし、目の前にいる男は、何も見ていない。

自分の夫である、クロノ・ハラオウンは、何も見ていなかった。

恐らく、クロノはクロノに嫉妬しているのだろう。

そう、とらえていた。

クロノに、決断の時が迫る。

決断の時が。













「あぁ・・・完全に、死んじゃいませんでしたね。」

生きていた。

高町なのはと、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンも。

ティーダ・ランスターは、どこか、ため息をついていた。

生きていたことに、どこか、がっかりしていたような自分がいたような気がする。

ティーダの中では、主に背く、全ての人間は、主に従わない人間は、全て邪魔だ。

しかし、トウヤと、それに関わる一部の人間達以外は。

「あ・・・」

邪な感情を抱いている。

そんな、自分に目を瞑り、その思いを掻き消した。

神に、主に祈ることによって。

自分が、どれだけ、邪な人間なのか、懺悔した。

「良いのです。」

「アリシア様・・・」

その二人の姉である、アリシア・テスタロッサ。

「お言葉ですが、この二人は、殺戮しか求めておりません。殺してはならない、人間まで、殺そうとしました。」

「そうですね。」

「しかし、それは、許さなければなりません。まだ、この二人は、此処での考えは赤子と同じなのですから。」

そして

「憎むのは、貴方たちのように、そうした・・・世界が、いけないのですから。」

「解っております。あぁ、良い忘れていましたが、精神的に、不安定のようです。」

「そうですね。出来のよすぎる、妹ですから。」

できのよすぎる妹。

アリシアは、自分の妹である、フェイトを、そのように評した。

優等生タイプと言うことだ。

自分には、解らないことをいろいろと、良く知っている。

それゆえのことだ。

「優等生ゆえに、失敗した時の反動は大きい・・・」

「そういう、物なのですか?アリシア様。」

一息ついて、振り返り、アリシアは、ただ、ティーダにうなづいた。

「出来の悪い、私とは、大間違い。そんな私でも、ママは愛してくれました。」

「はい。」

守るための力が無いゆえに、プレシア・テスタロッサに守られた。

母に愛されたと言うのは、嬉しかった。

それゆえに、当時のことを思い出して、ふと、笑った。

「そうでした・・・一つ、彼女達の精神的に不安定である事に関しての処置は。」

強化中の、なのはとフェイトを眺めて、それを言った。

精神面的な部分は、非常に不安定だった。

あの時、戦闘を確認して、それが、良く解った。

「しかし、今回の強化で、精神的な部分は、全て、解消されるのでしょう?」

「は・・・その通りです。戦闘に関する、物は、今までどおりの形となりますが?」

「かまいません。無理やり、形を変えるのは、良くありませんから。」

しかし、

「今回限りにしましょう。コアは埋め込んで置いてください。」

その殺意が無ければ、

「スサノオは、捕らえることは出来ないでしょう?」

「その通りです。」

殺す覚悟で行かなければ、スサノオは倒すことは出来ない。

バラバは、動かないし、そのようなことなど、出来はしない。

「アマテラスを殺そうとしたとき・・・それは、あなたが止めなさい。」

「は・・・」

テスタメントという存在は、全て保護すべし。

そして、選ばれなかった人間は、全て抹消すべし。

なのはとフェイトを含む、全ての幹部は、世界を罰する権限が与えられている。

「しかし、大したことになさそうに見えましたが?」

「そうでしょうね。しかし、その奥底・・・それを読み取った私は、恐怖を覚えました。」

「アリシア様ほどの方が・・・?」

「はい。」

「では、このティーダ・ランスター・・・全力で、スサノオから、アリシア様をお守りいたします。」

「感謝します。では、参りましょう。お父様のところに。」

「はい。」

二人は、傷を再生される、二人を後にして、ゆっくりと歩き出した。

「アマテラスの天の岩度には、驚きましたが。予定外です。」

「アレは・・・私にとっては、不可解なものです。」

「もとより、神など、不可解なものでしょう?ハーデスと、タケミカヅチ・・・カグツチとワルキューレ。ふふ・・・どうして、姿形を完全に変えて神は別の者になろうとしたのでしょう?神の気まぐれは、私には、面白いですよ。」

「そうですね・・・アリシア様。」

まだ、無邪気だ。

何処となく、そこに惹かれている、ティーダがいた。
















最後のその二体の女は、どこか、変わっている。

その身は金色の光、桃色の光を身にまとい、神秘的な印象を与える。

高町なのは、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンである。

敵。

敵。

敵。

敵。

その姿は、以前より、パワーアップしているように見えた。

神秘的な印象を与えた光は、今は、まがまがしい悪の光に見える。

「なんだ・・・?本当に、同一人物なのか?」

何かをしなければならない。

何かをしなければ、ティアナは、殺されてしまう。

しかし、何をすれば良い。

恐らく、これ以上に、無いほどの力を身につけている。

今の、ティアナ・ランスターにとって、必要なもの。

力を、確実に安定させるためのものが必要になる。

精神的な意地に必要になるもの。

ティアナの力を、確実に安定させるほどのものが必要になる。

それは、新たに、作り出すと言うこと。

「ヴィヴィオ・・・!!」

「どうしたの?」

「お前の・・・もう一人の姉について・・・話してくれ・・・」

新たに、新たに、作り出すしかない。

自分の中に残っている感覚。

ティアナから話された、全ての記憶。

そして、ヴィヴィオの記憶。

それら、全てを統合して、新たに、作り出す。













月に照らされて、二人の乙女が、舞い降りる。

禍々しい、何かを放ちながら、ティアナ・ランスターを見下ろしている、二人の乙女。

かつては、味方であり、今は敵である。

一度、下した覚えもある。

自分より、弱かった。

しかし、それは、もう、過去の話と言っても良い。

今の、二人は、違う。

正直、自分が勝てるかどうかさえ、わからないと言っても良いほどの、強さだった。

「さぁて・・・最も、戦いたくない相手が、着ちゃったわけだけど・・・」

一方の、外に出た、ティアナ・ランスターの眼光に映るのは、高町なのはと、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンの二人。

かつての、エースオブエースが、敵となる。

今は、ティアナ・ランスター一人。

ミッドチルダにいたときは、明らかに違うと言える、戦闘力を有していると言えるだろう。

現れたときの、一撃は、ほんの小手先と言える。

ミッドチルダの時とは、段違いに、性能が上がっているのだ。

この、数えるほどしかない、短期間で。

何故、そこまで強くなったのかは、敵の組織による、薬物か、何かによる改造に近いものとティアナは見た。

それでも、そこまで、強くしたのは、流石だと、賞賛したくなるほどだった。

あの二人は。

あの時、確実に下すべきだったか、確実に、殺すべきだったか。

後悔の念に駆られた。

こうして、強くなって戻ってきてしまったのなら、なのはの両腕が、斬られた後に、自分が打ち抜けばよかったと、後悔の念に駆られる。

二度目だ。

一瞬に近い、考えで、二度に後悔をした。

フェイト・テスタロッサ・ハラオウン、高町なのは。

個々の戦闘力は、高い。

かつて、燈也にその、戦闘記録と言える映像を見せられ、対策を教えてもらったことがある。

この二人は、ツーマンセルによって、より、強くなる。

数倍以上の強さを誇る。

しかし、過去の映像と、今の、二人を見ても、絶対に、勝利することは出来ないだろう。

あの対策など通じない。

全ての対策などかなぐり捨てて、勝負しなければならない相手と言えるだろう。

面倒くさいと言える、分野の敵といえるだろう。

二人同時に、一人で。

悠介がいれば、今、何とかなるかもしれない。

しかし、悠介は、現に、あの状況。

動けない。

動けやしない。

ヴィヴィオは、母親と戦わせない。

これは、悠介と誓った、暗黙の了解。

「ね・・・さびしいな・・・フェイトちゃんと、離れ離れになんなきゃいけないんだよね。」

なのはは、フェイトを求めるかのように、糖尿病にでもなりそうなほどに甘ったるい声を上げ、フェイトの頬に触れる。

フェイトの頬に触れて、その暖かさを確かめるように。

何を、している。

しかし、この、すきだらけに見えるような状況でも、危険信号を、ティアナの体が、レッドアラームで、危険信号を発していた。

体を動かしたくても、動かせないほどの、プレッシャーを、相手は放っている。

テスタメントとしての力すら、扱わせないような、そのような何かを感じ取っていた。

どこか、囲まれているような感覚。

いつの間にか、逃げ道が消えてしまっているような感覚を覚えた。

「大丈夫だよ。今日は、全力全開で行こう?なのは。そうすれば早く終わるよ。」

「そうだね。フェイトちゃん。」

フェイトは、なのはの唇に、唇を重ねた。

口づけをしているさなか、なのはの体から力が抜けるかのように、だらんと、手足が、重力に従って、垂れ落ちた。

「あんな状態でも・・・隙が無いって言うの・・・?」

信じきることが出来ない。

自分の脳は、嘘だと言いながら、体は、そうだといっている。

どちらが、正しいのか、判断がつかなくなっている。

こういうときに、欲しくなる。

なのはにとっては、フェイト。

フェイトにとっては、なのはのような、パートナーが。

心臓が、バクバクと、煩い。

このまま、もぎ取って、捨ててしまいたいほどだ。

それほど、ティアナの精神を乱す。

「くそっ・・・!!」

フェイトは、なのはを抉るかのように、口内を舌で蹂躙する。

それが、快楽となったのか、なのはの、バリアジャケットのスカートの先から、足を蔦って、愛液が流れ落ちる。

「なのは・・・素敵だよ。」

「フェイトちゃんも・・・素敵・・・」

お互いが、お互いに酔いしれている。

そんな、印象を受けた。

不快だった。

ティアナにとっては、その行為が、とてつもなく不快だった。

それは、人間としての欲求としては、当然のことといえるかもしれない。

なぜなら、ティアナには、それを行うパートナーがいないからだ。

人間にあるべき、欲求である性欲を、満たしていない。

そういう、女。

「フェイトちゃん・・・すきぃ・・・愛してるよぉ・・・」

「私も、愛してるよ。一番は、なのはだよ。」

「私もだよ・・・ユーノ君とか、どうでもいいの。」

「そう。なのはを、愛していいのは、私だけ。そして、なのはが、愛していいのは、私だけ。」

自分の舌を打つ音と、心臓の鼓動が、煩くて、仕方ない。

それほど、自分が苛立っていると言う、証だった。

殺したい。

八つ裂きにしてやりたい。

そんな、感情だけが、ティアナの中に、渦を巻いている。

殺したいと思うほどの怨念が、自分の中に渦巻いている。

「フェイトちゃん・・・」

「なのは・・・」

「「さぁ、変わろうか?」」

一瞬、二人はティアナを見た。

「・・・!?」

そして、ティアナの背中に悪寒が走った。

全身に寒気が走るほどの、異様な威圧感。

冷たい瞳は、ティアナを馬鹿にするかのように。

久しぶりに、恐怖というものを感じていた。

やはり、あの時の高町なのはとは違う。

自分で、わかる。

その感覚というものが。

二人のオーラのようなものが混ざり合い、白いオーラが、生み出され、二人は白い光の球体に包まれた。

「融合・・・?」

「ふふ・・・違うよ?」

「私はね・・・?」

「私たちはね?」

念によって、伝わってくる、二人の会話。

嫌な感覚が、体に付きまとう。

べっとりと、嫌なものが。

黒いヘドロを体いっぱい浴びたような、嫌な感覚が、体の中に付きまとう。

「本当はね・・・?」

「なのはを虐めたティアナを許せなかった。」

「私の言うことを聞かない、ティアナが嫌いだった。」

ジェイル・スカリエッティ事件の時のことを言っているのだろう。

一度覚醒し、カグツチ形態となって、なのはを圧倒したとき。

そして、フェイトは、ティアナの成長のためとは言え、トウヤの行き過ぎる行動に、何もできなかった、フェイト。

そのあとは、

「不服だったよ・・・」

「ティアナが、仲間だってことに・・・」

だから、心の奥底で、やっとわかった。

「「殺したかったって。」」

「本当は、主の命に背くの。」

「でも、ティアナだけは許せない。あぁ・・・だからさ。」

「一度殺せればいいんだよ。」

「今度は、主の忠実な部下として・・・生まれ変わるから。」

だから、今は、

「「ここで、死ね・・・」」

白い球体が、解放されたとき、バリア・ジャケットが、変わった。

何処か、悪魔・・・

いや、天使に見えた。

外見と比例して、白いバリア・ジャケットに変化が、訪れていた。

「これは・・・あのとき・・・別世界に行ったときに、授かったもの・・・」

そして、

「私は、それを、なのはと交わって、得た。」

なのはと交わって。

フェイトも習得。

天使の証である、燈也の持っていた、巨大な翼が、そこにあった。

ティアナは、この状態なら、互角以上に渡り合えると、考えた。

事実、今の、ティアナ・ランスターの魔力は、そのランクはS+レベル。

さらに、まだ、上がる要素というものがある。

さらに神の力の成長は無限である。

無限に進化する事ができる。

今の状態は、ノーマルのなのは、ノーマルのフェイト。

その、ティアナの戦闘スタイルで、二人同時になら、辛くも勝利できる。

そして、神の力を有し、その力は二段転生。

カグツチとワルキューレ・・・

出力が不安定でありながらも、あの、第一段階。

つまり、ミッドチルダで行った、戦闘力くらいなら、今のなのはとフェイトに勝利することができる。

しかし、ティアナ・ランスターが見たのは、その奥底。

言うのであれば・・・

「これは・・・第一段階・・・」

やはり、あるのだろう。

「第二段階。」

その、第二段階が、ティアナを、恐怖させた。

本来、これは、デモンストレーションに、近いものなのだろう。

あの二人が、言うのであれば、いつでも、第二段階に入って、お前を殺すことができる。

そういう意味だろう。

ただ、いらつかそうとしているだけ。

ただ、いらつかそうとしているのだ。

瑠璃という、存在がいないがゆえに、見せつけている。

お前には、パートナーというものが存在していない。

故に、見せつけて、いらつかせ、集中力を欠かせるということも含んでいる。

そこまで行うのは、それでも、恐れているということだろう。

ティアナ・ランスターという、今まで、精神の咎のようになっていた、その奥にいた存在である、燈也という男。

その教え子を、自分が砕く。

砕くということに関して、既に、自分のスタイルではなく、他者によって強化されたスタイルであるということに、気づいていない。

自分で、行っていないのだ。

他者が、行ったことなのだから。

とはいえ、ツーマンセルという方式は変わっていないが。

ここの戦闘力はすさまじいだろう。

そして、ツーマンセルの戦闘方式になれば、その勝率は、よりアップする。

ティアナ・ランスター相手にだ。

二段転生相手のティアナ・ランスターに対して、互角以上。

いや、互角という言葉は、意味がないかもしれない。

一方的。

それも、なのはとフェイトの一方的な勝利で終わるかもしれない。

ティアナ・ランスターは、思う。

肉片の一つすら、残っていないかもしれないと。

白い球体から、黒い球体に変わる。

「デモンストレーションなんでしょう?ムカツクから、やめてください。」

「だって・・・こうしないと・・・」

「なれないんだもん。」

第二段階に入れないという、嘘をつく。

「嘘つけ・・・・・・」

口で、ぼそっと呟いた。

動けない。

できれば、早く、あの二人を殺して、曝し首にでもしてやりたいほどだった。

「じゃぁ、ティアナ・・・一回、死んでね?」

「じゃぁ、ティアナ・・・」

「死んで・・・!!」

黒い球体から、解かれ、現れたのは、純白というより、白銀の悪魔とでもいおうか。

天使のような白は、おぞましいほどまでの悪意を纏った、白に見えた。

呪いを、その身に受けているような、醜い白。

それは、黒体に包まれていたからだと、ティアナは、自分なりに解釈した時だった。

「殺気・・・」

伝わってきた、何か。

十字砲火。

開いた、ワームホールから放たれた、桃色の光。

ギリギリで避け、飛び避けたとき、さらに、後ろから、殺気が迫り、クロスミラージュを刃状にし、フェイトのライオット・セイバーを受け止めた。

しかし、出力の差が、大きすぎた。

クロス・ミラージュの刃が、砕け、急ぎ、回避行動をした時、背中に、衝撃が来る。

「シュート!!」

一瞬感じた、殺気の方向にクロス・ミラージュを撃ち放つ。

それでも、撃った瞬間に、隙というものが生まれる。撃

ち放った弾丸は、馬鹿正直に、直線を描き、なのはは、軽く、それを避けていたのを見た。

「くっ・・・!!」

激痛が、一瞬にして走った。

その隙を、奴等はついた。

それだけだ。

もとより、ツーマンセルにおいて、本領発揮、さらに、改良に改良を重ねたことによって、ティアナレベルのテスタメント・・・

しかも、出力が最大に近いものが、二人もいる。

ある種の、理不尽なデスマッチだ。

しかし、それに対して、思うことは何も無かった。

それが、戦場では当たり前だからだ。

自分より、格上がいないなどとは、考えるな。

そう、言われ続けてきた。

しかし、流石に、これは、きつい。

自分に、死期が迫っていることに、ティアナは、気付く。

たった、数秒で、以前、倒した人間に殺されるという、屈辱を味わっていた。

「バリアジャケットの強度を・・・上げても・・・」

なのはの砲撃が、ティアナにヒットした。

殺気には、気づいていた。

しかし、対応が、出来なかった。

まだ、自分の未熟さを痛感させられた。

フェイトの剣だけにかまっていれば、なのはの砲撃が来る。

それは、また、逆も然り。

「クロス・ミラージュ!!今すぐ、ワルキューレ+カグツチ起動まで、後いくら?!」

「YES・・・Ⅲsecond」

処理には、時間がかかる。

さらに、この状況だ。

3秒は、デバイスが使用できない。

その、短い3秒の間に、どう動くか。

奴ら相手の3秒は、3分ほどの長さというものがあるだろう。

「1・・・」

第一段階に入り始める。

フェイトの刃をクロス・ミラージュで弾き、できる限り、なのはの砲撃も、プロテクトで防ぐ。

無駄に、消費されていく力の中で、二人の攻撃を読みきるというのは、辛いものがある。

しかし、無限に続くわけではなかった。

「はぁぁぁぁ!!!!」

フェイトの刃の衝撃波が、ティアナの腕を斬り裂き、血飛沫が溢れた。

「2・・・」

しかし、それで、体勢を崩したのが、隙を生んだ。

「ふふ・・・」

複数のワームホールから溢れ出るディバインバスターをティアナは、その身に浴びてしまう。

バリアジャケットを、貫通された。

皮膚が焼けるほどの、高熱を発していた、ディバインバスターに皮膚を焼かれるのは、どのような思いだろう。

今、自分の、体を見れば、グロテスクな状態になっているのは、分かっている。

自分の体の状態を見れば、集中力を切らすのは必須。

「くぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

いまだに、照射され続けて、いまだに動けるのは、バリアジャケットの強度を上げた故だ。

まだ、五体満足であることはわかる。

ちゃんと、体同士が繋がっている。

内部の熱さなど、まだ、我慢できるレベルだ。

「あと・・・1・・・!!」

しかし、体を動かすたびに、ダメージが起きる。

自分の体が、崩れ去りそうなほどの熱さ。

まだ、溶けきれない自分の体の頑丈さに、驚く自分がいる。

「カハッ・・・」

吐血しそうだが、吐血しない。

それは、血が、蒸発して、中にある血が、消えかかりそうになっているほど、体温が、熱くなっている。

しかし、蒸発しているのは確かだ。

「The main and the preparation completion were done.」

その言葉と同時に、ティアナのバリアジャケットが、流体金属のようなものに、囲まれ始め、ディバインバスターを完全にカットした。

徐々に、それは、形を作り、徐々に、本来の形を作り出す。

体のダメージから、そう、長くは戦うことはできないだろう。

一応の治癒能力はあるものの、そんなものは、今の戦闘では、焼け石に水程度のものにしかならない。

しかし、死なないのは、まだ、マシだが。

「ジークフリート・ミラージュ・・・アポカリュプスバスターを撃つと、私の体は、耐えられる?」

「It is impossible. The internal tissue collapses if it shoots it now.Even if it is possible to strike it, power considerably falls than the fight at that time. 」

なった時点で、攻撃できず、防御のみ。

今、最大に痛みを軽減させられて、痛めつけられる。

それだけだ。

「無理・・・か・・・・・・」

それでも、一瞬、自分の鎧が消えそうな感覚を覚えた。

やはり、瑠璃がいないことが、かなり効いている。

自分の不甲斐無さに、舌を撃った。

「Varukiri-teiru is also impossible. Incidentally, a present output is 50%. Mentally, haste is seen. 」

ワルキューレ最大の利点が、二つとも放つことができない。

これは、完全に、敗北するということに近い。

「超防御型モード・・・高町なのはの射撃と、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンの斬撃は、全て受け止める・・・」

さっきのなのはとフェイトのヴィジョンのせいで、だいぶ、いらついている。

「ジークフリートミラージュ・・・ブレード強化・・・」

瑠璃の刀を取り出し、鎧の一部のパーツが独立し、巨大な刃を形成する。

ティアナは、刃を捨てるふりをしながら、完全に、魔術で姿を消した。

そして、フェイトを待つ。

なのはの、砲撃は、完全に、受け止めることができる。

それでも、射撃から来る反動で、内部に、かなりのダメージがきている。

なのはの射撃は、全て、鎧が受け止めている。

それでも、砕けてきているのは、精神的な乱れ、人間の消滅できる範囲までの、血液を失っているがゆえに、意識も揺らいでいる。

この形態を維持できるのは、後、どれほどのものか。

「さぁ・・・!!ティアナ!!お兄さんの所に行こうね!!!」

高速で、ティアナに突っ込んでくる、フェイト。

正面突破など、愚かと入っていられないほど、速い。

「くっ・・・!!」

「はぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

ライオットセイバーの刃は、ワルキューレの鎧を砕きながら、ティアナの肉片に、当たる。

「くっ・・・そっ・・・」

激痛が、走る。

しかし、今は、それでよかった。

せめて、一人は、持っていく。

「・・・ン!!拘束!?」

バインドをかけていた。

装甲の薄い、バリア・ジャケットめがけて、フェイトの心臓を突き殺そうとしたが、

「殺すの・・・?フェイトママを・・・」

(っ・・・!!どうして!!どうして!!!)

ヴィヴィオのイメージが、入り込んでくる。

フェイトを、殺すのかと。

殺せる場面で、殺せなかった。

「ふふ・・・あまぁいねっ!!!」

「やばい!!!」

殺される。

そう、思った。

既に、フェイトのライオットセイバーが、ティアナの脳天めがけて、振り下ろされている。

「フェイトちゃん・・・!!なのは・・・!!」

しかし、その言葉で、全ては、止められた。

隠れていた、なのはすら、姿を現した。

そこには、

「桃子さん!?何を・・・」

自分の母親がいたからだ。

「お母さん・・・」

リンディ・ハラオウンに、高町なのは。

「何やってるんですか!?」

死にに来たのか。

ティアナ・ランスターは、この状況に焦った。

下手をすれば、ここで死ぬ。

「桃子!!」

「だって・・・めのまえに、なのはが、ふぇいとちゃんがいるんだよ・・・?リンディ・・・」

桃子は、リンディを揺すって、目の前にいると、帰ってきたと、訴える。

「リンディ!!」

「桃子・・・でも・・・あの子たちは・・・」

敵・・・

どうする。

ティアナの中で、動揺している。

「なのは・・・フェイトちゃん・・・良いよね?もう、帰ってきて・・・」

「聞くわけが・・・」

どうする。

何も、考えることができない。

「大丈夫・・・大丈夫だよ。お母さん。」

「いっしょに、幸せになろう?」

「死んで、歪んだ神に使えろってか・・・?」

何も、出来なくなっている。

この状況に、自分が、何もできなくなっている。

既に、体のキズ、外部から、内部に至って、非常に、醜い状態になっているだろう。

今、あの二人が、弱体化したとしても、自分が勝てる可能性など、何一つ残されていない。

姿を現した、なのはと、フェイトが、寄り添い、バルディッシュと、レイジングハートが融合し始めた。

天使のような、二つのデバイスが融合し始めた、その姿は、死者を天の国へといざなうかのような、優しさを現した、美しさだった。悪魔の如き、禍々しいデバイス。

同時に、挿入され始める、二人の禍々しき力。

あの組織の人間は、世界を罰する権限を持つという。

その、禍々しい外見は天使様な白に反して、ティアナには悪魔のような黒に見える、そのデバイス

「「メタトロン・・・」」

「私と、なのはの・・・」

「私とフェイトちゃんの・・・」

「「愛の結晶・・・」」

放たれるのは、全てを焼きつくした、メギドの火か。

人を救済するための光なのか。

「私が、犠牲になるしかないの・・・?」











「大丈夫・・・」










「悠介・・・?」

聞こえてきた、一人の男の声。

「念・・・?」

今、ここで、犠牲になる必要はない。

「俺が・・・動けない、俺の代わりに分霊を造った・・・今から、おくる・・・」

「分霊って・・・まさか・・・」

「ティア・・・お前が、お前が、会いたかった子だよ。」

「でも、あの子一人じゃ・・・」

「任せろよ。あの子に・・・頼んだよ。」

放たれようとしている、強大な光は、世界を焼きつくすのか。

全てを、終焉に、一つの世界を破壊するのには、ちょうどいい光と言えるかもしれない。

浮かび上がるのは、破滅へと導くための、魔法陣。

抱きしめられて、全ては、一つになる。

全てが、調度良い。

壊されるのであれば、それが、調度良い。

今の時期が、調度良い。

「そのように変えた、世界が悪くて・・・」

「そのような世界にした、醜い人間が、悪い。」

「さぁ・・・終焉の光が訪れて・・・」

「創造の時代が訪れる・・・!!」

「「ラリクトゥ・フォウル・ディル・スチャルファング・・・」」

放たれる。

放たれた。

メタトロンと名前を変えた、なのはとフェイトのデバイスから、おぞましいほどの悪意に満ちた、破滅の光が放たれた。

全ては、悪意に満たされて。

全ては、世界の創造のために。

全ては、世界を罰するために。

全ては、従順な使徒へとするためなのだろうか。

「あぁあ・・・勘違いしちゃってるな。まぁ、いいや。じゃぁね。」

この光景を見ていた、一人の男は、消えた。

放たれる。

そのまま、突き進め、破滅の光。

全てを、無に帰すために。

広がり、全てが、無へと変えるだろう。

無へと帰って、新たに、生命が生まれるという、生きるという、生物の起きてというものにしたがって、そのための、ある種の鐘であるのが、その、魔術なのだろう。





「やらせません。そして、ティアを虐める者は、誰であろうと、許しはしません。たとて、相手が、高町なのはであろうと、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンであろうとも。」





突き下にいるものは、美しく、月下にいるものは、月さえも嫉妬するほどの美しさを持っている。

全ては、愛する者の為に、兄がつかわしたもの。

二度と、復活することはないと思っていた。

しかし、彼女は、ここにいる。

ここに、存在している。

存在しているのだ。

確実に。

肉体と、魂を与えられて、彼女は、今、ここにいる。

一つの球体だったものが、形となって、人を形成していく。

彼女は、まさしく、人であった。

全てを見透かしているような、闇の彼方に光るような目をしていた。

全てを見透かしているかのような。

流麗のように、流れるように、彼女は、羽衣を纏って、現れた、一人の少女がそこにいる。

彼女は理解しているのだろう。

一度、無へと帰り、森羅万象を見てきたと言えるのかもしれない。

宇宙に存在するありとあらゆる事象。

死という経験を得たことによって、全てを見てきたのだろう。

価値ある死だったとでもいうのだろうか。

しかし、今、彼女がここに現れたのは、単純な一つの感情である。

”護りたい”

愛した、人を、守りたいのだ。

それだけの為に、彼女は、動き出した。

天女と言う言葉が、よく似合っていた。

長い、その黒髪は、日本古来の文章で出てくる、天女と同じような容姿をしていた。

どこか、美しく、魅了される。

目の前にいる、二人の人間を愚かなものとしてとらえ、かつての二人の美貌など、既に、悪意に満ちたものによって、醜く歪んでしまっている。

一人の天女は、そのように見えた。

昇る月 揺れる瞳の中の水面に溶け、夜の静寂は瞳の波に呑まれ、満ちる潮 越えて漂う人。

今のティアナには、何故、彼女がここにいるのか分からなかった。

いや、何が起こったのかすら、解っていないだろう。

全て、全ては、彼女が思うままに、望んだ結果となった。

これで良い。

これで。

自然と、目頭が熱くなるのは、彼女の姿を見て、涙を流したからだ。

あぁ、あなたに会いたかった。

あなたを、私は愛していた。

また、会えるとは思わなかった。

あなたは、

「瑠璃・・・」

彼女は、後ろを見て、ティアナを認識した瞬間、優しい頬笑みを浮かべ、再び、放たれた光を見た。

「浦島・・・いえ、瑠璃・ランスター・・・参ります。」

瑠璃・・・復活す。

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