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クリスマスは普通に

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そんな感じで、クリスマスですね。
バイトです。
今日も今日とてバイトです。
そんな感じで、神無月の巫女のクリスマスSSです。
ゲストで、あの二人も出てきます。
そろそろ、姫千歌×なぎちえ的な。
4Pレズセックスも良いかなーとか、脳内が思い始めててあれ。
アカンですよ。
あぁ、でも、やりたいなーって。
プリキュアの人妻同士でもやったし…
えぇ・・・
頑張ろう…今年も。


「おはよう。千歌音ちゃん。」
声を発しても、隣で安らかな寝息を立てて熟睡している愛する人は反応しない。
無防備な姿を晒したまま豊満な乳房を露出し、桜色の大きな乳輪と、柔らかい乳首が目に入る。両腕に挟まれた大きな乳房が、より強調されて千歌音の身体は姫子に挑発的に視界に焼き付けた。
来栖川姫子は、そのエロティシズム溢れる体を見ながら、無防備さと子供のような寝顔を浮かべるギャップに母のような笑みを浮かべた。千歌音が姫子に甘えるときは母になったような気分になる。
もっと見たい。
そして、その顔を、もっと見つめていたい。ジッと見ているだけでも、それだけで幸せに思えてくる。考えられなかった前世、恋人としての時間は過ごせずに両想いになって終わり、こうして今、恋人として過ごしている。
いずれ、この幸せな時間が崩れるのではないのか。と、言う恐怖もありながらも、それ故に一日一日を大切にしてきた。無いとわかっていながらも、永遠を約束されながらも不安に駆られてしまうものはある。
「姫…」
だから、こうして接したくなる。触れたくなる。千歌音と言う姫子にとって一番最愛の人をだ。寝ている陶器のような白い肌の頬を撫でながら、その恋人の美しさに魅かれて唇を近づけた。
今年のクリスマスも、この顔を見ることができた。
姫子の美しくも儚く、それでいて姫子しか知らない側面を持つ不器用な人。いつもは姫宮家の令嬢としてのペルソナを被りながら、振る舞っている。プライドは人前では高く演じなければならない日もありながら、それ以上に姫子の前では母に甘える子猫のように接してくる。
前世の世界よりも早く再開し、恋人になってから、10回目以上のクリスマスを迎える。前の世界であれば今日が出会ってから二人きりの10回目のクリスマスになる。
「今日は、何をしようか。千歌音ちゃん…」
去年は千歌音のためにケーキを作り、二人だけで、この二人にとっては特別な意味を持たない世間的には特別な日を祝いあった。
そのあとは、冬の寒さを消すかのような情熱的なことをしたわけではあるが。それも毎年、いや、毎日のことであるからこそ、今年も、それは変わらないのだろうと思う。と、考えながら、淡い桃色の唇に自分の唇を近づけながら、栗色の髪を揺らしつつ、そっと、腰に手を回し抱き寄せる。
眠り姫は規則正しい安らかな寝息を立てながら夢の世界にいる。どんな、夢を見ているのか。自分は夢の世界の中にいるのか。唇を重ねれば、千歌音の夢が見れるかもしれない。
あぁ、キスをするだけだというのに、恋人になってから、この瞬間は千歌音が起きているときとて鼓動が激しくなる。身体が熱くなる。
二人にとって、キスをするというのは愛を確かめ合うことと、同時に…激しく愛し合う合図でもある。
「千歌音ちゃん、今、すっごい濡れてるよ…?」
身体を引き寄せて、太もも同士が重なり、そして乳首が擦れあう。千歌音の乳房を潰すように、至近距離にまで千歌音の顔が姫子に迫る。
「姫子…?」
目覚めて、その言葉を口にした瞬間には、唇が重なった。発情した猫のように姫子の行為に喜んだ千歌音は舌を舌で絡め取って愛し合う。
「んっ…んちゅ…千…歌…音ちゃ…ん…?」
「姫子……」
口全体が、姫子と千歌音の匂いで広がる。まだ、昨日の残り香が残っているように思えた。
舌同士の柔らかいぬるっとした感触が伝わりあい、肉体を熱くさせる。お互いの体温と感触がボルテージを上げるようにマグマの熱さを帯びて、頬が紅潮する。
声にならない叫びで互いの名前を呼び、そして、息苦しくなる時には唇を離す。手をつなぎあいながら、愛しい人と、このクリスマスを迎えたことに感謝をしあう。
白い息が出て、そして、抱き合うことで二人の鼓動が肉体を通して伝わりあう。涎が糸を引きながら雨のしずくのように、それが二人の裸体に落ちた。
「おはよう…千歌音ちゃん。」
恥ずかしそうに千歌音に朝の挨拶をして、千歌音も笑いながら姫子の額にキスをして「おはよう。」と言う。
「千歌音ちゃん、まだ…」
「姫子もね…」
鼓動の激しさ。
少し、気取った挨拶をしても、令嬢としてのペルソナを外した千歌音は姫子と、こういうことをする時は緊張する。
離れることのない、この肉体の熱さ。
そんな甘い雰囲気を醸し出すような空間。
このまま…
「姫…」
触れようとした時だった。
「やっぱり、寒いね…」
「えぇ…」
部屋を完全に締め切っていても、寒気という侵入者は意図せずに自然の摂理に乗りながら侵略をしてくる。どうしようもなく攻め込んでくる寒気というのは人の力ではどうにもならない強さというものがあった。暖房を作動させても、一瞬の空間の隙間のようなものが嘲笑うかのように二人の部屋に入り込んできてしまう。部屋を、現代機器で暖かくしても、毛布一枚では辛いということを思い知らせるかのように寒風が入り込んでくる。
そんな空間にいるものだから、ベッドの上で毛布に包まりながら蹲りながら凍える二人の全裸の女がいる。
身体を暖めると同時に気持ちよくなるためと称してレズセックスをしたものの、その暖かい体温は朝まで持続されるはずもなく、二人の蜜でシーツや、毛布も少し湿っているし、その部分が寒風によって、凶器と言う表現が似合うほどには冷たかった。とはいえ、先のキスから今の時間まで互いの体温で身体を密着させながら暖めあう。
しかし、この寒さは異常だ。
暖房が、その役目を果たしているが、それでも物足りないほどに、寒さというものが二人の身体を包み込んで、ベッドの上から動くという考えを忘れさせていた。モゾモゾと動きながら、この寒さとどう戦うかを考えてはいるものの、いい考えは思いつかない。
「寒いわね・・・」
「だから、ちゃんとパジャマを着て寝よう。って言ったんだよ?千歌音ちゃん。」
「姫子だって、賛成してくれたじゃない。それに、昨日の姫子は一段と激しかったし。可愛い声だったわよ。」
「もう、そういう問題じゃないんだから。」
「それに、今まで、姫子は私に見惚れていたわけだし。姫子、さっきの続きをしましょう。身体が疼いて仕方ないの。」
「ち、千歌音ちゃん…駄目だよ…風邪、ひいちゃうよ…」
「お・ね・が・い…」
耳元で囁かれて、姫子の身体がビクっと反応する。
そうして、嬉しい感情を隠しながら、耳元で少女の顔をして下手な言い訳をする千歌音という少女を許してしまう。
自分以外の前で見せる、かつてのプライドと優雅さを保った千歌音も好きだが、姫子の前で見せる無邪気で甘えん坊な千歌音を見てしまうと、何も言えなくなる。姫子の前だけに見せる幼い表情の千歌音には、ついつい許してしまう。自分だけに言う我儘だからこそ、姫子は、どこかそれが嬉しく思える。愛くるしい猫のように。
しかし、続けてしまうと、恐らくは風邪をひくかもしれない。そうなると、今後のことも何もない。
「もう少し、良いじゃない…冬休みなのだから。それに、焚き付けたのは姫子よ…?」
せめて、太陽が、この部屋を照らすまで。姫子と交わりたいと千歌音は思う。
「だーめ。冬休みだからだよ。しっかりしなきゃ。」
「姫子ぉ・・・」
だらしなく甘い声を上げながら、大きく実ったタワワな果実を姫子の胸に重ねるように、ベッドから出ようとする姫子の体の上に乗って抑えようとする。
「千歌音ちゃん・・・」
ぷっくりと膨れ上がった乳輪と、そのサイズに相応のサイズの太く長い乳首を押し付けて、ワガママを押し通そうとする。
「だって、姫子が身体に火をつけたのだから。ね?」
千歌音の胸は淫らだ。
姫子がタチに回る時は、その胸を常に強く愛撫してきた。甘えるように、玩具のように弄ぶようにだ。
「姫子…」
「千歌音ちゃん…」
近くに捨ててあるように脱いである下着と衣服を手に取ろうとした瞬間、千歌音に阻まれる。
「んっ…」
唇を防がれて、そのまま、姫子の身体に重なり、指は姫子のクレヴァスをなぞりながら、中指は優しくのめりこみ、埋めるように、その指を侵入させた。
「あ…ん…」
千歌音の暖まった指を姫子の膣内は歓迎するように締め付けて、自然と姫子の肉体は千歌音の朝の愛撫を受け入れた。欲しいとでもいうように、膣壁から蜜が漏れ始めている。
姫子の身体が千歌音の指を舐めまわすように奉仕しているようだった。媚肉の中で動かすたびに姫子の蜜が中で弾ける音が二人の耳に響く。
「姫子のオマンコ…すっごいくちゅくちゅしてるよ…」
「千歌音ちゃん…い、いわ…ないでぇ…」
姫子の漏れるような矯正が心地いい。
擦れあうたびに漏れあう乳液が弾くように触れ合いなが膣を愛撫し、姫子の弱い場所、熟れた太ももが揺れ、熱い情熱的な愛撫が姫子は大きな嬌声を漏らす。何よりも美しい声だと千歌音は思う。
その声だけで淫唇から、ゆっくりと蜜が漏れている。姫子の身体がビクッとなるたびに、果実のようにたわわに実った乳房が揺れ動く。
しゃぶる為に肥大化した乳首を見て、二つの乳房をつかみ、そして、二つの果実の先端にある突起をストローのように姫子は口に含み、じゅるじゅると音を立てて吸い上げた。
弾かれた女肉を口にして、赤子のように強く吸い上げたとき、千歌音からも嬌声が漏れた。
「あぁぁぁぁっ…」
千歌音の乳房はプニプニと肉厚で、脂がのったように輝く。
姫子も、それなりの形の良さだが、千歌音の胸は淫らという言葉が似合うほどに大きい。しかし、そんな豊満な胸が姫子は好きだった。肉の膨らみも豊かで、美しさだけではない千歌音の魅力というものを独り占めしている姫子自身は禁忌に触れているような背徳感の心地よさに抱かれているようだ。姫子に弄られた胸は性感帯になってしまっている。
「姫子、おっぱい…美味しい…?」
チュポッと乳首から口を離して唾液が少し飛んだ。蕩けた顔をしながら、千歌音は姫子に聞く。蜜にまみれて汗が行為によって全身の毛孔から、大きな形をした尻から垂れ落ちる汗を姫子は受け止める。
悩ましげな顔を浮かべながら、あぁ、もっと欲しい。そう思えてしまう汗と蜜が混ざり合って生み出される二人の香りは媚薬そのものだ。汗で蒸れ始めた肉体を見つめあいながら、囁きながら、求め合う。
千歌音の指は粘膜となった蜜がヌラッとして、液体に使っているような感触を覚える。蜜壺に指を抱かれた感触が、姫子の太陽の暖かさに包まれているようにも思えてきた。小刻みに痙攣している姫子の肉体の肉壺がヒクヒクと物欲しげに蠢いた。
言葉にせずとも、欲しいものが分かる。
ピンと乳首が勃起した千歌音と、指を縛るように吸い付き蜜をドロドロと内部で流している姫子の肉壺、それは官能の渦に無意識に入り込まれた証。
「私、千歌音ちゃんの・・・」
「姫子…飲んで…この蜜は姫子のものなんだから…」
気づかぬまま、せがむように体を揺すっていた。
互いに視線を淫裂に映すように体制を変えて、姫子の目の前に千歌音のラビアが。千歌音の目の前に姫子のラビアが視界に入りこむ。
あぁ、なんと、淫靡な形なのだと。自分たちのレズセックスで変貌した淫らな形を見て、息をのんだ。グロテスクに映るものかもしれないが、二人にとっては、神秘的なものに思えるほどに美しく見える。
白い肌に、アンバランスな黒いラビアの匂いを千歌音は堪能した。姫子は恥蜜で蕩けたラビアをしゃぶり、甘噛みする。長々と伸ばした舌先でクレヴァスをなぞり、緋色の粘膜を隅々まで舐めてゆく。
「ああぁん、そうよ、姫子…もっとして……もっとよ、もっと一杯、激しく……して……」
「う、うん……ん、んぅ……はぁ、はぁ……んぅっ……」
求められるまま舌の動きを加速させ、二人はクンニリングスを加熱させる。
舐めれば舐めるほど、女肉の味が濃厚になり、女蜜が溢れ出る。そんな快感に身を委ねつつ膣口に舌を挿し込み、淫らな肉路をほじくりまわした。
常に、クンニリングスを繰り返しながら、二人の淫らなデュエットが部屋を響かせる。
(千歌音ちゃん、ここが、一番気持ちいいんだよね……)
膣路に挿し込んでいた舌でクレヴァスをなぞり上げると、姫子はクリトリスに舌責めを集中させた硬くしこった淫核を舌全体で転がし、半分ほど被さっていたフードを舌で器用に剥いてゆく。
小指の先ほどに勃起しているピンク色の実を全裸にし、音を立てて吸い上げる。
「んっ…ぅんぅ、そ、こっ……そこよ、そこがいい……のっ……姫子ぉ……」
「むぢゅ、んぢゅうぅ……ぢゅぅ、ぢゅうぅ……んんんぅ!」
淫核を弄るたび媚肉が収縮し、特濃の女蜜がドロドロと溢れ出している。
二人の女は下品な音を響かせて貪るように恥汁を啜った。
まさしく女を象徴するフェロモンの原液と言って違わぬ女蜜の旨味に二人の肉体が刺激され、女体は完全に冬の寒さを忘れてバカになる。愛し合う欲望が抑えきれない。
二人が、きっと望んでいること。これほどに花芯を濡らし、湯気が立つほどに女体を発情させているのだから……。
はぁはぁと、息を乱し、二人のクンニリングスはより加熱する。
顔が互いの蜜でいっぱいになる。顔が互いの愛する人の粘膜でいっぱいになり、酷く興奮している。
二人の美貌が歪められて、レズセックスを求める牝のような顔を浮かべていた。
飽きることなく、鈍ることなくより鋭く敏感に反応してしまう二人の身体。官能の炎を肉体が帯びて、姫子がラビアを開いて千歌音を誘った。
「一つに、なろう…?」
「えぇ…」
足が交差し、交わり、二つの大輪の花同士の淫らなキス。
めくりあげるようにこすらせ合い、黒いしなやかな産毛でさえも蜜に濡れている。
朝なのに、敏感で、フワっと、頭の中が真っ白になるような感覚さえある。
瞬間的に、絶頂を迎えているのかもしれない。
しかし、鼓動と同時に、徐々に、この感覚が早くなっていることに気づいた。
「あぁぁ…!」
「気持ち…良い…こと…もっと、もっといっぱい…いっぱいして…っ!」
「あっ…あぁっ…あぁぁぁぁ…」
揺蕩う世界の包まれながら、二人の意識は、さらに加速するように動く。一つ腰を動かし、淫核が擦れあうたびに快感が電流のように肉体を走り、乳房がはね回るように揺れる。
大口を開けて、がっぷりと食らいつくような腰の動き、みだらな花弁同士が貪り食い合うように、お互いの蜜を咀嚼しあい、本当に唾液交換をしているかのような感覚に飲み込まれそうになる。
千歌音と姫子の長い髪がおどろに乱れて、シーツの上、栗色の髪と黒髪の渦を作っていた。
一心に的を見つめる切れ長の眼差し。
自然に結ばれた唇の艶。
凍り付く凜とした美しさ令嬢としてのプライドをかなぐり捨て、くしゃくしゃに硬く目を閉じ、快感に身をささげる純真な性の虜。悲鳴をあげる桃色の唇、どうにもできずに、悶え、汗を浮かべた肌。
ギュッと握りしめられたシーツが、長く皺を刻む。今か今かと待つ、二人の心地よくなる最高の瞬間。
来栖川姫子と姫宮千歌音。今年のクリスマスの初めての絶頂。
「姫子…私、もうっ…身体、痺れて…」
「うん…千歌音ちゃん…千歌音ちゃん…いっしょに、いっしょにいこう…?」
二人の口をついて出る絶頂を告げる言葉。
同時に、ビクッ! ギク! ビュクンッ!
裸身が大きく痙攣し、肉体が引き締まる感覚を覚えた。同時に、背中に寒気のようなものが走る。あぁ、そのあと、大きなものが来ると予測した。
「千歌音ちゃんっ…!」
「姫子っ………!」
最後の腰の動きが大きく弾けるように動き、すべての二人の敏感な部分が擦れあい、一瞬、頭の中が白い炎で何もかもがかき消された気がした。
熱い感覚が肉体の隅々を駆け抜けた。
「あぁ……千歌音ちゃんが……」
「姫子が……」
「「いっぱい……」」
その感触が、ふわりと柔らかなものに包まれた感触を思い出し、大好きな二人の感触に包みこまれる。
最愛な人の胸に抱きしめられ、子供としての本能を呼び覚まされるような錯覚を覚えた。二人は絶頂の余韻に包まれたまま、意識を失っていくような心地よい場所に二人がいた。
「ほら…寒い朝も、これであったまったでしょ?姫子。」
「そうだけど…」
しかし、徐々に、肉体の熱が消えていくと、汗が徐々に寒さを帯びて、二人の身体に寒気が走る。暖房器具を付けているはずなのに、なぜ、こうもと思えるほどに。壊れているのではないか?と、疑ってしまう。
毛布も、先ほどの蜜で濡れて、その寒さと冷たさは凶器そのものだ。
急ぎ、二人は自分たちの下着と洋服をかき集めて、高貴な家柄など、そういうのを気にさせないほどに雑に服を着た。
「千歌音ちゃん、雪が降ってるよ。」
「あら…」
寝室にある大きな窓を見ると、その窓の透明感を白一色で埋めてしまうほどの雪に満ちている。
まだ、服を身に着けても寒い。
ベッドの上で、抱きしめあい、先ほどの行為で暖まった身体を冷やさないように、抱きしめあいながら予備の毛布を取り出して纏い外の光景を見つめていた。
外の景色を覆うほどに雪が降っていれば、何れは凍えて風邪を引く。
暖房機能を殺すほどの寒さというものが、部屋に満ちていた。
「あれ以上、してたら…風邪、ひいてたね…」
「そうね…反省はしてるわ…」
罰の悪い顔をしながら、それでも、姫子を抱きしめて暖を取る。
「とにかく、朝ごはん、食べようか…?千歌音ちゃん。」
「そうしましょう。」
扉を開ければ、そこから、朝独特の煩さというものは聞こえてこない。住民やメイドが駆け回り、愚痴をこぼし、会話を繰り返しながら都会のコンクリートジャングルに繰り出される。
「今日は、随分と静かね。」
「だって、年末だもん。」
「あぁ、年末…そうね。」
千歌音は悟ったように、喧騒が無い理由を理解する。
この年末年始の季節、都会の喧騒が銀世界に染まる時、此処に住んでいる住民と住み込みメイドの9割以上は実家に帰ったり、新年を二人きりで別の場所で過ごすために、この姫宮邸から一時期、姿を消し、三が日の終了日くらいには帰ってくる。
そうなると、普段は社会の喧騒に足を踏み入れて凄さなければならない者たちも、別の世界に向かうために穏やかな雰囲気を纏って、この家から出て行き、そしてまた戻ってくる。
東京にある姫宮家の豪邸を、姫宮の財源をすべて受け継いだ千歌音が、そのままシェアハウスに改造して、数多くの自分たちと同じ境遇のようなレズビアンカップルが住み着いている。いかんせん、部屋だけは無駄に多いし持て余す。財界の人間を呼ぶつもりは千歌音にとって毛頭無いし、それ以上に自分たちと同じ属性の女性たちから、どういう刺激を受けるかというのが楽しみでもあった。
同時に、女性の社会進出と言いながらも世間はいまだに暗い状態であり、女性が、この物価の高い東京で暮らすには聊か苦しい時代であるとも言っていい。そんな中で、レズビアンカップルであれば誰でも二人で入れるという条件のもと、姫宮の東京邸宅をレズビアンカップル専用のシェアハウスに、東京に住むにしては格安と言っても良いほどの家賃にした。
一種の助けたいというお節介でもあり、そういう事情を知っているからこそ、駆け落ち同然のレズビアンカップルもいる。目論見通りと言えば、そうなるし、多数のカップル達との会話は千歌音と姫子にとって興味深い話も多く出てくる。真新しさというものを得られるのは、一種のプレゼントであるとも言っていい。
千歌音は、かつて東京で暮らした姫宮本家を勝手にシェアハウスにしたことに対しては、当然のごとく反対するものが出たが、すべての財産は千歌音に受け継がれており、それに対して口出ししながらも権力というものを行使して、それを許さず無理に押し通した。
千歌音をオーナーにしたシェアハウスに住み着くレズビアンカップル達は完全に二人きりになれる場所へと行く。友人である他のカップル達といても良いのだが、やはり、二人きりでいたいというのがあるのだろう。
格安ということも手伝って、海外で過ごすカップルも多い。東京での仕事を終えて、そして、旅行に行き、また帰ってくる。この季節になると、特に、そういうカップルが多くなり、家が何も無い夜の如く静かになるのは、何処か寂しい物がある。
姫子と千歌音自身、同じ境遇の人と一緒にいると言うだけで、二人で一緒にいることも手伝って充実している。事実、千歌音には今まで、その境遇から普通の友人というものがおらず、心から許せる友と言う物は恋人になったし、宮様としてのペルソナを外し、恋人ではなく友人として扱ってくれる人がいなかった。
それもあって、実は姫子が提案した姫宮邸シェアハウス化に許可をした。
好き勝手に愛する女と暮らせて、自分と同じ境遇の女たちと友人になれる。そうして、姫子以外の前でも宮様としてのペルソナをつけて優雅に振る舞う時間も、この屋敷にいる間は無いに等しくなり、精神的に楽になれたし、慕う存在ではなく対等の友人が得られたのは大きな収穫でもある。
「そろそろ、朝ごはん、食べに行こうか。8時過ぎだよ。」
「あぁ、そうね。」
住民は、こんな時間から旅行だなんだと出ていく。
早めに出された朝食を口にして、あるいは弁当にしてもらって。二人が食堂に入った時、そこには、毎年、ここで過ごすレズビアンカップルがいる。
「姫子さん、千歌音さん、おはようございます!」
「おはよう、ございます。」
とあるアイドルグループの二人。
「おはよう。二人とも。」
「おはよう。智恵理ちゃん、凪沙ちゃん。」
朝の日課の挨拶をすまし、姫子と千歌音は自分たちの朝食が出されるまで、特徴的なショートヘアの赤毛の凪沙と、ロングのウェーブのかかった青い髪が特徴的な智恵理と言う少女の組み合わせの二人を見つめていた。
「そういえば、二人は今年も、此処で年始年末を過ごすのよね。」
「はい。」
優雅とは程遠く、普段着を着ていながら、いまだに心、ここにあらず。とでもいうような表情を蒼い髪の智恵理と呼ばれた少女はしている。
昨日の帰りは日が変わったころだ。これが、一般人とアイドルの違いなのだろうと。売れているアイドルグループの中で、更にツインセンターという称号を欲しいままにしている同居人。
「あ、そうだ。智恵理、良いよね。」
「えぇ。」
持っているバッグの中に手を入れて、暫くがさがさと音をたてた後に2枚の紙きれのようなものを手につかんで、嬉々として二人が姫子と千歌音に近づいてきた。
「あの、これ、今日、クリスマス公演をやるんです。」
凪沙が満面の笑みを浮かべながら、彼女たちの存続しているアイドルグループの公演チケットを姫子と千歌音に渡した。
正直に言えば、グループ単体でいえば興味というものはないのだが、二人が、そういう評価でありながらもい続ける、その場所にいようと思うアイドルグループとはいかなるものなのかと、千歌音も姫子も興味があった。
日頃から週刊誌等の恰好の餌にされて、さまざまな要因が重なりながら世間的な評価も低い側面を見せながら、それでもグループにいようとする気持ち。
それを生み出すものが、どこにあるのかという部分に魅かれる。
「もし、よかったら。」
「お二人で。」
同居人の二人から手渡されたものを受け取って、二人で時間を見やる。
どうせ、こういうポーズをとったとしても今日は暇だ。なら、こういうものに参加してもいいだろう。と、思えるほどには時間的な余裕というものは、この休みの日はある。ただ、当てもなくデートと称して街を散歩するよりも、これの為に時間を潰して、こうして目的を定めてぶらぶらと歩く方が一日は充実するような楽しさがあるとも思った。
「あ、でも、無理しなくていいですよ。お二人とも、クリスマスデートとかするでしょうし。」
「デートはするけど、いつも、一緒にいると、そうデートの気分と変わらないから。」
「そうね。特に行く場所も無いから、今日は、二人のお仕事場にお邪魔させてもらうね。」
恋人同士のデートは常に一緒にいる時点で、そういうもので、二人にとっては呼吸することと同じレベルだ。自然といちゃいちゃすることが当たり前であり、それが幸福であるからこそ、そこにいる。
兎も角、二人ともすでに返事というものは決まっている。
「是非、いかせてもらうわ。」
断る理由などないのだ。
満面の笑みを浮かべながら二人は返事を返し、食事を終えた二人は公演のために必要な荷物を持った二人を玄関まで見送った。
「似合うかしら?姫子。」
「うん。とっても似合ってるよ。っていうか貶す部分がないよ。」
食後は、二人してデートの準備をして、これから出かけるための最後のチェックである。特に、何かあると言うわけでもない。
ただ、ぶらついて、外の雰囲気に身を染めると言う、そのための日。
ただ、自分たちにとっては特別というわけでもなく、世間でいえば、何処か湧きあがる感情に身を委ねる日。姫子と千歌音も、そういう良く解らないわき上がる感情に身を委ねるだけだ。
ただ、店を回り、喫茶店によって、ゆっくりして、そして、今日は智恵理と凪沙の公演に行く。しかし、どうも、世界的なイベントがある日は特別だと思ってしまうのは人だと言うことだろうと、二人で一緒にあても無くぶらぶらするだけの日。
それなら、ベッドで一緒にセックスしてるだけでも、また良いと思った。だが、もし、そうしたくなればホテルで休憩でもすれば良い。
出かけるための着替えを終えて、お互いに変な部分が無いかをチェックしている。
しなやかに、触れ合い、ただ、優しく、お互いの姿を見あう。
いつも見ていると言うのに、こういう状況になると、何かがおかしくて感情が込み上がってくる。もっと、ゆっくり触れ合う日々は前の世界では少なかったからか。世界を染める白銀の世界よりも美しく、しかし、そこには溶けだして消える儚さと言う物はない。寧ろ、季節に合わせて年を重ねるごとに二人は、より愛を深めていく。このシェアハウスの住民たちと一緒に。
「千歌音ちゃん。」
「ん?」
支度が終わり、お揃いの外出用の衣服を着あってから、玄関で靴を履き、最後のデートに向かう準備をし終わった。
ハンドバックにある荷物を全て確認し、後は玄関から出ていくだけ。
そんなとき、千歌音は自分を呼びとめて何か忘れものでもあっただろうか。と、思った時だ。ふわっとした感触が唇に触れたような気がした。錯覚ではないと、確認した時、姫子の顔は笑顔になっていた。
「行ってきますの…キスだよ。」
姫子が顔を紅くしながら、千歌音の唇に唇を重ねていた。
「後、メリークリスマス。千歌音ちゃん。」
「姫子…」
一瞬の暖かな柔らかさが、この一年間を思い出させる。
特に変わったことが無い。しかし、変わったことが無いからこそ、それは二人にとって幸せなのだ。
かつての巫女として生を受け、悲劇の別れをしなければならなかったときはもう、無い。だからこそ、この世界には何も特別な無いことが幸せなのだと。既に、その役割を終えて、ただの恋人同士の女として。かつての機械の肉体を持った邪心の守護者も、神の剣の名前をあしらった機械仕掛けの神も存在しない
。あるのは、シェアハウスに住む心優しき友人達と、大切な愛する彼女だけ。
「姫子、お返しよ。」
千歌音からのキス。
柔らかい。
髪を掻き分けながら、姫子と唇を交わす。
出かける前の挨拶とでも言うべきか。
二人は、なんとなく笑い、そして、それで幸せになれる。
なんだか、良く解らない感情が湧きあがりながらも、身が軽くなるような幸福感に包まれた。
こういう当たり前が幸せなのだと、髪が自分たちに与えた永遠のクリスマスプレゼントに感謝もしたくなる。
「私たちも、行こうか。」
そっと手を繋ぎながら、笑顔で玄関を開き邸宅から出ていく。
「そうね。」
外に出れば、既に吹雪のような状態は止んでいた。
「姫子、寒い…?」
「千歌音ちゃんが手を繋いでくれているから大丈夫だよ。暖かい。」
「やっぱり、こうして触れ合っていたから、いたから大丈夫だったじゃない。あの時、続きをしても…」
「もう…じゃぁ、千歌音ちゃんは一日中したかったの?」
「あら、姫子とならずっと…」
「もう…行くよ。千歌音ちゃん。」
一面が銀の世界に二人の巫女だった存在が歩き出す。
輝きを帯びた大地に二人は足を踏み入れた。少し、脚が埋まるような感覚に戸惑いながら、ゆっくりと歩き出す。
「姫子、最初はどこに行きましょうか?」
「凪沙ちゃん達が出てる映画、見ようか。喫茶店でお茶を飲んで暖まったり、お互いのクリスマスプレゼントを買ったり。そして、夜には…ね?」
「そうね。」
吹雪が止んだ空を見上げると微かに太陽の光が覗いているように見えた。僅かに零れる日の光が雪に反射し、二人の行く道を照らしているようにも思えた。幻想的で、これからの未来を祝福している。
ただ、こうして二人で当たり前のように恋人としてクリスマスを迎えることが幸せなのだからこそ、涙などもう流さずに笑顔でいられる。
ただ、こうして愛する人と一緒に過ごせる毎日毎日が幸せであると同時に、無事に一年を迎えたと言う証として二人はクリスマスと言うイベントよりも大切なのだと、そんなことを思いながら、今日のデートを享受する。

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