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熱湯の中の氷

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うづりん+卯月ママ×凛ママ
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「先輩……先輩の名前は、なんていうんですか……?」
校門の前で自分をここまで運んできてくれた女生徒に対して、当時はクールを気取っていたのか、それとも、ただの口下手だった私は何も言えずに感情を出すことが出来ずに彼女の名前を聞くことも出来ずに、その背中を見送ることしかできなかった。
その笑顔がずっと自分の物であればと思った。
しかし、次の日から会うことが出来ずに、諦めたときは、親に玩具を壊されて永遠に触れることが出来ないと知ってしまった時のような苦しさがあった。

昔から、良く夢を見ていた。
夢、そんな物は誰だって見るだろう。
そう言われてしまうのも無理はないかもしれない。
ただ、私にとっては、その夢を見てしまうと、不快感、いや、一種の嘔吐感に襲われる。
それは、渋谷凛の母親である渋谷珠理奈の物語。
誰にも明かしたことの無い、高校時代の最初の日。
迷子になっていた自分を運んで来てくれた優しい女性がいた。
手を繋いで。
あの時の手の温もりは太陽の光のように暖かかった。
忘れることが出来ないほど、その人のことを強く笑顔まで刻み込んでいたと言うのに、その後は、何故か全く会うことも無く、そして、大学に進学し、気づけば子供までいた。
昔の自分にそっくりで、感情を表に出すことの出来ない、クールを気取った子供。
今の自分は、旦那を持って、花屋という仕事をして、多少なりとも感情を表に出さなければならないからこそ、そういうことが出来た。
家庭を持ってから、あの夢は見なくなった。
忙しさと、今の幸せと言うのがあったからだろう。
ただ、この子は違った。
島村卯月と言う少女を恋人として宣言して、自分の前に連れて来た。
それからだ。
再び、あの夢を見るようになってしまったのは。


「卯月の中、きついね。ヌルヌルしてる……」
凛の中指と人差し指が、愛液で潤った媚肉に導かれるように滑らかに入り込んだ。既に慣れてしまった凛の愛撫は最初の苦痛を忘れて、生じる物は快楽へと変わって行ったのはいつのことだろうか。
挿入は己の身体に負荷のかかるものだと思っていた筈なのに慣れてしまえば、これほど自分がアイドルとしてふさわしくない淫らな声をあげてしまっていたのは卯月としては、意外だった。最初は下手だった凛の優しい指の愛撫は愛されていると感じるし、凛も上手くなるたびに卯月が身悶える姿を見て内なる愉悦を覚えた。
「卯月、全部入ったよ……可愛い……」
卯月を抱きしめて、その温もりを感じつつ首筋にキスマークを付ける凛は、その心臓の鼓動を聞いて卯月を奏でるたびに蠢く体の反応を見るのが好きだった。
自分の手で愛しい人が感じる姿は何よりも愉悦と言う感情が、心を躍らせる。
凛が卯月を見下ろして笑む。白く長い指の先端が膣壁を抉っていた。
つま先が媚肉と擦れると、抗いようの無いふわっとした気持ちよさが広がる。
「私の処女膜を破った……凛ちゃんの指ぃ……」
「卯月……」
うわ言の様に呟きながら卯月は快楽の愉悦に意識を委ねた。付合い始めてから数カ月……既に互いに処女を捧げた肉体は性に対して貪欲に近い感情を抱くほどに敏感になっていた。
「可愛いよ……」
卯月が軽く腰をくねらせた。引き締まった膣内が、凛の指を拘束して感じていることを拡がる粘膜を通して伝わってくる。
(凛ちゃんの指、好き……エッチなお願いしたいけど……ああ……気持ちいい……)
女同士の性交は愛している人としているからか、一瞬の痛みを乗り越えてしまえば、快楽によって永久に操作される。卯月は眉間に皺を作って、吐息を漏らした。凛が膣内を小刻みに己の指で奏でるだけで、浮き立つ快感が腰から立ち昇った。
「凛ちゃん……あぅっ……」
「ね、何処が良いの?」
「い、いえないよぉ……」
卯月は恥ずかしがりながら言葉を放つことを躊躇った。凛は狡猾な顔を聞きながら、卯月に淫らな言葉を言わせるのが好きだった。
卯月の身体は恥ずかしさと凛の熱の籠った愛撫で、さらに熱くなった。言葉にしてしまえば、もっと欲しくなる。淫らな言葉を吐くのは卯月にとって、そういうことだ。
「聞かせてよ……卯月……ここの名前……」
凛が抜き差しを強めた。摩擦感が強くなっても痛みは生じず、卯月の快感は増す一方だ。卯月は手を凛の髪に回し優しく撫でた。
「あっ……んっ、あぁっ。凛ちゃん……あ……」
淫らな言葉を叫ぶ前に、心地良さを伝える嬌声を放つ。言葉は聞きたかったが、これだけでも充分に満足できる要素だ。
凛に抱かれたときとは快感は、愛している喜びから来るものなのか意識が飛びそうになった。元より童顔である卯月の顔はきゅうっと歪み、女の腰は悶えるようにゆれる。
(卯月、もっと……感じて……)
乱れる卯月を見るだけで自分の身体から熱い蜜がドロドロと流れて感じていた。己のもたらす抽送感が卯月を心地よくさせているだけで、あの笑顔から始まった恋愛が淫らに歪むと言うだけで凛の心と肢体が濡れるのは当然のことだ。意識を甘く泡立たせて、卯月の女肉をとろけさせ、その反応だけで凛は簡単に蕩けていたし、もし、今、凛の身体に卯月の指が入れば簡単に絶頂を迎えているだろう。
(卯月……)
凛は卯月の身体に覆い被さり、愛撫をやめて己の淫唇と卯月の淫唇を重ねて、さらに唇を重ねた。
「卯月のっ……凄い、ぐっちょぐちょだよ……クリが擦れるだけでっ……あぁぅっ!」
仕掛けた凛が気持ちよさそうに、口元をゆるめて告げる。そしてズンと腰を鋭く衝き上げた。
「アアンッ」
思わず卯月と一緒に凛もクールとは程遠い色めいた声が漏れた。
(いやッ、これ、凄い……)
一回の衝き上げだけで、恍惚の赤い色がたちこめて見えた。柳眉はたわみ、赤い唇は震えた。
「凛ちゃんも、凄いあっついお汁でいっぱい……」
「う、卯月が可愛すぎるからぁ……っ」
また今度は卯月と凛が腰を勢いよく差し入れ、先端で押しあげる。貪欲な形をした別の生物が、交尾の相手を見つけたように卯月の淫唇と凛の淫唇をみっちりと埋めるようにキスしていた。
頭の中がピンク色に染まるようだった。
セックスを覚えてから、いままでオナニーで達したことがなかった。
(凛ちゃんじゃないと……満足できない、エッチな身体になってる……)
クリトリスを弄った自慰でも、もう、凛としてる、この時間は満足と言えるほどの絶頂に達することができなかったが、凛とセックスして得られる快感が乏しかった。
(凛ちゃん……凛ちゃんっ……凛ちゃんっ……!)
何度も何度も心の中で卯月は凛の名前を呼んだ。
膣粘膜を押し広げる拡張感、奥に当たる長さ、粘膜を擦る反りの感触、なぜもっと早くこれを凛とせずに味合わなかったのだろうと、心の片隅で卑しく思っていたことを、もっと求めてしまう。それほど生じる愉悦は絶大だった。

夜中、娘である凛の部屋から妖しい声がする。気になった凛の母である珠理奈は覗いてみれば、そこでは娘である凛と、その友人、いや、彼女であるとだいぶ前に教えられた島村卯月が一糸纏わぬ姿でキスして、身体を重ねている光景だった。
それをセックスだと理解するのは、そう遅くも無い出来事だった。
情熱的なキスは珠理奈に女としての何かを呼び覚ますかのような鼓動を呼び覚ます。
忘れてしまっていたこと、この年になるとセックスレスなんて言葉が当然のように蔓延るようになるが、こうして娘の行為を見ていると何か胸の中で爆発しそうなほどの愉悦を求める淫らな獣としての自分が目を覚ます。
「これはどういうことなの!?」
そう怒鳴りたいにしても、既に恋人同士の二人。
子供を孕むような行為でもないし、だからこそ、そこで自分が何も強くいえない、だが、アイドルとして、この行為は違う筈と凛の母は思ってしまうが忘れていた性への欲求が蘇り、言葉を放つことすら忘れてしまっていた。
「凛……卯月ちゃん……?」
それ以上、娘二人の行為を覗こうとはしなかった。
覗いてしまえば、これ以上は何をしでかすか解らないから。寝室に急ぎ戻り、戻ってきてしまった性欲と身体の火照りをどうするか。
夫としたいのだろうか。
見つめても、そこには魅力を失った肉塊がいるようにしか思えなかった。誰を求めているのか。
それ以上、娘二人の行為を覗こうとはしなかった。
覗いてしまえば、これ以上は何をしでかすか解らないから。寝室に急ぎ戻り、戻ってきてしまった性欲と身体の火照りをどうするか。
夫としたいのだろうか。
見つめても、そこには魅力を失った肉塊がいるようにしか思えなかった。誰を求めているのか。
では、誰を求めている。
女同士など、自分の中では無いと思っていたのに、なぜ、魅力的に感じてしまうのだろうか。
忘れかけていた、何かが蘇ろうとしていた。
それが何なのか、何だったのか。
「……さん」
「!?」
甘い雫の中に蘇る、見覚えがないと思い込んでいる幻影がチラリと過ぎる。
その刹那の瞬間の幻影が、何故、突然に来たと言うのか。
しかし、卯月と言う少女と出会ってから自分の中で、何かがくすぶっていた気がした。最初は卯月が花屋の客として来訪しに来たころだ。
ただ、あの時は一瞬だったし、凛が相手をしたと言うこともあって、燻りのようなものは偶然だと思っていた。
そして、忘れかけていた時、凛が卯月を連れて来た。
彼女として。
自分の愛する人として紹介するために。
改めて、卯月の顔を見た瞬間、忘れていた何かが、また燻り始めていた。それが、なんだったのか。あのあどけない少女の顔を見るたびに何かを思い出そうとしている。
暫く忘れていた感情と脳裏に過ぎる誰かの存在。
三つの解けない何かが重なり、その日、凛の母は眠ることは、とても困難だった。

「ねぇ……」
気づけば夢の世界だった。
「誰……」
そこが、最初は自分が何処にいるのか解らなかったが、身につけている衣服を見て思い出す。あぁ、ここは……
そして、目の前に誰かがいる。
「貴女、とても、困ってるみたいだから……」
にっこりと笑う、その人が初めて母校に来てから迷っている自分に、手を繋いで引っ張ってくれる。
「それじゃぁ、これからよろしくね。新入生さん。」
笑顔だと言うのは解るのに、目の前の人の顔が良く見えないし、背景がぼやけている。
ただ、手のぬくもりは覚えていた。
しかし、その人の笑顔を見た瞬間、自分の中で、そこに何かがあったのだ。ぶつ切りに夢の中で再生される記憶の断片の中にある、自分は、それで体の内が熱くなっているのを感じていた。
「あの、名前……」
夢の中で、そう呟いた瞬間には、もう……

「あさ……」
心地の良い眠りとは言えなかった。
夢の中で触れた筈の、あの人の手の感触が、まだ、この手に残ってるし、あの夢の内容がはっきりと脳裏に刻み込まれている。それが、どういうことであるのか、それが、なんだったのか。思い出すだけで、この結婚は間違いだったのではないのか。
何かが、そう呼びかける。
こうして、思い出してしまうほどだったと言うのに、なぜ、忘れてしまったと言うのだろうか。今まで、思い出せなかったというのだろうか。
時代……
そう言い訳してしまうほどには、同性愛と言う物に寛容では無い時代だったからか。
だから、まさか……
過ぎった筈の思い、好きだったはずの誰か……
あの後、あの人とは、どうなったのか。
感情を否定するために会わなくなったのだろうか。
そして、それを今になって、何を後悔しているのか。
いや、そんな物は自分を誤魔化すためのファクターにしか過ぎない。
「そうだ。クールを気取って、かっこつけて、何も言わずに、あの人の背中を見送ったんだった。クールを気取って?違うよ……あまりに、彼女が自分以上に素敵すぎたから、学校で見かけても逃げてたんだ……」
霞む視界と己を美化した記憶の中で、確かなぬくもりが残る身体が、余計に夢の中に出て来た、あの人のことでいっぱいになってしまう。はっきりと思い出そうとすると、セピア色に染まり、そして、最終的にモノクロとなって黒一色に染まる。
忘れようとしていたのは、彼女と接しない学生生活が、あまりにも物足りなかったから。色々とイベント等はあった筈だったのに何故か、印象に残らず、大学に進学するまで諦め切れなかったあの人の存在。卒業式でも、何でも、あの人の存在を探していたのに、どうしていなくなってしまったのか。
珠理奈の高校生活は大学に入るまで、それこそ、モノクロの生活を送っていたような気がした。それなりに友達もいたが、やはり、あの人に会えない辛さは……
「おはようございます。珠理奈さん。」
「え、えぇ。卯月ちゃん、おはよう……」
その日、何故だか、彼女の顔をしっかりと見ることが出来なかった。だが、この日、この忘れていた感情が一気に蘇るとは思いもしなかった。


凛と卯月を車を使い、駅まで送ってから、その後は注文された花を届けるために、とある街へと向かうことになった。そして、一番驚いたのは、花の注文をした客が卯月の母である島村玲奈だったことだ。卯月の母親、何故か、それだけで心がときめくような興奮を覚えてしまう。
島村玲奈……
聞いたことの無い筈の名前だったと言うのに、出会った珠理奈は思わず息を飲んだ。そして、いざ、玄関前で自分を出迎えてくれる女性を見た瞬間に、何故だか、心奪われると同時に、記憶が鮮明になって行くような気がした。
モザイクが取れかけてくるように、あの時の感情もフィードバックされて老けていても、この人は、あの人だと、その顔を見たときは思わずにはいられなかった。あの時、一瞬だけ見た顔である筈だったのに、それなのに、簡単に思い出せてしまう。この人の笑顔が、そうさせたのだろうか。
そして、注文された花を持ってきた時、この持ち方はまるで、プレゼントでもするようではないかと思い、思わず隠してしまった。相手が購入する物だと言うことも忘れてだ。
それほど、この鮮明に蘇る記憶と言うのは自分の中で、凄まじい程の衝撃だった。
お互い、立ちつくしたまま、どうすればいいのか解らなかった。それほど、自分の中で、これほど鮮明に蘇るとは、この人の存在を見るまで思わなかったのだ。なら、何故、卯月でそうならなかったのか。それは、もう凛の女として自覚していたからだろう。
「実は一度、お話してみたいと思ってて。凛ちゃんとのお母様と是非、お話したいとは思っていたんですけど、その、どうしたらいいのか解らないから、こうして注文してみたんですけど……そ、その、この後、お時間、ありますか……?」
(可愛い……)
娘二人が公の場で付合っていると宣言してから、卯月の母と凛の母も自然と交流する事は無かった。今、初めて島村卯月の母親に、こうして出会った。出会い、そして、抱いた感想が1人の子どもを産んだとは思えないほどの可憐さに心を奪われていた。いや、それだけなのだろうか。
目の前で、ニッコリと笑う人妻に、その瞬間だけで心を射止められた。
年上だと言うのに、可愛いと思えてしまう仕草を繰り返す卯月の母に、凛の母は心を奪われるような何かに突き動かされた。
凛に聞いたことがある。
卯月が笑顔になった瞬間、自分の心を奪われたのだと。
そして、この笑顔を自分は見たことがある。
「先輩……ですよね……」
「え?」
気づけば、自分は、そう口にしていたとでも言うかのように珠理奈の口が既に動いており、キョトンとした玲奈の顔を見つつも、珠理奈は構わず言葉を紡いだ。あの思い出のことの何もかもを。
「私です!登校初日に!迷子になってた私を案内してくれました。先輩は……」
思わず、その顔をまじまじと見つめて、玲奈は、微かな面影を目の前の女に見た。
そして、自然と口にする。
「あの時の、新入生さん……?」
互いに童心に戻ったかのように、思い出してくれた、その人に玲奈を珠理奈は抱きしめた。
「と、とりあえず……家に入りましょう……」
家に入ってしまえば、そこには誰も無い。だからこそ、いけないと解っていながらも、止められない己の欲望に突き動かされるように、目の前の人に夢中になっていた。自分の立場、相手の立場と言う物を忘れて、自分、一人で盛り上がっていたのだ。
蘇ると同時に、今度は欲しくなってくる。あの学生時代に置き忘れた物を取り戻すかのように。他愛の無い世間話で、どれだけ、時間が過ぎたことだろう。
その彼女の姿に釘付けになっていた。
幼さを残した顔つき、その豊満に膨らんだ胸に、交わりたい部分を隠している下半身と艶のある太股……そして、優しく自分を見つめる瞳。
だから、すぐに本心を話してしまった。
「島村さん……私、おかしいんです……貴女と今、出会ってから……」
「え……?」
その感情があったかどうかと言えば、自分としては無かったのかもしれない。何かを考えようとしていた時には、既に、彼女が、思考を狂わす言葉を発する。
「先……輩……」
思わず、心を奪われるようだった。目の前の勝気な印象を受ける女性が乙女に戻って自分を名前ではなく先輩と呼ぶのはいけないことをしているみたいだった。
「先輩……」
「そ、そう何度も言わないで……」
「お姉さま……」
言葉が脳を突き刺すような衝撃を受けたような気がした。あの学校では、確かに、そういう風習があった。
あの女子校で、時代が時代だった分、そういう関係になることはなかったが、ただ、こうも迫られてしまうと忘れていた何かを呼び覚まされそうになってしまう。
「ダメですか……?」
「先輩……」
「ダメよ……」
目を逸らしながら、数少ない言葉で拒否をして己の中にある、あの時、出会ったクールを装った可愛い後輩であると理解した瞬間から、自分の中で何かがおかしい。
娘達の関係が、今、この思考にエラーを起こしているのだと思いたかった。ただ、否定すればするほど息苦しくなっていく。
忘れていた叶わない恋の相手。
それが目の前にいるだけで、珠理奈は縋るような瞳で玲奈を見つめている。
「先輩…」
可愛い後輩の甘えるような声が言葉を放ち思考に突き刺さる。ダメだと言っているのに、これで家庭が壊れてしまうかもしれないのに理性と言う物がドロドロに融解してしまいそうだった。流されてはいけないと言うのに、自分も、あのころ、この少女にまた会えると思っていたのだろうか。
過去の自分と自問自答しても答えは出ない。
「ダメですか……?もう、私達、ダメなんですか?」
「あ、当たり前でしょ……?家庭も子供もあるのに……」
「嫌です……ずっと……」
探していた筈なのに、会えなくなったから諦めて、それで今の夫と出会い幸せな家庭を築いた筈なのに、目の前には、もう会えないと思っていた女性が、昔とあまり変わらずに、その容姿を保って目の前にいる。あの笑顔に惹かれて、いつの間にか、恋愛感情に近い思いを抱いていてしまった自分の過去。
「島村……先輩……」
敢えて今の上の名前を呼び、その琴線を響かせるほどの強い衝動が玲奈の中に生まれてしまう。忘れていた、同性同士の恋愛の楽しさが蘇りそうになる。
「ダメですか……?あの時から……」
ずっと、一つになりたいと思っていた女性に、こうして会えたと言うのに、今、この思いが報われなければ、また、あの虚しさの募った学生生活を、これからの余生で、また送らなければならない辛さを、また、徐々に心は覚えて思考は刻み込む。
同性同士の恋愛の楽しさ。
そして、今、この状況になっての夫以外の人と恋愛する背徳感の楽しさを。
そうして、女子校時代の様々な少女達の幻影が頭によぎり、二人の心は、あのころに戻ろうとしていた。
「可愛いです……島村さん……年上と思えないくらい……」
「でも……」
それでも、拒否しようとする。多少の苛立ちのようなものが出てくる。身勝手と言うことは解りつつも、学生時代に戻った珠理奈の心は既に玲奈に夢中になっている。この牙城を崩すことは自らがどうにかするしかない。
「お姉さまは、私を見捨てるんですか……?あのころのように……」
魅入っているのか、どうなっているのか。自分の中で心の色が変わっていく。卯月と夫の顔が消えて、彼女の色に染まっていく。そんなことがあるものかと、玲奈は否定するが、否定すれば否定するほど、珠理奈の潤んだ瞳を見るたびに罪悪感を抱く。
私は、見捨てた?いや、あの時、何度か会ったけど、話す機会は……話す機会はなかった……彼女から、声をかけてくると思っていたから。
その傲慢さが、この状況を生んだのだろうか。
「お姉さま……から、声をかけてほしかった……もう、嫌なんです……このままでいるのは……」
卯月の母の柔肌と包み込むような優しさを持った性格が、凛の母を狂わせる。
最初はそうしないつもりだったのに「可愛いことをするから……」思わず、押し倒し、ソファの上で抵抗する卯月の母の手首を掴み、そのまま、強引に唇を重ねて、その柔らかい唇の感触に、さらに己の理性を崩壊させた。
罪悪感から来るものだったのか、何から来たものだったのか、気づけば玲奈は珠理奈に唇を許していた。
興奮して渋谷母は島村母の舌を絡めながら、何度も何度もソファの上で己を刻みつけるように媚肉を撫でる。柔らかな母性を見てしまうと自分だけのものにしてほしくなってしまう。
あぁ、もう、建前に建前を重ねて、重ねた、この肉体には、じわっと己の媚肉から蜜が精製されていた。熱くなった気温から、汗をぐっしょりとした身体が動く。
いつから、こうしていたのだろう。潤んだ瞳に負けて、いつの間にか、彼女は衣服を脱ぎ、そして自分も下着姿になることを許していた。
何十年越しの告白を受け入れてしまったと言うことになるのだろう。
「島村さん……綺麗……」
張りつめた肉を隠したスカートを脱がし、最後の壁と言われる下着を優しく剥いだ時に憧れていた玲奈の身体が視界いっぱいに艶めかしすぎる美臀が露わになった。
触りたい。
穢したい。
貪りたい。
私の色に染めた糸、珠理奈を狂おしく昂らせる魅惑の白い果実が露わになった。
珠理奈に考えさせることを放棄させる……
「そんなの私……私……卯月を産んでから、しなくなって……あぁ、何を……」
「私も、です……凛を産んでからは一度も……」
うっとりするような己の淫唇を開き、桃色の海原を覗きこむ凛の母の視線に、卯月の母の視線は思わず心を奪われたかのように敏感に反応して忘れていた感覚を取り戻す。
こうした性的な高揚と言うのは暫く忘れており、凛の母自身も己の視線だけで、こういう状態にまで膣を濡らしてしまったことに悦楽の感情が芽生える。
そして今、玲奈の顔の前に珠理奈の熟れた淫唇が目の前に入った。
「さっきは、あれだけ、ダメ。って言ってたのに、いけない人ですね……旦那さんが見たら、ふふ……」
「だ、だって、解らないのに濡れて……」
(ああ、私……今……島村さんの、玲奈さんの身体に触ってるっ!)
玲奈は女同士の初めての快感に、甘い感動に包まれながら、珠理奈も負けじと尻を触りはじめた。憧れていた人のスベスベした肌を楽しみ、麗しい美臀の丸みを確かめるように手のひらを滑らせる。五本の指を目いっぱいに広げても掴みきれない巨大な肉山を夢中で揉みしだく。
(これが、島村さんの……島村さんのっ!)
腰を突きだした体位から、尻はパンパンに張っているものの、熟れた女の女尻には分厚く脂が乗っていて、蕩そうな柔らかさを手のひら全体で感じる。適度な弾力も、指先がめりこむ感触も夢のようで、憧れつづけていた女性の尻だと思えばなおのこと、素晴らしい質感に思えてくる。
「んぅ……どうですか……お姉さま、気持ちいいですか?」
夫に構ってもらえなくなってから、1人ですることも増えて動画でする様々な勉強もした。
無論、女同士の動画も見て、そこで学びつつ、一人で小さな絶頂に満足をしては仕事に戻った。そうして学んだ技術で、玲奈を喜ばせていた。
「い、いい……」
小さく呻くように、その反応に喜びを覚えつつ、様々な愛撫を加え始めた。
「島村さん、ここは、何処……」
「い、言えるわけ……」
頬を紅く染めながら、卯月の母は、凛の母の問い掛けに応えることが出来なかった。言ってしまえば、身も心も、この危ない遊びに、今後、よりのめり込んでしまいそうになる。どろどろになっているのが解る己の股間に、ねっとりとした珠理奈の舌がドロっと膣の中に入り込む。
「渋谷さんに……愛されるところ……」
「だから、官能的に応えてくださいよ……島村さん……」
天使のような笑顔を浮かべる凛の母の顔は、卯月の母にとってサキュバスの顔に見えた。自分を、この世界に誘い込むために誘い込む性を司る悪魔。珠理奈自身も、何故、ここまで危険な遊びに溺れたくなるのか、肉厚なビラを指で開きながら、そっと息を吹き、その珠理奈の仕草は無くしたと思っていた玩具を見つけて遊んでいるようだった。
胸やら、それ以外の愛撫もあったろうに、下半身を先に求めるとは、けだもののようだと思いつつも、この人妻にして綺麗な桃色と自分を誘っているようにも見える肉厚のビラと、その周りにアナルまで生えている陰毛を見てしまえば、誘っているようにも思われてしまう。
いや、それ以上に、ここの具合を自分色に染めたかったのかもしれない。
「や、やだ……!そんなの、恥ずかしい……いやぁっ!」
「答えないんですかぁ?」
悪戯に微笑みながら、口の中のドロっとした唾液が淫裂の中に侵入した感触を知った時、玲奈が激しい羞恥に脚をばたつかせた。ビクッと跳ねあがった尻を持ち上げながら、開いた淫裂を舌が舐め上げた。
「ふあ!あ、あ……あぁぁぁ!」
人妻の淫裂の臭いが、さらに珠理奈の意識を改革させる。淫らに。もっと、もっと貪りたいと。目の前にいる人が、自分が、家庭を持っていようと、もう、それ以上に欲しくてたまらないと身体が疼く。
高揚する心が、何倍もの快感が淫裂の奥にある媚肉を刺激させるだけで甘く痺れさせる。舌が肉ビラを掻き分けて、襞に溜まった玲奈の感じている証を舐め取る。玲奈もじわじわと興奮する心が生まれて、絶頂の予感から肉体の奥から湧き上がる。
自然とぽたぽた、玲奈の顔に淫蜜が垂れ落ちる。ふと、その奥にある淫裂を覗きこめば、目の前に御馳走があることを興奮している子供のように涎を垂らした口が、此方を求めているように開いていた。
「ひぅっ!?」
珠理奈が身震いするほどに興奮していた。
「変なキスね……」
「うくっ、……、あぁ、お姉さまぁ……」
唾液と蜜に染まり、悦に染まったかのように蕩けた顔の二人が、発達した小陰唇にまったりと包み込まれる。ズブズブと舌が進むごとに、媚肉が絡み付いた。ヌルっとした、人妻独特の肉の柔らかさが、程良く優しく締めつけている。赤子が母親の柔らかい肌に包まれているようだった。
「ダメなのに……。でも、ああ、感じてる……!」
「素敵です……」
悦に浸ってしまっていることに気づくも、ここまで絡み合ってしまえば、もう、どう後悔しても手遅れだ。だから、開き直って、忘れるくらいに玲奈は絡むように纏わりついた。
玲奈は再びキスするように珠理奈の淫唇に絡み付き、手を腰に回して引き寄せながら、残った部分のそのすべてを欲しがるように下半身全てを顔に埋め込んだ。
「あぁっ……!」
「いいっ……!」
嗚咽のような悲鳴とともに、ブチュッ……と果実を潰すような音がした。互いに貪りあうかのように口に付けた淫裂から溢れるように漏れだす官能の甘い汁。
その官能に染まった二人には高級ワインにも等しい香りを感じるだけで、珠理奈も玲奈も、その甘美な香りに寄ってしまったかのようにも見える。
にゅるっとしたピンクの舌を四方から締めつける肉の圧力に逆らうように、無理やり指で淫裂を開き、太股の付け根にキスをしながら指を出し入れを繰り返す。浮き立つ尻がビクッとなるたびに出てくる淫液がビュッと飛び出し、抽送を、もっと激しくさせる。何度も何度も愛撫した、その身体は濃厚な女汁に塗れて、官能的な色気を醸し出していた。
「あぁ、玲奈さん、凄い……わたしの顔も、手も、玲奈さんのエッチなお汁でいっぱい……」
「だって、あぁっ……私も、珠理奈のでいっぱい!」
忘れていた。
人妻になってからの性の悦び。
そして知った。
女同士のセックスの最高のエクスタシー。
二人は腕の動きに合わせるように、指を動かし、そして刺激を受けるたびに腰を激しく揺らしはじめた。それは躍動感に満ちたエネルギッシュな熟れた二人の女の舞だった。初めてあるのに思うように上手くいく繊細な技量は互いを弱し、ツンと酒よりも強烈に香る淫臭がますます部屋の空気を芳醇に染めていた。
腰の動きにわずかに遅れて、胸がユサユサと揺れて勃起した乳首が何度も何度も身体と擦れる。ビンと勃起した大粒の乳首。真っ赤に充血しきったその場所は、微かな空気の揺れでさえも感度をあげてしまう程だった。
「珠理奈……」
玲奈は羞恥の表情で珠理奈の尻を優しく撫でるように手を動かした。最初は遠慮がちに触れるだけだった手のひらは、欲望を解放されたかのように、すぐに白桃を鷲づかみにする荒い動きに変化して、尻を撫でていた指先はアナルの周りを撫で始めた。
「んぅっ……そうです……。もっと感情を込めてして……。そこ、さするの……だ、ダメ……お姉さまぁっ……」
「とっても淫らな女になっていく、珠理奈に、そうされちゃうのね……家庭のことよりも、娘のことよりも、今は貴女が良い……」
「あん、素敵です……お姉さま……」
二人の間で盛り上がる。昇りかけていた絶頂感が、より高みへ連れていかれるような興奮と悦に満たされそうになっていた。とどめと言うかのように二人の唇はクリトリスを吸い上げて、舌先で優しく刺激を与えて快感が駆け昇る。
淫らな吸い上げる性を司る音が響き、ぬるっとしたようなしなやかさと、獣のような激しさを両立させている二人の舞はラストスパートに入っていく。
「ひぅっ!あ、あぁん!!」
「あぁ、お姉さまの声だけで、私もっ……あぅっ……!」
玲奈が再び攻め始めた。ふたりは互いの身体を楽器のように奏でながら媚肉を抉りながら愛しい物にキスするようにクリトリスを吸い、舐め、転がす。もう、性の悦びを取り戻してしまった二人は、今までの欲求不満を解消するかのように見境のない愛撫で互いをメチャクチャにされてしまう。
「あん、あぁうっ!あぁっ……もっとぉ……もっと……ぅあぁんっ!」
性器ばかりか、身体の感じられる場所は、もっと、もっとと求めるように欲しくなる。
身体の気持ち良くなる場所を全て占めるように、互いに気持ち良くなるように、身体は、もっと敏感に欲しがって求めあう。内腿も脚の付け根も、互いの体が触れ合うところは全部気持ちが良い。浮いた尻の谷間に流れる蜜が走るだけでビクッと跳ねる。心地良さで蕩けた顔は、だらしないという言葉が相応しくなる。
「ぁぅ、あぁぁぁ!そんなされたら……ン、ンくッ、ん……ふぁっ!!」
強張った人妻の熟れた身体から汗がバッと飛び呻き声が出てくる。抑えきれない。もう、凄いものが来そうだ。と、身体が反応している。もっと、欲しいと思っていることに関して息があったかのように、探究心が抉られて、もっと深い部分に欲しくなってくる。媚肉とクリトリスを二人は指に捏ね回されて、一瞬、何かが肉体全体に走ったのを確認した時には、ふわっと浮き上がる。
「あ……あたし……」
「もう……!!」
今まで以上に膣内が指を縛りこむように締めあげた。そして、さらにクリトリスを激しく弾かれ、二人の身体は魂が抜けたような衝動を……


「おはようございます。渋谷さん。」
「あぁ…島村さん。」
ぐったりと目覚めた頃には午後の3時だった。
気づけば目覚めれば一糸纏わぬ姿でシファの上で毛布を一枚を纏って横になっている。午前中に島村家に入り込んで、何をしていたのか思い出す。眠気を覚ますためなのか、暖かく甘いココアの入ったカップを卯月の母が二つ持ち、近くのテーブルに置いて、ゆっくりと起き上がり、ココアを口にした。
そして、飲んでいる時に思い出す。
「ヤバい……店の方……」
「私が、何とか誤魔化しておいた。こっちに来て、少しお休みするって。」
「そう……」
隣で一致纏わぬ玲奈を見て、思わず肩を借り、そのまま珠理奈は胸に吸いついた。
「あん……もう……」
「ね、まだ、時間あるでしょ……?もう一回、しよう……」
「でも……」
この一回で玲奈は終わりにするつもりだった。珠理奈の誘いを断ろうとしても、あの快楽を知ってしまえば嫌でも肉体が疼く。
「だって、もう、しちゃったんだし。」
何か、呪いでもかけられたのだろうか。愛撫を受けつつ、もらった言葉と言うのは、元よりあった背徳感を忘れさせる。終わった後に生まれて来た背徳感と言うのはおぞましいほどに、身体を震わせていた。珠理奈に、その背徳感はないのだろうか。自分から求めて、家族を裏切ってしまったことに対して自分に嫌悪感を抱きそうにならないのだおるか。
それを気にせずに、もう一度、肉体の交わりを求めてくる珠理奈と距離を取らなければならないと理性と背徳感は、そう訴える。
だが、裏切りの快楽と久しぶりであり、初めてであるセックスの快感と言うのは、そうそう忘れられるものではない。
だが、人と言うのは快楽に流されやすいものだ。
ましてや、それが久々に肉体の欲求を最大限にまで満たす行為であればなおさら。
今まで、渦巻いていた家庭を持つ人間としての倫理など熱湯の中の氷のように泡を立てて、玲奈の中から消えていく。
悪いことだと解っているけど、抗えないから口にしてしまう。
言葉を紡ぎ、思考は気持ちの良い方向へと誘導した。
「仕方ないわね……その代わり、明日も来て……」
そして、珠理奈は笑みを浮かべて言葉の代わりに玲奈を押し倒した。

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