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Fortune

なぎちえ
なぎちえ、結婚、おめでとう!!!!!!!!
そして、凪沙、誕生日、おめでとう!!!!!!
これからも、智恵理と仲良くね!


ランカスターに雪が降る。
娘達が踊る姿を見て、当時の自分と凪沙は重ね合わせていた。まだ、その幼い時期に自分がしていたことは、憧れると言うことだけ。芸能禁止が今以上に厳しかった、この時期、自分は練習も出来ず、がむしゃらに突っ走ったことから、5年経ったのかと言うことを感じ取った。
0048に所属してから10年、卒業してから5年。随分と、長い時間を過ごした物だと成長して、踊る娘達を見ながら頬を緩めた。引退しても、時の流れと言う物は偉大なる人物を湛え、敬愛するアイドルが卒業してしまう悲しみを持ったファンの傷口を塞ぎながら痛みを消すように時の流れは忘却を与えて変わりない日々を過ごしていた。AKB0048は、今なお、全宇宙で愛されるアイドルとして世界に君臨しているのだ。爆発的な人気を誇った前田敦子の後継者も表れて、全ての世代が交代しながら、日夜、彼女達は練習に励んでいる。
そして、今の0048の後継者を育むために娘の咲良と智沙が、未来のAKB0048を担うための凪沙のレッスンを終えて、着替えを終えてから自由時間に入る。
凪沙のレッスンは解りやすく、丁寧であり、智恵理は地獄。と、そんな表現が似合う。1から丁寧にという、母性の漂う指導によって上達していく。そんな、天と地の差があるが故に咲蘭はマザコンになっていく徴候として、よく、一緒にいることも多い。
そんな咲蘭の頭を撫でながら。凪沙は最後の仕上げとして夕飯の準備に取り掛かり、次女の智沙はリビングのソファで疲れに支配されて眠り始め、長女の咲蘭は凪沙の手伝いをしながら、もじもじしつつ、いつ、凪沙の為に作ったケーキを渡そうか考えていた。
近くに住む祖母と作り上げ、今日という日のための誕生日ケーキ。
母として、年齢を重ねて行ったその身体に肉体的な老いは見えず、年相応の美しさを醸し出す凪沙。今の凪沙を見れば、誰もが女子大生と誤解するほどの大人の色香と同時に母の色香も持ち合わせていた。肩まで伸びた凪沙の桃色の髪が咲蘭の視界を奪う。
二十九に入った元AKB0048のメンバー、爆発的な人気を誇った14代目前田敦子こと本宮凪沙、いや、園凪沙も園智恵理と結婚をして家庭を持つにいたった。アイドルとしての要素をあわせもちながら、母としての自覚と言う物を持ち始めて、今や凪沙は二児の母である。
年を取ることに熟れる美しさを身に付けた凪沙は常々、人を魅了するようだ。私の母ほど偉大で美しい人はいない。そう、娘は思いこんでいる。母のように輝く存在になりたい。その憧れは夢へと変わり、自分から0048になるためにレッスンして欲しいと頼んだほど。
「どうしたの?」
長女の咲蘭の凪沙を愛している部分は、智恵理をそのまま受け継いだとでも言うべきか。髪に付けた凪沙が現役時代に付けていたシュシュを揺らしながら凪沙に寄り添う。憧れと言う部分を見せるために、そういう部分からもまねている。
0048の凪沙の映像から見て、凪沙から託されたかつてつけていた物を、片時も離さずに、今、受け継がれ咲蘭は夢を追っている。
「なんでもない。」
憧れの母の温もり溢れる身体に、そっと抱きついて、凪沙の臭いを堪能するように顔を左右に振った。凪沙の匂いが好き。凪沙の女としての匂いと母の匂いが混ざり合った香は一人の少女を虜にするのに十分な素材である。未だ、卒業したとはいえ、色々とAKB0048としては前代未聞な特別事例があったが故に卒業メンバーの中でもいまだに人気がある。故に、そんな母を持つ咲蘭は誇らしい存在であるし、それでいて咲蘭にとっては智恵理よりも数倍という言葉が飾り過ぎないほどには優しいと言う要素をあわせもっているのだから、娘をマザーコンプレックスにする要素を詰め合わせていた。
他人から見れば、まだ、甘えたい盛りの年齢ではあるが、本能的な物は既に凪沙の色香に支配されてしまっている部分もある。幼い外見の長女は凪沙にべったりとしながら、その女としての残り香が漂う凪沙にくっついて離れることはなかった。
ある程度、夕飯の支度を終えて家事をそつなくこなした後にソファに智沙が占領していない逆側のソファに座りこみ、後は、智恵理が返ってくるまで待つのみであると時間を見て、転がろうとした時だった。
「ママ、誕生日おめでとう。」
咲蘭からプレゼントを受け取ったのは。
愛する人と二人きりと言う、その時間。
咲蘭にとっては凪沙にプレゼントを受け取ってもらえるのは幸福である。
箱を開封すると、そこには凪沙への愛が詰まっているケーキが目の前にあった。後で、皆で食べようと言うと、咲蘭は黙ってうなずいた。
「ありがと。咲蘭、嬉しいよ。」
咲蘭を抱きあげながら、そっと、自分の膝の上に乗せて凪沙はギュッと愛する娘を抱きしめた。頬にキスをして甘い香りの母の温もりで溢れた唇の感触が咲蘭の頬いっぱいに広がり、やがて、幸福と呼べる感覚が全身に到達する。
文字通り、腑抜けという言葉が似合うほどに意識を奪われて目の前の温もりに甘え、そして、夢の世界に誘われるほどの心地良さが身を包みこんだ。幼き少女に植え付けた心地良さと言う物が、使いなれたぬいぐるみのような落ちつきと抱き心地を与えてくれた。
「わぁ、ケーキ…」
凪沙の言葉で現実に引き戻されて、凪沙に、そのケーキのことを話し始めた。
「おばあちゃんに、ちょっとだけ手伝ってもらった。」
「そっか。」
そして、忘れもしないことを咲蘭に話そうとする。それは忘れられない大事な話。
「貴女のことを知ったのも、今日だったね。」
「え?」
「咲蘭のことだよ。」
膝の上に乗っている咲蘭を抱きしめながら、当時のことを思い出す。
咲蘭を、その身に宿したと確かに自覚した、その日。
咲蘭は緊張しながら自らの過去の話を聞き始めた。キララの未知の力によって授かった二人の娘に恵まれる、少し前の出来事。

智恵理がセンターノヴァとなってからも、凪沙が14代目前田敦子を襲名してからも、当然の如く二人の関係は高め合うことによって昇華されていく。全てが刹那の時のように一瞬の思い出のように思えてしまうほどには、二人の精神と体に刻まれる思い出は常に多く、そして、共に過ごす中で、誰よりも大切にしている相手であるのだが。そんな、園智恵理が妻的な立場である本宮凪沙に抱く一つの疑念と言うほどではないが、後輩に対する面倒見の良さは周りにもファンにとってもプラスに見えるものであったが、智恵理にとってはマイナスとでも言うべきか。
何処か、凪沙が自分に取られてしまったような、そんなことを感じていた。
既に24にもなり、智恵理も凪沙も長くツインセンターノヴァと14代目前田敦子と10代目大島優子を演じてきた。誰よりも、どの先代たちよりも輝きと言う物を昇華させ、そして、魂と光が同化しそうになるほどの未知の感覚を与えられた。光を放ち、そして、人を未知の世界へと連れて行く。年々、その光が進化して、二人のセンターノヴァが消えるのではないのかと言う噂すら流れる。光が確かに成長しているのだ。
二人の技術が高まるたびに、二人の光が進化する。今、誰もが目指したいと思えるほどにまで高め合った二人。いつ、消えてもおかしくない状況にいる二人は、そんなことを気にせずに、今を謳歌していた。気にし過ぎているのも、それはそれで問題ではあるのかもしれないが、あの光に包まれれば、そんなことを忘れてしまうほどの快楽が二人の身を包んでしまう。
何ものにも、その快楽に耐えること等出来はしない。歌と言う力、いや、芸能と言う力の持つ最高の瞬間とでも言うべきか。人と言う人種が、新たなレベルに進化させるような、そういうことを感じさせる。自分と言う存在がワンランク上がる。
無意識に、あの空間に入るたびに昇華される気分と言う物は、そういうものだ。一度のセックスの時に包まれる輝きも、また、それと似たようなものがある。気にしながらも、気にすることすら忘れてしまう光の感覚は誰もが、あそこまで輝きたいと思わせる。生命が宿るような、活力に満ちた光が、凪沙の陽の光に満ちたような輝きと言う物が、生命の活力を与えてくれるほどに銀河に照らす。
まさに、全ての芸能に関わる者達、憧れる者達の希望とでも化したとでも言うべきか。少女や全ての人達への憧れへとなっていく様は、生き神とでもいうかのように存在そのものが遠く、そして、美しくなっていった。そんな、凪沙や智恵理に憧れる後輩たちも多くなり、いまだに、デス軍の襲撃がありながらも、0048と言う組織に憧れる少女達は、困難を乗り越えて前へ前へと例年以上に参加者を生み出してきた。
憧れの先輩として、誰よりも後輩から慕われて、同期も未だに襲名メンバーを続けている中で、二人の人気は破られることの無い不動のものとなっていた。
既に、時代は77期のモノとなり、かつて、一緒に練習した75期の二人は卒業。77期は未だに全員、揃ってステージと後輩を引っ張る役割を与えられていた。
「そういえば、凪沙。」
「へ?なに?」
「凪沙、最近、後輩の子達と仲が良すぎじゃない?」
彼女の悩みは、それである。
面倒見のいい先輩として、凪沙は次期・岡田奈々候補やら、そういう子達の模範となるべく理想の先輩として、そこにいる。
「そうかな?」
しかし、そんな些細な悩みなど、単純に忘れると言うよりも解決してしまうのではあるが。
「そうよ。だって、今日だって・・・」
「今日?」
小さいとことであると思ってしまうが故に、そんなことを言うこと自体さえ恥かしい。と、でも、言うかのように顔を逸らしながら、振り返るようにしながら、顔を顰めた。
「智恵理…?」
心配になって、思わず、顔を覗きこむ。無邪気すぎる。そして、他人を拒否することを知らないあどけなく幼い瞳。
後輩に優しいことはいいことかもしれないが、それでも、自分のだけでなくなってしまうのも嫌なもので。しかし、そこでも確かなことが言えないのは智恵理に対してだけは特別な愛情を注いでいることが分かっているから。
「もう、いい!」
思い悩むだけで頭が痛くなってくる。イライラをつい、恋人の前でぶつけてしまうが、既に、そういう人間であると言うことも受け入れてしまえるし、その対処も解っている。
「智恵理、心配なんだ。」
そっと、後ろから、凪沙が抱きしめるだけで良い。そして、キスでもすれば智恵理は満足する。最初、凪沙や智恵理に憧れる後輩は数多くいたものの、この二人の関係を知ってから寝取ろうと思う後輩もいたものの、誰も誰とて手を出すほど愚かでは無いと言う人もいた。
しかし、凪沙の母性的な性格に溺れたい人がいることも確かであり、その胸にすがりつくか、または、相談に乗ってほしい等と言いに来る後輩もいる。智恵理の場合は、近寄りがたいという雰囲気も醸しすぎているが故に相談する相手は少ないのではあるが、そこに対する怒りではなく、凪沙と自分の時間を奪うことに対しての怒りがこみ上げてくる。
「あ、当たり前でしょ!だって、私は、凪沙の・・・」
「私は智恵理の彼女だもんね。」
「当たり前よ!もう、後輩達に、そんなことさせないように、私が目立つところにキスマークをつけてあげるわ!」
独占欲が強いのかもしれない。
しかし、凪沙は自分の大切な人なのだ。
どんな時でも、お互いを高めあい、輝かせながら、自分と言う物を昇華させてきたからこそ。それと同時に、まだ智恵理の頭を悩ませている物があった。
「まずい。」
劇場公演後に悩める一人の女がいる。思春期を越えても、思春期のように凪沙のこと真っ盛りで、既に恋人特有のぶつかり合うと言う好意を結ばれる前に行い、恋人特有の行為と言う物を既に終えてしまったと言う部分もある。
互いにマイナス面を見過ぎて、気づけば受け入れてしまっていると言う、そういう関係で、後はいちゃいちゃするだけか、飽きが来たら破局を待つのみと言われているが、凪沙と智恵理の場合は前者であると言えよう。飽きと言う物が来る訳もなく、ただ、二人は日常を謳歌していた。
そんな中で、そろそろ、凪沙の誕生日が迫っている。凪沙は自分の誕生日に色々とやり過ぎた。後悔しているわけではないのだと一人、言い聞かせている。然るべき日である凪沙の誕生日智恵理は何をすればいいのか一人悩み始めている。
あそこまでされて、それ以上のモノを返すのは相当な時間もいるし、既に、あの誕生日の奇跡的なものはスケジュール的にも難しい。毎年、凄い誕生日をされるが故に、返しと言う物が意外と難しいのだ。誕生日は、無理をしなくて良いとは言われているが、それでもだ。悩みと言う物は尽きることが無い。
そして、そんな、誕生日である前日に異変は起きた。
ライブ中、輝きを発しようとした時だ。
「嘘…」
身体全体が心臓になったかのように鼓動を打ち放った。
『ダメ!』
何かに引き留められたとでも言うべきか。
魂、いや、肉体全体に生命の鼓動が凪沙の身体を貫いた。
痛みにも似た、その感覚は唄わせることも、踊らせることも許さなかった。
アキバスターでのアンコール公演、重力シンパシーの時だった。疼く肉体が、それを許そうとせずに肉体の動きを拒絶した。
「どうしたの?」
凪沙の身体全体が鼓動し、最高の輝きを得た瞬間、歌うことも、踊ることも凪沙は忘れた。これ以上、輝くなとでもいうかのように。
「智恵理…なんか、身体が変なんだ。」
公演の終わり、寮に戻り、そのことを話す。何かに引き留められたような。
「覚えはないの?」
「何も、無いんだ。」
臨時に健康診断も受けたが、何も無かった。何故なのかという疑問すらも、何もかも浮かばずに誕生日を迎えてしまった。
「もしかして、私との子供とか…」
「え…?」
「た、例えばよ!例えば!」
苦悩と言うわけでもないが、今まで、こんなことが無かったが故に戸惑いと言う物はある。
「大丈夫…よね?」
「うん。」
一人だけでは不安でも、こうして、割と余裕が持てるのは智恵理がいるからだ。
互いが互いを委ねている部分があるが故に、そういう部分に余裕と言う物が出来る。互いに心のよりどころになっているからこそ心強い。ゆっくりと、心を開放するように智恵理の身体に抱かれれば、不安は忘れられる。
智恵理は、少しでも不安が取り除けることが出来ればと思いながら、凪沙を自らの胸に埋めた。桃色の髪が凪沙の優しさを表わすように智恵理にも凪沙を暖めるだけの余裕を与えた。
「一緒に、明日は唄おう。」
眠気に包まれて、まどろむ凪沙を見ながら智恵理は眠りについた。
「お休み…ハッピーバースデー。凪沙…」
異変と呼ばれる異変は身体を満たしているようにも思えない。
だから、単なる気のせいだと智恵理は思いたかった。裸体の凪沙の温もりと毛布の暖かさ、心地良い凪沙の香が包みこんで来る。ふわりとした、そんな心地良さもある。
自らも凪沙の生み出すまどろみに包みこまれそうになったが、その前に額の髪を掻き分けてキスをする。水色の髪の毛が揺れて凪沙の顔を隠す。一瞬だけ凪沙の髪が頬を伝って垂れた。
『マ…マ…』
「え?」
ふと、笑みを浮かべた後に、自分の声でも、凪沙の声でもない何かが智恵理の脳に走った。しかし、それは幻聴だと思った時、智恵理も安らかな眠りについた。

後日、凪沙の身体に異変は無かった。昨日の何かを忘れるかのように光溢れ、そして、人と言う可能性を実感するほどには活力の溢れるステージである。
「凪沙先輩・・・凄い・・・」
達は魅了され、昨日のミスを全て帳消しにされるほどの輝きを放っている。ツインセンターノヴァ。10年、その地位を誇示し続けて二人が唄い、そして、踊る。最も光に愛された乙女達が舞い、全ての人達を魅了する。
オーガニック的な、生命に活力を与える、その姿は、宇宙の黒を白に書き換えるほどの希望の光が。
「凪沙先輩…?」
しかし、また、その時が来る。
「ッ!?」
声に出さず、今回は再び歌い続けた。
声が聞こえる。
凪沙の脳に声が走った。何故、声が走ったのだ。痛みを抑えながら、しかし、それ以上に公演に集中した。
全身の鼓動、一つの生命が凪沙に唄うことを拒絶するかのようにだ。
一人の鼓動が更に、輝きを与える。
自分の中に、何かいると感じ取った。
輝く中で、もう一人の何かが自分以上の輝きを放っている。
自分の輝きの中で、もう一つの、智恵理やメンバー以外の輝きを発しているのを感じた。
光と同時に、何が、そこに存在しているのか。
ただ、歌いながら、踊り、そしてメンバーや観客達と魂の快楽を共有し合う。
しかし、徐々に鼓動が強くなる。痛みが増して何かが凪沙にささやいている。その異変を感じ取った、凪沙の手を智恵理が繋ぎ魂の輝きがより激しくなる。このまま、13代目前田敦子のいる場所へと向かうのだと、輝き、背中に天使の翼が生えたかのような身軽さを覚えた。
別世界へと向かう。
そんな感覚が智恵理と凪沙を包みこむ。今、この時なのかと、ふと、心の中に刻まれた。
あぁ、もう、このまま消えてしまってもいい。
懐かしき、研究生時代、77期、いや、あのころは彼方と美森もいた時、ランカスターで味わった、あの感覚を思い出す。
「凪沙と一緒なら。」
一緒なら、それで良いと智恵理が目を閉じ、永遠に二人でいられる場所へと向かい始めた。
しかし、
『イッチャダメ!ママ!』
その光の世界を打ち砕き、ガラスが割れるように現実世界に引き戻された。
そこに現れた光は胎児の姿をして凪沙と智恵理に語りかける。そこに行ってはいけない。その世界に行っては・・・
「でも・・・」
センターノヴァだけに与えられる、その世界は絶望の世界ではない。だが、それは現世を捨ててまで希望となった
「私達の望んだ希望」
センターノヴァになった少女達の刻まれるはずだったもう一つの人生の具現化
「あっちゃん…?」
胎児を抱くように、13代目前田敦子が現れた。
「この子は、貴女達に宿った二人の子供。二人の愛が、この子を生みだした。」
それが
「私達は、そのもう一つの描かれるかもしれなかった人としての私達の幸せを、貴女達の愛に応えて・・・」
それ以上は語らずに胎児は凪沙の中に戻って、ガラスが割れるように光の世界は崩れ落ちて現実に引き戻された。そして、凪沙と智恵理は、その日、卒業することを発表した。

「こうして、咲蘭が私を引き止めたの。」
「引きとめたの?私、覚えてない。」
「うん。咲蘭が、まだ、お腹の中にいたころだからね。」
咲蘭は、智沙も含めてキララの共鳴によって凪沙と智恵理の情報を汲みとって、その身に宿されたとも言うのが13代目前田敦子の言葉から語られたが現世はその謎を明かせないままであった。
同時に、希望になった少女達の希望が凪沙と智恵理を始め、他のメンバー同士で愛しあう物たちに与えられた。二人の子供であることは間違いないのだ。奇跡と言うことが、凪沙の誕生日に起こり、確かに咲蘭のことを感じさせた。
「ママ達は、その世界に行きたかった?」
「最初は、智恵理と永遠を刻めるなら、あの世界に行けるなら、それで良かったよ。」
しかし、
「咲蘭も育ててみたい。って、私も思ったの。」
最高まで輝いて、そして、誰よりも輝いて・・・
かつての少女の輝きは消えたが、母の輝きを得た凪沙はにっこりと母としての笑みを浮かべながら咲蘭を強く抱きしめて頭を撫でた。その感覚に満足したのか緊張の糸がほぐれたかのように、そっと眠りについた。
「ただいま。凪沙。」
眠りについたとき、入れ違いになったかのように智恵理が帰り、リビングに入ってきた。蒼い髪を揺らして、会長職を部下に任せて帰宅したことを告げて、コートを脱ぎ捨て、反対側のソファで眠っていた智沙を抱っこしながら、自然に凪沙の横に座り込んだ。
「お帰り。智恵理。」
咲蘭と智沙が抱きあいながら眠りにつき、智恵理は・・・
「凪沙、ハッピーバースデー。」
頬を撫でて、凪沙が顔を近づけ、それに応えるように唇を重ねた。

| AKB・乃木坂 | 00:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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