2012.03.22 Thu
プリキュアオールスターズ NEW STAGE-みらいのともだち-編 EP.3 First contact
しかし、私は一人の少女から人間を作り出した。
それは、消えた記憶の中にある微かな部分で、私という存在が人間自体を信じることができなかった部分、そして、何故、そこまで人という種を自分が嫌っているのか探り出すために。
人間の少女を作り出し、世に送り、人というものを観察し始めた。
そして、過去に倒されたフュージョンと呼ばれる生物を蘇生し、人間たちの世界を監視するように仕向けた。
私の肉体は滅び去り、心、今までの記憶を犠牲にすることで体は再生したものの、人間への憎悪を残したまま、彼女を人間生活に溶け込ませることによって人間の情報を得て、何故、私は憎悪しているのか探し出そうとしていた。
理由は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私の記憶。あゆみとの大切な記憶。
私の帰る場所は家なのだろうか。
あゆみの家の中とは違う、あゆみとは違う私。
違う。
何もかもが違う。
私の家と呼べる場所は、何もかも、何もかも・・・全ての空間が、違う。
(どうだったの?)
「あゆみは優しかった・・・」
(愛しているの?)
「誰よりも・・・」
私に語りかける、貴女は、誰・・・?
お母さんなの?
お母さん・・・私のお母さんって、誰?
私のお母さん・・・私のお父さんは誰・・・?
私は、あゆみしか知らない。
あゆみとふーちゃんしかしらない。
あゆみ・・・あゆみ・・・大好きなあゆみ。
あゆみの顔、あゆみの吐息、あゆみの臭い、あゆみの肢体、あゆみの乳房、あゆみの髪、あゆみのクリトリス、あゆみの足、あゆみの手、あゆみの唇、あゆみの心、あゆみを司るパーツと、私の全てのパーツ、人間を攻勢する大切なもの、全て、あゆみと私は共有しあっている。
私はあゆみであり、あゆみは私という存在である。
私はあゆみを愛し、あゆみは、私を愛してくれれば良い。
あゆみだけいれば良い。
あゆみに包まれる幸せ、私の中にある、あゆみとの間に生まれ、芽生えて、育てていく思いは、暖かく、そして、やさしい時間。
何かに包まれている自分の姿と言うのは、非常にこっけいなもので、醜いと言う思いに浸されながらも、私は、居心地の良さに溺れていた。
あゆみとセックスしたときのような、心地よさというものが、ここにある。
いや、あゆみと一緒にいるだけの心地よさが私の中にある。
そして、セックスをすれば、より、暖かくなるという充実感が私の中にはあって、その時間、あゆみと一緒になる時間が、私にとっては何者よりも大切な時間になる。
「あゆみの・・・体・・・」
暖かさ、そして、熱さ・・・
記憶の中からあゆみの体温を思い出す。
熱の篭った暖かいあゆみの体にもっと触れていたい・・・
もっと、あゆみと・・・あゆみと・・・
(愛ちゃん・・・)
「あゆみ・・・」
何?
愛・・・愛と言う名前を与えられた。
誰から?
誰・・・?
貴女は、誰。
お母さん・・・私のお母さん・・・は、誰?
私のお母さん・・・頭の中にいる、あなたは、お母さんなの?
お母さん・・・お母さん、それは、あゆみのお母さん・・・どうして、私のお母さんは、あゆみのお母さんなの?
私は、いつ、生まれたの?
あゆみ、私の大切な人、どうして大切なの?
あゆみが。誰かを通して、あゆみの今が伝わってくる。
あゆみ・・・あゆみ・・・大好きなの・・・貴方に思いを伝えたいのに、触れ合いたいのに、あなたは・・・ここにはいない・・・あの子を通して、あゆみのすべてが伝わってくる。
誰・・・?
貴女は・・・私のあゆみに・・・触らないで・・・!!
私のあゆみを守るために・・・強く・・・ならなきゃ・・・
「変わった子たちだったなぁ・・・」
「あゆみ・・・?」
「大丈夫だよ。ちょっと、面白かっただけだから。」
出会った人たちは、少し、変わった子たち。ぶつかったこと、アクセサリに扮したふーちゃんを傷ついてないけど傷つけてしまったことを、気にして、わざわざ、追いかけてきたり。
そして、謝ったら、謝ったで、すぐに帰っちゃうなんて、面白い子たちだったなぁー
「っ手、きゃっ!?」
「うぉぉぉ・・・!?ごめん・・・!」
「だ、大丈夫・・・です!」
そんなとき、目の前にいたのは金髪の女の子・・・?
しかも、周りに、猫?
見たいなの、三匹も引き連れてる・・・っていうか、猫?
「可愛い・・・」
「でしょぉ?」
「お名前は・・・?」
「ぷいにゅぅぃ。」
「むや。」
「アリア社長と、ももねこさん?」
なんで、猫の言葉が今、わかったんだろう?
「そうそう・・・可愛いでしょ?」
「ぷいにゃ♪」
などと、いい感じで、目の前の金髪の左側の少女・・・
「可愛いでしょぉー・・・」
「はい。」
「って、いうか、アリア社長の言葉がわかったんだ。」
「ぷい♪」
「それよりも、クレアさん。」
クレアと呼ばれた少女は、この白いねこさんと、ももいろのねこさんが解る私のことに興味があるみたい。
どうして、解ったのかは、知らないけど。
でも、この子達の言葉が自然と頭の中に入ってきた。
「あ、忘れてた。でも、もうちょいだけ・・・」
「もー!このままだと・・・フュ・・・」
「フュ?」
「いやいや、なんでもないから!と、とりあえず、私は高町クレア。こっちは、九条ひかりちゃん。あなたは?」
唐突に紹介されて彼女は頭を下げて、つられて、こっちも頭を下げた。
「九条ひかりです。」
「わ、わた・・・私・・・・・・さ、坂上・・・・・・あゆみ・・・・・・」
「そっか。あゆみちゃんか。よろしくー」
「ぷいにゅ~」
「は、はい!」
いきなり、友達になろうだなんて、変な子・・・
なんだろう・・・
どうして、一瞬、この人を怖いと思ってしまった自分がいたのだろう。
見ず知らずの人に声をかけられて、足がすくんで。
でも、この、
「ぷい?」
ネコさんのおかげで・・・
なんとか・・・
「いやぁ、アリア社長の可愛さは全国共通ですなぁ・・・」
「ぷいぃ~♪」
「っ手、本来の目的を忘れてますよ・・・クレアさん・・・」
「あ、そだった・・・」
へ?
「そういえば、なんか、緑色の変なの見なかった?」
「え、と、見てないけど・・・」
「そっか・・・なら、良いんだけど。」
彼女が俯いていたときに
「クレア!ひかり!!!」
「え、響!?」
中華街を激走している女の子が、6人ほどいる。
「あー・・・後ろから、アコとエレンと奏・・・じゃん・・・」
「何か、あったの?」
「上!」
「上?」
見上げれば、黒いスライム上の塊がどこかを目指して、一点に動き始めていた。
それが、なんなのか、わからないまま、アリア社長と呼ばれた猫と出会った少女たちが、すでに走り出していた。
「ぷい、ぷいにゅぅい!」
「あ・・・」
アリア社長の帽子が落ちてる・・・届けなきゃ・・・帽子を広い、数百メートル先を走る女の子たちを私は追いかけた。
「あれが、フュージョン!?」
追いかけて、追いかけて、先に向かう、黒い塊のようなものに、何故か、邪気のようなものを感じなかった。
あれは、本当に、そういうものなのだろうか。
しかし、あれの集まる先のものに、確かに、今を走っているプリキュアに返信するものたちには邪気のようなものが感じられた。
「もう!響ったら!一人で、勝手に行かないでよね!」
「だって、奏なら私を絶対に見つけてくれる!って、思ったから!」
「もう、響・・・」
「何、奏は顔を赤くしてんのよぉ!こういうときに、あんたたちはイチャついてえ!!」
クレアは彼氏がこの場にいないからか、目の前でいちゃつく二人に苛立ちの声を上げた。
こういう非常時にいちゃつくことも含め、何から何まで、クレアにとっては羨ましい光景なのである。
「もう、無駄だって、わかってるんだから・・・」
「エレンだって、彼女抱いてるくせに・・・」
「呼んだかニャ?」
「おほほほほ・・・・・・」
「それよりも、このまま、走って言ったら・・・余計に厄介なことになりそうなんだけど・・・」
「仕方ない・・・一旦、隠れて変身しよう!」
なぎさの言葉で、路地裏に入り、今、この場にいるメンバーだけでプリキュアに変身しようとするのは、この場で跳躍し、一気に、集まる核のいる場所へと向かうためである。
「変身するよ!!ひかり!響!奏!エレン!アコ!クレア!みゆき!」
目の前の状況にも冷静になりながら、最善の策は、ここは、変身してフュージョンを叩くことにある。
そう、踏んだなぎさは、この場に揃ったプリキュアたちに呼びかけた。
「え?みゆき?」
「響、気づいてないの!?」
「なぎさ、何言ってるのさ。」
「え、と、皆さん、何を・・・?」
「あんたもなの!?」
みゆきまで気づかず、そして、クレアは蚊帳の外であり、それが、どこか、不満だった。
「どうせ、私は、一人ですよぉ・・・」
「アー、よしよし・・・」
「ぷいぷい・・・」
哀愁の漂うクレアの背中をエレンとアリア社長と、ひかりに撫でられる歓喜の涙を流すほどに、嬉しがったクレアは気力を取り戻し、立ち上がる。
「エレン、ひかりちゃん!ありがとう!」
「お礼を言うのはまだ、早いわよ。」
そして、すかさず、アコが突込みを入れる。
「あぁ、もう、愚痴らない!変身するよ!」
「え、あ、うん!」
こいつは、どこまで、鈍感なのかと思いながらも、考えるのが面倒くさくなり、なぎさは、変身を促した。
「なぎさー!」
「ほのかぁ!変身!」
ほのかが、この事態に気づき、少しバテ気味な顔をしながら、息を切らしてこちらに向かってきた。
思いのほか、この迷宮と化した場所で困っているのだろう。
多すぎるのだ。
迷う要素のある町としては、規格外と言えるほどに。
「ちょっと、ごめん・・・でも・・・うん・・・」
「あぁー!もう!ほのかは休んでて・・・」
「だ、大丈夫・・・」
「本当に・・・?」
「うん・・・」
「ほら、いちゃついてるし・・・」
「あー!もう、悪かったわね!それじゃ、メップル!」
「メポー!」
「ミップル!」
二人の妖精が呼び出され、なぎさの声に合わせて、全員が変身アイテムを構えた。
「デュアル・オーロラ・ウェイヴ!!」
「ルミナス・・・シャイニングストリーム!!」
「「「「レッツ!プレイ!プリキュア!モジュレーション!」」」」
「プリキュア・・・スペリオルイグニション!!!」
換わり行く私たちの姿。
伝説の戦士と呼ばれた、乙女たちは、普通の女の子で、それでも、誰かを守りたいという大切な想いが気持ちを動かし、乙女は全員、プリキュアになることができる。
呼び出された戦士たちは、巨悪を倒し、そして、悪鬼を浄化し己の中にあるものと受け入れた、その彼らの強さの源は身体的なものではなく、心そのものである。
己の大切なものを護りたいという純粋な強き願いを持つ心が、全て、強き心が彼女たちの力の源になり、そして、最強の戦士、世界を救う伝説の戦士と呼ばれる由縁そのものにある。
「光の使者・・・キュアブラック!!」
「光の使者・・・キュアホワイト!!」
舞い降りた、最初の光
「二人はプリキュア!!」
「闇の力の僕達よ!!」
「とっと、おうちに帰りなさい!!」
「輝く命!シャイニールミナス!光の心と、光の意思!全てを一つにする為に!」
21世紀の、人類初のプリキュアとでも言ったところか。降臨する王者の三人。
3人の絆は強い。
既に、打ち砕かれるほどの力は、相手には無い。
「爪弾くは荒ぶる調べ!キュアメロディ!」
「爪弾くはたおやかな調べ!キュアリズム!」
「爪弾くは魂の調べ! キュアビート!」
「爪弾くは女神の調べ! キュアミューズ!」
「「「「届け、四人の組曲!スイートプリキュア!」」」」
心の中の楽器で音楽を奏で純粋に音と言う物で世の中の人の中にある悪鬼を浄化し、癒し、そして導く存在である4人。
すでに、家族のように深い絆の4人を断てる剣など存在するのだろうか。
個性を持った4人の心の調べは人の心の中に響き、希望を持たせ、最強の組曲を生み出す4人こそ、スイートプリキュア・・・
そして・・・
「未来を駆ける一筋の光・・・!キュアエタニティ!!」
永劫を司る、その己の中の未来を信じ、歩き、進みながら、一筋の光は人々に絶対なる未来の光を灯す。
「あれ、衣装、変わってない?」
キュアエタティ・・・
「って、皆さん、プリキュアだったんですかぁ!?」
変身していないみゆきは驚き。
「って、いまさらー!?」
ブラックは突っ込みを入れたくなるほどのあきれる顔をしながらホワイトとルミナスに抑えられ、
「え、ブラックは気づいてたの!?」
響たちは驚愕する。
「当たり前でしょ!?」
「まぁまぁ、落ち着いて・・・」
「うん・・・」
「それより、私も!」
「え・・・?」
みゆきも、スマイルコンパクトを取りながら、
「プリキュア、スマイルチャージ!」
と叫び
「ゴー!ゴーゴー!レッツゴー、ハッピー!」
と、言うコンパクトの音声が聞こえ、そして、
「キラキラ輝く未来の光! キュアハッピー!」
に、変身したわけではあるが。
「ぷいぷい?」
「えー!?みゆきが、キュアハッピー!?」
「クレア・・・じゃなくて、エタニティ、今気づいたの!?」
「え、だって、えぇ!?ねぇ!?メロディ!」
「うん、驚いた!」
「見られたときはどうしようかと思ったけど・・・やっぱり・・・」
「新人のキュアハッピーです!よろしくお願いします!」
「待って、アコちゃんじゃないわ。。。ミューズとビートも入れて、私とハッピー、ついでに、ソルとルナを入れると、27人か・・??」
気づけば、随分と大所帯になってしまったものだと思った矢先、目の前にはすでに巨大な塊となっていたが、塊だけで、一定のものにはなっていないことが幸いでもあった。
「え、な、なに・・・?あの子達が、プリキュア・・・なの?」
そして、あゆみが見ていたことに気づかずに、彼女たちは変身したということに気づかず、そのまま、跳躍するプリキュアたちを追いながら、息を切らし、その方向へと向かっていった。
「私たちに合わせたのか、その人数分か・・・」
フュージョンが隠れて形を成そうとしていた場所は、太秦の映画村の中だった。
時代劇のセットにプリキュアたちという一軒ミスマッチな組み合わせの中で出迎えるように緑の球体が、その場で待っていた。
「たぶん、別のところで集まって、巨大なものになろうとしてると思う・・・」
ほのかが分析し
「復活の邪魔はさせない・・・って、感じだわね。」
なぎさが、敵の真意を言いながら、
「結局、どれが核になってもかまわないなら・・・」
クレアが覚悟を決め
「全部、つぶす必要あり!」
響が宣言した瞬間、
『来る・・・!』
塊となったフュージョンが襲い掛かってきた。
「ね、なんか・・・微々たる感じだけど・・・大きくなってるような・・・」
「そんなことより、今は!」
「っと、そうでした!」
高速移動するフュージョンが一気に動き出し、そして、格闘戦を繰り広げる。
基本、打撃とけりはすべて、受け止められ、いや、全て、当たってはいるが、そのスライム上の体ゆえに受け止めてしまうのだ。
エタニティは、この状態の中で
「バルディッシュ!」
「OK.ARK MASTER...!」
バルディッシュをザンバーモードにし、迫りくるフュージョンを真っ二つに切り裂いたものの、
「ぶ、分裂した・・・?!」
「エタニティ!バルディッシュにプリキュアの力も込めないと!」
「うわ、忘れてた!!」
アリア社長の言葉にうなづき、自分のやったことに後悔しながら、急ぎ、急いで、フュージョンの分裂した両方を追いかけた。
純粋な魔力だけの攻撃ではフュージョンは全く、歯が立たないということを認識させられた後に、急ぎ走り出した。
「え、えと、えと・・・!?」
「ハッピー!!ちょっと、どいて!!」
ゴムボールのような不規則で複雑な動きをしながら、時代劇のセットを破壊し突き進む、それに苦戦し、ハッピーは歴代のキャラクターたちの動きを目で追うのが必死だった。
正面にフュージョンが現れたとき、
「う、うウェ!?ううぇー!!!!!!?????」
驚いたものの、
「ハッピー!?」
キュアハッピーは、目の前に着た存在を頭突きで受け止めた。
どういうわけか、その頭突きが思いのほか、聞いたのか一瞬怯んだ隙にハッピーも同時に、よろめいた。
「メロディ!皆、あいつ、プリキュアの放出技でないと、対処できないみたい!!」
「わかった!!」
「それなら、ま、まかせてください!」
ハッピーが、頭突きの衝撃から立ち直り、少し、体を揺らしながら頭を振りながら、正気を保ち、
「気合だ!気合だ気合だ~!!!」
スマイルコンパクトを構えて、目の前に展開させた後に・・・
「プリキュア!ハッピーシャワー!!」
両手で大きくハートを描いた後、手をハートの形に組んで光波を放ち、それが、目の前で停止したままのフュージョンに直撃させて浄化させる。
光の粒子になったそれを見届けながら、エタニティはぽんと、頭を叩いた。
「やるじゃん!」
「あ、は、はい・・・」
だが、フュージョンも消えたと同時に、ハッピーの気力や体力でさえも徐々に消えてしまう。
一度使うと、体力がごっそり持っていかれてしまうという弱点を持ちながらも、目の前の分裂させたほうの一体は浄化された。
しかし、より、強いエネルギーを求め始め、全てのフュージョンがハッピーに襲い掛かったときだ。
不規則な動きがうそのように、俊敏になり、邪悪な顔を浮かべて動き始めた。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・これ、撃つと、凄い疲れるんだった・・・」
「ハッピー!危ない!!」
「へ!?」
「え・・・?」
「で、でかくなってる・・・!?」
「クレアァ!」
メロディの声が、油断していたり、傲慢におぼれていたハッピーとエタニティの耳を突き刺すような怒号を上げた瞬間、目の前にはすでに巨大なフュージョンの塊が存在し、ハッピーをその質量を持って圧殺しようとしていた。
あまりのサイズに唖然とするしかなかったとき、間に合わないとわかりながらも、ブラックとメロディは動き出していた。
しかし、それよりも先にハッピーの目の前に颯爽と現れる太陽の花の使者が目の前に現れた。
それをそっと、エタニティが口にしたとき、二ッと、笑いながら、少女は己の名前を叫ぶ。
「陽の光浴びる一輪の花、キュアサンシャイン!」
「サンシャイン!」
メロディがその名前を叫ぶと同時に
「サンフラワー・イージス!!」
を展開し、フュージョンの塊を弾き飛ばした。
「エタニティ!」
「まかせて!バルディッシュ!プリキュアトライデントバスター!!」
さらに、正気に戻ったエタニティが、プリキュアの力を込めてバルディッシュから雷光が放たれた。
母から授かったデバイスを使い、弾き返されたフュージョンの塊を痺れさせ、さらに、バリアを解いた後に空を賭けて、フュージョンをサンシャインとエタニティが思い切り、蹴り上げ、はるか上空に飛ばしたのを確認しながら、群を成し、さらに破片を取り込み巨大になるフュージョンを確認した後、マックスハートの3人と、スイートプリキュアの四人に合図を送った。
叩くときは、今であると。ブラックとホワイトはその合図が送られた瞬間には、すでに手をつなぎ、
「ブラックサンダー!」
「ホワイトサンダー!」
叫びとともに、暗雲から生まれた聖なる雷を召喚し吸収した後、
「プリキュアの美しき魂が!」
「邪悪な心を打ち砕く!」
「「プリキュア・マーブル・スクリュー!!!!!」」
蓄積されたエネルギーが相手に放出され、そのまま、黒と白の光の螺旋を描きながらフュージョンを目指して突き上っていく。
「「「「プリキュア!パッショナァァァァト・・・ハァァァモニィィィィ!!!!」」」」
4人も、エタニティの合図とともに同時に手をつなぎ金色の閃光波を上空に発射し、二つの閃光がより眩しい混ざり合いをしながら、巨大なフュージョンの塊を破壊する。
その天へと登る竜の形をしたかに見えた、閃光は人々の心に焼きついたが、これが、プリキュアの行ったことであるとは、誰も気づかなかった。
だが、今回現れたフュージョンの塊は、一気に浄化され、事なきを得ることができた。
「大丈夫?ハッピー。」
「あ、はい・・・」
午後五時の鐘がなり、その時間になって、あ、もう、こんな時間なのか。
と、今日探して鐘が鳴ることで、やっと、自覚し、同時に
「あ、あの・・・」
などと、悩んでいたとき、
「え、え、と・・・どうしよう・・・」
改めて変身をといていた瞬間を見られ、あゆみと言う少女にばれてしまった。
「その・・・えっと・・・」
この時間になって、どうすれば良いのか悩み始めた。
「あ、あの、アリアちゃんの帽子を届けようとしたら・・・その、こういう状況で・・・どうしようって・・・」
「え、えと・・・あゆみちゃん?」
「はい・・・?」
「うわぁ・・・」
いつきが、流石に驚くというか、どうしてこうなったのか。
と、言う顔をしていた。
「帽子、ありがとう。」
「え、あ、うん・・・」
「それとね・・・私たちがプリキュアだということは内緒で・・・できれば・・・」
「え、あ・・・はい・・・」
目の前の少女は憧れと羨望の眼差しと同時に、緊張によって硬直してしまっていたのは言うまでもなく、どうしたらいいのか。
と、思い悩んでいてもしょうがないとわかってはいるものの、何から話せばいいのか、さっきは自分から仲良く話していた少女が、伝説の戦士ということもあって、どこか、裏切られた気分にもなった。
「そ、それじゃ・・・」
「あ、うん・・・帰り、わかる・・・?」
「海に沿って歩いていけばすぐだと思うから・・・」
そういう、あゆみを送りながら、とりあえず、遠い町に住んでいるこの世界、そろそろ帰宅時間ということで、一旦、戻ろうとしたときだった。
「ARK MASTER...?」
「何かな?レイハさん。」
「・・・」
「え・・・?」
「どうしたの?クレア。」
「もう、電車動いてないんだよね・・・」
無秩序に並べられた街、線路は立たれて、当然のごとく列車は動いていない。
「じゃぁ、帰れないジャン!」
「ど、どうしよう・・・!」
「プリキュアになって帰れば!」
「目立つでしょ・・・」
「そうだけど・・・」
しかし、帰る手立てが見つからない。
「みゆきー!やっと、見つけたー!」
「あぁ、あかねちゃん!なおチャン!やよいちゃん!れいかちゃん!」
「まさか、彼女たちも・・・」
などと、思いながらも、
「皆ー!電車が動いてないんだって!!」
「えぇー!?」
「ど、どないすんねん!!」
「お困りのようね。」
「へ・・・?」
そこには、青のかかった黒髪の女性・・・クレアが先ほど知り合った、瑠璃という人妻がそこにいた。
「私の家に、来る・・・?」
| 140cmの33歳児 | 00:00 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑
一見、バトル終了に見えますが、まだ続きますね、どう考えても(しみじみ
しかし、怪しいと思っていたけど、愛さんはやはり……なんでしょうね。
これからの展開が気になりますね。
というところで、今回もごちそうさまでした。
それでは、今回はこれにて。では、また。
| 魔ぎゅなむ | 2012/03/22 00:22 | URL |