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∀ガンダム

∀ガンダムって、結構好き。
皆、デザインで見るのをやめたって言う友人がいたけれど、正直、どうも思わない。
話も結構大人だしね。
うん。
一度、見るのもいいかもよ。
洗濯、するしね。
手を回すの。


∀ガンダム
型式番号 System-∀99(本来)
WD-M01(ミリシャ内)
所属 イングレッサ・ミリシャなど
全高 20.0m
重量 28.6t
稼働重量 17.5t
ジェネレータータイプ DHGCP(縮退炉×2)
ジェネレーター出力 27,000kW (±5,000)
(W換算、推定値)
装甲材質 FE型
駆動型式 Iフィールドビーム駆動
武装 胸部マルチパーパスサイロ(ミサイル、ビーム・ドライブユニット他装備可能)
腹部ビームキャノン×2
ビームライフル
ビームサーベル×2
ハンマー
シールド
月光蝶
主な搭乗者 ロラン・セアック

∀とは、全称記号で「全てを内包する」という意味を持つ。

正暦の時代より遥か以前の機械文明により、太陽系外勢力からの侵略に対抗する為に開発され、かつて月光蝶により、地球圏の文明を滅ぼした機体[1]。その後は北アメリア大陸の町、イングレッサ領ビシニティ北部のマウンテンサイクル(アーク山)に長年祀られていた石像内に隠されていた。ビシニティの成人式の日、ディアナ・カウンターのMSウォドムに反応して起動する。
機構や外観から、ターンXと何らかの関係があると思われる。ターンXとセットで「ターンタイプ」と呼ばれる事もある。
運用思想は徹底した「単機による作戦行動」であり、通常の兵器に求められる「用途に応じた機能の特化」という大原則を無視したものとなっている。その背景には太陽系外勢力(後述)に対する恐怖心が、∀開発に関する全ての制限を消滅させた事に因る。
過去のガンダムシリーズのIフィールドとは異なり、∀ガンダムのそれは実体弾及び衝撃波等にも対応している。
動力源の「DHGCP」は、資料では「縮退炉を2基搭載したもの」としか記述されていない。小説版では「不連続超振動ゲージ場縮退炉」と記されており、その縮退炉から発生させたエネルギーを、内面に展開し縮退を起こし、更に機体の表面に干渉して機体を直接駆動させるIFBD(Iフィールドビーム駆動)が用いられている、と解説されている。なお、IFBD駆動により動力炉・ジェネレータなどによる容積を割かれない分、内部の空間自由度が高くなっている。
推進器は下半身に集中しており(脚部にスラスター・ベーンが搭載されている)、重力下でも有る程度の飛行が可能となっている。スラスター・ベーンはマイクロエンジン(超小型推進器)を用いた二次元ノズルの集合体で、その一枚一枚もさらに小さなベーンが集まって出来ている(フラクタル構造)。出現直後はスラスター・ベーンにナノスキンの残骸が詰まっていた為、この機能は充分に回復しておらず、第12話で使用可能となった。
装甲素材「ナノ・スキン」は多数のナノマシンから成り、高度な自己修復機能を持っている。生物の細胞が新陳代謝をすることで全体を維持するように、∀ガンダムの装甲も常にナノマシンによって修復を受けている。当初∀が石像のような姿をしていたのは、役目を終えたナノマシン(いわば垢)が長年の間に堆積し、機体を覆ってしまったのだと考えられている。なお、ディアナ・カウンターのMSにもナノスキンを用いたものがある。

コア・ファイター
コックピットは腰前部についており、フロントアーマーと合わせコア・ファイターとなる。コクピットはスモーのもので代用できるが、一部の機能が使用できなくなるらしい。
大気圏内ではマイクロノズルの高圧ジェット噴射と、翼の揚力で飛行する。真空中ではIフィールドと地表との間に生ずる擬似的な地面効果を受け浮揚、推進器を噴射して飛行する。46話でミサイルを搭載して出撃、ズサンを撃破している。このミサイルは本来の装備ではなく、サイズの合うものを適当に装備したもの。戦闘能力そのものは低く、主に移動・脱出用の装備となっている。


武装
ビームライフル
∀ガンダムの主兵装。共振粒子砲(リフェーザー砲)。粒子を固有振動によって収束させ、発射する。また最大出力で発射する際には銃床部分をスライドさせて使う。本機は巨大な宇宙戦闘艦と戦う事を想定していたため、高出力光学兵装を有している。
ビームサーベル
斬撃用光学兵装。プラズマを電磁場で固定し、敵を焼き切る。背部のプラットフォームに格納されている。∀本来の装備ではないという説もある。劇中で最も多く使われた武器。
ハンマー(ガンダムハンマー)
鎖に繋がったとげ付き鉄球に、推進用のロケット・モーターを内蔵されている。ハンマー部分からIフィールドを展開でき、それによって敵機体の駆動系に干渉できる。
シールド
ゲルググのシールドに似た形。かなり大型で、身を隠すこともできる。主にビームライフルとセットで用いられた。
胸部マルチパーパスサイロ(多目的武器庫)
胸部にある空洞の事。∀ガンダムは駆動システムの関係で機体内部に空洞が多く、ここに物を格納できるようになっている。劇中では牛や核弾頭、ミリシャ製のロケットを格納した。49話では一番下のハッチから拡散ビームを撃った。これはギンガナム軍の整備によって、機能の一部が回復したためと思われる。
月光蝶
背部ベーンからナノマシンを射出する。このナノマシンは文明の産物を分解して砂に変える。


呼び名について
本機は劇中では、ミリシャからは「ホワイトドール」、ディアナ・カウンターからは「ヒゲ」「白ヒゲ」などと呼ばれた。第9話で初めて、コレン・ナンダーが「ガンダム」と呼んだ。「∀ガンダム」という名前は、第23話でテテス・ハレが一度使ったのみ。アデスカでは同地の神話になぞらえて「白い悪魔」と呼ばれた。第43話以降はほとんどのキャラクターが「ターンエー」と呼んだ。


劇中での活躍
本機はアニメ第2話において、ディアナ・カウンターの砲撃に反応して神像「ホワイトドール」の中から出現。もっぱらこの機体を発見したロラン・セアックによって使用されることとなった。当初はどのような武装があるのかさえ分からない謎だらけの機体であり、またロランの穏和な性格もあって敵を叩きのめすような活躍は少なかった。むしろその一方、橋代わりになったり、胸部サイロで牛を運んだり、手首を回転させ洗濯機のように使ったりするなど、モビルスーツの原点回帰とも言うべき作業機械としての働きを見せ、作品を特徴付けることにも成功している。
物語が進むにつれて武装が発掘され、またその性能が少しずつ明らかになり、物語後半では驚異的な活躍を見せることとなった。一度はギンガナム側に奪われたが紆余曲折を経て奪還され、ターンXとの最終決戦時には両機共に月光蝶を展開、壮絶な戦闘を繰り広げた。死闘の末に両機とも大破し、共にナノマシンの繭に包まれた。他にソシエ、ジョゼフ、メリーベルが搭乗した。
曽我篤士版のコミカライズでは、ターンXとの戦闘で大気圏に落下し、コアファイターを除いて、ターンXと共に大気との摩擦熱で燃え尽きている。福井晴敏の小説版では、月面砲カイラス・ギリの2射目を受け止めた後、黄金に輝くナノマシンを地球に撒き散らしながらコア・ファイターを除いて崩壊している。このナノマシンがカイラス・ギリによって壊滅的被害を受けた地球の環境を回復させた。


映像化されていない設定

システム∀
本機は「システム∀」の実証機であり、DOC(デバイス・オペレーション・コントロール)ベースとの連携によって、一つの戦術システムとして機能する。しかし、システム∀自体の構想やシステムが、厳密には「何を指していたものか」は謎のままとなっている。一説ではマルチパーパスサイロと連動した支援システム(空間跳躍によって武装を転送するサポートシステム)が、それであるとする説もある。月光蝶やIFBDなどの各種のシステムのいずれまでが、システム∀に含まれているのかも不明となっている。
建造時期は宇宙世紀でいう7800年頃である。その誕生には大きく分けてふたつの説がある。
何処からか漂着したターンXを回収し、外宇宙に存在する未知の者達(=実はかつて地球圏を捨てて外宇宙へと進出したニュータイプやスペースノイドと呼ばれた人々の末裔)の存在とその驚異的な科学力を知った当時の地球圏の人間達が、外宇宙からの侵略を恐れ、その未知の勢力の侵攻に備えてターンXを解析し立案・建造された機体であるという説
当時、人類の文明のリセットを考える派閥と、科学文明維持を唱える派閥に分裂し、前者が「月光蝶」システムを搭載した∀を、後者がターンXを建造し、モビルスーツ同士の一騎討ちで雌雄を決したという説
以上の出来事が真実であると黒歴史は肯定しており、ビシニティの広場地下の基地設備も調査により「SYSTEM-∀99」構想に基づいたものと判明している。


DOCベース・7th-GMPT
また、DOC(デバイスオペレーションコントロール)ベースと呼ばれるモビルアーマーや、“7th-GMPT”と呼ばれる兵器(もしくはシステム)などの設定が考案されていたようだ。作品には出てきていないが、その名残があるものもある。
DOCベースは、∀ガンダムとセットで運用され、従来のモビルスーツの運用を覆す強力な戦術システムであった。ここで∀ガンダムの胸部に収める装備を状況に応じて変更しする整備・支援設備としての機能もあった。ベースはビシニティの地下に存在していたが、正暦の時代にはその機能を停止していた。設定画(もしくは設定画の案)もあったようで、その絵を元に雑誌の企画でスクラッチビルドによるモデル化がされたこともあった。
DOCベースや7th-GMPTは劇中にこそ登場しないものの、番組放映当初にバンダイから発売されたプラモデルの機体解説にはこの名称が明記されている。


小説・漫画で判明した設定
だが、実際には太陽系外からの本格的な侵略は起らず、人々の中から先祖返りを起こし地球圏への帰還を試みた一団(のちのムーンレイスのルーツであるとされる)を阻む程度に終わったという。『月の風』冒頭には黒歴史時代の∀がワンカット描かれており、右肩のサーベルラックには通常のビームサーベルとは異なる詳細不明の装置が取り付けられている。これらの兵器がどういったものなのか不明であり、月光蝶などがこれに含まれるのかも不明である。
福井晴敏著『月に繭地には果実』では、「月光蝶を前面に放射しバリアーを形成」「機体の一部とナノマシンが残っていれば、数千年以上の時間はかかるものの機体の再生が可能」「空間転移」などの機能も見せた。これは、小説版を初めとした他メディア展開の際に、要素を膨らませる事を可能とする余地であり、更に本編での戦闘規模が巨大化する可能性も視野に入れて、材料としての設定が莫大に用意されているためである(各設定資料集などの文献から、それらを思わせるような記述は存在するので、福井が執筆の際に渡された資料を参考にしたと思われる)。
このうち空間転移はアニメ中でも発動したような描写がある。第43話バンデットの前でビームサーベルを回転させた後と、第44話でソシエとスエッソンが戦っている場に登場したシーンである。


備考

デザイン
本機のデザインはシド・ミードによる。クリンナップ、細部デザインは重田敦司、武器デザインは沙倉拓実、コクピット内一部デザインは石垣純哉である。
本来は「スモー」として世に発表された機体が「∀ガンダム」となるはずであったが(後述)、あまりに既存のガンダムとかけ離れていたことからこちらのデザインとなった。それでも、既存のデザインを大きく覆すデザインであったことに変わりはなく、放映開始当初は、特にチークガードである、いわゆる「ヒゲ」部分に対し様々な推測(ブーメランになる、戦闘時に額に移動するなど)を呼んだ。これは全体の表面積を減らすことを意図したものであったが、富野由悠季監督も初めてこのデザインを見た時は戸惑ったらしい。
方法論としては、従来の「ブロックを積み上げた感じ」から、「表面に貼り付ける感じ」にした、とシド・ミードが語っている。機体の各部分にモールド(継ぎ目)処理が施されている。
シールドが大きくシンプルな事には、「大きければ大きいほど∀の身体が隠れ作画が楽」ということをスタッフがシド・ミードに伝えたという理由もある(石垣純哉の公式HPより)。当初のイメージでは「貝殻のようにきれいなシールド」という構想だったが、最終段階まで作画にその意図が伝わらず、ゲルググのシールドのような物として定着した。
コクピットが腰前部に配置されているのは、造形にとって異質な存在であるパイロットの出入りを邪魔しないためのものである。こうした工業デザインの観点からデザインされた∀ガンダムはシンプルであるが故のリアルさを備えてはいるが、そのためにキャラクターになりきっていなかったのだろうと富野監督は考えている。
結果的に大多数の支持は得られなかったものの、新しいガンダムとして見たファンの中では「動きに説得力のあるデザイン」など高く評価する声もあり、劇中での演出の評判も相まって現在では一定の固定ファンを得るまでに至っている。ガンプラのマスターグレード100体目を記念するキットとしても選ばれており、その説明書の序文で富野監督は「評価が芳しいものではなかったのは残念だったが、無駄な仕事ではなかった」という趣旨の評価を記している。


ゲームへの客演
『SDガンダム Gジェネレーション』シリーズには、『GジェネF』以降ほぼフル出場している。『Gジェネレーション SPIRITS』にはフル稼働状態と思われる本機が、実質的なラスボスとしてゲスト出演。全ての文明を葬り去ったMSとして、宇宙世紀の戦場を潜り抜けてきたプレイヤーの前に立ちはだかる。『スーパーロボット大戦α外伝』ではパイロットの乗換えが可能な機体であり、アムロやカミーユら宇宙世紀シリーズのガンダムパイロットが搭乗することができる。そのためロラン以外のパイロットによる∀専用台詞も収録されている。また、『SDガンダム スカッドハンマーズ』ではサイド3より発掘されたモビルスーツとして、アムロが搭乗する。こちらは月光蝶は搭載されていない様子だが、ナノマシンは搭載している。 その他、『ガンダム無双』や『A.C.E.3』など出演作は増えつつある。


バリエーション
System-∀98 プロトタイプ∀ガンダム
テストベッド∀とも呼ばれる前段階の試作機。完成機とは異なる胸部構造と、ターンXに似た頭部を持ち、やはりコクピットは頭部にある。
System-∀99 ∀ガンダム
System-∀99 ∀ガンダム フル装備型
∀ガンダム量産型

『月光蝶』の厄災以前、∀ガンダムから一部機構を排して建造されたらしい機体。文字設定上のみで語られていた詳細不明の存在だったが、安田朗『月の風』の冒頭にそれと思われる機体が登場した。のちにグエン・サード・ラインフォードが建造を画策した地球製の量産型∀との関連性は不明である。
スモーガンダム
∀ガンダムのデザイン準備作業でシド・ミードが描き上げた初期段階のもので、Mバージョンと呼称されていた。ボディはスモーのままで、フェイスカバーの中がガンダム顔になったようなMSである。名前の通り日本の力士に似たスタイルはユニークなデザインである。さらにここから∀ガンダムの決定稿デザインへと発展するが、この段階のものをクリンナップしてスモーが登場した。電撃ホビーマガジン誌上で立体化された際は、ガンダムに定番のトリコロールカラーで塗装された。
このスモーガンダム自体に特に設定などは付加されていないが、劇中ではスモーと∀はコクピットの互換性など、暗に何らかの技術的関係があるような存在として扱われていた。


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