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EP-18「あまり好きじゃない。」

皆、大嫌いニューハーフが登場。
私は結構気に入ってる。


「兄様・・・」

「瑠璃・・・まだ、俺は・・・目覚められそうに無い・・・」

「いえ・・・私は分身。お兄様の分身なのです・・・」

だから

「私が消える時間も・・・時間の問題でしょう。」

「俺が、消えて・・・瑠璃に・・・」

力を与え

「いけません・・・お兄様で無ければ・・・其れは、いけないのです。」

誰かが、話している。

久しぶりに、一人で眠りについたティアナは、それを異様と感じていた。

何と話しているのか。

ただ、其れを聞き取りながら、ティアナは眠りについた。













思い出すのは、その血の不味さ。

何故、その血を求めていたのだろうか。

一度、死の世界から生還したなのはの血は、不味かった。

プロジェクトFの産物で作られたフェイト・テスタロッサの血も不味かったのだ。

求めていた血の味が二つとも違っていたのだ。

「傷だけを負わせたのは・・・どうして・・・?」

「血の味を確かめたかったのよ。」

機動六課は壊滅に等しい状態。

また、本人が今回、直接二人の前に出向いたのは、高町なのは、フェイト・T・ハラオウンの血を求めただけの話である。

クロノ・ハラオウンには、まだ、この話をしていない。

「美味しかった・・・?」

「そうね・・・ブ男の血に比べたら・・・上手いけど、女としては、不味いわね。」

そこまで不味い物であったのならと、憐は思う。

美女の血は、美味いというのは、正にこのことか。

とは言え、例外的には二人の血は不味すぎたのだ。

後悔の念に駆られてしまう事がある。

また、殺し損ねてしまった。

前回は、燈也の介入。

そして、今回は血を求めて、怪我させるだけに終わった。

とは言え、鮮血が吹き出る、下手をすれば死んでいたといえる程の量を出していたのだが。

「女の血としては、最低ランクね・・・」

あの時、昆沌に落ちていたとき、憐の体は、燈也同様に弱っていた。

とは言え、燈也ほどの傷みではない。

ティアナと、瑠璃くらいの傷みだ。

しかし、その痛みに耐えながらも、憐はいつも以上に人を殺していた。

此処で、殺したとしても、全て、相手側の責任となるからだ。









「おぉ!!ヴィオラ二等空佐!!!頼む!!!この事態を・・・」

「えぇ・・・見事に、止めて見せますわ・・・」

もう、この惨事を

「見れないように・・・収めてあげる!!」

「ナ、何を!!!」

普通の刀型のデバイスを蛇腹剣に変化させ、そのまま、目の前にいる将校に向かってその場から動かずに、デバイスを振り下ろす。

体は、脳天から、真っ二つとなり、そのまま、憐は、ゆっくりと近づき、息の無い死体の脳と心臓を突き刺した。

「ふふふふふふ・・・」

この、殺しの感覚を憐は快楽として捕らえている。

この、快楽さえあれば、自慰すら最高潮へと達する事ができる。

「ははは・・・もう、さいっこう!!!!!!最高ね!!!!!!!堪らないわ!!!!!!!」

一人、胸をはだけさせ、胸に唾を垂らし、一人、絶頂に達する。

「しょ、将軍が!!?」

「あらぁ・・・」

「ヴィ、ヴィオラ・・・二等空佐!?」

「ふふ・・・餌が、ま・た・ひ・と・り!」

再び、血塗れのデバイスを垂らして、目の前にいる殺しの快楽に再び目覚めた豹は

「ヴィオラ二等空佐!!!ナ、何を!?私は!!」

「そう・・・貴方は、私の餌。殺人の快楽を満足させる為だけに、貴方はいるのよ!!!」

今度は、脳天を憐のデバイスである、シグマで、突き刺した。

突き刺したのと同時に、再び、憐はシグマを抜いた。

次の人間を殺す為である。

刃についた血液を舐め取り、その味を確かめる。

殺している。

この快感が、憐を満たしていく。

「ヴィオラ・・・二等空佐?」

「貴方・・・私の奴隷になる気は、無いかしら?」

一人の女性将校。

その、憐の快楽殺人者としての瞳に完全に怯えている。

「失禁して・・・可愛い子・・・」

「ヴィ、ヴィオラ・・・二等空佐・・・!?」

失禁までしても、憐から目を逸らすことは出来なかった。

逸らせば、殺される。

恐怖だけが、体の全てを支配していた。

「ゆ、許してください・・・」

「何を?」

「殺さないで・・・下さい・・・」

「私は殺してはいないわ・・・殺したのは、敵よ?」

耳元で、憐はそっと囁く。

耳元に息を吹きかけ、徐々にその将校のバランスを崩す。

「敵・・・じゃ、ありませんよね・・・ヴィオラ二等空佐は、私達を助ける・・・」

「そうよぉ?」

「助ける為に・・・」

「も・・・堪んない・・・」

殺し、殺して、何人の将校を殺してきたのだろう。

さらに、此処で怯えている一人の女性将校を見るだけで、興奮の身震いが体を襲う。

「可愛い・・・どこかで、隠れてなさい?いいわね。」

「は、はい・・・」

また、その可愛さで気まぐれで生かすことにした。

あらゆる人間の運命を一人握る事のできる一人の男。

「ヴィオラ二等・・・」

「キモイ、親父は嫌いよ。」

名前など、呼ばせる事など、無い。

故に、憐は、目の前にいた将校を殺す。

憐・ヴィオラという人間にとって、醜い人間は生きるに値しないというのが、このときの真理であり、哲学と呼べる物であった。

今回、殺した人間はどれくらいいるのだろうか。

本局の人間、地上本部の人間。

気に入らない将校は、殆ど粛清した。

使えない奴、自分に廃棄の烙印を押した馬鹿な将校の一人も。

何時、殺す事が快感となったのだろうか。

殺した人間を見ていくことによって、自分の中にある快楽のボルテージが上がっていく。

今回ここにきていた、殺したい人間は、殆ど殺した。

殺す必要の無い人間も、憐は簡単に切り伏せた。

しかし、殺せない人間が後に表れることとなる。

有無をも言わせず、憐は人を切り殺す事ができる。

唯一、その敵は倒すことが出来なかった。

目の前にいる、

「雑魚が!!」

其れは、簡単に殺す事ができると言うのに。

ここで、憐・ヴィオラが殺した死体の山の数は、30も超えた。

「憐・・・?」

「あぁ・・・ドゥーエ・・・」

「凄い、気持ち良さそうな顔・・・そして、何に怯えて・・・」

転がる死体。快楽に満ちている憐の顔の頬を、舌でそっと舐める。

「満足したわ・・・今日は・・・」

「ふふ・・・」

「あれ・・・恐い・・・」

「憐、・・・が・・・」

初めて、恐怖を感じる事の出来た瞬間。

其れは、スサノオ。

浦島悠介の降臨の事である。

憐の感じた恐怖が、そこにある。

全身、身震いし、体全体で、其れを感じる事ができる。

ただ、其れを眺めている事しか、憐には出来なかった。

しかし、其れは一種の快楽であるともいえた。

翌日、殺された将校達の首が、地上本局にて吊るされた。

誰もが、恐怖を覚える。

今回のテロ、スサノオ。

さらに、絶対最強と思えた兵器、ガーディアンが人間サイズの兵器に破壊されたということだ。

跡形もなく、破片も無く。

そのガーディアンのパイロットに着いてだが、其れは洗脳された死刑囚だった。

今回の護衛任務で、レジアスの忠実なる部下として、参加していた、パイロットは全員が死刑囚だったのだ。

解っているのは、非合法な取引によって、管理局に支配された囚人達。

ブラックウォリアと名付けられた人間達。

また、別の報告によれば、半分は犯罪者であり、半分は自分が最も信頼できる人間達。

また、ダンの報告によれば、血の色は赤ではなく、緑へと変色していたそうだ。









「ヴィヴィオ・・・」

瑠璃は、ヴィヴィオのお気に入りだった兎の焼け爛れたぬいぐるみを抱き上げた。

あの時、戦いの場で自分のしている事は、同等の実力者と、ティアナの力となってその力を制御するだけだった。

何故、結果的に、絶不調な兄一人に任せた物の、思いのほか早い限界を迎え、気付けば、高町ヴィヴィオは、連れ去られていた。

「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」

涙を流し、その兎を抱きしめながら、ただ、只管、此処に存在していないヴィヴィオに謝り続ける。

「もう・・・止めなさい・・・」

瑠璃の目元に、直接手を当て、突然現れた彼女は、瑠璃の涙拭った。

見えなかった、愛しの人の追いつづけた。

気付けば、その人を見つけ、着てみれば、此処にいたということだ。

気を失って、7の日が過ぎた時、瑠璃は目覚め、ティアナが見舞いに来た時には、既に、そこにはいなかった。

病室から抜け出し、今、此処にいるのだ。

「ティア・・・私・・・何も・・・」

「瑠璃は、役に立ってる・・・大丈夫だよ・・・そうじゃなかったら、昨日、あいつと戦えなかった・・・」

ティアナは、優しく、瑠璃を抱きしめる。

伝わってくる、ティアナの暖かさを、瑠璃は、消え行きそうなその体で体温を確かめる。

愛して、良いのだろうか。

「瑠璃・・・私・・・」

「良いんですか・・・?私・・・消えるんですよ・・・」

既に、スサノオは降臨した。

今、復活の為に、スサノオの意思関係無く、瑠璃の力は吸われつづけている。

何故、消えなければならないのか。

「あんたが消えるまで・・・一緒にいてあげる・・・あんたが、消える時は・・・ずっと、瞬きしないで見てあげるわ・・・瑠璃・・・」

其れくらい、

「あんたのこと・・・すきなのよ・・・」

「私は・・・」

ティアナ・ランスターを好きになる事によって、後の運命を知り、

「辛い思いを・・・」

「いいの・・・私は、其れを覚悟しているよ?」

「でも・・・」

まだ、煮えきる思いから、解放される事は無く。

「瑠璃は・・・私のこと、好きじゃないの?」

「好きです・・・好きだから!!好きだから、ティアと別れたくないし・・・だから、距離を起きたいんです・・・私自身が、辛く無い様に・・・」

「そんなことされたら・・・私、辛いわよ・・・」

そして

「それに、瑠璃がそうするなら私は・・・瑠璃を許さないわ・・・」

何れ、消える命であろうとも、其れを共有したい。

消えるまで、その肉体と呼べる器が、完全に消失するまで、一緒に共有したい。

瑠璃の望む事であれば

「なんだってする・・・好きなんだもん・・・瑠璃のこと。」

だから、今のティアナ・ランスターにとって、死ぬという事は

「恋人同士が・・・そんなんだったら・・・駄目なのよ。」

「ティア・・・」

「この前の事、本気だって、信じてるから・・・」

「わ、私だって本気です・・・ティアの事・・・ずっと、大好きでした。あの時、キスした時だって・・・」

月村邸で始めてであったあの時から。

出会ったときから、何処か惹かれているような部分がお互いにあった。

「傷ついたあんたを癒すのも・・・私の、今、できることなのよ・・・」

ただ

「瑠璃の全てを癒す事なんて・・・出来ないかもしれない・・・」

それでも、少し

「私が安らぎになるのなら・・・私は・・・一緒にいたい・・・」

「はい・・・ティア・・・」

それは、二度目の愛の告白とでも言った所だろう。

「私は、瑠璃の役に立ってる?」

「なってます・・・ティアは・・・充分に・・・私のことを・・・愛してくれてます・・・お父様や、お母様以上に・・・本当に・・・」

最初に出会ったときから、

「ずっと、貴方のこと・・・知りたいと思って・・・」

「私も・・・最初に、瑠璃を見たとき、そう思ったわ・・・」

お互いに、強く、そこに絆があることを確かめるように、ティアナは、瑠璃を抱きしめる。

「あんたしかいない・・・瑠璃しか・・・目の前にいる、瑠璃しかいないのよ。」

「・・・一緒に、取り戻すのよ。」

「はい・・・ティア・・・」

そして

「スバルのところに行こう。あいつも、ギンガさん奪われて、相当きているはずだから。」

「そう・・・で・・・」

礼儀正しく。

と、言うのが瑠璃の心情ではあるのだが、それを言う前に、瑠璃の口をティアナは指で止めた。

「敬語になってる・・・彼女の前で、其れは駄目。」

「ティア・・・良いの・・・?」

「そう。瑠璃が、敬語で私と喋るんだったら、直ぐに別れるわよ?」

「いや・・・」

「ふふ・・・」

ティアナが、病院に向かう為に、歩き出す。

瑠璃は、ティアナの手を、両手で、包み込むように優しく握った。

ティアナ・ランスターが、再び瑠璃の顔を見たとき、瑠璃のその顔は、泣いて赤くなった瞳と頬でなく、歓喜で濡れた瞳と頬になった。

「その・・・ティア・・・」

「ん?」

「抱きしめて・・・良いかな?行く前に・・・ティアの暖かさを・・・感じたいから・・・」

「おいで。」











新に、居場所を作り出した。

いや、この一週間、同じ管理局の人間を使って戦ってきて、掴んだ証とでもいうべきか。

燈也の私物と呼べる物は、皆、そこへと運んだ。

この一週間、敵の来訪が無かったのは幸いだった。

突然のスサノオの降臨によって、敵味方両方混乱に陥れたのは、お互いに好都合だったのだ。

一週間の間、寝る間も惜しんで、上の人間と交渉し、そして、最終的には後見人であるクロノから、クラウディアを預かる事となったのだ。

ついでに、

「クロノさんがきてくれたのだから・・・心強い・・・」

「お前にそれをいわれると、心強くなるよ。」

「優秀な艦長をこちらに来させる事が出来たんです・・・嬉しいですよ。」

「なのはと、フェイトは?」

前回の傷は、治っているものの、目覚める事は無かった。

ヴィヴィオが攫われた事をどう、言い訳ですれば良いのか、解らない燈也がそこにいるわけで。

「攻撃方法からして・・・」

「憐・・・」

恐らく、地上本局の前に捨てられていた死体も、憐がやったのだろう。

しかし、あの騒ぎの中だ。

確たる証拠など、何処にもありはしない。

故に、管理局は、憐を捕まえることは出来ないだろう。

「あの人は・・・快楽だけで人を殺すのか・・・本当にわからない・・・」

「燈也・・・この件は、僕に任せてくれないか?」

快楽だけで、人を殺す事など、誰にだってできる。

「はい・・・?」

自分の親友である憐を止めるのであれば、其れを行うのは、燈也ではなく、クロノである。

クロノ自身が、そう、自分に言い聞かせる。

「憐は・・・僕に、任せて欲しい。」

「解りました・・・クロノさんなら、あの人をとめられるような気がするけど・・・」

親友である憐・ヴィオラ。

其れを止めるのは、自分の役割であると受け止める。

憐と言う人間ほど、お互いを知っている人間はいないと思っている。

「無理とはいわない・・・その間、クラウディアの指揮をとるのは・・・」

「いつもどおりで良いでしょう。此処には、使える人間はいるわけですから・・・」

寝ていない事が、不調の原因となる。

少し、頭に痛みを感じた。

「少し・・・休んだら、どうだ?」

「そうですね・・・未だに、大規模テロ事件を交通事故の一種だと思ってるや面を相手にするのは、とても疲れました・・・」

「ふっ・・・そういうな・・・」

眠りに

「つかなきゃあかんよ?燈也君。」

「はやてか・・・」

「じゃぁ、僕は行くよ。憐を捜す為にね。」

「えぇ・・・」

はやてと燈也は、クロノを送り出し、燈也はそのまま机の上に突っ伏した。

こうして、突っ伏しているだけで、疲れが取れていくような気がした。

「あぁ・・・あかんよ。此処で、寝たら・・・」

「動く気になれない・・・」

「せめて、そこのソファで寝て・・・後の仕事は、私が引き継ぐわ。」

クラウディアの艦長室。

クラナガンの住民の血税から作られたソファの上に燈也は無理矢理、体を動かして、眠りにつこうとする。

「何か、音楽流す?水樹奈々とか、田村ゆかり、植田佳奈もあるで?」

「水樹奈々とか・・・三人とも好きじゃない・・・」

「うわ・・・今、全国の三人のファンを敵に回したで?」

「どうせ・・・オタクどもだろ・・・良いよ・・・何もしなくて・・・」

頭痛がする頭を抑えながら、燈也は眠りにつく中・・・

「切り替えなければ・・・なら無いな。」

自分の良頬を叩きながら、燈也は自分に活を入れた。

スサノオが、眠りについてから、全ての力が戻った。

意識自体、まだ、完全にスサノオは目覚めていない。

そのスサノオの男は、聖王病院にて、預かる事となった。

今は、その気配を感じる事は無い。

カリムも、そこまで恐怖を感じることが無かったのは、あの男の一部が壊れてしまっているからだろう。

故に、今は、安心して眠りにつくことができる。

今回の事は、敵にも見方にも、確かな時間を与える事が出来た。

昆沌から生まれた、時間は全員を再起させるのに充分だった時間と言えるだろう。

「落ち込んで・・・いるのかと思ったわ。」

「聖王・・・アマテラスを奪われたことか?まだ・・・だよ・・・俺達は、取り戻す・・・」

疲れる中で、すずかに伝えたいことは、まだたくさんあった。

娘の事も、開発された兵器の事、神である事、作られたテスタメントの事。

語れば、まだ、尽きる事の無い、伝えたいことを、すずかに伝えたかった。

すずかに、

「すずか・・・・・・?」

薄っすらと写る、自分の愛する人。

既に、目に入れる事すら、苦痛であるといえるが、瞳は真っ直ぐにすずかを捉えていた。

「あ、すずかちゃん・・・」

艦長室の中に入ってきた、蒼い髪の愛する人間。

愛している。

会うたびに、何回言って来た事だろうか。

数えるのも、愚かだと思ってしまう行為。

数える必要などないと、知っているからだ。

すずかの匂いが、燈也の中で匂いが睡眠薬と同じ効果となる。

「すずか・・・」

「今日から、暫くよろしくね。」

「大学は・・・?休暇が・・・終わる頃じゃないのか?」

「今度は・・・インフルエンザ。」

「随分と時期外れだな・・・」

すずかは、燈也の頭の横に座り、ゆっくりと、その燈也の頭を自分の太股に置いた。

「新型なんだって・・・」

「う・・・ん・・・」

燈也は、ゆっくりと瞳を閉じ始める。

何か、何か、安心できる。

自分の中で、眠りにつくことができる。

其れは、安らぎ、其れは、癒しであると、知っているから。

「瑠璃を・・・ティアに託してみたんだ。」

「ティアちゃんなら、信頼できるわね。」

「そうだな。」

燈也は、すずかに抱きしめられる。

自分のうちにある気持ちをそうやって、二人は分かち合う。

こうする事で、今までの事を解決させてきた。

「すずか・・・お休み・・・」

「うん。燈也・・・ゆっくり、今は眠りなさい・・・」

長き疲れから、解放された一人の戦士は、此処で一度、眠りにつく。

「さて・・・ここは、後・・・私が何とかする。」

「すずかちゃん・・・ごめんな・・・」

「良いわ。」

安らかな寝息を立てながら、眠る愛すべき人の頬に触れながら、目の前にいるはやてと、会話し始める。

「なのはちゃん達・・・」

「さっき、目覚めたよ。」

ここに来る前に、聖王病院へとすずかは、向かった。

既に、そこで目覚めていたのだ。

高町なのはと、フェイト・T・ハラオウンは。

「そう・・・か・・・」

「はやてちゃん・・・」

「何や?」

「なんでもない・・・」

眠る燈也の額を撫でながら、すずかは、そっと呟いた。

「瑠璃ちゃんには、もう・・・あったん?」

「うん・・・」

親友でありながらも、何処か、話す内容というものが、見つかる事は無かった。

「一つだけ・・・きいてえぇ?」

「何?はやてちゃん。」

「瑠璃ちゃんって・・・なんやの・・・?」

燈也が、時折、深刻な顔を見せる所を見逃していない訳が無かった。

「瑠璃は、普通の女の子・・・ティアちゃんと同じ・・・普通の力を持った女の子・・・」

「でも・・・おかしいんよ・・・瑠璃ちゃんかて、燈也君に聞いても、何もいわへんし・・・」

「今だけは・・・今だけは・・・良いでしょう?」

何故、そこまで、隠す必要がある。

「ティアちゃんに、瑠璃を託してきた・・・」

最後の戦いまで。

「いきれるか・・・それは・・・あの子・・・次第か・・・」









「親父・・・強いよ・・・」

「あぁ・・・」

体の調整を、ジェイルにしてもらったアヤが再び目覚める。

本来は、単なるプロジェクトFの遺産ではない。

通常のプロジェクトFの体で、キメラの遺伝子を使えば、此処で死ぬ。

しかし、アヤの体は朽ちる事は無かった。

逆に支配していた。

それには、一つの理由がある。

「アンゲルス・・・ノイド・・・」

今でさえ、管理局が触れることを禁忌の世界。

天ノ国と名付けられた、触れえざる世界にて、ジェイル・スカリエッティは、そこに一時的に身を隠した。

その時に出会ったのは、神と呼べる存在の人間達と、人間を裁く神たちの存在。

さらに、目の前に一つの人間に近い、人間ではない能力を持った生物が、目の前に降って来たのだった。

情報は、既にそこで街頭のテレヴィジョンに写されていた。

アンゲルスノイドと。

それと戦う物の人間達の名前を、テスタメントと呼ばれている事を。

故に、スサノオの見たとき、ジェイルは感じ取った。

アレは、テスタメント。

天ノ国の住人であると。

三つの人間の血で、アヤは構成されている。

テスタメント、アンゲルスノイド、そして、自らの血をハイブリットさせる事によって、今のアヤを構成した。

其れによって、通常の戦闘機人とは比べ物にならないほどの力を手に入れたというわけだ。

「オーバーリミットを解除すれば・・・」

それは、人間、いや、既に本物のテスタメントと対等に渡り合える、アンゲルスノイドとして、覚醒する。

しかし、本当に其れを行えば、アヤという人間自身が、どうなるかわからなくなる。

既に、ジェイルの愛しているアヤという人格は、消えるかもしれないという恐怖が、ジェイルを襲う。

「其れで・・・聖王の器は、どうなった訳?」

「精神が、完全に封印されていてね・・・予め、レリックを埋め込んで、新に人格を形成するしかないだろう。」

「そっか。痛い思いをしないで済むんだな・・・」

アヤの中で、どうも、あの日のあの戦場から離脱する時にルーテシアが、泣く声を聞いて以来、幼女が苦痛を味わうというのは弱点に近い物となりつつあった。

「人格の形成・・・また、時間がかかるね。」

「今回は、そうでもないさ。そうだ・・・後、宣戦布告をしないと・・・」

「あぁ、この前の映像の奴ね・・・」

スサノオの降臨によって、全てがうやむやとなってしまった。

廃墟の殆どを、消滅させてしまったのは、脅威としか思えなかった。

「既に、人格の形成はし終えているさ。後は、目覚めるのを待つだけだ。」

「目覚め・・・か・・・」











「ジェイル・・・スカリエッティの・・・宣戦布告・・・?」

陽が落ちるとき、突如の騒動に、燈也は目を覚ます。

「すずか・・・っ・・・どういうことだ?」

「解らない・・・突然、入ってきた・・・」

取りあえず、その映像を燈也は眺める。

ジェイル・スカリエッティの宣戦布告の映像は、予め録画してあるように見えた。

「すずか・・・違和感が無いか・・・」

「え・・・?」

「眼が・・・痛くなるような感覚・・・」

時空管理局を支配し、今尚、この映像は流れている。

「シャーリー・・・」

燈也は、だるい体を起こしながら、オペレーターを読んだ。

「はい。なんですか?」

「この映像・・・録画してあるか?」

「いえ・・・」

「なら、今すぐ録画してくれ・・・10秒録画した物でいい・・・それを、ネクサスに送ってくれるか?」

「一体・・・何を・・・?」

「下手すれば・・・」

「取りあえず、録画を開始します・・・」

「あぁ・・・頼む。」

何かある。

この10秒を長く感じる事は無かった。

「録画完了・・・映像を送ります・・・」

送られてきた映像。

燈也は、其れを眺め始める。

やはり、違和感が有る。

「ネクサス・・・」

しかし、それが、よく、解らない。

「燈也・・・?」

「まだだ・・・」

「ネクサス・・・さっきのより、遅く再生してくれ・・・」

「OK。」

先程より、遅く流れた映像。

一瞬、何かが入った気がした。

「ネクサス・・・コマ送り。」

「OK・・・」

コマ送りで、流れ始める。

録画された映像。

そこに、何かがあった。

「燈也・・・これ!!」

「あぁ・・・最悪の場合、全員に・・・施されているだろうな・・・」

「燈也さん・・・?」

「シャーリー・・・六課の人間を、今すぐ・・・クラウディアに・・・」

「古典的な手ね・・・」

「あぁ・・・自分の手を、汚そうとしないからな・・・だから、皆、引っかかる・・・」

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