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EP-08「覚醒の咆哮」

あー…もう、どうでも良いや・・・
返り打ち。


自分の手を汚さず、嫌いな人間が傷つくと言う事が嬉しいのは人間にある感情の一つだ。

人をねたみやすい人間なら、誰しもが持っている感情。

傷つけられた人間は、この男にとって這う財人間。

うざすぎた人間。

「燈也・・・これが、結果だよ?」

「・・・」

燈也は、何も言わずに、なのはを睨む。

「貴方の無茶な訓練が、今回、ティアナがミスを!!」

パンッ・・・

「燈也さん・・・」

「燈也!!」

なのはが、燈也を叩いた。

そこには、怒りの感情があった。

「っ・・・うるさいんだよ。あんたは・・・相変わらず、自分を正当化する性格は・・・変わっていないな。」

「それに、ティアも自分の体調管理はしっかりしなきゃ・・・だめだよ。」

(その夜に夢中になって熱血始動したのは、何処のどいつだ・・・)

生まれる不信感。

全ては、なのはの弟である燈也についたことが、原因か。

「ティアナ・・・考え直さない?私と・・・」

「遠慮します。私は・・・」

あくまでも、燈也に従う。

今まで、燈也に見てもらうことで、その力を見ることが出来たからだ。

「そっか・・・」

ここで、黙っていた燈也が、とうとう、口を開いた。

「なら・・・あんたは、何でアヤ・スカリエッティに攻撃を仕掛けなかった。」

「燈也・・・なのはだって・・・突然の事で・・・」

「突然・・・ね。」

出鱈目なアドバイスを送り見殺しにしようとした。

実際、あのフロアに燈也がいなくても

「あんたは、何も守れやしない。」

「そんなこと!!」

「あいつは強い。あんたよりも、フェイトよりも。」

与えるのは、失望とでも言うべきか。

「弱い奴は、弱い。だから、あいつは意識不明の重症を負った。」

見事に、肩から、全身を、あの太刀で貫いた。

狂気を含めず、無邪気な表情を浮かべて敵を殺す。

そこに、罪悪感はない。

「弱い奴は弱い。」

だから、

「あいつは、俺に何度も殺されかけ、今回も殺された。」

「私は!!」

「行ってやれよ・・・見舞いに行けば、喜ぶだろ?」

既に会話は無意味。

それは、まだ、二人が対立している証拠。

「変わらないね・・・」

「あんたもな・・・あの時、あんたがすずかの言うことでも聞いてれば・・・」

「それは!!」

わかっている。

あの時、和解はしたはずだった。

しかし、とある事件が、二人の溝を広げてしまった。

だから、なのはは燈也への嫉妬心のようなものがあった。

いや、溝を広げる為に、これが起こったと言うべきか。

フェイトとすずか、はやては二人の仲を修復させようとしても、それはうまくいくことはなかった。

久しぶりに見た、燈也の黒い部分。

しかし、それが、本来の人間らしい部分である事をティアナは燈也から知った。

燈也は、自分で告げる。

自分は、嫌いな奴と好きな奴の差が、激しすぎるのだと。

だから、平気で、出鱈目なアドバイスを送って、一人平気で笑ったり、なのはやフェイトを、あの時、平然と殺そうとする事が出来た。

決して、白のみでできている人間は存在していないと。

そのまま、意味を無くして、なのはとフェイトは去った。

「ティア、瑠璃・・・行こうか。」

「燈也隊長・・・はい。」

「各自・・・解散だ。君等の隊長が、あの状態だからね。」

あくまでも、嫌味っぽく。

スバルは、あの燈也を既に見ているが故に知っている。

しかし、エリオとキャロは、一日限り、世話してもらったとは言え、見たことのない燈也に、困惑していた。

「隊長で・・・お願いしたいんです。燈也さんだけで・・・」

「とりあえず・・・暫く、僕は一人でいる。夜に・・・落ち合わないか?瑠璃と一緒に。」

「は、はい・・・」

「今は・・・夕方まで・・・ゆっくりしよう。」

強がっていた事はわかっている。

自分の部下が、また、殺された。

ただ、

「それでも慕ってくれる事には・・・感謝するよ。ティア。」

「いえ・・・」

「ティア・・・行きましょう。」

「ん・・・瑠璃。」

アイツは

「僕を・・・・・・」

「瑠璃・・・本当に、私は強くなれる?」

「はい。絶対に。」

「夕方までは・・・休みましょう。」

「えぇ・・・瑠璃・・・」

強くなる事に、固執する理由は、かつての兄にあり。

「私は、燈也さんが・・・どうも、性格違うのに・・・兄のように思えてさ・・・」

「ティーダ・ランスターさんでしたっけ?」

「うん・・・であった頃にさ・・・燈也さんに、ミッドで見せ付けられて・・・最初に出会ったときは、剣術を覚えていけばいいということ。」

そして、

「再会した時は、どこか・・・本当に、被ったんだよね。」

兄、ティーダ・ランスターと。

「あの人は、強い。だから、あの人が言う事をすれば、結果的に強くなった。それは、形となって表れたしね。」

「えぇ・・・」

強いのだ。

「過去の映像を・・・片っ端から、見たわ。」

それは、

「凄いじゃない!!凄い、動くし!!なのはさんも、フェイトさんも!!」

片っ端から

「破壊していくような動き!!」

その強い人が

「私に言ってくれたのよ?君は、僕と同じ・・・人種だってね。」

自分と同じ魔術を応用しながら、さらに、強化、発展、絶対的な破壊力。

生き残り、勝つための力を身につける。

「嬉しかった・・・この人なら、絶対に強くなれる。」

それは、ある種、高町なのはより信頼できた。

一つの所以。

だから、新人時代に配属された時は、必死に自分を磨き上げ、喜んでもらおうとして

「現に・・・ここまでこれた。」

個人練習して、身に付けたスキルも、燈也は、

「誉めてくれたんだ。」

「嬉しかったんですね。」

「うん・・・手伝ってくれる?」

「貴女の為なら・・・」

生まれるは、確たる絆。

確たる溝。














「ティーダ・ランスター・・・過去の人間か。」

一度、任務で共に戦ったことがあった。

11になり、クロノと共にそれを見た。

ティーダ・ランスターと言う存在は、妹思いの兄。

全ては、優しく、激しく。

一時的に、共に行動する事になったのを覚えている。

その時に出された、ティアナ・ランスターの写真で、一瞬、その潜在能力を感じ取ったのだ。

強く、激しく、荒々しく、神々しい物。

そのヴィジョンが移った。

この、数ヵ月後に、ティーダ・ランスターは、冥府の扉を開き、そのまま、旅立っていったという。

一度、それに触れたとき、ティーダ・ランスターは、優しき男であった。

平凡な能力でありながらも、優しく実力はある男。

だが、その能力を嫉妬しての事か。

犯人を逃したのは失態と非難された。

しかし、そこにミスはなかった。

いや、それは、仕組まれた事。

その絆を引き裂いた神の目的があった。

死体にしてまでも、運び込む。

何故、それは必要であったのか。

それは、彼とて、ティーダ・ランスターは、テスタメントであったからだ。

神ではなく、珍しく邪神のテスタメント。

邪神の名は、ヴェルフェゴール。

まだ、目覚めていないのは幸いだったと言えるだろう。

殺してまで、その死体を運び込んだ人間の正体の名は、イエス・キリストと名乗る男。

過去に、自らの分身を置いて、自分が、それを殺した男。

それの本体が、ティーダ・ランスターを殺したのだと言う。

この中にある、疑問。

思い浮かぶは、未来の知らせ。

夢の中の予言。

予知夢と呼ばれる物。

それ、テスタメントである者の証。

これを、利用した。

テスタメントのサンプルとでも言ったところか。

思い出す、過去の思い出。

消えた命の炎は、変える事はなかった。

時折見る、破滅の世界。

今日も、また一つ

「世界は消える・・・か。」

まだ、ミッドチルダに達していない間に、ここで、準備をしなければならない。

いくつかの宇宙が、崩壊しようとも。

いくつかの多次元宇宙が、消えようとも。

まだ、ここで、準備をしなければならない。

ただ、今は、待つだけの世界。

「ヴェルフェゴール・・・」

邪神の名。

目覚めるのは、この事件の終末の後。

「確か・・・言ってたよな・・・」

「はい?」

「ティアの・・・潜在・・・能力を・・・!!」

「えぇ・・・」

「頼めるか!?俺の代わりに・・・ティアを育てて!!」

最後の言葉

言われた、一つの言葉。

自分が、彼女を育てていいのだろうか。

いずれかのヴィジョンを思い浮かべる中で、その存在はとある事件で、一度忘れ去られてしまう。

それどころでは、無くなってしまったからだ。

しかし、あの時、出会ったことによって、今日までのことを思い出した。

ティアナ・ランスターに拘っていたのは、テスタメントだからではない。

ティーダ・ランスターの言葉を、自分が受け止めたからだ。

だから、他の人間には、

「手を出して欲しくなかったんだ・・・」

久しぶりに気付いた、自分の感情。














「月村隊長・・・?」

「ヴァイス・グランセニック?」

ティアナの要望には応える。

それ故に、燈也は、深夜にも関わらず動き出した。

条件は、ティアナの体に限界が訪れたとき、その日の訓練は終了させる。

一日でも、其れは足りないほどに。

何か、偶発的に覚醒すればいいのだがと、思わずに入られなくなる。

あの計画が、本当に、現在発令しているのなら、

「彼女は僕が見る必要がある。」

「いや・・・俺も、思うんですよ。あの人の言うとおり、そこまで巨大な力を持つ必要なんて・・・」

「既に、僕の育てた部下が、同じ奴に6人殺された。」

「んな!?俺だって、知ってますよ!!彼等の実力は!!しかし!!」

「事実だよ。」

「し、しかし・・・」

「・・・事実だ。」

「信じられる訳がないでしょう!!」

異様

とでも、表現しているのだろう。

この男にとって、一度、フルメンバーが

「本局で揃った時の気迫だって、飲み込まれそうになるほどだった!!そんなの!!」

「現に・・・あいつ等より、敵がいるってだけだ・・・」

「強いですね・・・」

「もう、泣いたよ。消え行く、その死体を見たときにはね。」

ホテル・アグスタ襲撃事件…死傷者:27人 意識不明を含む重軽傷者:108人

中には、気付いた時には、斬られていたと言うものがいた。

結局、機動六課が護衛に配属され様とも、人を守ることは出来なかった。

いや、そこまで万能な人間など、存在しなかった。

それだけ、戦闘力の高い人間が、紛れ込んでいたと言う事だ。

さらに、あのデモンストレーションだ。

管理局の、将校達がいるフロアにて、その目の前で、防御に定評のある男に重症を負わせた。

「ぼくは・・・アヤ・スカリエッティと申します。お見知りおきを。」

アヤ・スカリエッティ。

強靭な体を持った男。

高い魔力を持った男。

その人間、最初に、恐れたのは、その、スカリエッティと言う名。

「一体、敵は・・・」

「知らなくて良い。君が、立ち向かえるほどの領域にいる人間ではないという事だ。」

既にそれは、テスタメント。

神の如き、高き領域にいるもの。

「どういう意味ですか・・・今回の敵の前では・・・まるで俺が・・・」

「綾って奴の前ではね・・・それでも、あんたにはできることがあるさ…」

今、燈也を覗いて立ち向かう事ができるのは、

「瑠璃か、ティアナ・・・くらいだろう。」

「な、なにいってんですか・・・あいつが、そこまで・・・」

「君は、何も知らない。知らなくても良い。」

そう言って、燈也は、ヴァイスを置いて歩き出す。

ティアナ覚醒は、後に必要となる。

今が、急ぎすぎと言われようとも。

これ以上、殺させたりはしない。

故に、強靭な力を身につけてもらわねばならなかった。

アヤと対峙した時、五体満足で生き残れるようにする為の強化。

「アヤ・・・」

生き残る為の、勝利の為の力。

「瑠璃・・・私は・・・」

「大丈夫です・・・安定しています。」

「あの敵と戦ったら・・・私は、どうなる?」

「死にます。確実に。」

「確実・・・ね。」

「お父様から、データは貰いましたからね。」

ティアナ・ランスターと異常なまでの体の密着。

そうする事によって、イメージを植付け、より扉が開きやすくなるようにする。

己の中にある力の扉。

「そろそろ・・・抉じ開けなければ・・・」

「何割方・・・開きかけてる?」

「燈也さん・・・」

「まだ、8割方ですかね・・・」

「まだ・・・そんなにぃ・・・?」

しかし、それでも、

「早い方だよ。」

やはり、それは、テスタメントであると言う証拠か。

しかし、この中にある力は、高い。

今、こうしているだけで感じる事ができるのは、神の力を有している時。

「何・・・これ・・・」

「ティア…!?」

突如、体の中が熱くなった。

燃えるかのように、それは、熱く、焼きつくすかのように。

「まさか…無理やり・・・開いたのか…アレが…この前のが、トリガーになって、今・・・ここに。」

「まさか・・・」

感じた。

ティアナ・ランスターと言う人間の中で、何かを感じ取った。

体が、熱くなる感覚。

烈火の如き、熱き感覚が、ティアナの体を支配する。

解る。

この後、どうすればいいのか、ティアナ自身、よくわかっている。

急ぎ、立ち上がり、その手に、炎を収束させて、クロスミラージュを通して、それは、覚醒しだす。

見える。

自分の中にある、過去の歪んだ記憶。

一度、殺された。

そして、二度目の転生。

そして、今回が、三度目の転生。

過去の記憶が、全て、自分の中に入り込んでくる。

生まれ来る、炎の記憶と、光の記憶。

それは、破壊の歴史。

戦争の歴史。

自分は、前線へと立ち戦の舞を踊り敵を燃やす。

解る。

このことが、わかる。

記憶に、示されるように、それは力強い。

あぁ、そうだ。

知っているんだ。

自分が、どうするかなど。

ただ、扱っていた武装が、デバイスが違うだけ。

意味はない。

しかし、その意味は、強き意思。

舞い上がる炎。

吹き荒れる嵐。

だから、

「私は・・・」

瑠璃は、ティアナから離れ、その仕草をただ、眺める。

「ヴォルカニック・・・ワイバーン・・・!!」

「やれやれ・・・早いね。」

「えぇ・・・そして、彼女は、美しい。」

クロスミラージュの小さき、銃口から、生まれ突撃する翼龍。

炎を身に纏ったワイバーン。

「やはり・・・炎の神・・・」

それは、周りの木々を焼き尽くし、暴れ、究極の者の象徴。

踊るように、それは、ティアナに従い、暴れ、燃やす。

そして、その奥にある炎の化身。

「これは・・・」

「えぇ・・・驚きました・・・まさか、アレを具現化させるだなんて・・・」

ティアナに纏わりつく炎のオーラは、一つの形となりて、物を作り出そうとする。

それ、神の装着していた鎧。

ティアナは、自分の気持ちを落ち着かせ、全てを収束し、力を収めた。

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!」

叫びと共に、ティアナ・ランスターから全身炎が噴き出て、目覚める。

「一応、あけるべき扉は・・・一つ開いた。後は七つは・・・簡単だよ。それが、開いたからね。」

そして、

「今の状態で、クロスファイヤーでも・・・撃ってみようか。」

「クロスファイヤーを・・・ですか?」

「あぁ。今、消えれば、今度は・・・全てを開いたときだ。」

「そう・・・なんですか?」

「一つ開いただけじゃ、力の制御は出来ない。今回は、ただ、開いただけだよ。」

その間に、できることをするのみ。

「弾の一つを一つを・・・」

自らが、望む形へと変化させる。

「ワイバーン・・・凄い・・・全てを生み出した。」

クロスファイヤーの弾丸が、上空二枚、そこで、翼龍を生み出す。

炎の翼龍は、ティアナが、トリガーを引くのと同時に、舞踊る。

自分の意志で、舞踊り、美しき、魔法陣を描く。

その魔法陣から呼び出されたのは、紅龍

「バハムート・・・」

「かつて、イエス・キリストが見たという、龍ですか?」

「あぁ。それを、彷彿させる。」

その紅龍は美しい。

「おいおい・・・アレが・・・ティアナかよ・・・」

ヴァイスは、流石に、驚愕した。

まさか、これほどの力を、ティアナ・ランスターと言う人間が、所有していたのだ。

驚かずには、いられなかった。

「消す時は・・・いつもと同じように・・・」

ティアナが、止まれと念じれば、それで終わる。

「止まった・・・」

「これが・・・」

「本来、ティアに備わっている力だよ。」

本来の持っている力。

「ティア・・・」

「スバル・・・」

「凄いよ!!ティア!!」

流石に、感嘆せずに入られなかった。

自らの中にある、本来の力。

それが、今、覚醒したのだから。

とは言え、一時的なものである。

ここから、7つの扉を開く事が出きれば、完全なる覚醒となる。

テスタメントであるのなら、その際、中にいる神と再び出会うことになるであろう。

それは、かつての自分。

神であった自分との出会い。

「さて・・・ここからなんだが・・・取り合えず、今日はゆっくり休め。ティア。」

「は、はい!」

自身を持つことは出来た。三人を見送った後に、燈也は、一人笑う。

優しく、ティアナ・ランスターの頭を撫でた。

これを、ティアナ・ランスターは嬉しかった。

「燃えるね・・・」

燈也は、夜に一人ほくそえむ。

そうであるのなら、

「楽しませてもらおうかな。」

全ては、この成長の為に。

存在している。

紅蓮の線乙女の完全覚醒はそう、遠くはない。














「ティアはさ・・・何か、凄いね。」

「そう・・・?」

「うん・・・瑠璃も、ティアも、凄い。私だって・・・」

「まだまだじゃ・・・ありませんよ。既に、立派な物です。」

「瑠璃・・・何か、見た。」

「え・・・?」

過去の中にいる自分の夢。

炎の翼龍を生み出したときに見たものは、強く、激しく、荒々しかった。

その中で、過去に炎の舞を踊りながら、敵を燃やし尽くしていた。

荒々しく、それでも、美しく舞踊る舞姫である戦乙女。

ティアナ・ランスターに、見た、その記憶。

焼き尽くす事には抵抗なく。

「炎は、舞い上がる・・・か。」

「ティア・・・私も、ティアの力になりたい。」

「え・・・?」

「ティアが、強くなるように。」

早朝練習も、夜間練習も、全て、一度覚醒し始めてから、気合の入り方が変わってきている。

「さて・・・スバルは良いのかい?あいつに何も言わずに、こうして。」

「え、と・・・はい!私は、ティアの力になるって、瑠璃と決めましたから!」

「ふっ・・・」

三人のコンビネーションアタックは、実戦では使えない。

まだ、使用できるほどの高い汎用性を有していなかった。

しかし、これは、

「利用はできるな・・・」

とある人物怒らせる為に。

(利用・・・しますね。お父様は・・・)

瑠璃は、燈也に念を送った。

(ティアが完全覚醒した後は・・・どうなるかな?)

その、犠牲となる筈の人物はどうなるであろう。

楽しみだ。

不適に、燈也は笑う。

怒りを換われることになったとしても、既に、それには慣れている。

「うぇ・・・」

「ティア!?」

「瑠璃・・・?大丈夫。」

「今日は、やめて置け。」

「燈也・・・さん?」

「やめておけ。そこまでだ。」

「は、はい・・・」

「明日の模擬戦、ティアとスバルの二人・・・楽しみにしているよ。」

「「はい!!」」

燈也に諭され、三人は戻る。

「目覚めるとき・・・炎珠の乙女・・・覚醒を待つ。」














後日













「燈也は・・・何を教えているの?」

そこにあるのは、怒り等の感情。

切れのない、クロスファイヤー、特攻気味のスバル・ナカジマ。

「もう・・・始まっていたか。」

おそらく、覚醒するのは、この日。

「燈也・・・切れが、ねぇんだよ・・・ティアナ・・・」

「そうだろうね・・・アレほど、練習していれば、疲れはするさ。相変わらず・・・昼の訓練では、余計にしてくれるしね。」

それでも、諦めてはいなかったと言う事だ。

ただ、したがっていたのは、燈也となのはとの違いを、受けることによって見せつける為か。

「お前・・・最近、何を見てるんだ?」

「何もいない。一度、目的は達成された。アイツには・・・姉さんには、覚醒の鍵になってもらう。」

普通なら、あのコンビネーションは危険すぎて、止めていた。

しかし、

「覚醒させるには・・・ちょうどいいだろう?」

目覚めて、

「実験台になってもらうからね。アイツは・・・ティアの。」

だから、疲れた状態になっても。

「燈也!?なのはに、何をさせるつもり!!」

その時、爆発が起きる。

おそらく、コンビネーションアタックは、失敗したのだろう。

フェイトは、今の燈也の顔に、かつての燈也を見た。

それは、復讐鬼としてのトウヤ・テスタロッサとしてのか。

「燈也!!」

「フェイト・・・見ていれば良い。」

「お前・・・何を・・・」

ヴィータは、隣にいる燈也を見て、流石に、恐怖した。

なのはは、クロスミラージュのダガー形態を押さえ込み、スバルの拳を抑えた。

ダガーを押さえ込み、滲み出る鮮血。

ダガーは、その血液を吸い出す。

「ブレード形態は、出していないね・・・ふふ・・・」

「燈也!!何を・・・させるの・・・!?」

「戦乙女の覚醒だ。」

見るといい。

「なのは!!!!!」

「叫んでも、無駄だよ。どうなるか・・・知らないんだから。テスタメントである事なんて・・・既に忘れてるしね。」

それは、

(ティアは・・・もう、失いたくないんだ。かつての兄や、俺の部下のように・・・)














「アタシは!!もう、誰も傷つけたくないから!!なくしたくないから!!強くなりたいんです!!もう、ソルさんたちを皆を、失いたくないんです!!」

この思いこそ

「覚醒の証・・・」

燈也は、笑う。

「ティアは、彼等とは違う・・・ほら・・・無理して、燈也の訓練を受けてるから・・・」

ただ、冷めた目で見る、その、贄となる女。

「なのは・・・なのは・・・なのは・・・」

「貴方は、燈也さんのように、私を強くする事は出来ない!!」

感情に身を任せて。

「少し・・・頭、冷やそうか。」

撃ち放たれる。

なのはの、クロスファイヤーは、洗礼と呼ぶべき物であるのだろうか、それを、直に喰らったティアナは、既に、そこに意識はない様に見える。

目は虚ろとなり、何を見ている。

お前は、何を見る。

まだ、そこに、お前に

「力はあるのだろ?」

「え・・・」

「かつての私よ・・・!!」

ティアナ・ランスターに語りかけてくる声。

受け入れよ。

神を・・・

「よく見ていて・・・」

そして、もう一撃、バスターを放出。

燈也は、何も言わない。

何をしている。

このままでは。

スバルは、気付いていない。

その奥にある燈也の本心を。

「ティア!!!」

直撃。

「あれ・・・?」

落ちる。

その、姿。

ウイングロードに落花する姿は、華の如き。

美しく、舞い落ちるその姿は、神が消えるときか。

「覚醒した・・・!!」

燈也は、呟いた。

「燈也・・・解ったでしょ?」

なのはは、そのさめた目で、燈也を見た。

「どうかな。まだ、ティアは死んではいないよ?」

燈也は、ティアナを指差した。

「立ち上がってる!?」

なのはは、いや、その場にいたすべての人間は見た。

ティアナの周りに、漂っている、血か、いや、炎を纏ったそのオーラ。

その全身に、誰もが、神を見る。

湧き上がる力。

アレが、ティアナ・ランスターなのか。

誰もが、その異様感に恐われた。

歪んでいるような形から、確たる形へとか割り出し、燈也と瑠璃を除く、違う人種の人間と、全ての生命に見せ付けるかのように、それは、舞い上がり、見下ろす。

正に、神として、このティアナは、そこに君臨している。

焼けるような感覚など、そこには無く、逆に熱くなるほどその身に活力が戻る。

赤きオーラは灼熱と変わり、灼熱のオーラがティアナ・ランスターを囲むのだ。

傷ついた体は、炎の加護によって全ては癒され、その目に活力が戻り、全てを超える存在、炎の化身、いや、炎の神として、覚醒した。

これは、余興か。

否、それは否。

覚醒の証。

ティアナ・ランスターは舞う。

炎の舞、それ、即ち、カグツチの舞。

灼熱のオーラは、ティアナ・ランスターが舞えば、舞うほど、その形を創り出していく。

まだ、具現化はされていないものの、それは、ティアナ・ランスターのみを包んだ。

これ、覚醒の証。

炎の神、カグツチ=ティアナ・ランスターとして、君臨した証。

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

目覚め。

「これが・・・私?」

「ティア・・・意識はあるね?」

「はい!!好みに・・・!!これが、私!?私なんですか・・・」

それは、歓喜か、衝撃か、驚きなのか。

ただ、この身にあるわ、究極の炎の神。

古似て、早く、その首を立たれ、数々の神を生んだ、ある意味での、母と呼べる存在。

これは、

「俺の・・・」

「俺・・・?燈也?」

かつての

「我が・・・母。」

その血から、建御雷神は生まれた。

炎から、雷は生まれ。

「美しい・・・その姿・・・」

燈也は、思わず、その姿に見とれてしまう。

美しすぎるのだ。

故に、誰もが、スバルも、キャロも、エリオも、ヴィータも、フェイトも、なのはすらも誰もが、見とれてしまう。

全てが美しすぎた。

芸術品とでも、呼べる者か。

かつての、プレシア・テスタロッサのように。

なのはや、フェイト、はやて、リンディ、桃子には無い。

すずかと同じような、美しさ。

ただの、リンカーコアの有しただけの人間は超えることの出来ない美しさ。

これぞ、神の美しさ。

「あの輝き・・・あの時・・・全力で戦った・・・」

「そうだ。すずかと燈也に似てやがる・・・」

すずかは、闇の書の防衛プログラムの中でその光を呼び出す。

燈也は、あの闇の書のプログラムから、破壊し抜け出した時。

お互いに、光り輝いた時の、究極の神の光。

「燈也!!」

「その通りだ。ヴィータ・・・覚醒したんだよ。」

「これは・・・神の化身・・・テスタメント・・・そして、僕の目指している、SAVERだ!!!」

神の名は

「火之夜藝速女神・・・またの名を、カグツチ!!!」

燈也の目指した物の一つ。

「まだ・・・模擬戦中だったね。ティア・・・今日の訓練だ。」

「燈也・・・さん?は、はい!!解りました!!」

「高町教導員を・・・倒せ。」

容赦する事なかれ。

「燈也!!もう、良いでしょう!?あの、今のティアナと戦ったら!!」

流石に、この状況は、不味いとフェイトは悟る。

「一時的に死に瀕した神は、蘇った。」

神が蘇った時、この力は

「神は・・・修羅の如き・・・強大、いや、究極の力!!」

既に、そこにいる雷の神は、その覚醒に、歓喜を表した。

「解っているさ・・・殺さない程度に・・・ね?」

殺さない程度に。

「その力を見せよ・・・」

訪れる、痛みは、灼熱ノ地獄

| 紅蓮ノ戦乙女 | 00:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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