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EP-10「わからない・・・わからないの・・・自分が今、何をすべきなのか・・・」

さて、今回の話は、基本的に整理です。
燈也とすずかはなのは達が闇の書の意志と戦っている間に、語られる、燈也のいなくなっていた時間。
終わりは、TV版と同じ。


「主の願い・・・そのままに・・・」

「この世界を壊すのは構わない。」

しかしその前に、

「それは、僕がフェイトとなのはを殺してからだ!!」

闇の書の漆黒の球体と燈也の生み出した漆黒の雷が、激突する。

ここに、全てが揃った。













「引き離せと命令したのは、あのくそ女の独断か・・・あんたの命令なのか、教えてくれないか。」

「どういうことだ・・・?」

「知らないんだね・・・」

知らないなら、それでいい。

燈也は、ただ、戦いを待つ。

陽は、完全に落ち、世界が月の光によって支配される。

「まぁ、わかってるよ。虚数空間に自ら落ちる女はいないよね。」

目覚める。

今回、本来であれば、最大のイレギュラーとなるはずだった存在。

燈也は、それに対して興味を持ち、飛翔。

同時に、すずかも燈也を追いかけるために飛翔した。













「燈也!?」

闇の書の意志の魔術であるデアボリック・エミッションを燈也は防いだ。

しかし、決してなのはとフェイトを庇ったわけではない。

これは、警告。

全力を出して、なのはとフェイトを殺せという。

他人が、殺すのであれば、塵を残さぬように、全力で殺しにかかれ。

その意味合いを含め、燈也は闇の書の意志に、それを伝える。

闇の書の意志は、それと同時に、トウヤ・テスタロッサを感じ取った。

どういう人間なのか。

9年という短い期間の中で、どれほどの地獄を見てきたのか。

その奥にある、憎しみ、悲しみ、恨み。

絶対に殺すという復讐心を。

トウヤ・テスタロッサという人間に、興味を持った闇の書の意志は、今は、燈也を攻撃することはなかった。

他人に目標を殺されても、それでも自分の復讐心を成就させたいという思いが、この男にはあった。

それを、知った闇の書の意志は、面白いと感じ、今は燈也を放置することにした。

当面の目標を高町なのはと、フェイト・テスタロッサに限定してだ。















拘束着をバリア・ジャケットと同じ材質に変換し、少年は目の前にいるなのはやフェイトにとって、化け物として変化した闇の書を見ていた。

なのはや、フェイトから見れば、確かに化け物と呼ばれる部類に相応しいと言えるだろう。

すずかは、狂乱とでも言うのだろうか。

先ほどまでプレゼントを渡していた人間は、ここまで変化するものなのか。

悪意は満ちて。

燈也の目に映る、その人は、醜い。

外見的なものではない。

彼の見通していたものは、内面的な問題でもあった。

何のために、ここまで生き延びてきた。

何のために、ここまで闘って来た。燈也は、今までの無情を思い出す。

ここまで戦ってきたものの、あまりにも弱かった、高町なのはとフェイト・テスタロッサ。

プレシアが、フェイトを欠陥品といった理由が解った気がした。

あぁ、無情なる敵の弱さ。

怨念で強くなったこの男の前では、全ての世界が、ただ無駄に、時間を過ごした思いに駆られてしまう。

結果的に、強くなっていなかった。

これが、この世で一番愛するプレシア・テスタロッサの作った人形であるのかと、嘆いてしまうほどに、再会した時の燈也の顔は、曇っていた。

本当に、お前は、プレシア・テスタロッサから作られた、人形なのか。

なぜ、お前は、そんなに弱くて、この世界にいることができるのだ。

また、何故、高町なのははそんなに弱い。

強くなっていると思っていたのに。

結局、何も変わっていなかった。

燈也の中で、何もかもが。

変わることなど、なかった。

決め手であるスターライトブレイカーも、あのころと、全く変わっていなかった。

この無情感は何だ。

なぜ、お前はそこまで弱い。

弱いのだ。

なぜ、そこまで弱すぎるのだ。

そうか。

そこで、悟ることはできた。

この世界に、強大な戦乱など、全く起こっていなかったのだ。

何回も、敵を殺し、敵を倒し、世界を壊してきたこの少年の前では全てが無常なる世界。

愛している人は、この弱い人間たちに殺されたのか。

生き残ったのは、すずかがそこにいて、助けてくれたからではないか。

しかし、それでも生きているというのなら、かなりの強運と言えるのだろう。

すべては、運によって、ここまで生かされてきた。

それもここで終わりにしよう。

もう、殺しあう必要など、無いのだから。

殺しあう前に、殺してあげよう。

目の前に、何かが現れようとも、燈也には興味などなかった。

故に、なのはとフェイトをコレが、殺してくれれば、それはそれで良いものだ。

決して、自分の手で殺したいという欲求があるわけではないのだ。

目の前にいるそれを、化け物だと思わず、燈也は自分と同等の者であるとみている。

故に、興味がある。

ユファのいる世界で、六聖獣と呼ばれる天使たちの長であったゼウスは、闇の書・・・

向こうの世界で言う魔術収集書を作った。

一度、葉子の力を使い、なのはと葉子は一度、これを無理やり暴走させた物を封印。

11歳。

重傷を負って、意識を失ったとき、その意識が天界へと飛んだ時の話である。

悪意ある改編を受けた闇の書。

しかし、それこそがゼウスの目的でもあった。

ゼウスは、敢えて封印された闇の書を別の世界に流すことによって、改編を受け、欲に塗れた人間たちを粛清する。

消すのだ。

欲深い人間は、闇の書を完成させようと意気込み、私利私欲のために使ったり、自ら地位のために魔術収集書を別世界に送ることによって、世界を消滅させてきたということだ。

全ての天使が知らぬ間に。

しかし、ゼウスは封印されることになり、後のミッドチルダにて再び敵として相対することとなる。

最終的には葉子に倒されることになる。

「お前は・・・」

既に、死の淵から帰ってきたこの男の前では、目の前にいる闇の書など、一つの興味対象に過ぎず。

まだ、

「お前は僕を・・・知らない。」

それは

「僕がお前を知らないのと同じ。」

デアボリック・エミッションを破壊し、ただ、憐れむような眼で、燈也はそこにいる何かを見る。

「殺してくれないか?そこにいる、白い醜い奴と、黒い人間じゃない奴を。」

「燈也君・・・まだ・・・」

「死なない限り、僕の中で、晴れることはないよ。僕の復讐心は・・・たぶん・・・」

復讐したい気持ちもわかる。

燈也が、消えた時、そこまで追い込んだなのはとフェイトが分からなくなった時もあった。

何故、燈也とプレシア・テスタロッサを引き離したのか。

二人を引き離してまでも、燈也とプレシア・テスタロッサを引き離す必要はあったのだろうか。

すずか自身が、二人のことを信じられないこととてあった。

自分たちが、のうのうと暮らしていながら、燈也だけは地獄を味わい、いずれ来るであろう復讐のためだけに、動いてきた。

何も知らずに、復讐を否定して来た。

ここで、彼の復讐を肯定すべきなのではないだろうか。

すずかの中で生まれる、一つの疑問。

まだ、答えは出ていない。

二人を殺せば、燈也はもう、殺す呪縛から解放される、しかし、殺せば、なのはとフェイトには二度と会えなくなる。

復讐を否定すべきか。

肯定すべきか。

自分の回答が分からないから、ただ、燈也の復讐を止めていた。

ただ、高町なのはとフェイト・テスタロッサを失いたくないという欲求から来るものだ。

天使ユファと融合してから、このような考えが自分の中に入り込んでくる。

目の前にいる少年を見た、すずかの考えは変わっていた。

何故、こうなっている。

燈也は、目の前にいる闇の書の意志の戦いを観察した。

何故、今、二人を殺さない。

燈也の中に生まれる燈也自身の一つの疑問。

今、隙だらけの二人なら、軽く殺せる。

できないのは、すずかに諭されているからか。

すずかに毒されてしまったのか。

自分の中にある復讐心が、涼香と接触したことによって、崩壊しようとしているのか。

それでも、殺したい気持には変わりない。

それでも、目の前にいる二人を殺すことをためらっているのは、自分が甘いから。

何もできない、愚か人間。

女に甘えて、非情にならなければならいときに非情になれない、力だけ持った馬鹿な人間。

燈也は、そう、自分を評価した。

いずれ二人が殺されることを待っている。

自分の手を汚さず、相手に汚させて。

卑怯な男であるといわれても、それで良い。

「燈也・・・!!お願い!!今だけ、手伝って!!」

燈也は首を横に振った。

なのはから、声をかけられる。

だれが、お前を手伝うか。

そのようなこと言われれば、反感を持ってしまう。

そこで戦い、殺されてしまえ。

「なぜ・・・君は、行かないんだ?」

今までのすずかなら、なのはを助けるために、すでに動いていただろう。

しかし、燈也に触れたことによって、自分の回答を見失ってしまった。

ここで、燈也の願いをかなえさせることが、間違っているのか、正しいことなのか。

答えを失ってしまった。

「わからない・・・わからないの・・・自分が今、何をすべきなのか・・・」

二つの砲撃魔術を軽く防ぐ。

確かに、強者として入る部類の敵と言えるだろう。

「変わった・・・いや、僕が変えてしまったんだね。」

あれが、なのはとフェイトを殺してもかまわない。

母の思いを叶えるのなら、どうなっても構わない。

これが、燈也の前提。

今も、昔も、未来も、この考えが、燈也を突き動かす前提的なものだ。

復讐心が削られない限り、この考えが変わることはないだろう。

そうでなければ、何回、別の世界を渡り、

「高町士朗の殺してきた無残なる僕のままの姿を見てきたのだろう・・・」

「燈也君・・・今・・・なんて・・・」

知らなかった。

なのはは、離さなかった。

このことを。

「僕のママ・・・この世界の僕のママを殺したのは、高町士朗なんだよ。」

「そんなこと!!」

「信じられないよね・・・それは、そうだ。」

すずかは、高町士朗を慕っている。

だから、燈也の言うことは信じられなかった。

信じる信じないは、すずかの勝手だ。

「でも、タカマチシロウが僕のママを殺したのは事実なんだ。」

揺るぎのないこと。

ここで、起きることは、大抵別の並行世界でも同じ運命を辿る。

本来なら、燈也もそうなる筈だった。

しかし、そうはならなかった。

燈也は、今まで起こったことを今だからこそ、すずかに教えるために、自分の記憶を流した。

どう、受け止めようとも、ただ、気付けば、すずかは、涙を流していることに気付く。

悲惨すぎた。

遺伝子上は、プレシアの息子である燈也。

死んだプレシアの記憶は、別の世界のプレシアに引き継がれることとなる。

何かが、トリガーとなって、死んだプレシアの記憶は、別世界のプレシアの記憶の中に復活する。

トウヤ・テスタロッサが、そのトリガーとなり、プレシアの中にある、燈也の記憶は目覚めることとなった。

再会した時は、本当の親子になっていた。

プレシアと繋がり、プレシアのために戦い、プレシアの隣で眠る。

行方不明になってからの、トウヤの生活というものが、そこにあった。

プレシア・テスタロッサを愛していた。

この世で一番。

この時のイレギュラーが、高町なのはであり、フェイト・テスタロッサの反乱。

しかし、この程度のことは、燈也にとっては、何も思わなかった。

気をつけたのは、クロノ・ハラオウンだった。

その中に、自分と同じ種の人間であることに気付く。

世界を渡るたびに、母であるプレシア・テスタロッサを、燈也の姉であるアリシア・テスタロッサ、その隣にいるトウヤ・テスタロッサは、母に縋りつくように死んでいる。

何故、死ななければ、ならない。

何故、殺されなければならない。

母を守るために、時空管理局の人間たちを倒し、なのは達の敵として、そこに君臨していた。

プレシア・テスタロッサ・・・

最終的に、その感情は憎しみとなりて、今に至る。

全ての元凶は、プレシア・テスタロッサにあるわけではない。

高町士朗から始まり、キーとなる出来事がユーノ・スクライアであり、トリガーとなったプレシア・テスタロッサの存在が、そこにある。

本来は、トリガーはひかずに、そのまま復讐は成し遂げられていたことになる。

なのはとフェイトを、あの場で殺し、全てはプレシア・テスタロッサとトウヤ・テスタロッサの思惑通りに終わるはずだった

クロノ・ハラオウンの、突然の異常とも言える力の覚醒。

その中で、クロノ・ハラオウンに別の魂が、宿り、それが力を貸していたことが判明。

互角に対処していたものの、後に本気を出したことによって、完全なる敗北を喫する。

最終的には、プレシア・テスタロッサと死体であるアリシア・テスタロッサと共に、虚数空間の中へと落ちる。

しかし、プレシア・テスタロッサと落ちるのであれば、それでよかった。

愛する母とずっと、そばにいることができるのであれば。

プレシアと共に落ちるのであれば、それだけで良かったはずであるのに、そこで、高町なのはが燈也とプレシアの繋いでいた手を引き離してしまった。

そのなのはが、なんだったのかなど、全く解らない。

なぜ、目の前に、この女が出てきてしまったのかなど、今まで、全く解らない。

「何故・・・」

いつか、なのはの見た夢の話をすずかは聞かされた。

燈也と誰かを引き離して、燈也を引き離したという夢。

すずかが、それを燈也に送った。

「精神体が、無意識に僕とママを引き離したか・・・あぁ・・・」

それなら、納得がいく。

馬鹿であるように、燈也を助けたい。

プレシアの呪縛から解放してあげたいという、余計な願いが、なのはを精神体として虚数空間に送り出した。

「しかし、その助けようとしたことが裏目に出た。」

虚数空間で、なのはの精神体が燈也を引き離した時、帰ってくることを願ったが、それが裏目に出た。

辿り着いたのは、別の世界。

その世界は、住んでいた世界と似て非なる世界。

プレシアとアリシア、そして自分を殺しのうのうと生きている高町士朗。

殉職したこととなった士朗を殺したのは、燈也である。

高町士朗が自分の母を殺した。

そのこと知らずに生きている高町なのは、高町恭也、高町美由希、フィアッセ・クリステラ。

必要とあれば、忍だって殺した。

憎かったから、修羅となりて、燈也は全員を殺した。

「何も・・・何も知らないくせに!!お前たちはぁぁぁぁ!!!」

許せなかった。

自分の苦しみなど、知らずに平凡な生活を送っている恭也達が。

殺したいほどに、憎かった。

士朗がプレシアを殺したことを知らないが故に起きてしまった殺し。

子供故に、憎らしかった。だから、殺すことに躊躇いはなかった。

とはいえ、個人の中にある闇を知らなかったのも事実だ。

子供故に、構ってほしい延長戦で、なのは達を殺した。

既に高町士朗が死んでいる世界では、テロリストである龍に参加し、御神美沙斗と共闘し、殺した。

強かったのは事実だ。

渡った世界の高町恭也という存在が。

それでも、憎しみを力に変換したその差で、無傷で、殺すことができた。

綺麗ごとを言う恭也は敵にもならなかった。

別世界で魔導士となったなのはと、クロノ・ハーヴェイを殺した。

渡ってきた世界の課で、嫌いな人間は全員殺した。

昔は、躊躇いなく相手を殺すことができた。

すべては、自分のことを、自分の姉、自分の母を殺した士朗の子供や、それに付きまとっている連中を殺すため。

この時は、全てをその世界での自分のために、戦ってきた。

殺された、もう一人の自分のために。

しかし、戻ってきて、燈也は自分自身が弱くなったと悟る。

「あぁ・・・そうだ。君の存在がなかったよ。」

月村すずかという一個人は、どこの世界を巡っても、存在していなかった。

不思議なことに、存在はしていない。

対して、疑問ではなかったが、珍しい世界の共通点でもあった。

「それでも私は・・・ここにいる。」

「解っているよ。だから、僕もここにいる。」

弱くなった原因はどこにある。

人間として、相手を前に、冷静になりすぎている。

憎悪の塊と自覚していた自分の中で、憎悪が消えようとしているのが分かる。

解っているのだ。

あの時、世界を破壊するとき、隙があったにもかかわらず、高町なのはとフェイト・テスタロッサを殺すことはなかった。

何故、殺せなかった。

「僕の中での最大のイレギュラーが、君なんだね。」

「・・・何を?」

二回目に、戦ったとき、高町なのはを殺しかけた時に、すずかの持つ光に当てられたことによって、憎しみは消えてしまった。

憎しみの大半は、消えることになった。消えたという証拠は、世界を破壊した時に、全てをあきらめ、自分だけ消えようとしていた。

しかし、その奥にある復讐心までは、消すことができなかったのは、この男にとっては運のいいことである。

そうでなければ、今、ここで高町なのはと共に、戦っていただろう。

慣れ合う気は、ない。

しかし、憎しみはまた、燈也の中であがき出ようとしていた。

それは、完全に殺しきれなかった高町なのはと、あの時に、二人を残さず消すことができなかった故に、憎い。

そして、殺したかった。

今は、なのはとフェイト、アルフの3人掛かりで戦ったとしても、闇の書の意志の前には、苦戦している。

やられるのは、時間の問題となるだろう。

黙ってみている。

燈也にとっては、楽に復讐を果たしてくれる物でしかなかった。

「もう・・・なのはちゃんを殺すとか・・・そういうの・・・」

「そういう気は、あるよ。まだね・・・」

殺してもらえば、楽になれる。

殺せば、その分、重荷を背負うことになるが、楽になりたかった。

「止めないのかい?」

「まだ、わからない・・・」

すずかの中で、答えが見つからなかった。

燈也の今までの記憶を見てきたことによって、自分のやることが正しいのかどうか、わからなくなってきた。

許してしまえば、自分の中で、楽になるのだろうか。

「ユファさん・・・」

天使は、何も答えない。

何も答えることが、出来なかった。

まだ、眠りから覚めない。

過去の戦闘によって、異常な程に力を使った結果が、これだ。

ユファの体調のことなど気にせずに、戦ってきた結果、彼女のユファの意識は途絶えてしまった。

それでも、ユファの体内の力を自分のものにして、戦うことはできる。

止めたくても、過去を知れば止められない。

これが、今の月村すずかだ。

「あの光…」

燈也が、闇の書の意志を見た途端、目の色が変わった。

あの、魔力を持っているものが、スターライトブレイカーを放とうとしている。

偽善的な考えが、燈也の中によぎる。

しかし、周りには

「アリサが・・・いる・・・?」

「燈也!?」

「このままじゃ…巻き込まれる。」

誰よりも早く、燈也はそれに気づいた。

自分の考え、すずかとの交流に夢中だったとはいえ、それに気付けなかった自分の甘さに、腹が立った。

スターライトブレイカーをこの街で放つのなら、対消滅させる。

「すずか・・・彼女を救う。・・・彼女を守ってくれないか?」

「私は、そのつもりだよ。」

すずかと燈也は、急ぎ、アリサのもとへと向かう。

今なら、まだ、間に合う。

いや、本来なら、アリサと共に、この結界から脱出することだってできる。

しかし、それをしないのはここが、なのはを殺せるチャンスでもあるからだ。

「あんたたち・・・!?」

「大丈夫・・・私たちが守る。」

「あんたたち、一体、なんなのよ・・・」

この状況を信じることができなかった。

どういう意味で、この世界にそぐわぬ格好をしているのか。

解らなかった。

燈也は、状況など気にせず動き出す。

「やるぞ。ネクサス・・・タイプジュネッス・・・」

「OK-MY-MASTER」

燈也のデバイス・・・

プレシアの最高傑作であるネクサスが、展開される。

まだ、第一変化であるタイプジュネッス。

「燈也!!??」

「どうして・・・」

遅れながらの、なのはの登場。

このとき、なのはが自分のことを許してくれたと思うのは、無理もない話だ。

「アリサを守る・・・それだけだ。」

なのはやフェイト、時空管理局の連中以外を殺す必要はない。

燈也の考えは、そこにある。

「燈也は・・・何をするつもりなの?」

「あれを飲み込む。」

射撃体勢に、燈也は入り始めた。

タイプジュネッスは、正常に動いている。

光が、光が放出され、渦の余波となってそれは、獣であるように素早く、破壊の力を持った光の余波が、燈也たちに迫る。

「待って…あれを飲み込むなんて!!」

「僕はお前たちとは違う。お前らは、さっさと防御魔法でも使って死んでろ。」

お前たちとは違う。

それを見せつけるかのように、燈也はその光の衝撃破に向かって、自分の持っている破壊の光の魔術を撃ち放つ。

「オーバースペリオル・・・ソルジェント・・・!!」

燈也の漆黒の復讐心に堪えるかのように、放たれる。

威力は、スターライトブレイカーと同等か。黒と白の光がぶつかり合う。

いや、ぶつかり合ってはいなかった。

そう、見えただけ。

最初のぶつかり合いは、光と光が合わさった時にできた衝撃波。

禍々しい漆黒の光が、スターライトブレイカーを貫きその光を逆に吸収し、ソルジェントはそれより巨大な漆黒の光となる。

それが、闇の書の意志は急ぎ、プロテクトを掛けようとするも、それより早く、オーバースペリオル・ソルジェントは、消えていた。

このようなことを、平然とやってのける。

「凄い・・・」

フェイトは、さすがに、感嘆した。

なのはは、これが、かつて自分の弟だった人間なのかと、驚かずにはいられなかった。

「アリサちゃん・・・大丈夫・・・?」

「う、うん・・・なんとか・・・」

すずかは、アリサのいる場所を、結界の外へと出した。

「・・・対話か。」

あの頃も、そうだった。

庭園で自分がプレシアのために戦っていた時もだ。

その間に、なのはとフェイトが闇の書の意志を止めるために、話で解決させようとしていた。

無駄なこと。

燈也にとっては、全て無駄なこと。

頭の中に流れてくる、フェイトとなのはの綺麗ごとに、燈也は頭が痛くなった。

すずかも、その対話に参加していた。

別に、燈也は何も思うことはなかった。

少し離れて、三人の対話とやらを、燈也は聞いていた。

異常なまでの綺麗ごとを言う人間たちに、燈也の顔から失笑が生まれる。

一種のサーカスにいる気分だった。

「ここで・・・武装を解くものか。」

奴は、主の望みをかなえるための、単なる魔道書。

さらに、アスファルトが割れ、地の底から、炎が噴きあがる。

来たか。

この世界が、終わる瞬間。

闇の書の意志は暴走し、この世界と共に滅ぶ。

「お前は、ここで、なのはとフェイトを殺してくれなければ、困る。」

しかし、ここで滅ぶのも、また一興か。

フェイトは、わからずや。

などと言いながら、闇の書の意志に突っ込んだ。

燈也は、その後どうなるか知っている。

だから、頭の中で、馬鹿というしかなかった。

しかし、これで、フェイトが死んだも同じ。

苦労が、手間が一つ省けた。

「フェイトちゃん!!?」

すずかが、叫んだ。

目の前で、フェイトが吸収されたのだ。

闇の書の意志に。

「さて・・・もう、良いよね。死ぬんなら、一緒に死んだほうが幸せだよな?」

壊園剣を燈也は展開し、なのはへと迫った。

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