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EP-09「そんな、愚かな姿になっても、涙を流すか。」

原作で言う9話
Ⅰが登場
黄泉の国から、またあいつは帰ってくる。
それと同時に、力は目覚め・・・


「まだ・・・逝けないのか・・・」

自然の中に包まれて、トウヤ・テスタロッサは目を覚ました。

拘束着の上に、木々がトウヤを包み込むかのように、守るかのように、そこに存在している。

「生きているんだね・・・」

トウヤ・テスタロッサも、高町なのはも、フェイト・テスタロッサも、まだ、この世界の存在しているというのか。

もう、死にたかった。

しかし、まだ、生きているとなれば、そうだろう。

殺せということなのだろう。

「良いさ。殺してやるよ。」

トウヤは、木々に神雷を落とす。

それと同時に、トウヤは復活した。















「あの人…何も…何も言わないから…!」

燈也が、消えてから、既に、半年以上の月日が流れ、高町家は士朗が再び引き籠るようになり、リンディがここに引っ越してから、桃子は良くここに来るようになっていた。一

線は越えないものの、いつも、リンディの胸の中で泣いて、その姿が愛しく思える。

越えちゃいけないのは解っている。

桃子の精神が、安定してないのは解ってる。

ここで、燈也が士朗を殺そうとしたり、なのはを殺そうとしていることだけは、絶対に言えなかった。

これを言えば、本当に桃子は壊れてしまう。

だから、リンディは、ただ桃子を抱きしめることしかできなかった。

全ての元凶は、プレシア・テスタロッサだけではない。

プレシア・テスタロッサは、燈也の復讐のトリガーを引いただけ。

士朗がこの世界のプレシア・テスタロッサ殺害。

ユーノ・スクライアのミス。

二つの出来事が、燈也の運命を狂わせた。

壊れている。

全てが、壊れている。

「リンディさん・・・リンディさん・・・」

「大丈夫。桃子さんには、私がいるわ。」

桃子の中で、思いはリンディに傾きつつある。

それに気づくのは、まだ、少し先の話になる。

それでも、リンディの中で桃子が手に入るのなら、構いはしなかった。

それは、フェイトとなのはも同じ感情だ。

黒くとも、純粋な感情は生まれだす。














「死んだ感じがしない・・・」

隣で眠ろうとしているエイミイの横でクロノは、ただ、呟いた。

フェイトとなのはが言っていたこと。

燈也は、世界とともに、死んだと。

しかし、いかんせん、信憑性というのが、クロノには感じられなかった。

「クロノ・・・・くん・・・?」

「なんでもない・・・」

クロノは、エイミイに触れた途端、不安だった気持ちが和らいでいく。

癒される。

「触れてみる?良いよ・・・クロノくんなら・・・」

好きだから、後悔はしない。

「それで、クロノ君の不安がとれるなら・・・好きにして良いよ?」

「エイミイ!!好きだ・・・!!」

ドサクサにまぎれての告白。

ここで、死ぬ前に、クロノには伝えたかった。

本当は、一番好きだということを。

「クロノくん・・・うれしいよ?」

エイミイはクロノのなすがままに乱れる。

クロノに、支配されることが、エイミイの今の、喜びでもあった。

これで、愛する人が安らぐことができるのであれば、これで、構わない。

「エイミイ…エイミイ…エイミイ…」

女を抱くことによって、自分の不安を和らげる。

自分が、弱い人間であるということは重々承知している。

ただ、純粋にクロノのことを心配するエイミイが黒野にとっては、一番うれしいことだった。

こんな弱い自分でも、エイミイは心配してくれていると。

エイミイは、これで、クロノの不安がとれるのであれば、抱かれてもいい。

ずっと、好きだった。

「ねむった・・・?クロノくん・・・?」

何回、膣に出されただろう。

自分で言ったこととはいえ、エイミイの体はふらふらだった。

今日が、危険日でなかったら、子供ができているだろう。

既に、横で健やかに寝息をたてて眠っていたクロノをエイミイはそっと抱きしめた。

「クロノくん・・・ううん・・・クロノ・・・愛してるよ・・・?」

えてして、愛しているものを得たクロノと、そしてエイミイは、これがきっかけとなり、夫婦となる。

この状況下で、二人は幸せをつかんだ。













誰より傷ついた天使がいる。

救えたはずなのに、強制的にでも連れて行くことができたのに、燈也は拒否をした。

強制的にでも連れて行かなかったのは、何故だろう。

激しい後悔に、駆られた。

中にいるユファの声は届かず。

本体の限界以上の力を何度も、使いすぎた故に、オーバーロード状態となり、今は長き眠りについている。

「燈也・・・手を伸ばして!!!!!!手を・・・私の手を掴んでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!」

その声は、届くことはなかった。

いや、とどいてはいたのだろう。

最後に見た、燈也の顔は、優しかった。

最後は、いつか見た、純粋なる少年の瞳で首を振り、すずかに伝えた。

「僕は、もう・・・これで良い。ママのところに行けるから・・・」

そして

「ありがとう・・・」

トウヤ・テスタロッサは、ここで消えた。

すずかの手をつかむことなく、望みであったかのように。

母の場所へと行ける。

母のいる場所へと。

ずっと、さまよい続けた旅に終止符が打たれる。

しかし、それを、すずかは望んではいなかった。

「燈也・・・燈也・・・燈也・・・燈也・・・・・・」

初恋だった人を亡くした痛みが、すずかの何かを抉り取った。

助けたかったのに、救うことが出来なかった。

崩れるように、すずかは地に膝をつく

。こののちに、すずかの存在が管理局の人間たちに知られることはなかった。

なのはとフェイトが、それなりのことを考慮しての結果である。

「燈也ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」

今まで、助けてくれていた天使の存在がすずかであるということに驚きながらも、この状態で、管理局の仕事を手伝わせ、さらにここで闘えとなれば、すずかの精神は崩壊するだろう。

すずかの闘う理由というものは、燈也を助けるために限定されたものだ。

「すずか!?」

すずかの寝室に、忍が駆けて入る。

この間に、すずかははやてと何回も会いに行くことによって、自分を誤魔化していた。

「また・・・あの夢・・・」

燈也が死んだ夢を、良く見るようになってしまった。

すずかの何かを、抉り取ったあの夢を。

「お姉ちゃん…燈也君が…燈也君が…燈也君が…」

死んだ。

未だに、その事実を、受け入れることができなかった。

忍とて、状況は解らずとも、すずかの状態を見れば、燈也を見て、どうなったのかくらいは解る。

そして、恭也の話が、正しければ、ここにいたということも、分かっていた。

怨念が、凄まじかったことさえも。全てを知っているのは、すずかだけということも、知っていた。

持てる力を全て使い、愛していた人の名前を、すずかは叫んだ。

また、すずかは言えなかった。

燈也が士朗に重傷を負わせたことを。

もう、燈也は帰ってこない。

どこにも。

「サプライズ・・・プレゼント?」

発言した本人が、唖然としていた。

なのはとフェイトは、何もいえなかった。

何故、そうなってしまったのかを、知っているからだ。

初めて、知ることになった、すずかの燈也への思い。

「クリスマスプレゼントのことよ。」

知らないということは、本当に幸せなことだ。

アリサは、何も知らないから、ただ、笑って、その場にいる。

しかし、すずかの変化に気づいていないわけが無かった。

敢えて、それに気づくふりをしなかった。

力があった。

救えると、思っていた。

しかし、それは最悪なことだった。

時として、人間って言うのは、勝手に人の世界に入ろうとする。

また、そうして知る。

人間を。

記憶を。

生態を。

心を。

それは、何故だ。

友達になりたいため。

好きになるため。

愛するため。

利用するためだ。

知りたいがために、人は一つになろうとする。

燈也とプレシア・テスタロッサの関係だって、そうだった。

しかし、彼女は、純粋に燈也一人を愛していた。

すずかが戦っててわかったことがある。

燈也の本当の母のために、全力で戦ったトウヤ・テスタロッサの想いは本物であるということ。

愛するがため、全ては愛のために、燈也はプレシアの元に行った理由は全てはプレシアを愛しているからだ。

すずかの知らないことではあるが、魔力で無理やり成長した燈也は、プレシアと性交渉することも躊躇うことは無かった。

お互いに、飢えていたから。

プレシアは、身籠っていたのだろうか。

燈也の子供を。

すずかは、プレシアの顔を見たこともなければ、名前すら知らない。

ただ、燈也から「ママ」と言う人物がいることは知っている。

この世界にいないということも。

何故、そうした。

誰が、そうした。

燈也の言うことが正しければ、なのはとフェイトが、それを行ったのだろう。

そして、二人に加担している他の人間、そして組織であり、フェレットだと思っていたユーノ・スクライア。

しかし、それは燈也が始末した。

圧倒的な力を持ってだ。

ユファの記憶の映像から流れてきた圧倒的な燈也の力。

咆哮をあげ、フェイトやなのはの二人を圧倒したその力。

すずかの中では、負の感情は、そこまで人を強くするのかと、逆に恐怖させた。

『まだ…死ねない…』

「っ…・…………燈也!!??」

聞こえた。

燈也の、声が。

まだ、生きている。

今の感覚は、間違いなく、燈也だった。

トウヤ・テスタロッサ。

なのはとフェイトにとっては、恐怖の象徴。

すずかにとっては、愛する一人の不器用な男の子。

「すずかちゃん・・・?」

「なのはちゃん達には、聞こえなかったの・・・?」

全ては、すずかのみに。

しかし、それは思いだけ。

まだ、その存在…肉体は、世界を漂っている。

生きていることを、感じ取っていた。

なのはも、フェイトも、彼の思い通りにはいかなかった。

生きている。

フェイトとなのはが、生きている。

殺してやる。

殺してやる。

殺してやる。

「ね・・・なのはちゃん・・・フェイトちゃん・・・プレシア・テスタロッサって、誰?」

壊園剣を通して、燈也の夢を見た。

その夢の中で、燈也は一人の女性に対して、プレシアと呼んでした。

プレシア・テスタロッサと。

「「っ・・・」」

答えることができなかった。

「燈也君・・・本当のお母さんって言ってた。」

「すずか・・・あんた・・・」

何を。

アリサは、すずかが何を言っているのか、わからなかった。

燈也の本当の母。

それ以前に、すずかは、燈也にあったのかと、驚かされる。

高町燈也に、出会ったというのか。

「なのはちゃんたちは、何をしたの?」

何故。

「酷いことしたの・・・?そうじゃなきゃ、なのはちゃんたちが、そんなに憎まれるわけないよ!!」

「すずか、落ち着いて!!」

アリサがすずかをなだめようにも、どうすればいいのか分からなかった。

ここまで、取り乱す、すずかは、初めてだった。

「燈也君の言う、ママって、プレシアって人のことでしょ!!??」

プレシア・テスタロッサと燈也の関係。

それは、本当の親子であるとすずかはきいた。

「話してよ・・・!!燈也君のこと!!」

「すずか!!!!」

「アリサ・・・ちゃん・・・?」

何も知らないのは、幸せなことだろう。

しかし、すずかは知ってしまった。

知りたくなかった。

「今は、はやてのサプライズプレゼントでしょ?渡した後に…聞けばいいじゃない。」

「うん・・・」

いつものおとなしいすずかに戻った。















歪むことのない純粋な憎しみが、そこに…















「燈也君!?燈也君じゃない!!」

シャマルがはやての病院に近づこうとしたとき、拘束着を着用している少年を見つけた。

それが、地を這いながら、どこかへ向かおうとしている。

あのとき、全てを見ていた。

殺意を込めて、必ず殺すという。

怨念が伝わってきた。

「燈也君……生きて…・…」

シャマルは、燈也をそのまま、起き上がらせようとしたものの、既に、燈也の足に感覚というものは無い。

故に、動かない。

あの世界を消滅させて余波に巻き込まれながらも、なお、生きている。

この男の原動力は、殺意のみ。

「シャマル、どうしたんだよ?」

「ヴィータちゃん…」

「燈也・…!?燈也じゃねぇか!!」

燈也は、その名前を聞いた時、ギロっと、殺意を込めているような視線で、ヴィータを見た。

「言え…」

「おい…」

「言え!!あいつらはどこだ!!!」

「あいつら…」

このような姿になっても、まだ、殺意は衰えず。

あの時、優しい笑みを浮かべていた。

しかし、生きているのなら、殺すつもりか。

まだ、生きているのなら。

「解らねえよ……お前も、少しは……」

「休んでなんか…いられない…」

敵を殺すまでは、この男の中では休むことなど、許されなかった。

「とりあえず・・・病院で、見てもらわないと…」

「必要ない!!僕は!!」

情けが、燈也には、うざかった。

意地になった燈也は無理やり立ち上がり、歩きだした。

「どこまで…非常識なんだよ…」

率直な感想と言えるだろう。

同情までも、怨念に変えて、立ち上がり、無理やり歩くことができる。

そんな印象を受けた。

しかし、まだ、よろついている。

ヴィータは、見ていられなくなり、燈也の支えとなる。

「余計なことは…」

「やりたいだけだ。」

「どこに連れて行くつもりだ…」

「はやてのとこ。」

燈也の支えとなって、二人は動き出す。

八神はやてなどと言う人間に、燈也は興味などなかった。

このまま、体を離すことができなかった。

燈也の体自身が訴えていた。

今は、縋りたいと

自分自身の中で、女に縋ることだけは、得意だと、認めざるを得なかった。

嫌な女たちを殺すこともせず自分の体は、女に負けた。

「お前の話…聞いて見たい。」

「話すことじゃない。ママの願いをかなえることのできなかった、馬鹿な男だよ。」

非常になりきれない。

イレギュラー事、殺せない。

馬鹿な男。

燈也は、自分のことを、そう評価していた。

「あんま、自分のことを卑下すんなよ。」

「・・・」

何も、言えなかった。

ヴィータとシャマルに連れられて八神はやてを見ることとなった。

先に来ていたシグナムとザフィーラは大いに驚いた。

前の戦いで死んだと思っていた。

世界とともに、消滅したと思っていたが、本人は、そこにいた。中でも、はやては、燈也のその奇抜とも言える拘束着姿に驚いた。

自分と同じ年齢の少年が、そのような格好をしていること自体に、違和感を覚えたのだ。

「それしか・・・ううん、どうして・・・そんな・・・」

「服は・・・これしかない。」

捕まった時、全てを剥ぎ取られ、これで今を過ごしている。

指して、拘束させられている感覚など、ありはしなかった。

それは、燈也という人間の持っている独特なオーラを感じ取ってのことだろう。

しかし、監禁されていたことは、事実。

それが、これから、拘束した一部の連中がここに来ることなど、はやては知らなかった。

独房に入れられた感覚は、言うのであれば、管理局側の間違いであったのかもしれない。

体力の回復。

更なる怨念をその身に宿すことに成功した。

それでも、頭髪や体に汚れがないのは、魔力によって浄化しているからだ。

当面の食糧などの問題はどうしていたか。

ヴィータやシャマルが気になっていたことだ。

さすがに、そのことをはやてには聞かせられない。

ヴィータは、念を飛ばす。

(管理局の人間のリンカーコアを食っていてね。)

魔力を食料、栄養へと変換し、強化して日々を過ごしていたということだ。

常識はずれの、9歳とは思えぬ生活を今までしていたというわけだ。

それを聞いていた、人間たちは改めて思う。

この男は、人間という常識を超えていると。

「まともな、食事は取ってるん・・・・?」

はやては、健気に、燈也に手を伸ばした。

燈也はそれを、優しく受け止める。

それと同時に、感じ取ることができた。

あぁ、そうか。

こういうことなのかと。

ヴォルケンリッターが、血眼になって、リンカーコアを狙う理由は、ここにあるのかと。

「いや・・・あまり、取っていないさ。」

本当に、あの、男であるのだろうか。

シグナムの中で生まれた一つの疑問。

明らかに、違いすぎるのだ。

戦場の時の燈也と、今、ここで、はやてに話している時の燈也が。

まったく、別人に見える。

高町なのはを殺して、異常なまでに喜んでいた燈也。

しかし、目の前にいるのは、戦いなど知らない、普通の9歳の少年

「ん・・・?」

燈也は、その気配を感じ取る。

近づいている。

高町なのはが、フェイト・テスタロッサが。

動き出している。

そして、月村すずかも、そこにいる。

必死に自分を救い、助けようとしてくれていたすずか。

今のすずかが、燈也を見つけたら、何を思うだろうか。ずっと、会いたかった。

とでも、言って。

昔の話に、花を咲かせるのだろうか。

会うのが怖くなった。

燈也は、そこから、消える。

今は、すずかには会いたくない。

だから、そこから、消えた。

「僕は・・・敵だ・・・」

『私たちは、お前の味方のつもりだが・・・?』

シグナムから送られてくる念を燈也は軽くあしらう。

「なれあうつもりはないよ。あんたたちに、僕の苦しみはわかりはしない。ゼウス・・・」

闇の書・・・

その本当の名を知り、作った人間、その裏の目的でさえ、燈也は知っている。

プレシアの情報は、全て燈也の頭の中にある。

予め、それを確認する。

既に、陽は落ちて、拘束着を着た少年は、病院の外へと出た。

「獣の臭い・・・」

いくら、姿を変えて、においを隠そうとしても、感じることのできる鼻につくと言える不快な臭い。

クリスマスでありながらもこの拘束着を着用している男程、似合わないものはない。

燈也には、不快であるこの臭い。

知っている。

その臭いを。

病院に入った時から、その視線には気づいていた。

過去の行動から助けてくれたものの、不快であることには、変わりはない。

名前は、知らない。

しかし、姿は知っている。

「僕を狩るつもりなら・・・遅かったね。」

既に、怨念を糧に生きているこの男の前では、先ほどの怨念で全てを回復させた異端児だ。

燈也の中で、どこかで自分を見ている二人に、それを言った。

「まずは・・・あんたたちの目的を達成させろよ。」

知っている。

何をしようとしているのかくらい、わかっていた。

どういう結果になるのか、わかっている。

この後の結果が、自然と頭の中に入ってきた。

今は、何もしない。ただ、そこにいるのみ。

どの道、なのはとフェイトは、堕ちる。

ヴォルケンリッターの面々が稼いでくれるだろう。

殺しやすいように、そして、時間をも。

不快と言われようが、卑怯と言われようが、あの二人と管理局の連中を殺すためなら、手段は選ばない。

燈也の黒と暗い紅を含めたオーラが、獣である二人に触れ、恐怖させる。

名前を知った。

その二人の名前は、リーゼロッテ、リーゼアリア。

管理局の連中でありながら、一人の人間の思惑によって、動いている。

拘束着を着た少年は、病院から、別の場所へと動き出した。

「燈也・・・」

名前を呼ばれて、燈也は後ろを振り返った。

知っている。

あの時、別の魂が入っていた、それの器。

そして、のちに神が宿る一人の男。

「クロノ・ハラオウン。僕に何か?」

闘うつもりなのか。

燈也は、警戒すらしていない。

今の燈也にとっては、なのはやフェイト以上に強いクロノであっても、興味はないのだ。

いつでも、殺せるが故に。

強い相手と、戦いたいから、戦場へ行くわけではない。

ただ、フェイトとなのはを殺したかったからだ。

そして、クロノ・ハラオウンを。

母の邪魔をした時空管理局の連中を燈也は許す気にはなれなかった。

「いや・・・君に会いたかった。」

「一つ質問したい。」

「え・・・?」

「虚数空間に落ちた僕とママ・・・」

しかし、二人は引き裂かれた。

それを、

「引き離せと命令したのは、あのくそ女の独断か・・・あんたの命令なのか、教えてくれないか。」

「どういうことだ・・・?」

「知らないんだね・・・ま、解ってるよ。バカみたいに、あの空間に堕ちるバカがいないことくらいね。」

知らないなら、それでいい。

燈也は、ただ、戦いを待つ。

陽は、完全に落ち、世界が月の光によって支配される。

「あんたは、そろそろ行ったほうがいいんじゃない?」

燈也にとって、この後に起こる出来事には指して、興味などなかった。

「どういう・・・?」

「今日、目覚めるよ・・・」

「最後に聞かせてくれ!!」

「なに?僕が、ママの記憶や知識を全て受けいでいることとか?」

「そんな・・・じゃぁ!!」

「闇の書のことなら知ってるよ。それの、本当の名前もね。」

闇の書は、悪意ある改造で変わった。

そして、

「それを作った人物はね・・・ゼウス。あんたの知っている神の名前だよ。その改変こそ、ゼウスの目的だったんだ。」

全ては、自らの欲求のために。

「神だと・・・!?」

知っている神の名前を前に出され、燈也は、クロノの前から、姿を消す。

異様な姿と言えるだろう。

管理局の仕事など、手伝う気にもなれなかった。

拘束着を着た燈也は、そのまま、街の中へと消え、クロノをまいた。

そして、感じ取る。

あぁ、そこでお前たちは闘っているのかと。

愚かな者たちは、そこで戦っているのかと。

せいぜい、力を使ってくれ。

悪びれることなく、燈也は戦いの光を見つけ、それを言う。

「燈也・・・くん・・・?」

「すずか・・・」

出会うことができた。

すずかは、ただ、出会うことで喜べる。

「アリサも・・・久しぶりだね。」

燈也の眺める方向には、戦いがある。

そこに、何があるのかが、わかる。

「あぁ・・・シグナム達、吸収されたのか。」

「あんた…その服…」

「僕は、君を殺すつもりはない。すずか・・・あの時は、うれしかった。」

しかし、今、

「目標が目の前にいる。」

だから、

「殺しに行くよ。邪魔をしないでくれ。」

クリスタルケージと、4重のバインド。

殺しにかかるなら、今。

しかし、どう、動くであろうか。

それが、楽しみで仕方がない。

ただ、興味がある。

あれの復活。

「じゃ・・・」

目の前で、デバイスを展開し、燈也は動き出す。

「燈也・・・」

「すずか・・・一体、なんなの!?」

「ごめん・・・アリサちゃん!!」

すずかは、アリサの目の前で、純白の羽根に包まれ、天使となりて、飛翔し、燈也を追う。

「すずか…天使…?」

見たまんまのことを、アリサは呟いた。

早く、帰ってくる。

それを思い、アリサは、ここで待つことにした。

だが、それによって、真実を知る。

「核が目覚めたか。」

そして、それは

「真の姿になったね。」

「燈也君・・・!?はやてちゃんが!!はやてちゃんが!!」

追いついた時には、既に、なのはとフェイトは脱出。

そして、核は目覚めていた。

「どの道、こうなるんだ。わかっていたさ。お前のこと・・・」

燈也の中にいる神が、目覚めようとしている。

神の力の解放。

「また、全てが終わってしまった。一体、幾度、こんな悲しみを繰り返せばいい・・・」

「そんな、愚かな姿になっても、涙を流すか。たかが、プログラムのくせに。」

「どういうことなの・・・!?」

燈也は、恐れることなく。

いや、その目は、貴重なものが見れたという興味本位のものでしかない。

「我は闇の書・・・我が力の全てよ・・・」

「なるほど・・・力は強いね。」

燈也は、動き出す。

油断している。

貴重なものが見れた。

「主の願い・・・そのままに・・・」

「この世界を壊すのは構わない。」

しかしその前に、

「それは、僕がフェイトとなのはを殺してからだ!!」

闇の書の漆黒の球体と燈也の生み出した漆黒の雷が、激突する。

ここに、全てが揃った。

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