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EP-08「私はあなたを救うために、ここに来た」

速いペースで8話更新。
あー、バッドエンド。
バッドエンド。
・・・友達に言われた。
アマテラス形態のヴィヴィオって、どんな感じなのだと。天使と化したすずかはどんな感じなのだと。
書いたことが無いから、解らぬ!!!
すずかは、19の姿のすずかに、セイント・ビーストの衣装を着せた感じなんだけどね。
そう、答えた。


愚かでいいのだろう。

高町なのはは、敵の出現と共に癒えぬ体を抑えながら対話しに向かう。

11歳の時に追った重傷は、レイ・リプロダクションで全快になるはずだった。

それを、行わなかった。

なのはは、何も背負っていなかった燈也と違う。

全てを掛けて、復讐のために戦ったトウヤ・テスタロッサ。

しかし、自らの体の状態を把握しておきながら何も背負わずに、忠告も聞かず戦っていた高町なのはは重傷を負い、後に強化されるフラグを立てることになる。

愚かと言うべきか。

いや、この愚かさは、それでいいのだろう。

自らの愚かを自覚するのであれば。

天界へと。

復讐の思いが、その年にまで実っていれば、殺していただろう。

ここに、高町燈也はいるだろうか。

本人は、燈也が父を殺そうとしたことなど、知る訳もない。

『愚者はその名の通り・・・愚かにも、戦場へ・・・』

「燈也の声…………?」

寒気が、襲いかかった。

体が、言うことを聞かなくなる。

体に残った傷跡は、完全に癒えたはずだった。

しかし、その傷つけられた体の一部は、なのはの中で熱くなり、疼きだす。

苦しくなり、誰かが、自分を見て殺そうとしている視線が、なのはにとっては恐怖。

どこから、襲ってくるかも解らぬ恐怖が既に、戦力として全てにおいて、役に立たなくなっていた。

なのはの中での、高町燈也が、いや、燈也・テスタロッサが感覚だけで、追いつめ、廃人にしようと、精神を追い詰める。

聞こえる。

燈也の言う言葉が。













「さようなら。過去に、姉だった愚かな人よ。」













「消えた…?どこへ…」

クロノは、鳴海市へと。

ただ、残っていた。

彼らは、何処へ行った。

死の世界か。













「駄目だよ…戦っちゃ…」

燈也の新たなるデバイスをすずかが抑えることによって放出を阻止しようとしている。

既に、いつでも放てる状態に入っている。

拘束具を苦とせずに、燈也はデバイスを構えなおそうとするが、すずかはただ、抑えている。

攻撃できないのは、すずかの存在の甘さ。

何故、すずかの存在の前では非情になることはできない。

死せることが、できるのであれば、この世界を消滅させて、なのはと感じていることができるフェイトを同時に消すことができる。

フェイトは人間では無いというのが、この男の見解とみてもいいだろう。

故に、人形は消すべし。

母の作った、愛玩人形であり、黒の遺産であるのなら、それは邪魔物である。

「燈也!!燈也・・・燈也ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

「来たね・・・戦う相手を間違えて…僕のところに…でも、お前は、僕が相手するんじゃない・・・とって行けよ!!」

凄まじい咆哮をあげたのは、フェイト・テスタロッサだった。

閃光のように、燈也に向かっていったのだが、逆に、それによって隙が生まれ、

「食われる。」

仮面の男によって、フェイトのリンカーコアは回収された。

「ばーか。」

「フェイト・・・ちゃん・・・!?」

既に、動ける状態にあるわけでもない。

そのまま、フェイトは崩れ落ちる。

だが、それに対して、燈也は何も思うことは無かった。

「人形が出しゃばるから…こうなるんだ・・・」

人間と人形の違いとでも言うのか。

トウヤ・テスタロッサは、フェイト・テスタロッサを生命体としては受け入れていない。

おプレシア・テスタロッサの受け売りであると同時に、本人もそれが正しいと思っているからだ。

では、トウヤ・テスタロッサの中で、フェイト・テスタロッサの存在はどういうものであるのだろう。

答えは、感情を持ってしまった動く人形である。

人形、ただ、与えられた力を持っただけの人形だ。

恵まれた人形…

「所詮、お前は人形なんだ・・・ママの願いをかなえるために、作られた人形。」

「わ・・・たし・・・人・・・形・・・じゃ・・・」

無いと、言いたかった。

だが、その声は、そのか細い声では、燈也には聞こえなかった。

絶大なる力、プレシア・テスタロッサの全てを受け継ぎ、強化することの出切たこの少年の前では、フェイトはやはり人形として見られなかった。

人形を再び、作り出すことはいくらでもできる。

それでも、フェイトのような人形を、燈也は作る気になれなかった。

既に、この年でプレシアの全てを受け継いだ少年は、後に現れるとある犯罪者と同じレベルの知識を有していることとなる。

さぁ、消滅してもらおう。

燈也の中で、動き出す。

「まさか・・・燈也君・・・!?」

「オーバースペリオル・・・」

無駄な描写が必要ないのは、フェイトは既に、動けない状態にあるからだ。

フェイトを殺すことによって、母の思いの一つは晴れることとなる。

燈也の概念の一つである、破壊と再生は紙一重となる故に、ここでフェイトが殺されたとしてもどうせ、変わりは直ぐに作れるだろう。

とは言え、作るつもりなど、無いのだが。

そして、燈也とプレシアの共通するもう一つの概念は、人形は死後の世界に行くことなど、出来ず。

「堕ちろ・・・」

故に、殺しても罪悪感は無

「シュトローム・・・」

燈也のデバイスから、放出されるどす黒い光がフェイトに向かって放出される。

「人形って・・・どういうこと・・・」

「そのまんまの意味だよ。あいつは、ママの作った人形・・・ただ、感情のある人形・・・」

「人形じゃないよ!!フェイトちゃんは生きてるんだ!!」

「待てよ!!人形を庇うのか!!」

「人形じゃない・・・・・・生きてるの!!!!」

「何で・・・なんでなんだ・・・人形を庇う・・・?必要なんて無いんだ・・・」

トウヤ・テスタロッサの中で生まれてくる、理解できない感情、人形は人形である筈でありながら、何故、人形を庇うことができるのだろう。

燈也は、すずかの概念が理解できずにいた。

オーバースペリオル・シュトロームはすずかの手によって防がれた。

すずかは、助け出したフェイトを抱きかかえながら、濡らした瞳で、自分の概念に苦しむことで今の時間を経過させている哀れな少年を眺めていた。

「フェイトちゃんは生きてるの!!!!」

「違う・・・違う・・・違う・・・フェイトは人形なんだ・・・フェイトは・・・」

「燈也・・・!!帰ろう!!!」

「燈也!!来てるぞ!!!」

知っている気配が、近づいてくる。

望んでいなかった、会うと、反吐が出るほど最悪である存在、高町なのは。

また、もう一人はあの時世話になったもう一人の存在。

ヴィータと呼ばれる一人の存在は、燈也に温かみを与えることが出切る。

そして、騎士女の存在。

あの時、フェイト・テスタロッサを殺害し様とした時に、邪魔をした女がいる。

また、仮面を付けた男たちも、燈也に迫ってくる。

ここで、奪い取るつもりなのだろう。

燈也の中にある力を。

「何だよ・・・お前等・・・なんなんだよ・・・なんだよ・・・なんなんだよ!!!!!!!」

既に、シュトロームの残光は消えている。

そのデバイスを構える事無く、燈也は左手で頭を抑え、その衝動から耐えようとしている。

隙はあるはずだと、思っていた。

だが、そこに付け入る隙は全く無かった。

攻撃をしようと思ったとしても、何か、彼の防衛本能が反応し、攻撃する隙というものはこの男の前で全く存在しない。

そして、あの魔術、燈也以外に使える人間は、プレシアのみといったところか。

なのは、レイジングハートを待機状態にし、燈也に近づこうとした時、傷を負った部分が疼くものの、それを我慢して、ゆっくりと近づいてきた。

しかし、その対話をヴィータが許さない。

「お前が、接触すれば燈也は壊れるぞ・・・?」

「そんなことない!!燈也は私の弟なの!!」

とはいっても・・・

「それを、あいつは望んでいない。今・・・あいつを正常に戻すことができるのであれば・・・」

ここにいるとするなら

「あいつだろ。」

ヴィータは、今の燈也の心情を理解している。

なのは以上に。

すずかのことを指差した。

すずかは、ヴィータを見た。

そして、驚く。

そういう部類の人間であるのかと。

しかし、すずかの中で、それは些細な問題でしかなかった。

燈也の今の状態を止める。

これが、すずかの中で思っている、すずかの最優先事項。

すずかの中で感じている筈の、一つの何か。

多重的人格を感じているわけではない。

燈也は、多重的人格を有しているわけではなく、燈也という一つの人格が、変貌している。

変えたのは、他人の意志ではなくて、自分の意思で全てを変えた。

たとえ、家族やすべてを敵に回し、周りに憎まれたとしてもだ。

燈也のいう母と、一緒にいたかったという思いが、その思いだけが、燈也を変えた。

母と一緒にいる時間だけが、その時の燈也の唯一の安らぎになるというのなら、出来るのか。

すずかの考え付いた対処法は、言わば、燈也の概念というものが、全てを言う。

「死ね・・・・死ね・・・死ね・・・お前なんて!!!!!」

また、来る。

一時的に憎しみに汚染された心の偏った精神が。

そうやって・・・

「ママの邪魔をして!!!!!!」

燈也には、何もかもが信じることが出来ず。

だが、甘い。

すずか、ヴィータ、シグナムの身を基の世界に帰し、ほかの人間たちは、全てバインドで拘束する。

帰す。

巻き込みたくないから。

「待って!!!!!!燈也!!!!!!!!!」

死を悟った瞬間。

なのはとフェイトは殺される。

「長い付き合いだったよ・・・すずかがいなくなったから、消す。もう、ここで思い悩まなくて済む・・・」

『そうよ・・・燈也・・・消しなさい・・・』

「そこにいたんだね・・・ぼくのママ・・・」

燈也の神経を安定させるような優しい声が、燈也の耳に入った。

いや、これは幻聴だ。

しかし、それを理解しているわけではないのだ。

燈也にとって、そのようなことなど、どうでもいい話であった。

また、そのようなことを理解しようとも思わなかった。

フェイトの削除は、プレシア・テスタロッサの意志として、今ここにきている。

燈也のせめてもの、償いというものは、ここでは無い。

ここで、一瞬にて、全てを破壊することができるのであれば、いや、それを実行させることができるのが、燈也のデバイスであり、燈也の能力だ。

もう、ここで、全てを破壊し、この因果を破壊してしまおう。

この因縁を断ち切って、帰り、そして、迎えてくれる人の場所へと帰ろう。

燈也の中の心眼が、すでにこの二人を捕らえ、ずっと、拘束し、自由を奪い、締める。

もう、終わりにしよう、怨念を残した、この戦いの終わり、全ては燈也の望ママに、愛する人を助け出すために。

今だから言います。

高町なのは・・・

真実を知るまでは、貴女のこと、少し、憧れてました。

「いや…ここで・・・殺されたくない…」

「あぁ・・・・」

「やめるつもりはない。」

燈也のその意味は、優しいとは言えない。

しかし、肉片一つ残さず消すのは、全てにおいて、安らぎを与えるためであろう。

思い出される。

燈也の過去の思い出。

高町なのは。

もう、これで魔法に縛られて生活を送ることなど、絶対に無いでしょう。

だから、死んでください。

生まれ変わることがあっても、絶対に二度と会うことは無いでしょう。

無限の可能性を持った二人の少女は、ここで死のうとしている。

「さようなら。過去に、姉だった愚かな人よ。」

どこにもいなくなるのであれば、良い。

せめて、供養はしてあげよう。














「ユファさん!!!急いで戻って!!!!」

解っている。

「しかし、次のディメンジョンを行うまで、3分半はかかる・・・待って・・・」

「どういうことだよ・・・!?」

ヴィータは、何故、この世界に戻されたかというのが、まったく理解できなかった。

すずかに関して、今、ここで話している時間ですら、惜しかった。

なのはにフェイト、そして、燈也の三人を救いだしたい。

あの世界が終る、その前に全てを救い、守り、明日を迎えたかった。

世界を滅ぼす気であるのなら、全てを混沌へと返すのであれば、それなりに時間がかかるはずだ。

世界が終る瞬間をあの時、全て感じ取っていた。

痛みが、全て走る瞬間が、世界が終わった瞬間だった。

終わる時間は、早くて、三分

ディメンジョンは片道で1分45秒。

「まだ、片道の分だけ・・・」

意を、決すのであれば、それは、今。

動くことができるのであれば。

「ディメンジョン開始!!!」

残りの時間は、全て向こうで稼ぎ、燈也を止める。

「すずか・・・!?」

「消えゆく命を助けるために…」

あそこで、全員を救うのであれば、すずかが燈也と闘うしかない。

すずかの空間が変わる中で、早くしろと言う焦りが生まれる。

変わった瞬間には、燈也はあのデバイスを地表に向けて、詠唱を続けていた。

「月村・・・戻ってきたのか!?」

「やめようよ・・・・・・燈也君・・・・・・もう、良いでしょ!?なのはちゃんだって、フェイトちゃんだって・・・・・・」

復讐を否定しなければ、永遠に燈也は解放されることはない。

しかし、今にも崩壊しそうな燈也の体を支えているものは、プレシアへの思いと復讐心。

どちらかが、崩壊すれば、簡単に燈也は崩れ去るだろう。

「消えそうな貴方を私が支えるから・・・帰ろう?皆の所に・・・」

燈也の頭の中に入ってくるすずかの言葉。

崩れるのが、ただ、怖いのだ。

今、ここですずかの言葉を飲み込んで、復讐心を失ってしまう自分自身が、怖くて仕方がなかった。

崩れるのであれば、その燈也を救うことだって、自分ならできるはず。

自意識過剰にならなければ、このような愚かなこと、誰もするはずがない。

無くしてから、気付くはずだ。

ただ、それで燈也が傷ついたとしても。

「強引にでも・・・止めるよ!?」

「来るのか!!」

すずかは、構える壊園剣を。

愛する者を止めるために、全力を持って、殺すのではなく、止める。

重なり合う、二つの視線。

燈也は、そのデバイスを宙に待機させ、崩壊魔術の準備を進めさせる。

すずかは、燈也を止めるために。

燈也は、すずかを止めるために。

全ての力を初めて、好きな人に、友人に向ける。

「お前でも!!」

「燈也・・・もう、終わりにしよう。絶対に・・・絶対に止める!!!ユファさん!!」

「すずかちゃんのためなら・・・!!!」

「はぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・!!!!!!!!!」

燈也は、黒騎士にならずに、戦闘形態となる。

その姿は、侍の甲冑を彷彿させ、背中には、堕天使を彷彿させる黒い翼が目覚めた。

「燈也!!!」

「すずか!!!」

初めて、その名を呼んだことに、戦闘中でありながら歓喜を覚えながらも二人の天使は月突する。

後、1分でこの戦いの片を付けなければならない。

この世界の崩壊をかけて生き残らせるか、消滅させるか。

燈也とすずかは、黒と白の閃光になり、重なり合うたびに、一撃を食らわし、お互いにダメージを受ける。

燈也が、壊園剣を振り落とす度に、鈍い音が鳴り、すずかの体を切り裂く。

刃で与えられることのできないすずかは、背中の翼を使い、燈也の体を突き刺す。

すずかの思いが、力となって、翼が龍と変わり燈也に食らいつく。

「がぁ・・・!?」

燈也の口から、血反吐が出る。

強い。

燈也の中で、すずかが強者のイメージに変わる。

あの時の、クロノの中に入っていた、もう一つの魂を思い出した。

「ウインディア・・・」

すずかが、魔法陣を壊園剣で一瞬に描く。

燈也は、攻撃しようとしても、翼によって邪魔されてしまう。

ここで、対抗するのであれば、同じ手で向かうしかない。

燈也も魔法陣を描き始めた。

絶対防御壁の翼をもち、魔術の詠唱中に無駄に攻撃を受けないたちの悪い翼。

すずかの思いが、強いことを燈也は思い知る。

しかし、今、目の前にいる好敵手を踏み台にしてでも、燈也はさらに上へと、思いを叶えたかった。

「天使さん・・・燈也を止めて・・・」

なのはの純粋な思いは、すずかに届き、力となる。

この世界の崩壊まで、後、45秒。

届け、燈也にそして、終わらせろ、燈也の悲しい復讐を。

帰って来い。

あの、皆で過ごした優しい時間よ。

これで決まらなくても、その勢いで、燈也の感情を全て切り裂く。

そうすれば、燈也の呪縛は解放されることだろう。

燈也が放っている、漆黒オーラを、すずかの手によって、変える。

終わった後に言おう。

本当は、好きであると。

輝く空は、終わることなど知らずに、無邪気に二人を照らす。

「メガセリオン・・・!!!」

大いなる風の獣よ、燈也を救え。

「ヴォルテック・・・メガセリオン・・・!!」

願わくば、すずかを救え。

大いなる雷の化身である獣よ。

見渡す空の音よ。

二人の思いは、ただ、同じだった。

お互いを傷つけたく無いから、救う。

しかし、180度違うものが、そこにはあった。

大いなる風の獣と、大いなる雷の化身がぶつかり合う。

お互いに、刃を構えながら突っ込み、二つの獣と同時に剣をマジわすことによって、今を楽しもうとしてしまう。

これが、今の自分たちであるのならば、時間など、気にしたくは無い。

しかし、後30秒で、この世界の命運が変わる。

絶対防御の翼をぶつかっている中で、伸ばすところまで伸ばす。

少しでも、なのは達を助けるために。

あくまでも、全員助ける、これが、すずかの動く理由。

ここにあるものを、燈也は全てを消す、これが、燈也の闘う理由。

消えた自分の向かう場所は、母のいるシャングリラ・・・理想郷へと。

情緒不安定になっていた自分の精神を全て解放できる、素晴らしい戦いだった。

燈也は、このとき、思い知ることができた。

たった数回の戦闘で、すずかはここまで成長したのかと。

消すのが、惜しく感じてしまう

そうまで感じてしまうほど、自分の砂漠だった心を満たしてくれたのだ。

「理想郷にたどり着くことができるのなら・・・!!!」

消えた君を蘇らせよう。

「私はあなたを救うために、ここに来た!!!」

二つのメガセリオンは、姿を消した。

いや、二つの壊園剣に雷と風が宿ったのだ。

二つのメガセリオンが、燈也とすずかに答えるように、力を与え、お互いに力を与える。

二人の翼は、この戦闘によって興奮し、ぶつかり、お互いを食っている。

「戻って!!!!私の手を取って!!!!」

「まだ!!僕の思いは叶っていない!!!!」

戦術など、あったものではない。

すでに、お互いの思いを伝え、伝えさせ、堕天使と天使は、踊るかのように、その戦いを続ける。

「「ここで、全てを!!!!!!」」

決す。

お互いの声が重なり合う中で、サポートに徹するユファは、感じ取る。

この二人は、真なるエンゲージ・パートナーであると。

戦術がないほど、愚かな戦い方。

しかし、今の二人は、これで良いのだろう。

ギギッ・・・

二つの刃が合わさり、鈍い音がし、羽はお互いに食いついて、離そうとしない。

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」」

この戦いが、強制的に終了するまで、後15秒。

そこで、なのは達の全ての命が決まることになる。

ただ、ぶつかり合う、お互いの感情が、この戦いに高揚感を生み出す。

翼が、食らいつくたびに、吠え、ほえられ、自分にダメージが来る。

初めてだった。

ここまで、自分の実力を発揮しても、引き分けであるこの戦闘は。

すずかは、強い。

なのはや、フェイト、クロノ・ハーヴェイよりもあの男を思い出す。

クロノ・ハラオウンの中にいた、別の男を。

後、7.5秒で終わる。

燈也のデバイスに近づきたくても、すずかは、近づくことが出来なかった。

下に伸ばした翼は、既になのはとフェイトを保護した。

上に伸ばした翼は、燈也の翼と闘い、傷ついている。

後、3秒。

下手をすれば、燈也を救うことなく、強制ディメンジョンを行わなければならない。

2秒。

燈也の翼が、涼香の上の翼を砕き、すずかを捉えた。

1秒

食いつくされた翼からユファの召喚した風の化身が現れ、燈也の翼を破壊する。

「すずかちゃん!!!」

全ての大地が、消え始めている。

「燈也君!!!手を取って!!!」

「まだ!!!」

燈也は、決して手を取ることはなかった。

例のデバイスを燈也と手に戻し、発動させる。

「オーバースペリオル・・・ヘヴンズゲート!!!!!!!」

「強制ディメンジョン・・・」

待ってくれ。

すずかは、ユファを止めようとした。

しかし、ここで止めれば、フェイトもなのはも、そしてすずか自身も消えてしまう。

「燈也・・・手を伸ばして!!!!!!手を・・・私の手を掴んでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!」

その声は、届くことはなかった。

最後に見た、燈也の顔は、優しかった。

燈也の思いは叶うことになったのだろうか。

ここで、死んだとしても、プレシア・テスタロッサに会えるという事。

アルハザードで、自分を助けてくれる。

すずかは、最後まで、手を伸ばした。

ここから、元の世界に行くことになろうともだ。

最後まで、ずっと、ずっと助けたかった。

でも、さし伸ばしたその手は掴まれることはなかった。

すずかの初恋の人にだ。

「燈也・・・」

「すずかちゃん!?」

降り立った場所は、なのはがいつも魔法の練習をしている丘。

すずかの集中力が切れることによって、成長し、天使と同化した姿から、基の人間の姿に戻る。

なのはは、あの天使の正体が、すずかと知り驚愕する。

「どうしてなの・・・燈也・・・?」

すずかの眼には、既に、生気というものが感じることはできなかった。

失ったものは大きかった。

「燈也・・・燈也・・・燈也・・・燈也・・・・・・」

初恋だった人を亡くした、痛みが、すずかの何かを抉り取った。

助けたかったのに、救うことが出来なかった。

崩れるように、すずかは地に膝をつく。

「燈也ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」

持てる力を全て使い、愛していた人の名前を、すずかは叫んだ。

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