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EP-06「どうして、貴方は・・・なのはちゃんを殺そうとしたの・・・?」

さて・・・
人妻と未亡人につながる描写が今回はあり。
ユーノやなのはのその後も有り。
気に入らん部分を修正。


「フェイ・・・ト・・・ちゃん…」

再開は、地獄の幕開けだった。

意識目覚めず。

なのはの部屋にて、フェイトはずっと、そこで看病していた。

「なのは…大丈夫…私が、ずっと…傍にいるから・・・」

なのはに傷を負わせた元凶は、ここにいる。

ただ、殺すことはできなかった。

元凶は、自分を寄せ付けようとしなかった。

なのはを生きていることを感じ取っているかのように、ただ、何か、黒い物を感じ取っている。

フェイトは、なのはを落ち着かせるが為、いや、フェイトの下心が見える。

「ずっと…傍に…」

フェイトのなのはへの執着心・・・

「うぅぅ・・・ぁあ・・・」

「大丈夫だよ…?なのは…」

安心させるがために、フェイトは、その胸になのはの顔を埋めた。

自分がいると。














「うぅぅぅうぅぅぅぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・・・・」

回収・・・

あの後、非常に徹しきれなかった男は意識を失った。

監禁されている。

囚人服を着せられ、拘束具までつけられ、牢獄で監禁されている。

とはいえ、なのはが好きな人間にとっては、この程度のことはまだ、軽いと叫ぶかもしれない。

実際、フェイトがそうだった。

なのはが好きな方であるなら、この燈也も極刑を望む人間とて少なくは無いだろう。

しかし、この男は死んだとしても、後悔は無い。

プレシアの元へ逝けるのであれば。

しかし、目標とすべき人間の一人を殺したと思っているが故に、まだ、それは良しとすべきだろう。

だが、まだ・・・

「足りない…」

一人の男は、そこで呟く。

ハラオウンの中継基地…燈也は、敵のアジトに回収されていた。

「あぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

威嚇しているような、この男の気迫。

なのはを、簡単に殺そうとしただけのことはある。

とはいえ、戦場に突如乱入してきた一人の天使によって、全ては事無きを得た。

心臓を捉えられなかったのは、不幸中の幸いか。

今、この時によって、眠りについている。

「殺してやる…」

エイミイの耳に、今の言葉が走った。

「殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…」

燈也は、ただ、ぼそぼそと意識を失いながらも、なお、フェイトらを殺すという怨念をうち放っていた。

「クロノくん……この子、恐い……」

「エイミイもか…?僕もだ。」

「なのはちゃんも、あの天使がいなかったら、死んでいたんだよね…この子によって…」

「あぁ。悪魔だ…」

まさに、その言葉適切也

それと同時に、あの時の天使…すずかは、大量に力を消費させたにも、関わらず、怒りによって、回復。

燈也を説得するものの

「フェイトの乱入によって…失敗か。」

エイミイは、何か不安になって、クロノに縋る。

「大丈夫だ。エイミイが傷つきそうになっても僕が守る。絶対に・・・」

クロノは、エイミイの手を、強く握る。

「ありがと・・・安心できた。あと・・・」

「あいつか・・・酷なことをしたものだ。」

ユーノ・スクライアは、燈也に屈辱的な敗北。

燈也の爪から放出された光の刃。

人間の急所をわざと外し、全てユーノ・スクライアの体に突き刺さった。

深く…深く。

あの後、回収されたユーノ・スクライアは、緊急手術が行われた。

結果は、命には別条のない重傷

しかし、代償はあった。

手足の細胞は、燈也の意図によるものなのか、仮死状態に入っている。

それによって、意識はあるものの、しばらくは車椅子生活を余儀なくされることとなった。

全く動かず。

感覚も、そこにはない。

ここから、今回の仕事はまた、いつもより早めに決まることになる。

本来の、このイレギュラーな世界は。

故に、燈也の言う生き地獄は、これである。

眠る時、聞こえるという、そして、感じるという。

燈也への、恐怖、怨念。

一度、ならず、二度までも…

このような目に会えば、恨むのも当然とは言えるだろう。

しかし、考えようによっては、燈也も、ユーノ・スクライアの犯したミスによって、巻き込まれてしまった被害者と言えなくもないだろう。

ジュエル・シード・・・そうでなければ、プレシア・テスタロッサと出会わなかったかもしれない。

普通の小学生のまま、人生を歩んでいたことだろう。

あの時、天使が行った行動が、成功していれば、どうなっていたのだろう。

クロノの中で、あの時、フェイトを止めておくべきだったと後悔に迫られた。

意識を失っていながらも、復讐鬼として、その場に、存在この男。

いつ、動きだしても、おかしない状況で、クロノとエイミイは、ただ、この一人の少年に恐怖と言う二文字を叩き込まれた。

動き出せば、殺される。
















「すずか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」














復讐鬼の言葉に、すずかは…

聞こえず。

あの後、何も、姿は見せず。

はやては、何もできずに、ただただ、月村家に泊り込んでいた。

「いや・・・たたかうのは・・・いや・・・」

恐怖が、戦場で味わった恐怖が、すずかを支配する。

何かが、黒い何かが、すずかに憑依しているように。

「いたいの・・・いや・・・」

傷つけられるのは、恐い。

そして、燈也が恐かった。

今まで、診たことの無い燈也。

そして、殺そうとした自分が、恐かった。

なのはを殺した燈也を殺そうとした自分が恐かった。

「すずかちゃん、大丈夫なん?」

「はやてちゃん・・・大丈夫。」

とはいえ、かなりの体力の浪費。

そして、はやてに偽っている。

一晩寝た今でも、体力は浪費は取れない。

あの時、なのはのために、全力を注いだ。

恐怖すら、取れなかった。

「痛い…」

動きたくても、動きだせなかった。

「なんやの・・・」

隣で寝ていたはやては、何もできず。

ただ、友人として心配だった。

結局それしかできなった。

突如の、すずかの負傷…刃で斬られたかのように、突如、鮮血が飛び出た。

「ごめんね。私がこんな状態なのに、泊らせちゃって・・・送ることもできないし・・・」

「ええんよ。それより・・・自分の体を大事にな?」

フェイトを庇った月村すずか・・・

あの時、受けた傷が、すずかに容赦無くダメージを与えた。

ただ、これが戦いの代償なのだと、言うのならそれを、すずかは孤独に、耐える。

すずかの、見せぬ苦悩。

あの燈也という少年に、ただ、淡い恋心を抱いていた。

何故、敵になったのだろう。

絶対に、どういうことか、教えなどしないだろう。

なのはやフェイト。

あの場にいた、一人の人間のうちの誰もが。

知っている奴は、何人もいたのだ。

それでも、燈也の空白の時間を知りたかった。

月村すずかというこの少女は。

中にいるユファは、何も応えなかった。

だから、すずかは、恐怖した。

戦いたくない。

恐いから、傷つけたくないから。

「強い・・・」

復讐心から来るものによって、全ての戦況を変えた。

純粋に、剣を交えた時に伝わってきた感覚。

「え?」

別のものが、伝わってくる。

これは、ユファ。

「何で・・・なのはちゃんにあんな酷いこと・・・。私・・・どうして・・・燈矢君に・・・自分じゃない・・・」

すずかの脳裏に過ぎる、あの時、なのはを刃で突き刺したときの映像。

あの時の燈也は、笑っていた。

愛する人の名前を叫び、その顔は、歓喜を表していた。

悪寒のような物が、すずかには走った。

重なりだす、問題。

燈也の過去、フェイトとなのはの存在。

なのはを殺した理由。

この問題が、どうなっているのか。

まだ、9歳の頭では、考えても追いつかないのが、限界だった。

そして、ユファに支配されていない筈なのに、勢いで燈也を殺そうとした自分が恐かった。

「ユファさん・・・今・・・」

何も、何も言わない。

沈黙

「何も・・・言ってくれないの?」

「私は最低だ・・・」

「そんなこと・・・無いよ。」

最低であるのは、自分であると、すずかは思った。

そして、今、口から出る精一杯の言葉が、それだった。

「自分を追い詰めないで・・・」

自分を追い詰めずにいられない。

しかし、それは、すずかも同様だった。

あの時、やられなければ、こんな結果にはならなかった。

例え、シナリオどおりであったとしてもだ。

そのシナリオで、生きていたとしてもだ。

一人の天使には、これが、シナリオどおりだとしても、9歳の女の子に、このようなことをさせるというのは、重すぎる事だった。

「葉子さま・・・・・・」

すずかに対する罪悪感。

あの時、何も言わずに消えればよかった。

実は、自分は助からないと、嘘を言っておけばよかった。

後悔の念にかられた。

そして、すずか自身は戦いに身をおいた自分に恐怖した。












「うぅぅぅぅぅぅ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」















「っ・・・!?」

獣・・・いや、復讐鬼。

「燈也君・・・出たいの…?」

いや

「殺したいのね…?何が、貴女をそこまで動かすの・・・?」

伝わってくる。

しかし、何故、どこにいるかもわからない燈也から、それが伝わってくる。

「何故・・・」

「壊園剣の共振…」

「壊園剣…?普通に、剣じゃないの・・・?」

「ううん…それは、アマテラスさまとスサノオさまの持っていた二つの剣をコピーしたものなの。」

その意味。

「すずかちゃんの雌はアマテラスさまの剣・・・あの男の子が持っていたのはスサノオさまの剣・・・それぞれを、コピーしたもの。」

アマテラスとスサノオ・・・すずかの知っている日本の神

「コピーとはいえ、その威力はまさに、神が持つに相応しいわ。」

本物の威力は、後に立証されることになる。

真の姿を見せて。

「でも・・・二つの剣を持っている男女は選ばれた人間たちなのに・・・」

「え・・・?」

エンゲージパートナー・・・

「壊園剣を持つ男と女の総称・・・」

当時のスサノオとアマテラスにあやかって付けられたものだと、ユファは聞いていた。

その母であるイザナミ・・・

化身であり、そのものである葉子から。

今は、イザナミを力を預け、アマテラスを身に秘めている。

アマテラスが、解放されるのは、まだ・・・

先の話。

「本当は、二人は共に闘うパートナーなの・・・」

しかし、戦った相手は、同じ剣の持ち主。

ユファにとっては、葉子から聞いてもいない異例の出来事。

これも、シナリオ通りだというのか。

すずかの中で、燈也はすずかに対しては敵対心を感じていない。

戦いたくないと言っていた、あの時。

「なのはちゃんを・・・どうして・・・?」

ふと、すずかは、壊園剣に触れた。

「っ・・・!?」

痛みを感じた。

「なんで…?」

燈也と戦った時や、これを身につけて戦っていた時は、痛みを感じなかった。

「痛がってるのは…燈也君…?」

「雄のほう・・・」

「助けたい・・・でも、その方法がわからない・・・これは、正解なの?」

「人の心の解放何て、考えてできるものじゃない・・・か。」

教えられたこと。

それでも、助けてあげたい。

燈也を。

復讐という鎖から、すずかは解き放ちたかった。

例え、それが、燈也を傷つけることになろうとも。

「燈也・・・」

友達を傷つけられるのは嫌だから。

「助けることができる。って、思う。」

このことが、自惚れであろうとしてもだ。

その鎖から解き放った時、燈也はダメージを受けるかもしれない。

大きな、心を傷を受ける。

ただ、その時は自分が触れて、慰めれば良い。

燈也の傷に優しく触れて治せばいい。

「絶対的なものはあるの・・・?」

聞かれれば、絶対的なもの何て、何も無いといえる。

何も、無いまま、そのような確たるものなど、ここには無い。

そうだとしても、何か、自分の中で、確たるものがあると、すずかは感じ取っていた。

絶対に、助けることができる。

彼の心を、体を・・・その、鎖から救い出すことはできる。

すずかの中で、できると。

「なのはちゃん、大丈夫だよね・・・」

あの時、殺されそうになったが、何とか救うことが出来た。

「なのはちゃん・・・燈也君に、何をしたの。」

なのはに、あそこまで執念を見せたのは・・・

「なのはちゃんが何かをしたから。」

なのはを殺そうとしたのは・・・

「この世で、なのはちゃんが憎いから。」

あそこまで巨大な恨みを持つのは、なのはが憎いから。

憎いゆえに、殺す。

燈也に、何があったのだろう。

知るわけも無かった。

対、この前、燈也がこの世界から消えたとき、本物の母プレシア・テスタロッサと出会い、かけがえの無い時間を過ごし、それを奪い取ったのが、時空管理局の人間たちであると同時に、この中に、高町なのはと、フェイト・テスタロッサが、この戦いに参加していたことなど。

また、この世界にいた、プレシア・テスタロッサという、人物は、既に、自分たちの慕っている高町士朗に既に殺されていることなど。

殺すべき人間が、燈也には多すぎる。

「その怨念を貴方は、全部・・・淨解できるというの・・・?」

迷いが生じる。

「全部・・・自信があるわけじゃないよ?」

ただ、その奥に

「絶対にできるって、言ってくれているもう一人の自分がいるの。たぶん…この後に来る歴史に比べたら…これは、本の序章・・・」

「感じ取ったのね・・・」

「今、壊園剣を手にした時に・・・感じた。後に起こること・・・」

「まさか・・・すずかちゃん・・・」

ユファは、感じ取ることができる。

月村すずかは、月村の家の中で、最も強い人間であると。

11年後のどこか、別の場所で、何かを倒すために、天使たちが召還される。

その中には、自分をも含まれているだろう。

懐園剣に触れた瞬間、自分の中で、流れ込んでくる未来の映像。

映像の中には、四体の巨神

二人の最高神の生まれ変わりが、なのは達を率いて、闘っている。

周りには、神々の生まれ変わりが、そこにいる。

勇ましく、それは強く、また、神々しいといえるだろう。

アマテラスと、スサノオを筆頭に、目の前にいる何かと、闘っている。

朱色の髪・・・全てのワルキューレを総括する一人の女性。

死の神を使役し、相手を断罪する男。

戦の神と一つになり、その大剣で相手を切り裂く男。

建御雷神を使役し、懐園剣と一つのデバイスを使いこなす一人の男。

知っている。

すずかは、その男を知っている。

また、その隣には自分の良く知っている人間が、そこにはいる。

何故か。

それは、自分なのだから。

ユファと、同化し、自らは建御名方神の力を使い、建御雷神と共に戦っている。

建御雷神・・・貴方を、知っている。

本当の意味で、自分を取り戻すことが出来たのであれば、それを行った者は誰であるのか。

なのはや、フェイトではない。

未来を映し出す映像の中で、すずかは、微かにその声を聞くことが出来た。

ありがとう、すずか・・・君のお陰で、僕は今、ここで皆と闘うことができると。

燈也は、すずかによって救われていた。

すずかのお陰で・・・しかし、すずかは、自分が闘わなければ、燈也は救えないと悟ることも出来た。

この映像によって、見せられているという言葉なら、救わなければならないのだ。

高町燈也という、一つの命を、その呪縛から、復讐から、憎しみから、全てにおいて自らが解放しなければならないと。

自分と共に、そこに存在しなければならないと。

全てにおいては、後の生き残った神々の戦いであると同時に人類の生き残りをかけた戦いでもある。

映像は、そこまで伝えて、他にも何も伝えることは無かった。

ただ、不安になることはある。

確証はあるが、絶対ではない。

あの怨念を完全に淨解できるというと、普通なら、できるわけが無いと考えるのが、普通だ。

すずかは、そういう点においては普通だった。

この年の子供に有りそうな安っぽい正義感など、すずかには持ち合わせていなかった。

だから、また、戦場へ向かう自分が恐かった。

「私は・・・すずかちゃんのためなら全力で・・・いえ、やっぱり・・・」

今なら、消滅は防げる。

すずかの力を吸い取ることが出来た。

故に、後一ヶ月・・・待つことが出きれば、すずかなくしても淨解は可能となる。

「ダメ・・・やっぱり、私自身の手で助けたい。」

それでも、自分の強がりであることは解っている。

「でも・・・」

「死ぬかもしれない・・・そうなった時は、巻き込んでもらったんだから・・・

「全力で守るわ。絶対に・・・」

ユファの中で、絶対に決める。

例え、自分自身が砕け、光の粒子となって消滅したとしても絶対に、すずかだけは守ってみせる。

葉子には、どう言われたとしても、ここで無茶をして、すずかを助けたかった。

「どうして、そこまで彼に拘るの・・・?」

「それは・・・内緒。」

癒える傷の中で、確実に力が戻ってきている感覚を実感することが出来た。

癒えている中で、感じる。

息遣いが。

もう一つの懐園剣を持っているエンゲージ・パートナーの息遣いが、聞こえてくる。

高町燈也・・・

いや、トウヤ・テスタロッサ。

徐々に、穏やかになってくる、燈也の息遣いに、すずかは安堵する。

こうしている間にも、燈也の精神状態が健やかに安定していくのであれば、それで良かった。

ただ、この瞬間の間にも少しの間だけ、復讐心を忘れることができるというのであれば。

―貴方に近づこう。

光と変わり、すずかは夢の中へと誘われる。

「燈也・・・?」

「月村・・・?どうして、穏やかでいられるんだ・・・?君といると・・・。」

夢の中で、再会できた。

すずかが、最も会いたかった人が、今、目の前にいる。

エンゲージ・パートナー。

お互いが会いたくなれば、望めば、会えるというのか。

エンゲージ・パートナーという種族の人間は。

「どうして、貴方は・・・なのはちゃんを殺そうとしたの・・・?」

「・・・・・・・」

何も、燈也は何も言わなかった。

ただ、その浦に激しい復讐心をすずかは感じ取ることが出来た。

怒りという、単純なものだけではない。

悲しみが、燈也の体の奥から精神の光を通して、すずかに伝わってきた。

その悲しみを、すずかは読み取ることは、出来ない。

何故、あの時の戦場での恐怖が伝わってこないのだろう。

逆に、今の燈也に恐れを抱くほどだ。

「悲しいの・・・?」

「そうだよ・・・僕は、僕は・・・」

感じてしまう。

その奥にある、怨念を。

何故、これほどの怨念を、燈也は持ってきてしまったのか。

いや、纏ってしまったのか。

この表現の方が、適切と言えるのだろうか。

怨念を纏っているほどのこの男の不安定な精神感情は、また、乱れる。

怨念を纏った出来事を思い出すだけで、新に、怨念を発してしまうのだろう。

「言わなくていいよ。辛いことは話さなくていいよ。」

ここまで、人は怨念を蓄えることができるのか。

それも、ただの、9歳の少年が、ここまで怨念を持つことが出来る。

いや、持っているが故に、燈也は普通の少年ではない。

目の前にいる燈也が、どのようなことを行ってきたのか、いや、今まで何をしていたのか、解ろうとしても恐い。

人の思い出に触れるだけで、ここまで恐怖することができるのかと、改めていなかった時間帯に何をしていたのかをどのような、時間の流れを感じてきたのか等、鈴鹿は言葉で表現できるほど、成長していない。

だが、わかる、憎しみと悲しみ。

二つの想いがひしめき合い、すずかへの恐怖を生みだしていた。

何を、ここまで落とすことが出来た。

いや、何故、ここまで怨念を身に付けさせることができた。

これを、そこまでさせたというのが、高町なのはだというのであれば、なのはは、一体、何をした。

燈也の中にあるその闇を埋める。

人が、そこまで怨念を溜め込むというのであれば、ただ、抱きしめて救うことができるのであれば。

すずかは、無意識のうちに、燈也を優しく、包み込むように抱きしめていた。

「良いの・・・なのはちゃんを殺さなくて・・・」

「僕は!!それでも!!それは・・・月村の欲求じゃないか・・・」

「・・・・・・解ってるよ・・・・・・」

許すことなど、できやしない。

母を殺し、その娘は何をした。

母の望みを妨げた人間だ。

抱きしめられている中でも、燈也をそのまま浄解など出来なかった。

これが、精神世界の中での限界かと、すずかは多少なりともこの世界に失望した。

「僕は・・・!!」

「燈也君が死ぬのも、なのはちゃんが殺されるのも、私にとっては悲しいだけだよ・・・」

「・・・」

まだ、子供だから。

今、全てにおいては、この男の、好きなままに。

「もとより僕は・・・ママを殺したあいつらを許すことが全てにおいてはだめなんだ!!!」

「燈也君のお母さん・・・!?」

すずかの初めて知った事。

燈也が初めて、すずかに話した事。

あいつらというのは、なのは達のことだろう。

含まれるのであれば、フェイトもそうだろうと、すずかは考えることができた。

燈也が、そこまで怨念をため込む理由が、わかってきたがした。

愛していたのだ。

母親としても、そして、異性としても全てにおいてのプレシアを愛することができた。

「僕の愛していた人は・・・殺されたんだ・・・」

この世界の燈也の母である人間。

しかし

「あなたのお母さんは・・・高町桃子さん・・・」

そうであるはずだ。

全く違うとでも言うのであろうか。

泣き叫ぶように、本当の母を殺されたこの少年の思いは、すずかには分からない。

本当であれば、もう、手にできなかったものを再び手にすることができたが、再び、手を離すことになってしまった。

強制的に、ずっと掴んでいたいものから、手を放されてしまったのだろう。

「この世界の本当のママは、高町士朗に殺されて・・・!!」

また、知らない燈也から話される一つの真実。

「ずっと、僕は・・・ママを殺した人間と一緒にいたんだ・・・!!」

その時、燈也は初めて知った。

「ぼくは、いつ殺されるかわからなかった・・・。」

すずかは、過去に行っていた士朗の仕事など、全く知りはない。

知らず知らずに、燈也の命は高町士朗に握られていた。

本来は、自分自身が殺されていたはず。

いつでも、殺されてもおかしくない状況に、燈也はその身を置かれていた。

生きている世界は、全てにおいて、自分の母は死んでいる。

知っている人は、だれ一人いなくて、燈也のみに絶望を与えるのみの世界。

だから、望んでいたはずだった。

あの時、母とともに死ぬはずだった時、その声のせいで、母と引き離されてしまった。

「あの時の・・・高町なのはの声が…」

堕ちるときに聞こえた。

また、一度手をとるこはできた。

だが、その時現れた

「高町なのはが!!」

それは・・・?

「僕とママを引き離した!!!!」

最後に見た母は、燈也に必死に手をのばしていた。

「僕もその時、手を伸ばしたさ!!!」

だが、それでも

「ママだって…必死に手を伸ばしたのに・・・。」

ずっと、会いたかった。

「そして・・・僕とママは引き離された…」

「燈也・・・」

伝わってくる。

怒りではなく、本物の悲しみというものが、燈也から伝わってきた。

「愛していたんだ…この世界で・・・ママが一番大切な人だったんだ…ママを一番愛していたんだ…」

しかし、それを無理やり引き離そうとして、必死に手を伸ばした少年は一度は、その人と手を取ったが、叶うことなど、決してなかった。

愛して、愛して、この世で一番愛した人に、最も嫌いな人間に引き裂かれたこの思いを、すずかは受けとめきれることが、全くできなかった。

伝わってくる、燈也の悲しみが、全てにおいて正当にもすずかは思えてしまった。

その悲しみを自らの力へと変えて、この世界に復讐者として帰ってきた。

愛する人よ・・・

高町なのはを憎みたくなる気持ちも、すずかには伝わってきた。

自分は、どうなのだろうか。

親友と呼べる人間だとしても、親友以上に愛している家族を殺されれば、憎むだろうか。

すずかの中が、曇ってくる。

燈也の気持ちが、少し理解できた気がした。

本当に、自分は燈也を止める権利はあるというのだろうか。

燈也の話が、本当であるのなら、何故なのはは、燈也とその母である人間を引き離したのだろうか。

知らないわけが、無い筈だ。

望んでいたというのか、燈也が復讐者として帰ってくることを。

いや、無い。

純粋な思いだったのだろう。

ただ、なのはは、燈也に帰ってきてほしかっただけ。

そう思いたいすずかが、心の中で叫んでいた。

抱きしめながらも、徐々にその悲しみが伝わってくる。

ただ、教えてくれて、少しは安心できた。














「良い加減にして!!」

「・・・」

何も言わず。

「どうして、燈也のことを黙っているの!!士朗さん!!」

「母さん…」

「燈也のことになると、あなたはいつも、いつも!!」

言えるはずもない。

家族に。

「良い加減に話して!!」

燈也の唯一の肉親である母を殺しただけでなく、その母の子供が、燈也であるということなど。

普段は何事もなく生活している士朗は、燈也のことになると、何も言わなくなる。

桃子を失望させるのに十分な出来事だった。

それは、静かにその光景を眺めていた恭也達も同じだった。

「あの人なら…わかってくれるかな・・・」

義理の子供である以前に

「燈也は私の家族・・・」

「あの子の真相を、私は知りたい…知って、助けてあげるのなら…。」

助けてあげたい。

燈也を縛っている全てを解き放って。

桃子は向かう。

リンディ・ハラオウンのいる…その場所へと・・・















「おい!!燈也がいなくなったって!!」

クロノが叫び、その事実を求める。

エイミイとリンディ、そしてアルフは黙って頷いた。

まさか、あの拘束から抜け出すとは、クロノにとっても予想外だった。

「まさか・・・高町家に!?」

クロノの背に悪寒が走る。

そして、聞こえた。

「殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる…」

殺意の念が…

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