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Ep-08「精神介入」

・・・
何で、こんなものを、書いたんだろ?


「エンゲージで・・・二人とも軽く殺してあげるよ。」

「え・・・?」

せめて、愛する者であるが故に、楽に、その命を絶つ。

全ては無駄にならないように。

どの道、ここで不快なものを全て破壊する。

「痛くしないであげる・・・」

召還される、漆黒の破壊天使。

燈也は、それに取り込まれた。

「何で・・・なんで!!」

何故、殺そうとする。

ユーノは、叫ぶ。

助けに以降にも、ケルベロスが邪魔で、行けない。

大切な友人であるであるなのはを。

殺しては、ならない。

殺してはならないのだ。

燈也にとっては無能である、あのフェレットにとっても、なのはは、任せられないから。


「さぁ・・・おいで。燈也。私の可愛い燈也・・・」


絶望する燈也に触れる、一人の女性。

それは、愛する人。

自らの愛する人。

「ママ・・・そこに行きたいよ・・・」


「さぁ、おいで・・・苦しまなくて済むから・・・」


もう一度会いたい。

燈也は、自らの死んだ母親に、もう一度会いたい。

昨日の夜の空気が、全ては解されるほどの眩しい光が、燈也の部屋に刺さった。










あのまま、連れてって欲しかった。

そのような感情が、走った。

現実逃避したいのかもしれない。

「体の痛みが取れてる・・・」

母に出会ったゆえのことか。

いや、昨日の活動時間が、少なかったからかもしれない。

「力に取り込まれ様としている・・・」

燈也が、昨日、戻ったときに感じた、感覚。

力に飲み込まれ様としたが為に、なのはまでも殺してしまいそうになった。

「何処へ行く。」

「おはよう。ケルベロス・・・少し、自分とぶつかってくる。」

「あぁ。」

力に取り込まれる前に、その力を自分で超える。

取り込まれない。

取り込まれたくない。

何故、あの時、

「姉さんを殺そうとした・・・」

力に支配された人間というのは、そうなってしまうのか。

力に溺れるのは、力を得た人間はいたらないからだろう。

「抑えなきゃ・・・」

本位ではなかった。

あの時も。

自分の力に、取り込まれそうになったから・・・

恐怖した。

自分にやられる、それを嫌う。

「ダメだ・・・恐れちゃいけない・・・」

何故、姉を殺すと、あの時呟いたのか。

エンゲージで、殺そうとしたのか。

「くそ・・・」

そうなって、思い出す。

全てが変わったのは、何処からだ。

フェイトが、出てきてからか。

道場についた燈也は、着替え、木刀を手に取った。

「久しぶりに、試合でもしよっか?」

気付いていなかった、燈也が悪いのだが、そこに美由希がいたことに、初めて気付いた。

そういえば、恭也がいないということもだ。

「良いよ・・・」

気付けば、なのはが、隅にいたことに気付く。

燈也は、そこまで力に追い込まれているということだ。

まともに見ることが出来ない。

昨日のような出来事があったからだ。

殺そうとしてしまった人間が、間の前にいるからこそ、高町なのはをまともに見ることが出来なかった。

「燈也・・・手加減、しないよ?」

「僕も・・・だ。」

お互いの癖は、見抜いている。

ならば、どちらかが速く動くか。

それが、運命を決める。

「御神流奥義・・・」

美由希が動き出す。

しかし、燈也は、

「我流御神流奥義・・・」

「そんな!?我流!!??」

何を考えているのか、解らない。

いつの間に、我流を作った。

呆気に取られて。

美由希は何をしようとしたのかを忘れてしまった。

「鏡風殺・・・」

「えっ!?」

二人の燈也が、そこにいる・・・

ように、見えた。

「そんな・・・!お姉ちゃん!?」

なのはは、異様な光景に見えた。

しかし、感じない。

魔法という力は、感じない。

だが、前と後ろに、鏡のように、それはいるのだ。

異様な光景に、美由希は倒れこんだ。

「姉さん・・・座ったら、試合にならない。」

このようなことが出来てしまった。

「今・・・二人になってなかった?」

望ましいことじゃない。

「気のせいだよ。」

逆に、力を身につけてしまったことによって、恐怖する。

「二人になってたよね!?なのは!!」

何故、それが出来てしまった。

「う、うん・・・」

燈也は、いつ、それを会得した。

なのはの中で、それが生まれた。

あり得ない。

無理なトレーニングを、異常なまでに行ったとしても、二人になることなど、出来ないからだ。

「そうか・・・これは、別の力・・・」

燈也は一人呟いた。

肉体に襲い掛かる負担を一つ乗り越えた証とでも言おうか。

新たにえた力によって、得られた一つの力。

「後は・・・溺れないように・・・でも・・・」

恐い。

「燈也・・・」

なのはは、ただ、燈也に呟いていた。

何かが、燈也の奥底に、何かがあると。

感じ取ることが出来た。

「姉さん・・・僕のようにならないで。」

「え?燈也・・・?」

「ごめんなさい・・・」

昨日のあの時とは、打って変わって、違う態度である燈也に驚かずに入られなかった。

人を殺すとまで言っていた燈也が、何故。

と。

ただ、このとき、本質的なものに気付いていれば、なのはは救えたかもしれない。

「よ、よし!」

美由希が再び起き上がる。

「もう一度・・・!やろう!!」

「燈也・・・」

始まる。

二人の再戦。

「さっきの使って!!」

「やーだ。」

燈也が、微笑んだ時、なのはは本当に、優しかった頃の燈也を思い出した。

まだ、両親が生きていた頃の燈也を。

「元に・・・戻ったのかな・・・」

良い事であるのかも知れない。

なのはは、一人、安心する。

奥底にある物など、関係ない。

何かを隠していようと・・・

「燈也が、幸せそうな顔してれば・・・それで良いと思うんだ。」

これからも、この関係が続いていきますように。

壊れませんように・・・

なのはは、ずっと、それを願う。

「燈也も、お姉ちゃんも頑張って!」

二人とも、頷くだけ。

しかし、それでよかった。

燈也が、何か戻ってきたような感じがした。

変わらずに、ずっと、そのままで。

「お、何だ。二人とも。」

恭也は、士朗とのトレーニングを終えて、戻ってきた。

「燈也、俺とも戦わないか?」

「うん・・・」

しかし、闘うのは、今の美由希との戦いが終わった後にだ。

燈也は、二、三跳んで美由希に向かって、構える。

「始め!!」

号令がかかった瞬間に、神速の如く。

燈也は、美由希をノックアウトしていた。

「つ、強すぎ・・・」

「燈也が、二人になった・・・」

恭也には信じられないことだった。

燈也自身も、それは信じることが出来なかった。

何故、そうなる。

燈也自身、何故、別の力が身についた。

どうして、気付けば、二人になる。

力の制御など、まだ、この歳の燈也には、解る訳もない。

美由希に頼まれたが故に、あの鏡風殺を出したものの、燈也自身が、何故、あれができたのか。

解るはずもなかった。

それでも、気にせずにいられる。

それは、燈也が笑顔になったのには、久しぶりに見たあの母親の夢に、何かを感じていた。

どこかに向かいそうな。

いや、母親の下に、向かうように。

誰も、それに気付かない。

いや、気づけというほうが、酷というものか。

ただ、なのはは、幸せだった。

無知であるほうが、幸せであるといえるだろう。

何処までも、そのままで・・・










「うぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

「まだ・・・あの子は捕らえられないの?」

「ごめんなさい・・・あの人・・・強くて・・・」

仕置きといえば、聞こえはいいかもしれない。

しかし、それは、虐待という言葉が良く似合う。

いや、虐待なのだろう。

だが、少女は、それを受け入れる。

フェイト・テスタロッサという少女は。

ただ、それを受け入れる。

「言い訳は聞きたくないわ!!!!」

「っぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

フェイトの体に刻まれる、無数の傷跡。

傷は、増える。

許してください。

ごめんなさい。

この二つの言葉が、場内に響き渡る。

「だったら、速く・・・早く!!捕まえてきなさい!!!」

さらに、強く、鞭は打たれる。

プレシアの虐待とも言える、行為は、止まることはない。

「あの子を・・・ダークネスを!!!解っているの!!!???」

「はい・・・ごめんなさい・・・解ってます・・・ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

虐待は、止まることもなく。

「ジュエルシードもまともに集めないで!!!!!」

「ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

全ては予定外とも言える行動。

この女。

「プレシア・・・お母さん・・・」

プレシア・テスタロッサは、何故、そこまで行う。

何故、そこまで、フェイト・テスタロッサを憎む。

今は、その状況を眺めている何かが、それを見て、疑問に思う。

何故、そこまで憎むのか。

そこまで仕組む理由は、何処にある。

お前は、

「イエス・キリストの・・・」

分身といえども、

「妻だった人間・・・」

しかし、

「何故・・・?」

理解は、出来ないだろう。

ただ、知っている。

イエス・キリストは、後に帰還するということをだ。

「その作られた娘を使って・・・ストレスの解消か?」

理解は、出来なかった。

暫くして、その虐待が終わり、フェイトを戻した。

「何故・・・そこまで、行う必要がある。」

「あれは・・・私の負の遺産。」

「それは・・・?」

「昔の夫・・・イエス・キリストに言われたことを、今になって実感したわ。」

人間が、神の所業の如く、人間を作ってはならない。

愛によって、生まれた人間は、既に、人間ではないのだ。

「人形が、自動的に動いているだけ。」

不適に笑い、プレシアは、とある準備にかかる。

全ては、このときの為に。

フェイトなど、

「私には・・・もう、いらないのだから。」

その、代わり。

いや、代わりなどではない。

「私の息子・・・喜ぶは・・・あの子が・・・」












「動いた・・・?」

燈也は、それに反応する。

ジュエルシードが、燈也と呼応した。

感じ取ることのできる、その動き。

「姉さんたちが・・・動く。どうする?直ぐに向かうか?」

「いや・・・何か・・・嫌な、予感がする。」

しかし、それでも、序章の尖兵が来るのであれば、向かわなければならない。

「行こう・・・ゆっくりとね。」

胸騒ぎが止まらない。

「今日も・・・母さんの夢を見たんだ・・・」

また、連れて行かれる夢を。

何が、どうなっているのだろう。

いや、何故、これほど、胸騒ぎが止まらなくなる。

「避けたほうが、良いのではないのか?」

「そうはいかないよ・・・」

「・・・」

「そうだ・・・最終的な判断は、ケルベロスに委ねるよ。」

「・・・」

嫌な顔を一つせずに、ケルベロスは燈也を乗せながら、頷いた。

どのような決断を下そうと、燈也は、ケルベロスを攻める気は無い。

多分、

「僕の自我が持つのは・・・今日が、限界なんだ。そんな感じがする・・・」

「嫌でも、我は、お前に従う。」

嫌でも、エンゲージを使わなければ、ならない時は、今日になるかもしれないからだ。

「この予感を、良いほうに捉えたいな・・・」

全ては、自分の思うままに。

ただ、外に出てきたことによって、燈也の運命は、既に握られていたのかもしれない。

母に・・・

燈也の母に、全ては、握られていた。

ただ、それは、本当に母といえるのか。

燈也の会いたがっていた、母親と呼べる人間に。

ジュエルシードは、既に共同作業によって、押さえ込むことが出来た。

後は、封印をするだけ。

「私が勝ったら・・・」

決意は、誠也。

「ただの甘ったれた子じゃないって、解ってくれたら・・・」

なのはの決意は・・・

「お話、聞いてくれる?」

本物であるということを、伝える。

「収まったのか・・・?」

「黒・・・騎士・・・」

フェイトの、ジュエルシードと同レベルで、捕獲しなければならない対象。

「解決・・・か・・・?」

「いや・・・違う・・・」

違った。

「あれは・・・?」

急に、雨が降り始める。

不自然と言われるほどの、急な雨が降る。

「どのような状態になろうとも・・・倒しにいかなきゃ・・・いけないんだろうな。」

それが、この雨を降らせている敵。

「お母さんが・・・動き出すの?」

「フェイトちゃん?」

燈也は、エンゲージを呼び出した。

姿の見せない敵。

いや。

見せないのではない。

見えないのだ。

敵が、気象まで動かすことができるのであれば、その敵がいる場所は、

「衛星軌道上・・・」

エンゲージは両肩のバレルを展開する。

「最大出力・・・」

衛星軌道上の敵に向けて・・・

「照射・・・」

打ち出される、おぞましい光

ただ、地球の磁場に引かれ、徐々に、速度と射程は、落ちる。

故に、その敵のフィールドを貫けず、拡散する。

衛星軌道上に、夥しい光が拡散される。

「衛星軌道上じゃ・・・」

「黒騎士さん!?」

なのはを、無視し、そのまま、エンゲージは、上空へと移動する。

ただ、その行動。

敵を倒すのをあたりまえであると考えるが故の行動。

それが、逆手に取られた。

「・・・っ!!???」

突如の、フラッシュ。

いや、指向性の光線とでも、言うべきか。

アイン・エンゲージに目掛けて、その光は展開される。

その場で、動きが止まった。

「え・・・うあ・・・?」

目の前にいるのに、何故、動けなくなる。

燈也の中で、何かが変わる。

何かが、燈也の中に入ってくる。

何故、入って来る。





気持ちが悪い。





「う・・・うぁ・・・?」

覗かれている。

自分の

「観るなよ!!!!」

中を

「いや・・・だから・・・!!!!」

何故、覗こうとする。

「覗かないで・・・よ!!!!」

自分の中を、見るな。

観られることによって、思い出したくない、過去の出来事。

母が、死んだ日。

自分の母の体が、無残な、姿になる。

目の前で。

思い出したくもなかった。

「燈也。」

「燈也・・・」

「燈也」

「燈也」

「燈也」

いるはずのない人間が、何人もいる。

だから、安心できる。

自らの唯一の肉親であるから。

ただ、一人ずつ。

殺されていく。

全て、無残な姿に。

死体は消えることなく、そこに溜まっていく。

次に現れた、燈也の母も、全て殺されて。

燈也が触れようとしたとき、それは崩れ落ちる。

「ママ・・・死んだ・・・の?」

「燈也・・・」

刺し伸ばされる手

しかし、突然、手を握った瞬間に、体は無残な姿になる。

燈也は、母だった者の手を、握っていた。

「ママ・・・ママ・・・ママ・・・」

「燈也・・・」

後ろから、燈也に抱きついてくる感触。

生きていた。

母が死んだ物は、全て映像だったんだ。

だから、後ろから、母は、燈也を抱きしめている。

「そこにいたの・・・?ママ・・・」

「ずっと・・・貴方の中に・・・」

本来、そこにいるはずもない母・・・

ただ、それが、燈也の倒そうとした敵の実態。

「さぁ・・・いらっしゃい・・・」

永遠の夢の中へと・・・

「生きている訳がないよ。」

「姉さん・・・?」

後ろを振り向いた時、そこにいたのは、なのは。

そして、母の死体。

「殺してあげたの。」

「何で・・・」

「大丈夫。」

だから、母を殺す。

殺すことができる。

何度も、母の殺されている映像を見せ付けられている。

何度も、何度も。

忘れたい思い出が。

しかし、それを許さない。

夢の中とは言え、自分の母が、何度も殺される。

ただ、燈也の中では、もう、そこは夢ではない。

現実と夢の区別がつかないのだ。

そこまで、人がリアルに死ぬ光景を見せ付けられる。

さらには、周りに広がる母の死体の数・・・

精神は、燈也の精神はずたずたになっていた。

精神は、汚染させられた。

後ろから抱きしめられた感覚は、間違いなく母の感触。

ずっと、会いたかった人を、なのはに殺されてしまった。

殺された。

「酷いよ・・・なのは・・・お姉ちゃん・・・」

「大丈夫。私も、燈也を、送り出してあげるから・・・」

「何処に・・・」

「冗談だよ。」

「殺す必要なんて・・・」

「大丈夫・・・皆で、可愛がってあげるから・・・」

それは、無限へと続く地獄の日々。





アイン・エンゲージ・・・

操者に従わず動き出す

そして・・・・・・・敵を・・・・・・・・

全てを破壊






「黒騎士の調子がおかしい?」

そのフラッシュに、怯えるように、エンゲージの巨大な体はもがきだす。

首を捻らせたり、天に向かって、腕を伸ばしたり、奇怪な行動を取り始める。

「あ・・・が・・・」

両肩のバレルが展開され、雲を裂くように、それを撃ち放つ。

今まで、絶対的優勢を誇っていたエンゲージが、狂い始めた瞬間だった。

「お母さん・・・?あれが・・・?」

何が、起こっているのかなど、わからないだろう。

何が、起こっているかなど。

「ジュエルシードを・・・」

フェイトは、動き出す。

「だめ!!!」

なのはが、それを止めに入る。

黒騎士のことは、心配ではあるが、ジュエルシードを取られては、意味が無くなる。

だから、それを、全力で阻止しようと、なのはは動き出した。

スコールの中でも、動きは乱れずに、二人は動き出す。

ぶつかり合うだろう。

二つのデバイスが、ぶつかり合おうとしたとき、

「ストップだ!!」

「「え!?」」

突如、現れる一人の男。

「ここでの戦闘は危険すぎる!!!」

その男の名は、

「時空管理局執務官・・・クロノ・ハラオウンだ!!!」

後に、オーディンの主となり、闇の巨神を駆ることになる男。

故に、強く。

それは、力強い。

必然である。

「詳しい事情を・・・聞かせてもらおうか。」

両手で、そのデバイスをつかみ、クロノ・ハラオウンは、二人に問う。

クロノが、アイン・エンゲージを眺めようとしたとき・・・

そこに・・・

アイン・エンゲージの姿は無かった。

| 漆黒の破壊天使(完) | 00:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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