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Ep-04「金髪の女」

はい・・・
フェイトの登場が丸解り。
その位・・・


「本当に残ってなくて良いのか?」

恭也は眠る燈也の前で、心配そうに言った。

燈也の場合は、行きたくても、体がいうことを聞かないのだ。

ここのところは、騙し騙しで学校に通っていたものの、体にがたがきてしまったように、ベッドの上から動くことが出来なくなってしまったのだ。

手を伸ばすことも出来ない。

何も、何もすることが出来ないのだ。

抗体というものは、既に燈也に備わっているのだが、既に抗体の精製が、追いついていないのだ。

燈也の歳からして、それほどの抗体を進化させるというのは、激痛をも伴うことだった。

知っている人間は、燈也しかいない。

誰にも、心配をかけたくないから。

だから、普通の熱ということにしている。

異常なほどに、体温の高い熱。

ごまかせれば、よかった。

医者が来たとしても、入院しろと、言われるだけだろう。

戦えなくなる。

なのはが、あれと戦ったとしても、勝てる保証など、どこにもないのだ。

なのはが死ぬ可能性だってあるのだから。

「俺が残ってやったほうが良いんだけどな・・・凄い、熱だし・・・」

「大丈夫。早くしないと・・・忍姉さんがまってるよ・・・?」

「あぁ・・・母さんをつけておいたから、今日は存分に甘えてろ。」

笑顔になることによって、恭也は安心する。

自分のせいで、恭也が忍と出会う時間を遅らせてはならない。

燈也にとって、一番してはならないことだと思っているからだ。

「行ってらっしゃい・・・」

背中に移る恭也を見送りながら、燈也は眠りに付こうとした。

何故、このようなことになってしまったのかは、解らない。

それでも、何も無い日は、こうして眠りに尽きたかった。

何かが、起こったときには、既になのは死んでいるかもしれないからだ。

あの形になることによって、燈也の肉体組織は、一時的にその歳の姿となって、降臨する。

だが、その一時的な肉体成長に、負担がかかるために、かなりの疲労が溜まってしまうのだ。

燈也の場合、それが限界にまで達して、動けなくなってしまっている。

なのは同様、魔法は使用するものの、その拾うどの溜まり方は、なのはの比ではない。

あそこまでの戦闘力を持っているが故のことである。

ただ、これから、燈也には・・・

これ以上に無い苦痛が訪れることなど、誰も知らない。

「さて・・・今日は、士朗さんに任せて、一緒にいようね。」

これからのことを考えるのは、大切だ。

ただ、燈也は、今この部屋に入ってきた桃子を、本当の母のようにみることができるのだろうか。

そうでなければ、断っているか。

と、燈也は、その部屋に入ってきた人を眺めていた。

桃子は、燈也の額に手をあてて、体調を確かめる。

「熱は・・・無いみたいね。」

「ごめんなさい・・・」

無意識に謝っていた。

貴方から生まれた子供ではないのに。

そう言う意味を含んでいる。

桃子が、それを解らないはずが無かった。

器用に寝ている燈也を桃子は、体が負担にならないように、抱きしめた。

血は繋がっていなくても、桃子にとっては、燈也は自分の子供だ。

大切な。

「そんなこといわないで・・・燈也は、恭也と同じ。私と士朗さんの子供。」

そう言われても、子供心に、どこか信頼が出来なかった。

燈也がそう考えるのは、自分の殻にこもっているからなのかもしれない。

ただ、それを認めたくは無かった。

自分の存在意義というものが、消えそうだからだ。

「何か、飲みたいもの・・・ある?」

「無い・・・よ。」

「そっか。苦しくなったら、言ってね。何か起こらない限り、ここにいるから。」

「うん・・・」

燈也は、そのまま、眠りに付いた。

このまま、死んだほうが楽なのではないだろうか。

恭也にあえなくなったとしても、それがあの人にとって幸せであるのなら、ここで、死んでしまったほうがラクなのではないのだろうか。

本当は、誰にも構って欲しくなかった。

ここに来た頃は、そうだった。

なのはなど、絶対に今のような関係になることなど、無かっただろう。

しかし、現に、今のような関係になってしまっている。






その時のことを思い出そうとしていたときだ。






目の前に現れる、一つの影。

三人いるうちの一人。

男のほう。

「体の調子・・・悪いようだね。」

「まぁね・・・」

「正直・・・悪い。」

男は、それを自覚している。

「だったら・・・なんで、貴方が?」

「こっちの世界で実体化するには、まだ・・・力が足りなくてね。」

だから、この男に、渚燈也にやってもらわなければ困るのだ。

「未来では・・・僕は、どうなってるんです?」

「明るい・・・人ですよ。」

それだけ聞ければ、満足だった。

今の自分では、無いのだから。

少しずつでも、これから、今の自分を更正して行く事ができるのだろう。

「俺が、もう少し・・・早く、そちらに向かうことが出きれば、良いんですけどね・・・」

「ううん・・・反省しているんだったら・・・それでいいんだ。」

無駄ではない行為であるのだから。

燈也は、その夢の中で、動き、その男に近づいていく。

その男も、燈也に近づいてくる。

「君は本来、僕より年下?」

男に触れたことによって、燈也の世界が映し出される。

自分の見たことの無い世界が、広がっている。

目の前に広がる、四体の巨神。

さらに、惑星を光で消滅させた、巨神。

これは、一体。

「君は、こんなものと闘うのか・・・!?」

「あぁ。辛い戦いだろうね。」

序章の尖兵、レギオンが、可愛く見えてしまうほど、光で惑星を消滅したものは、燈也を震撼させた。

しかし、流れる記憶の中で、それと対等に戦う、一体の巨神がいた。

「ただ、一人じゃない・・・愛する人がいるから。」

「・・・愛する人か。」

「あんたにも、そのうちできるよ。」

優しい笑みを浮かべて、男は、語る。

「君の名前は・・・?」

「浦島悠介・・・の地に、最強の信仰対象と闘わなければくなるもの。」

「最強の信仰対象?」

まだ、それを知る必要は無い。

知ることによって、人は恐怖を得てしまう。

だから、それを知ってはならない。

どのような結果を得たとしてもだ。

「解った・・・ここまでいわれてまで、問い詰めるのは・・・馬鹿のやることだしね。」

「案外大人だね・・・」

つまらなそうな顔をする悠介。

ただ、それは間違った答えではない。

本人としては、

「それは・・・僕が、殻の中に篭っているから・・・」

「それは・・・」

「一部の人にしか・・・心を開くことが出来ないから・・・」

だから、そうなってしまう。

両親を失っていなかったら、どうなっていただろう。

少なくても、今のような自分ではないはずだ。

ただ、そういう経験をあらかじめしてしまうと、そうなってしまうものなのかもしれない。

そうなって、しまうのは、悲しいことなのかもしれないと思いながらも、もう、遅いと、自分の中で思っていた。

「甘えちゃえばいいんだよ・・・」

「でも・・・」

「俺もさ・・・嫁二人に甘えっぱなしだしね。」

悠介は、頬をかきながら、言う。

少し、恥ずかしそうにしながらだ。

「心から愛する人がいれば・・・燈也さんも変わることができるよ。」

「燈也さん・・・って、君は未来の僕を、そう呼ぶんだね。」

「ん・・・まぁね。」

ただ、いかなる状況になったとしても、燈也は生きてきた。

悠介は、それを知っている。

陰ながら、悠介達を支えてきてくれたお陰で、今、ここにいるのだから。

その一つの力が、黒騎士・・・

ザ・ブラック・ナイト・・・

または、ダークネス・ナイトの力といえるだろう。

いかに力を消費しようともだ。

「まぁ、いいや。ただ・・・燈也さんが、もう一つ召還しなければならないものがある・・・」

「それは・・・?」

この戦況を大きく塗り替えることができるであろう、この時代の最強の兵器。

選ばれた物によって、動かすことのできる。

その名は、

「アイン・エンゲージ・・・」

アイン・・・無と訳され、0で表される。

「知っている・・・なんでだろう。セフィロトの樹・・・」

「ご名答・・・0からスタートする。アイン・エンゲージ・・・」

「勝利された、0から始まる約束・・・」

悠介の影が消える。

「どうしたんだ・・・?」

しかし、悠介の換わりに現れるものがいた。

黒い。

漆黒の天使とでもいえば、いいのだろうか。

芸術の類に入るだろう。

漆黒の巨大な天使・・・

漆黒の破壊天使とでも呼べば、いいのだろうか。

「貴方が19の時までに使用するものさ・・・どう使うかは、貴方に任せるよ。例え、俺が消えるような未来になってもね。」

安心はできる。

それは、信頼されているという意味だ。

確かなものが、そこにある。

燈也は、そこで悟ることができる。

恭也以上に、浦島悠介という人間は信頼できるのではないのだろうかと。

いかなる意味を持っていようとしてもだ。

「貴方を兵器のように扱ったことは、申し訳ないと思っています。」

「でも・・・それに相応しい回答は得られたよ。」

やはり、子供っぽくない。

顔は、美少年といえるほどのものでありながらも、そう言う顔をした性格ではないギャップに悠介は笑顔を浮かべていた。

「え、と・・・アイン・エンゲージ・・・」

「喋ることは無い・・・」

アイン・エンゲージは、声を発しない。

扱う人によって、それは代わる。

天使となるも、悪魔となるも。

人を

「殺せる兵器であることには変わりない・・・」

「ですよね・・・」

燈也の持っている兵器という名のカタルシス。

いかなる目的で造られたとしても、それは人を殺す兵器には変わる無いということだ。

兵器で、人は救われたとしても、助ける手段は、敵を殺す。

兵器とは、そういうものだと、解っている。

「扱う人次第って事ですよね・・・?」

「まぁね。人類の敵になるのも・・・人類の味方になるのもね。」

「世界を救うだなんて事、出来ませんよ・・・」

一つの兵器で戦争根絶などできるわけも無いから。

「あぁ、だから・・・これを好きに使っていいって・・・」

「そうだね。いかに使うかは、本当に燈也さんにかかっているって言った方が良いかな。」

「でも・・・あれは、痛いよ。ザ・ブラック・ナイトは・・・」

「最低でも、後1年は・・・耐えてもらわないと・・・」

アイン・エンゲージは、自由に使うことが出来るが、それを使う第一条件として、ザ・ブラック・ナイトにならなければいけない。

如何なる場合によっても、それを使わなければならないのは、苦痛ともいえるだろう。

「さて・・・そろそろかな・・・」

「え?」

「アイン・エンゲージ・・・好きに使ってね。」

最後に、それだけ伝えると、悠介は消えていった。












同時に、燈也は目覚めた。

耳元に入ってくる、桃子が歌声が良く響いた。

鼻歌程度のものであるのは、解っている。

「あ、おはよう。」

「うん・・・」

「なのはがね。倒れたらしいのよ。」

「そうなんだ・・・」

寝ている間に、敵が来たのだろう。

などと、思いながらも、疑問に思ったことがある。

「何で・・・行かなかったの?」

「今日は、燈也の側にいるって・・・約束したから。」

「でも・・・」

「でもじゃない。貴方も、私の子供なんだから。」

「え、と・・・はい。」

良く、わからないうちに、こうなってしまった。

「もっと、人を信じなさい。皆、貴方を心配しているんだから・・・」

それが出来ないから、燈也は苦しんでいた。

信じたい。

しかし、裏切られるのが恐いから。

燈也が信じていないこの家の人間たちを、本当に信じたとしても、後に来る裏切りが、恐かった。

極度に人を信じることが出来なくなってしまった。

誰に、原因があるわけでもない。

「さて・・・お夕飯の材料、買ってこなきゃ・・・暫く、そこで、ちゃんと休んでなさい。」

「うん・・・」

燈也の言葉を聞き遂げた桃子は、安堵の表情を浮かべ、そのまま、買物に出かけていった。

「信じることを恐れた人間は・・・どうすればいいんだよ!!」

感情に、久しぶりに見を預けてみるも、それが解消の手段になるとは、思えなかった。だから、虚しさだけが、その虚しさだけが、燈也を孤独にさせた。

出きれば、あの夢の中に出てきた人間に、もう一度会いたい。

浦島悠介に・・・

そう、思ったときだ。

敵意は感じられない。

高町なのは以外の魔力の気配を、燈也は感じ取った。

なのはのような人間がいるくらいだ。

ほかに、魔法少女がいても、代わりは無いだろう。

しかし、直ぐにそれは、悲しみを持った敵意へと変わった。

それが、姉であるなのはを傷つけた、魔法少女であるということに気づく。

「うご・・・ける・・・ただ、なったとしても・・・12分位が・・・限界だ。」

取り敢えずの形で、体は回復していたようだ。

「僕を倒すのか・・・!!」

懐園剣・雄を手に持ち、燈也は、自らの部屋の窓から、抜け出し、ザ・ブラック・ナイトとなり、その感じた少女の場所へと向かった。

「敵・・・!?」

時間は無い。

しかし、量は、多い。

厄介なこと、この上なかった。

「時間が無いんだがな・・・」

ブラック・ナイトは、そのまま、出きる限り、力を抑えて、敵を倒す。

そうすれば、体力は、保つはずだ。

燈也の剣の結界の中に、入ってくれば・・・

それ、寸断されることと同意也

燈也は、そこから動かず。

向かってくる敵を、ただ待つ。

「一機・・・!!」

すれ違いざまに、攻撃しようとしたのだろう。

燈也を通り過ぎたときには、既に、真っ二つだった。

悪魔は、止まることを知らず。

残りの敵は、その場から動けないことを解ったのか、遠距離攻撃に出るも・・・

「当たらない・・・それに、そこにじっとしていれば!!」

獲物は、止まっている。

ウィングブースターを展開させ、そのまま、突撃し、一体ずつ・・・

「確実に・・・」

撃破

其れ、鬼神の如き動き也

「最後・・・!!」

全機、破壊。

後は、感じた気配だけ。

来るなら、来てみろ。

なのはは簡単にやられたかもしれないが、こちらは簡単にはやられない。

都市部に出たとき、異様な決壊の中に入ってきたような気がした。

さらに、自らの視界に入ってきたのは、敵だった。

それは、金色の鎌を持ち、その金の髪をなびかせて、ただ、燈也に向かって、告げた。

「ごめんなさい・・・」

と。

| 漆黒の破壊天使(完) | 00:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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