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ACT-ⅢⅩⅢ『因縁』

いちたいに。


「複製か・・・プレシアも、愚かな事をしたものだ・・・」

「零・・・?」

「しかし、此れも、俺の問題か。」

二人の影・・・

「高町なのはと、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンか。」

既に、必要の無い物。

戦力外ではあるが。

それを利用するのに意味と言うものがある。

「燈也・・・」

「何故、何を・・・父さん。」

「お父様・・・」

「お父さん・・・」

零に縋りつくように、動く。

動く物の、ただ、盲目であるかのように、動かない、一人の男は、二人の娘に抱きしめられる。

「燈也・・・」

「何を・・・した・・・」

この世界の行く様を覗きつづけてきた、燈也は、ただ、力なく、零に縋りつくように・・・

「僕は・・・僕は、無力である事は解っている・・・でも・・・」

だから、此処で、殺すと言う事は出来ない。

殺すと言う事は。

そうしたくても、無力であるが故に、それを許してもらえない。

「高町なのはと、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンは、もう・・・戦わせるなと・・・」

アリシア・テスタロッサが、

「姉さんが、言っていたはずだ・・・!!」

その姿は、弱弱しい。

それは、母と長き時を過ごしていたからだ。

暖かい冷凍室に近い部屋の中で。

あぁ・・・

ある種、3年冬眠していたような物の状態が、目覚めたのだ。

アレは、夢。

だから、

「成長したな・・・イクス、コロナ・・・」

「お父様は・・・」

意識も、成長すらも。

本能が止まっていた中で、アリシアや、ティーダと会話していた。

しかし、今は、自我が呼び起こされた。

誰かに、呼び起こされてしまった。

おそらく、それは、アリシア・テスタロッサの手によって。

あの空間の中で、プレシアやすずか達と会話していた記憶はあるものの、イクスやコロナたちと会話をした記憶は無い。

「僕を目覚めさせた人間がいるようだ。」

「アリシア・・・」

「だろうね・・・」

零から、燈也を護るように二人は、互いの子供じみた力を放出させる。

しかし、この二人が、叶わない事はわかっている。

「大丈夫だよ・・・・・・父さんは、此処にいる。そして、あの人は、二人を、僕すらも殺すつもりは無いよ。」

「もう、あの二人に・・・意味は無いよ。」

それは

「あの二人は、死んでいるんだ。コアの破壊と同時にね。肉体的な死ではなく、精神的な死の意味で。」

故に

「少し、やらなければならない事がある。あの二人の体を使ってね。それに、私は、望んでいなかった。フェイト・テスタロッサ・ハラオウンを。それでも、俺の遺伝子を持った人形でもある。少なくとも、愛した者を使ってでもねね。」

「何をするつもりだ・・・」

「乗り越えなければならない。アマテラスの覚醒・・・」

「ヴィヴィオが・・・?」

「完全覚醒はしていない。」

それでも、

「あの二人を使えば・・・」

完全覚醒させるための犠牲。

それが、高町ヴィヴィオの母親である、高町なのはと、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンを使用すると言う事である。

高町ヴィヴィオも、もう、感じているのだろう。

既に、アマテラスと言う存在は、自分の母親と言う存在をわかっている。

解っているつもりだ。

「でも、複雑な彼は・・・ヴィヴィオを殺す・・・」

「そして、それを止めるために・・・彼女は止まる。」















「だから、私・・・止めなきゃ・・・!!」

それゆえに、

「このコアを・・・私は、鏡にうつそう。」

ボソッと、ただ、呟く。

既に、蘇り始めている。

おそらく、その戦いは、止める事は出来ないだろう。

故に、自分が、何とかし、全てを解決させる事ができるはずだと、ヴィヴィオは思う。

あの戦いから、自分は、何とかし様かと思う。

止められない戦いを、自分が、何とかしようと。

動き出す。

「ダメ・・・殺しちゃ・・・」

既に、その部屋に、浦島悠介と言う存在はいない。

そこに、そう言う、存在はいないのだ。

「いないだ・・・私、止めなきゃ・・・」

「止める・・・?」

止める。

止める。

止める。

子供は、純粋に願う。

兄と慕う人間と、母と慕う人間の戦いを止めると言う事をだ。やれるだろうか。

自分で。

いや、やるしか。やるしかない。

止めなければならない。

止めなければ・・・

止めなければ・・・

「ママ達が、死んじゃう・・・」

だから、

「私は、動くの。止めるために・・・」















「ティア・・・」

「行くわよ?瑠璃。」

「はい。」

久しぶりの、戦闘。感じたのは、悲しみ?

「悠介?」

「こっちは、俺とアルフが、どうにかする。もう、消す覚悟でな。」

擦れ違い様に、ティアナと瑠璃、アルフと悠介は動き出す。

「ティーダ・・・兄さん・・・」

「やれますか?」

「そうするだけよ。」

おそらく、向こうは、

「多勢・・・その分、こっちは、一人。やることは、解っているわね?瑠璃。」

「解ってるわ。」

故に動く。

「瑠璃・・・」

「何・・・?」

「敬語は、禁止。」

「うん。」

優しい笑顔で、瑠璃は悠介に頷いた。

瑠璃たちは、ゆっくりと動き、外に出た。

外に出れば、天使達が、破滅を司っているのも同じ天使が、姿を表した。

その長に

「僕がいる。ティア、瑠璃ちゃん。」

ティーダ・ランスター・・・

ベルフェゴール・・・

そして、

「サマエルのテスタメント・・・と、言ってもいいかな。」

それは

「僕が、ヒールとして、此処にいる意味・・・解るよね?」

それは、

「ティアナが、複数体のテスタメントであるかのように。僕もサマエルのテスタメントだ。悪魔・・・オリエンスの異名を持つ。」

サマエル・・・

その、能力は、謎が多い。

元々はローマの守護天使、火星の天使、エデンの園に棲んでいた蛇など、様々な説がある。

そのため、サマエルやサタンと同一視されることもある。

ユダヤ教では、モーセの魂を天国に運ぶのに失敗し、この時モーセの杖で打ち据えられ、サマエルの目は潰れ盲目になったといわれている。

一説では、サタンに匹敵するほどの強大な力を持った魔王であるとされている。

また、十二の翼をもっていたと言われ、ルシファーと同一視されることもある。

旧約聖書の創世記において、蛇がエヴァに知恵の木の実について教え、エヴァとアダムは、その実を食べる。

そのために、創造主たる神は蛇を呪い、人に生の苦しみと死の定めを与え、人間は死を免れることができなくなったと書かれている。

カバラにおいては、この蛇がサマエルとされている。

バルクの黙示録では、サマエルはエデンの園に葡萄の木を植えたという。

これに神は怒り、サマエルと彼の植えた葡萄の木を呪いアダムが触れることを禁じたが、これに怒ったサマエルは、葡萄を使いアダムを欺いた。

「神の悪意・・・神の毒・・・僕は、それを司っていた。創造主から、忌み嫌われていた。かつては、人を愛していた。僕は・・・」

「兄妹だというのに・・・随分、形は違うわね・・・私は、日本神話と北欧神話・・・兄さんは、一貫して、聖書の天使・・・」

「お前は、不安定だったんだよ。最初は、カグツチと生まれたものの、いきなり、父であるイザナギに殺された。そして・・・どうなったか、覚えているだろう?」

「私の魂は・・・全てに拡散し、彷徨い・・・拾われ・・・一つの形になった。」

それが、

「私の中に眠る、ワルキューレ・・・」

「幼い魂は、気まぐれであり、残酷だ。故に・・・赤ん坊は、自分が何に転生すべきかわからなかった。」

それが、ティアナ・ランスターと言う、人間であるというのなら・・・

それは、受け入れる。

「そして、瑠璃ちゃんは・・・」

「本来、私は、存在しなかった筈のもの。故に、私は、いなくなっても仕方ありませんでした・・・深く、いうことではないでしょう?」

「そうだね・・・」

ティーダは、指を鳴らした。

それと同時に、アンゲルスノイドたる、三体の天使・・・

「人間・・・」

「アレが・・・?」

「はい・・・アンゲルスノイドも、テスタメントである人間と変わりません。」

それは、かつて、共有していた、悠介の記憶。

「でも、そういうの、気にしている暇は無いでしょ!?」

「えぇ・・・もう、これは、戦争ですから・・・!!」

そこから、知った物。

「でも、此れは・・・戦争・・・」

「そうね。瑠璃・・・」

だから、

「貴方達を・・・」

「倒します。」

「瑠璃・・・」

「はい。あなたに・・・」

ティアナ・ランスターは、瑠璃・ランスターを抱きしめた。

徐々に、瑠璃の体が、粒子となる。

そして、生まれ来るは、同化した、四の神を持った人間と言う事になる。

瑠璃とティアナの、魂の共有・・・

それは、正に、神の如く。

「同調か・・・厄介だな・・・」

「ネクサス・・・展開・・・」

両親から受け継がれた二つのデバイス。

ツインネクサスの柄の先を掴み、さらに、クロスミラージュ二つの、贄ノ神月を融合させ、ティアナ・ランスターは、さらに、13体のワルキューレ、カグツチ、淤加美神・・・

そして、

「ツクヨミ・・・いえ、知世。あんたの力、借りるわよ。」

「どうぞ。ご自由に?」

瑠璃と同化することによって、自分の出力調整を任せることができる。

全ての出力で自滅する可能性がある。

故に、こうしている。

「ファントム・・・!!俺達の壁を作れ・・・!!」

「ティーダ・・・!!しかし!!」

「名も無き、天使のテスタメントは、解らないさ。あいつら、強いぞ・・・!?」

無人戦闘兵器である、ファントムセイバーには魂と言うナの心が存在しない、魂の無いな存在である。

大量のファントムが、ティーダ達を護るために、動き出す。

一つの壁となりながらも、その存在は、瑠璃たちの前では、恐怖ではない。

「ツインネクサス・インペリアルミラージュ・・・バスターモード・・・!!」

進化した、極めて終焉に近い、クロス・ミラージュとツインネクサスの融合。それは、強大な一つのランチャーを作り上げる。

全てのワルキューレが、ツインネクサス・インペリアルミラージュを装備し、他の神々は、それと同等のバスターを放つための用意をする。

「避けられない・・・あの追尾は、危険だ・・・」

さらに、目の前に、巨大な結界が、張られている。

おそらく、知世と呼ばれる人間が、手伝っているのだろうと、ティーダは破れない結界に、舌をうった。

ある種、その光は、全てを包み込むといっても良いだろう。

「ワルキューレビット・・・スタンバイ完了・・・」

「えぇ。お疲れ様。」

「ティア、何をご所望で?」

「無論、最大出力・・・一気に、撤退させるよ?」

「解ってます。」

層々たる光景だろう。

ツクヨミ形態のティアナ・ランスターが、神々を召喚し、全てを相手する。

「名称を・・・ティア?」

「インフィニティー・エメト・・・」

「コード確認・・・了解しました。それでは・・・死の光を・・・」

「貴方達に・・・!!」

全てが整った。

名も無き天使の、アンゲルスノイドは、恐れからか、全てを照射される前に、ティアナ達に突撃し、全てを破ろうと思ったときだった。

「照射する前に・・・!!」

「バか・・・!!行くな!!」

結界によって、体の一部が・・・

左腕が、消えた。

「そんな!?」

そして

「インフィニティー・エメト・・・照射・・・!」

ティアナ・ランスターの、冷静な、その声に似合わないほどの、夥しい光が、ティアナの力にされた、全ての神々から、放たれた。

白い、神々の怒りと、嘆きを表した、正に、メギドの焔のような、夥しい光は先ほどのアンゲルスノイドを灰にする。

これは、もう、虐殺の領域だ。

しかし、そうしなければならない、意味というものが、この戦いの中には存在する。

そうしなければ、死ぬのは、此方である。

神の光は、ファントムセイヴァーを全て、灰にし、いや、はいと言うより、子の世界には無かった物として、扱われている。

既に、そこには、存在しなかったかのように消えていく。

神の残酷なまでの、光。

神の光は、全てを破壊する。

破壊・・・

破壊・・・

破壊・・・

あたり、全てを、更地に戻すかのように、そこは、平野と呼ばれる、ある種の世界そのものというべきだろう。

何も無かった、原始時代の黄土色の大地が、そこに現れる。

一直線に見えるが、少しずらせば、そこに・・・

撃ち放った。

全てを、爆発させる。

いや、消滅させたとでも言うべきか。

元ある、大地の世界に。

「かつて、神は、この世界から、緑を、動物を・・・そして、人を創った・・・!!」

「でも、その人は・・・」

「傲慢でした。」

ジハードを持ちながら、一つの閃光が駆け抜ける。

それは、無傷で、全てを駆け無煙の黒い流星がふわっと、言うように、優しく・・・

「さて・・・!!ティアナ・・・!!」

ジハードを刀として、ティアナの目の前に来たのと同時に、振り下ろすが、それと同時に、ティアナはネクサスを刃に変換し、二つの刃で受け止める。

力強く、振り下ろす物を軽く受け流しながら、ティーダが後ろに流れた瞬間、即座に振り向き、ティアナを攻撃しようとする。

「兄さん、忘れた?」

「え・・・?」

一つの刃が、敵を突き殺すかのように、ワルキューレが、ネクサス使い、殺す。

突き殺す。

一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、九つ、十、十一、十二、十三・・・!!

さらに、それを焼き尽くすかのように、カグツチの終焔が流され、一気に、絶対零度に近い水の牢獄の中に、放り込まれる。

急激に、暖かくさせられ、傷口を開けられたまま、急激に寒い空間に入る。

傷は、焼け爛れ・・・

氷付けに近い感覚で、傷口は腐り、此処で消えるかと思われたが。

「っ・・・抜け目が、無いな・・・!!」

身も、心も、全て、凍えそうな中で、ティーダは、妖しげな笑みを浮かべる。

「流石は、俺の妹って、ところかな?」

「まさか・・・!?」

ティーダは、中で、モーションをとり始めた。

ジハードを戟の形にして、水の牢獄を破壊した。

しかし、それと同時に、

「プリズムタイフォーン・・・・・・!!」

ティーダを、再び、今度は、竜巻が捕らえるが、

「タイフォーン・クライシス・・・!!」

戟を上で、回転させながら、自分を拘束していた、竜巻を自分で、コントロールしながら、無軌道な螺旋とルートを描きながら、ティアナ・ランスターに突撃する物の、その風を打ち消すかのように、

「オーバープリズム・スティンガー・・・」

ネクサスとネクサスを繋ぎ合わせ、そこから放った、一つの光線は・・・

「甘いよ?ティアナ。」

「ん・・・!?」

違和感・・・

「ザ・シャドウエッジ・・・」

背中に走る、痛み・・・

それは、

「斬られた・・・・・・?」

「・・・あぁまい・・・!」

「ほうら!!」

「・・・此処。」

「此処。」

笑いながら、そこにいる。

「兄さん・・・!?」

「やっぱり、隙の無い攻撃方法は、俺の妹だね。」

避けようとした時、それと同時に、瑠璃が飛び出し、背中から、突き殺そうとしたが、それを読まれて、ティーダに腹部を蹴られ、後ずさる。

速い。

速すぎる。

今までの、ティーダとは違う。

故に、

「ほら・・・!それじゃ、ネクサスは・・・!!」

二つを振り払われ、ジハードに首根っこをつけられる。

此れが、攻撃チャンスを与えてしまった、ティーダ・ランスターの本領発揮と呼べる部分だ。

「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前・行・・・!!」

「大技・・・!?」

「なんてね・・・言葉は、ダミー・・・!」

それっぽい仕草を見ている。

ティアナの血の気が引いたと同時に、距離を取ったが、来たのは、ティーダ・ランスター自身。

単なる、ジャンプキックだった。

瑠璃を腐飛ばされ、

「ウェイル・・・ブレイン・・・!!」

さらに、ワルキューレが消え、その他の神々まで消え始めた。

ティアナと瑠璃の中に戻っていく。

「兄さんが。。。こんな・・・?!」

「ジ・オリエンス・・・」

影・・・

影が、何かを飲み込んだ。

「黒は、人の悪意も写すんだよ。禍禍しい黒ほど、人は、醜いって言うよね。」

「そんな・・・!?」

「此れは・・・!?」

地面一面が、黒に染まる。

暗黒の世界であるかのように、大地は、黒々となる。

ティーダが指を一回鳴らす。

そうすると、巨大な、黒い塔が浮かび上がる。

塔の一番上にいるのは・・・

「かつて、人はさ。神に近付こうとしたんだよ。」

「知ってる。バベルの塔でしょ・・・」

「人の傲慢さが解る・・・」

もともと人々は同じ1つの言葉を話していた。

シンアルの野に集まった人々は、煉瓦とアスファルトを用いて天まで届く塔をつくってシェムを高く上げ、全地のおもてに散るのを免れようと考えた。

「人間が、神に近付くなんて、おこがましかったんだよ。」

「だから、人は、別々の言葉を使い始めた。世界はね・・・」

「でも、今、私たちは、同じ言葉で喋ってる・・・」

「此れも、人の傲慢さが作り出した結果だよ。」

神はこの塔を見て、言葉が同じことが原因であると考え、人々に違う言葉を話させるようにした。
人は、

「ただの人が、神に近付こうとした、傲慢な結果が、此れだよ。」

「・・・そうですね。」

「ただ、神は、人に空を見せる事ができる。だから、見てみろよ。」

黒の塔を形成しているのは、人間。

「傲慢なね・・・」

いてはいけない人間と言う物が、それだろう。

彼等にとっては、それを許す事の出来ない人間。

その死体を取り込みながら、ただ、笑う。

その人の死は、当然であるかのようにだ。

「人の血を飲み込む。それが、僕等だ。・・・危ないのが居る。」

バベルの影の世界へと・・・

「招待しよう・・・」

「逃げる・・・!」

「今は・・・」

「そんな・・・?!」

バベルの塔は無効化された二人の体を拘束し、危険な気配のしたものの場所へと行く。

これが・・・

「バベルの塔だ。人の傲慢さを戒めるための塔・・・」
















そして、影に支配され、影の世界となるこの世界の中で・・・悠介は、動き出す。

「あの夢の中で、思い出したことがある。あれで、十二人の奴らに勝てたのは、奇跡だった。」

「夢・・・?」

「あぁ。今までの戦いの中での、ドラグリオンはコアだったんだ・・・あの時、出したものは、不完全だった。」

「不完全?」

「呼び出した、エルヴェリオンが、パーフェクトエルヴェリオンと呼ぶのなら、アレは、完全じゃない。」

「そんなので・・・戦っていたと・・・?」

アルフは、ただ、相手を探しながら、その状態を聞いていた。

「多分、スサノオの効果で無理矢理引き上げてたんだ。」

故に、完全に近い上体に見えたと思った。

しかし、夢で見た、あのドラグリオンは、全く違う。

全てが・・・

何もかも。

「多分、ドラグリオンの復活を握っているのは・・・」

握っているのは・・・

握っているのは。

「観月悠矢・・・!!」

浦島悠介の

「弟だ・・・とは言え、三国志の義兄弟のような関係だけどね・・・」

「僕の事・・・兄さんは、忘れてた。一度、記憶を失い、僕の名前を思い出した・・・?仕方ないかな。僕も、行かなきゃ・・・でも・・・」

「お前の母が、悲しむぞ!?」

「オルクス・・・僕は・・・後悔はしたくない・・・!!」

「しかし、それは、許されない。」

「何故・・・!!僕は、戦える・・・!!」

「何故か・・・」
見ているからだ。

解っていた。

この世界に来た時から、誰かが、自分を見ていたということを。

温かい視線で、全ての生命を見守り、そして、自分をも見守ってきた。

戦わせたくない。

彼女ほど、自分を戦わせたくないと思う。

「彼女?俺は、今・・・彼女と思った・・・まさか!オルクス・・・!!僕であるのなら・・・」

「悠矢・・・お前の問いに答える事はできぬ・・・!」

「何故・・・?ここで、のうのうと暮らせというの!?兄さんが、殺されるかもしれないって言うのに・・・!!」

それでも

「僕は、戦いたい・・・!!兄さん達を助けたいんだ・・・!!」

しかし、声は、聞くことは無かった。

「あぁ・・・やっぱり、あんた達か。」

ある程度、読めたような展開だった。

既に、意識は、そこに存在していない。

そこには、何も、存在していない。

闘争本能だけの空っぽだけの存在。

「高町なのは・・・フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。」

だから、

「お前等は、俺の怒りの線を軽く触れるな。」

忘れかけていた、人と人の、叫び。

破壊・・・

全てが、呼びかける。

全てが、呼びかけられる。

呪い。

声が聞こえる。

あの世からの、声が。

消された、故郷の人間が、叫んでいるのだ。

怨念を含めた、叫ぶが、聞こえてくる。

呪い殺せ。消せ・・・!!

「言うんだ・・・」

子供を返せ。

生活を返せ。

恋人を返せ。

だから、お前も、死んじゃえば良いんだよ。

ユウスケの中に入ってくる、怨念の声。

思い浮かべるのは、かつて、優しかった人殿間にある思いで。

悠介の逃避する方法の一つ。

現実から、虚無に入るだけで良い。

自分の、最も会いたい人に会いたくなる。

そうすることで、自分と、もう一人の自分は、大局的に、相手を見ることができる。

大量に殺された人間達の怨念に囚われている自分と、過去の思い出に浸り、それに、満足している自分と言う生き物の中で、ただ、自分は、今だけは、逃避を選ぼうとする。

ただ、恐いという思いから、悠介は、逃避を選ぶ。

「悠介・・・」

「知世・・・返せ・・・」

知世・・・

愛する人への思いでは、もう、これから・・・

ティアナの中で生きているとすら忘れて。

一瞬、帰ってくる物ではないと、思いながら、帰る事の無い望みをただ、悠介は口にして、ただ、言う・・・

そのまま・・・

悠介は、過去の思い出に、触れようとしている。

まだ、思い出だけは、自分の胸にある。

一瞬だけでも、今は、それに、触れたい。

優しく・・・

そっと、優しく、それに触れる。

「あったかいな・・・」

触れた、瞬間・・・

蘇るのは、初めて、出会った日・・・

そして、愛した、その日々。

一緒に戦いながら、そして、育まれた・・・

一つの思いで。

全てが・・・

そこに、ある。

そう言う、場合で無いことくらいは解っているが、今は、こうして、ただ、夢の中で夢の中で眠りたい。

そのまま、眠りについて、そして、全てが、夢であり、朝、起きれば・・・

「おはよう・・・」

愛する人に、そう、言ってもらいたい。

生きることに関しては、周りは、自分のことで、精いっぱいであるのだから・・・






「にいさま・・・?!」

「瑠璃・・・?」

入り込んできた、一つの精神。

「戦うのは・・・お嫌ですか・・・?」






一時は、ずっと、一緒だった二人。

悠介が、今の状態に入れば、瑠璃は、どういう状況なのか、簡単にわかる

それとは裏腹に、悠介の思い出の中に、勝手に入ってくる、人の怨念・・・

それは、形となって、黒く染め始める。





「にいさま・・・!!」





「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!俺が、全てを・・・全てを、晴らしてやる・・・!!!!!」

だから、

「そうすれば、良いんだろ!!!!!!!!!!」

「大丈夫・・・なのですか・・・?」

「大丈夫だ・・・やってやるさ・・・」

波言ってくる、怨念の声は、凄まじく。

生き残った、悠介に憂さを晴らして欲しいと、怨念たちは、老若男女問わず語りかける。

「やっぱり、あんた等がいると・・・亡霊たちは、眠れない。」

だから、ここで・・・

「悠介・・・」

「もう、亡霊は、満足しない。この二人を殺さなければ。それに、肉体的には生きてても、精神だけは、死んでいる。」

「避けられないんだね・・・」

「あぁ・・・」

だから、

「死ね・・・!!俺の手で・・・!!!」

悠介は、短い空間の中を駆け抜ける。

そして、狭い通路の仲でも、高町なのはは、それなりの手を使い、ディバインバスターを囮とし、アクセルシューターで攻める。

しかし、読みきった、悠介は、此れを簡単に避けて見せた。

腕に、光を灯しながら、駆ける忍者のような速さで、高町なのはに近付き、目の前で、腕に貯めた、光を高出力で照射。

ある種の軽い、ロケットパンチのような、攻撃をした後に、瞳から、壊光線を照射する。

至近距離で。

ロケットパンチを食らった跡に、至近距離で、光線を喰らう。

低出力でありながらも、バリアジャケットに、かなりの穴を開けることができる。

「死ねよ・・・!!」

両腕に、光を収束させて、再び、光の拳を直接、打ちつけ、その反動に、高町なのはの、髪の毛を掴み、膝で、顎を砕く。

「ヴぇぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・・・・・」

高町なのはは、大量の血液を撒き散らす。

しかし、血液に、意思があるかのように見えた。

瞬時に、それは、高町なのはの腕を義手を生成し、前よりも、強度を上げた腕を作り出した。

光の貫通は、全てを貫く。照射したときに、なのはの右腕の自由を奪う。

事前に、受身を取った行動に、ちっ・・・

と、舌を打つ。

アレは、心臓を捕らえたつもりではあったがと、思ったのだが、それは、今、悔やむ部分ではない。高町なのはは、急ぐかのように、ブラスターモードを展開させようとしたが、ブラスタービットが出現したときに、これは、危険だとアルフは踏んだが、突如に爆発が起こる。

破壊された。

全てが、破壊された。ブラスタービットの破壊。

速攻で・・・

破壊した後に、高町なのはの、バリアジャケットの白で構成されている部分を完全に破壊した。

破壊光線を使ってだ。

一部的に、バリアジャケットの強度がかなり、下がったのと同時に、高町なのはは、この状況を一字退却とする。

追いかけたときに、フェイトが間に入り込み、追いかけようとした、悠介は、瞬間的にフェイトの横顔に、回し蹴りを決めた後に、草薙の剣の抜刀術で、右腕を切り落とす。

バルディッシュを持っていた、腕を再生できないほどに、木っ端微塵・・・

文字通りにする。

そのまま、スサノオと化した、その腕で、一気に、フェイトの胸の中心を抉り取ろうとする。

「?!!?!?!?」

体の中心を貫かれ、身悶えるような、その痛みは、彼女にとっては、死んでいてもなお、辛い事であると理解している。

辺りに、血が吹き飛んだ。

鮮血の放出。

悠介の体に、フェイトの人形だった物の血をべっとりと浴びた。

血ぬられた、破壊神・・・

スサノオ。

ただ、化け物のように、雄叫びをあげ、悠介は、フェイトを見る。

浴びた、返り血は、それは、スサノオの血に変換され、全て、悠介の血肉と化す。

掴んだ物を掴み、拳を、フェイトの体から、引っこ抜く。

「悠介・・・・・・もう、フェイトは・・・・・・」

ただの、傍観者でありたかった。

しかし、彼女は、もう、精神的に死を意味する状態に入った。

故に、戦い方の応用や、更なる戦法を編み出しても魂は存在しない。

まだ、呼吸をしている。

そして、バルディッシュを掴み必死に、目の前にいる敵を倒そうとした。

しかし、それは、無意味。

幾ら、頑張っても、彼女は魔力を発動させる事は出来ない。

何故か。

それは、

「あんたのリンカーコア・・・俺が、回収した。」

全て。

再生する事など、一生無い。

見る見るうちに、腐食し始める、フェイトの体。

全ての状況が理解できないままに、生きていたら、何があるかも解らないだろう。

醜いままで、死ぬ訳が無い。

悠介は、フェイトの体をもちあげて、

「うぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!」

制御しているのか、制御しきれていないのか、怒りの感情のままに、悠介は、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンの身体を、真っ二つに折り、また、返り血を大量に浴びる。

「うっ・・・」

これが、人間の・・・

いや、神のすることか・・・?

クロノ・ハラオウンは、目の前にいる、かつて、燈也が称した救世主の姿に、恐怖を感じた。

敵にすれば、それこそ、恐ろしいと。

壁に叩きつけた。

頭は、破裂し、脳と言う脳は、原形を止めないほどに破壊されてしまった。

悠介は、さらに、フェイトの左胸から、心臓を抉り取り、そのまま、感情を表に出す事もなく、握りつぶした。

まだ、血が通い、堪っていた心臓を握りつぶした事によって、悠介は、その返り血を浴びる。

しかし、その血も、スサノオの血として変換され、さらに、フェイトのリンカーコアとバルディッシュをアルフに託した。

スサノオ形態である彼にとっては、それは、当然の光景だ。

そこにあるのは、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンの体ではない。

ただの、肉の塊である。

人間・・・

いや、人形だった者。

それを、悠介は臆する事無く破壊した。

「もう、これで・・・フェイトが戦う必要は無いんだね・・・」

アルフは、涙を流しなら、悲しみと喜びのはざまに挟まれ、そう、悠介に言った。

「後一人・・・」

最後に・・・

高町なのは・・・

狙うは、その命。

「なるほど・・・浦島悠介・・・浦島瑠璃・・・」

「ティーダ・ランスター・・・」

「・・・・・・何だよ。どけよ。高町なのはを、殺すんだからな。」

「それは、君の本心か・・・なら、行くと良い。、」

悠介は、行こうとする。

「あんた・・・気に入らないな。ティアナの兄でありながら、ティアナを困らせているなんてさ・・・」

「そうかい・・・!?」

何が、あった。

悠介に、切られるヴィジョンが、ティーダの中に入った。

なぜ、なぜ、このようなことが起きる。

紙一重で、殺気を交わし、振り向いたときには、ほほに、三つの爪で引っ掻かれたような、傷がつけられていた。

「まさか・・・このような、ことが・・・簡単に・・・」

「今、此処で、あんたを殺した方が、ティアナに余計な気を回さなくて済むのかもしれないな。」

「調子に・・・乗らない方が良い。」

「そう?蛇神が、どこまでやれる?」

「神の毒を舐めるな・・・ジハード・・・!!」

デバイスの展開。

悠介には余裕がある。

一方の、ティーダも、余裕がある。

「力は・・・互角?」

「ママ・・・フェイト・・・ママ・・・」

「もう、忘れろ・・・ヴィヴィオ。」

クロノは、ただ、ティーダと悠介の戦いを見ていた。

「はぁぁぁぁ!!!」

ティーダは、大地に、ジハードを突き刺し、悠介を影の世界へと連れ込む。

「局員・・・・・・?」

「君にとっては、生きる価値の無い人間だろう?」

「そうだね。こんな奴らのために、あのとき、戦っていたと考えるだけで、腹が立つ。」

「安心したまえ。ここにいる奴らは、僕らが、もう、殺した。」

「ありがとうよ・・・」

此処から、此処からは、ティーダ・ランスターの、ある種の本領発揮とでも言うべきだろうか。

これが、神の影の世界。

一つの空間、ある種の完全なる固有結界を作り出すのは、神の特権とでも言うべきだろうか。

自分の空間が、そこにある。

自分だけの空間。

陰の十字架は、悠介を拘束するも、このようなことなど、簡単に、振り払う。

「殺す。」

「いや・・・その体ごと、回収させてもらう。」陰の世界で始まる、一つの戦い。

「ダークメテオ・・・!!」

ジハードを振りかざすことによって、始まる、隕石の投下。

「これを地上で行わないのは、地上に、俺の最大の弱点があるからだ。」

それは、自分の妹であり、妹を唯一幸せにできる物。

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