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ACT-ⅢⅩⅡ『この世界は、腐り、汚れきっている』

せかいなんて・・・


駆ける。

駆ける。

駆ける。

「ッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!」

声にならない叫びをあげながら、ドラグリオンを駆り、天羽々斬を振るいながら敵を狩って来た。

その中には、向こうの人間もいただろう。

それでも、この世界、母のために、愛する人のためになると言うのなら、喜んで、それを行ってきた。

敵が行ったのは、侵略だった。

それと同時に、戦争だった。

命ある、アンゲルスノイドとの戦いは。

元の、キリスト教の神が作った世界の人間と、後の、バクテリアから進化した人間同士の戦い.

その中で、神に離反した天使達の生まれ変わりは、その世界を軸にテスタメント、神人と、その名を与えられ、悠介も、悠也もその種の人間として生まれた。

ランスターの人間も、月村、テスタロッサ等等・・・

その血が一気に覚醒した時、全てが呼び出される。

一気に覚醒したのが、元の世界でビブロスと言う敵組織・・・

国家組織とでも言うべきか.余りにも、強大すぎる敵・・・

かつての、聖書の世界は、こうして生まれ、そして、戦った。

ドラグリオン、エルヴェリオン、ファイザリオン、ブレイディオンの4体の巨神を駆使して戦い、そして、貫き、敵を倒した。

アンゲルスノイド・・・

それは、向こうで言う、人間。

神人、テスタメントと同じ。

ただ、名称を変えただけの、神の力を持った同じ存在。

全体的な違いは、その、姿が露骨なまでに反映されているくらいとでも言うべきだろう。

「あぁ・・・」

「僕達は・・・」

「人をこの手で・・・」

「何人も・・・」

「殺して・・・」

「着たんだ・・・」

何人も、何人も。

事実、その手段を知ったのは、最後の戦いのときだろう。

やってた事は、戦争であり、人殺しでもあった。

「それでも・・・」

「俺達は・・・」

「やってきたな・・・」

「良く・・・」

その報いが、かつての仲間の死で、自分達は、その死を、魂の重さを受け入れなければならないことだったのだろうかと、ただ、そう、呟いた。

浦島悠介と、観月悠矢は、別世界にいながら、同じ夢を見た。

「ありがとう。俺は、大丈夫だよ。」

少し、力の無い、優しい笑顔を見せて、周りを悠矢は、安心させた。

周りといっても、一匹の猫と、一人の少女しか、存在していないが。

アイナ・キャロルと、その会社の猫社長と言う一匹の猫。

彼女の母親は、柔軟性のある、母親だった。

一人は、桃色の髪を持った、天然そうではあるが、優しさにみちた、まだ、幼さを残す少女のような女性と、エメラルドグリーンの髪を持った一瞬、クールな印象を受ける印象を併せ持つ。

そう、言いながら、少年は、一人、ゴンドラを漕ぎ始めた。

優雅・・・

男でありながら、そのような魅力を持っているかのように、見えた。

もとより、女性専用の仕事であり、男が、この仕事につくことはない。

しかし、これをみたら、どう思うだろうと、一人の少女は、驚きながら、内心、ビックリさせる事ができると、思った。

この、優しさにみちた、殺戮と関係の無い街で、少年は、ただ思う。

このままで、いいのだろうかと。

そのまま、永遠の眠りについてしまいそうな、包み込まれる、暖かい感覚に取り込まれ、いっそのこと、この海に落ちたいと、思った。

故に、一度、そうしてみたいと思ったときに、紅い瞳が、巨大な紅い瞳が自分を、見ている事に気付く。

他の誰にも見えない、誰かが、巨だ無いな何かが、自分を見つめている。

何故、自分を見つめているのか。気持ち悪いくらいに狂おしく、懐かしい程に会いたくなる、何か一度、潜りたい。

故に、行こうと思ったとき、アイナ・キャロルが、アリア・カンパニーのアイナ・キャロルが自分を見ている事に気付く。

無邪気な、その顔で、自分を見つめていた。

「何?どうしたの?」

故に、自分のできる、限りの笑顔で、彼は、アイナ・キャロルに向けた。

できるだけ、精一杯の笑顔で。

対応できる。

いつまで、この顔を向ける事ができるのだろうかと思うことがある。

いつまで・・・

自分は・・・

忘れる事の出来ない、あの血の匂いを、世界は、浄化する。

浄化しようとしてしまうのだ。

自分から、罪を奪うかのように。

ふと、振り返れば、自分の世界が、変わってしまう。

目の前が、真っ暗になる。

そして、その世界は、黒い世界は、自分の世界なのだろう。

その黒の世界で思い出すのは、

「僕の世界・・・僕本来の世界・・・兄さん・・・どうして・・・」

僕は、闘いの場所にいないのだろうか。

ただ、そう、呟いた。

目の前に光るのは、巨大な自分を見ている、紅い眼だった。

この、優しさに満ち溢れた、世界に、自分は相応しくないと考える。

「何故、そう、思う。」

「僕の手は・・・それでも、血に塗れているから・・・」

「お前の母が、この世界を選んだとしてもか?」

「母さんは好きだった。でも、これは、ちがう・・・これは・・・!!」

いて良い世界じゃない。

下手をすれば、自分が、この世界を壊してしまうかもしれないという、むなしささえ、自分の中にはある。

敵とは言え、人間とほぼ同じものを自分が殺してきた自分にとっては。

「解っているだろう!?オルクス・・・!!」

具現化した、テスタメントの力。

いや、具現化させた・・・

と、言った方が良かったかもしれない。

優しい世界より、この黒い世界の方が落ち着くという。

そして、この黒い世界を作り出した、世界は、自分の世界であり、それこそ、自分の世界と言うのは、黒一色というのがよく似合うし、今、この、白い、ウンディーネの制服が、目立っている。

徐々に、白の制服が、黒に染まっていく中で、改めて、この世界が、自分の世界であると認識する。

そして、目の前の紅い瞳の正体こそ、オルクス。

「俺の力・・・死の魔神オルクス・・・!!」

ローマ神話に登場する死の魔神。

本来はエトルリアの神であるが、墳墓の壁画などでは、髭を生やした恐ろしげな巨人の姿で描かれる。

それこそ、テスタメント・・・

自分の力の具現化。

話しているのは、自分自身。

かつて、分かち合った物。

「兄さん達のところに戻って、戦うべきではないのか・・・!?」

兄・・・

義兄である、浦島悠介の為に。

「まだ、僕には武器があるはずだった。兄さんから、託された、一つの刃が・・・!!」

天羽々斬・・・

別名、十束剣・・・

スサノオが持っていた刃。

アマテラスとスサノオの誓約の場面・・・

アマテラスが3柱の女神を産んでいる。

刃をかつての戦いで失った、オルクスは、スサノオからその刃を貰い受けた。

天羽々斬・・・

「これは、もう、僕が持つべき刃じゃない・・・!!」

故に、叫ぶ。

力強く。

これがあるから・・・

この刃があるから。

「だから、僕は、向こうに行く!!」

「それは、許可できない。」

「何故・・・!?僕は・・・僕は、戦える・・・お前が、いないなら、まだしも!!お前が、いるのであれば・・・!!存在しているのなら・・・!!」

黒の世界の中で、制服が黒に変色しながらも、それを受け入れるのはその色が自分に相応しいと。

赤黒い色が、自分に、血で汚した、この手に似合っているとわかっている。

「だから・・・僕は・・・」















「何で・・・そこまで、主に加担するんや・・・!?」

「信じているから。我が主の世界を。」

一種の、子供が考えたような理想の世界を作り出すことができるのが、この男の使える主の能力であると言えるだろう。

「一緒の所に逝けるかわからんが・・・貴様も、共に・・・」

アギトは、その目を見た瞬間、恐怖を覚えた。

シグナムについた、融合騎・・・

その活躍は、諸君等が一番解っている事だろう。

「連れて逝ってやる。」

アギトを捕らえ、そのまま、慈悲も無く、潰した。

そこに、アギトがいたかすら、形跡は無い。

「使えるか。いや、使おう・・・此処で。」

「まだ、天使に支配された時の感覚は、そこに残っている。」

残っている・・・

そこに、存在しているのは、なのはとフェイト。

一人の男は、とある男にアクセスし、まだ、天使の傷痕が残っている、とある物を利用し始める。

「何で・・・何で・・・こんなことするんや!!」

「全ては、主のためだ。」

主の望む世界・・・

そのために、自分が、如何に汚れようとも、

「それが、主のためになるのであれば・・・君等から、恨まれようとも・・・」

「そこまで・・・何かを考えているのか。」

望む世界は、

「貴方の、本当に臨む世界・・・?」

はやては、聞く。

バラバに向かって。

恐怖を剥き出しにしながらも。

「それでも、私が、望むのであれば、そうする。最後に、私は・・・」

それを

「主によって、浄化される。その日までのために・・・!!」

キッと、目を見開き、改めて、自分の意思を明確にした。

「君等に、幾ら、恨まれようともだ。」

恨まれようとも・・・!!

「それでも・・・私は、変わることはないだろう。」

「それだけの志がありながら・・・この行いを間違いだとは、思わないんか・・・!?」

「思わない。私から見ても、この世界は、腐り、汚れきっている。」

故に、

「排除するだけだ。」

「排除・・・人を殺してまで・・・」

「その業を背負ってまで、我等は、やらなければならない。我々は、そのために動いている。」

揺ぎ無い信念。

今の管理局と言う組織に、そのような人間はいないだろう。

ここまで、信念が強ければ、動かせる人間はいないと、はやては踏んだ。

「リィンを・・・壊さなかったのは・・・?」

「ゼウスは、作成していないから。八神はやて。お前が、悪しき心に染まる時・・・」

それは・・・

「君とそのパートナーが死ぬときだ。」

息が、出来なくなる。

この、バラバと言う男から、死と言う言葉でるというのが、恐かった。

普通の死ね・・・

と、言う言葉より、このバラバの言う、死と言う言葉には、異常なまでの重みがある。

それは、この男が、どういうことをしているか解っているからだ。

今まで、自分の部隊は、人の死を見たことがあるものの、リアルに殺す場面はほぼ、皆無に近い。

しかし、この男は、確実に潰す。

そして、殺す。

今日、それを、まじまじと見せられた。

躊躇い無く。

子供が兵器で虫を殺すかのように、躊躇い無く、バラバは人を殺した。

「殺した人間の魂も背負い込んで、我々は、新しい世界を創る。それだけだ。」

それは

「悪であると言う事くらいは解っている。しかし、理想たる世界を作るのならば・・・主に変わり、私やティーダ、クロノ、アリシアが、その業を背負うだけのことだ。」

戦闘機人である、スバル達に目をかけないのは、今、壊す理由がないからだ。

ただ、逃げ惑うような、スバルやギンガの姿を見ながら、ただ、ここで、見ていた。

嫌われているという、自覚はある。

「私は、ここで消えよう。」

あの後、バラバは、こうして消えた。

消す物も消して・・・















「ほう・・・なるほど・・・」

「何があった?零・・・?」

バラバがその男を零と呼んだ。

零と呼ばれた男は、以前、拾った、無限に再生する死体を見つめていた。

何が、そこにあるか・・・

それ自体が、なんだったのか。

「終わるまで・・・もたせなければな。」

「これに、何がある?」

「命だよ。そう・・・命がね。」

「命・・・?」

「そう・・・命だ。」

命と呼ばれているものが、そこにある。

零・・・

この男は、

「イエスの人格の中の一つか。」

「分身は、世界の中だけにいる。イエスは、瞑想に入った。私が出るだけだ。」

「お前は、今回の戦いに、何を思う?」

戦い・・・

その言葉に、零は、歪んだような、悲しみの顔を浮かべた。

「別に・・・俺は、ただ、此処にいるだけだ。」

バラバの顔を見た後、ただ、言った。

「ただ、あまり、人の命を消すのは、俺の好みじゃない。」

「だろう・・・な。」

「俺達、イエスの慈悲の位置から、創られたイエスの分身は、バアルのように、戦いを否定する。戦い、そのものの、否定を反対するんだ。」

「慈悲・・・」

「元より、あいつは、戦いが、大嫌いだったはずだ。それが、慈悲をおいてきて真で、今回の戦いを始めてしまった。そこまでするほどの事など、俺は・・・嫌だ。」

「嫌・・・か。」

「優しさで作られた、俺の特徴だ。」

一部の慈悲と、一部の冷酷さを兼ね備えた、イエスの次に、人格的な部分を支配している存在である、零は、ただ、そう、呟いた。

どうせ、眠りにつけば、また、イエスが、本性を表すと解っているから、今、この時間を、精一杯生きようとしている。

まだ、抗いたいと思う事がある。

だから、此処にいる。

「既に、望むことはしてやった。私の望む事じゃないけどね。」

「高町なのはと、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン・・・」

「また、使うのですか!?あの子達を・・・!!もう、良いじゃないですか・・・」

二人の会話に、アリシア・テスタロッサが割って入った。

「君は、何を望む?」

「それは・・・」

「君のやることは、弟を君が望む形に昇華する事ではないのか?」

どの道、

「俺も、君の父親の人格も、全て消滅する。」

全てが、変わる。

「慈悲を手に入れた瞬間にだ。」

ただ、

「主人格を俺達を抑えている間は・・・アリシア。」

統合され始めている中で・・・

より、早く、吸収され始めている零と言う、男の人格。

「中では、困惑があったんじゃないのか?アリシア?」

「いえ・・・変わっても、お父様は・・・お父様ですから。」

「すまない・・・と、思っている。」

それは、

「燈也のこと・・・?フェイトと、なのはを、また、戦わせる事・・・?」

「お前とアリシアを巻き込んだ事、全てだ。俺が、俺でいられるのは・・・まだ・・・」

ただ、そう、言いながら、零は、そう言う。

零と言う人格は、マスターたる、イエスの外見に最も近い男である。

そして、優しさも・・・

故に、最初に囚われやすい。

この、零と言う男が、その人格をいつまで、保てるのか・・・

そして、動き出す二人。

神の力を無くした、高町なのはと、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン・・・
















「動いた・・・?」

「消えた・・・と、でも、そう言う言葉が適任じゃないかしら?」

「そう・・・やな・・・」

「まぁ、一度、奴等の洗脳を受けているからな。こうなっても、おかしくは無いだろう。」

なのはと、フェイトの体が、消えた。

そこに、存在しなかったように。

何があったのか、それすら、存在していない。

それすらも、存在していないのだ。

レイジングハートも、バルディッシュも、拘束具すら、解きながら、それは、そこに存在していなかった。

「まぁ・・・今後も、敵になるか。」

どの道、それは読めることの出来た、行動の一つであるとは言えるが。

「どの道、戦力にはならないでしょうし。」

「そんなこと・・・!!」

「ありえるよ。今回の敵に限っては、エースオブエースでも、全く、役に立たない。」

「逆に、消えた方が、ええっていうか!?クロノくんも!?」

「今回に限ってわな。」

「あんた等、二人、人間か・・・?」

「此処まで、冷酷にならなきゃ、勝てないよ。」

鋭い、顔つきになり、以前まであった、何か・・・

憐の用に、もう、かつての瞳の中に、情熱と言う物は、完全に消え失せている。

「ま、今は、死体より、自分達が生き残る事よ。」

「そんなの・・・そんなの・・・そんなの・・・」

「いなくなった人間のことより、今は、自分たちのことを考えなさい?ここにいる、全員も、そう。わかったわね。」

既に、はやては、リーダーとして機能していない。

もう、意味はないだろう。

存在も。

そこに、全て、意味はない。

八神はやて・・・

憐とクロノによって、後に、六課は引っ張られる事になるが。

それは、無い。

「あんたは、凡人でも纏め上げてなさい。もう、地表は、あらわして、外に出れるわ。」

「ほんまに・・・?」

「気をつけることだ。外は、暴徒と化した、反管理局の民衆でいっぱいだ。」

「管理局・・・?反管理局組織・・・?」

「反って言うか、民衆の集まりだけどね。」

無碍に、此処から、出る訳にはいかない。

「ま、僕達以外の管理局の人間が、人間を人間として扱わなかった・・・それだけのことだ。」

「どの道、見つかれば、彼等は、殺すか。殺されるか。」

「既に、外は、戦争状態だよ。こうなる事を、望んでいたかのようにね。」

ある種の起こってはいけない事件が、起こってしまった。

はやては、頭を抱えながら、その場に、へたり込んだ。

今、出れば、殺される恐怖。

そして、管理局のやってしまった過ち。

クロノと、憐は、そう、言いながら、消える。

高町なのはと、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンを削除するために。

もう、既に、かつての見方が、どうとか言ってる場合ではなくなっているのは、誰にだって、わかっているはずだ。

故に・・・

自分達が動き出す。

人類の脅威になるのであれば、それは、消さなければならない。

そのために、動き出した二人、クロノと憐には、それなりの、理由がある。

クロノは、せめて、妹くらいは自分の手で、誰かに殺される前に、殺したいと思った。

そして、憐の場合は、管理局に、存在していた時から、その女の存在が気に入らなかったが故に、一度、殺してみたいと思った。

いや、殺すのは、自分じゃなくても良い。

見るのは、相手の死たい・・・

高町なのは、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンの死体とでも言うべきだろう。

妹夫婦を愛していたとは言え、他の人間に、殺される姿を見るのは忍びないという、ありがちな、兄心だ。

どこか、生意気そうな、あの二人を一度、殺すか、悲鳴を上げる、あの二人の様子が見たかったのだ。

「人間の本性か・・・」















戦いが終わった後、既に、消費しきった体力の中で、悠介達は、まだ、完全に潰れていない、地下の設備を利用していた。

死体は、ハルモニアが、全て消化・・・

人を奴隷として扱っていた、管理局の人間達。

人間達の存在意義に疑問を抱く。

思い出すと、背中に、悪寒が走る。

アレが、同じ人間のやった事なのだろうかと、恐怖を覚えてしまうのだ。

力には、かなりの差があるとは言え、構造上は、人間と同じだ。

何かを思う。

何かを、ただ、思ってしまうことがあるのだが、アレも、兵士の戦意を保つための行為だったのだろうかと、そう、思ってしまったから、自分も、見過ごしてしまったのだろうか。

あの時、助けに行くべきだったかもしれない。

皮肉にも、残ってしまった、管理局の局員の、性欲処理用の奴隷がいた、ベッドの上で悠介は頭を痛める。

構造上は・・・

しかし、アレが、同じ人間のやった事なのかと思うと、少し、嫌になる自分がいる。

苦悩している。

想像しただけで、人間の黒さを創造しただけで、いやな、物が、こみ上げてくる。

胃から、逆流する感覚が、襲う。

軽い、鬱状態になりそうだと、舌を打ちながら、頭が痛くなる。

もう、今は、そう言うことをしている状況じゃないだろう。

何故、あの時、自分は、それを言わなかったのか。

自分も同じ人間で、それをある程度、考慮してしまったのだろうかと思うだけで、自分が、恐ろしくなってしまった。

ハルモニアでなくても、自分は、あの男を殺していたかもしれない。

いや、管理局の人間を。

全てを。

此処にいた、管理局全ての人間を。

瑠璃の言葉が無かったら、どれほどにまで、自分は追い詰められていただろうか。

瑠璃の言葉を聞いてよかった。

瑠璃がいて・・・

瑠璃に会いたくなる。

しかし、ティアナの体の中で、今、彼女は同化しようと生きている。

同化する前に、何とかしたいと思ってしまう。

会いたいと思ったとき、自然と涙が流れてしまう。

嫌だ・・・

ずっと、会えなくなるのは嫌だ。

寂しさが、襲ってくる。

背中に嫌な、憎悪が遅い、眠りにつきながら、体は、徐々に縮こまっていく。

悠介は、そのまま、眠りながら、考えるのをやめた。

もう、疲れが、そうさせなかったのだ。

何も、考えたくない。

それでも、知世の顔が、思い浮かんでくる。

自分ほど、女に左右される男もいないだろうと思い、自然と、笑いがこみ上げてくる。

そして、安心した。

まだ、笑える余裕があったのかと。

だいぶ、前は、かなり、愛していたんだろうなと、思う。

ただ、まだ、魂だけは存在しているから、安心できる。

このまま、魂後と消えてしまうことを、考えてしまうが。

知世のことを考えていたときに、不自然な、においが、いや、此処での、人間の扱いが解るような、男の精液と女の蜜の臭いが、絡みあって、気持ち悪い臭いが、悠介の鼻孔を襲う。

辺りを、そのまま、ぶちまけたような、嫌な匂いだ。

ただ、その匂いを、気持ち悪いと思ったとき、知世を抱きしめた感覚が、いや、言葉どおり、ベッドの上で抱いた、その行為を思い出していた。

あぁ、高校に入学した時、知世のベッドの上で、導かれるままに、抱かれて、童貞を失っていた。

ただ、あの、繋がった時の、感覚は、まだ、忘れられずにいる。

締め付ける様な、感覚で、何度か、交わっているうちに、優しく、包み込むように、変わっていった。

「ね・・・?子供作ろう?私と、悠介の・・・」

交わる時に、いわれた言葉・・・

悠介は、言われたとおりに、知世の膣に出し、彼女の望む、子供が出来るような、条件を全て満たしていたが、運が良いのか、悪いのか、今までは、妊娠する事が無かった。

「最後に、セックスしたときって・・・あいつ、孕んだのかな・・・・・・」

全て、いやなことも、何もかも、繋がっている時間だけは、舌を絡めながら、キスしたり、陰茎を口の中でバキュームされてる時や、肉壺から流れ出すいやらしい蜜を見るだけで、興奮し、悠介の陰茎が、そそり立つ。

こんな、状況でも、人間の機能は働くのかと、人間の最大欲求には、感心せざるを得ずに、一人笑う。

そして、思い出すのは、いつも、知世は最後に自分を抱きしめなら、朝を迎える。

あぁ、そのまま、時が止まればいいと、思った。

抱かれている間だけは。

そして、また、嫌な感覚に陥る。

何回、これを、繰り返しているのか。

考えているだけで、そんな、自分を思い出すだけで、楽になるし、逆に苦しくなる。

部屋は、真っ暗で、丁寧に、シーツまでしかれているというのに、眠れなくなって、体のどこかが、変な動悸が襲い、気持ち悪くなる。

そして、睡魔までが、吹っ飛んだ。

「大丈夫かい?」

「アルフか・・・」

獣から、獣耳の生えた、人間になり、そのまま、悠介を優しく包み込んだ。

「あまり・・・接点無いぞ・・・?」

「一応、助けてくれたし・・・それに、この前、一緒に戦ってて、少し、解った・・・今までの、悠介も・・・」

「ん・・・」

一度、死に瀕したアルフに血を飲ませる事によって、自分の使い魔に無理矢理した。

ただ、自分の暖かさが、伝わってくるが故に、どいこか、同じ存在と思ってしまう、自分がいる。

所詮は、知世とは違う物と、わかっているのに。

「暖かいな・・・アルフは・・・」

「うん・・・?」

「ヴィヴィオは、良いの・・・?」

「もう、ぐっすり寝てるよ・・・あの娘は・・・」

「そっか・・・」

「あんたの方が、心配だよ。私にとってはね・・・」

「ん・・・」

ただ、この瞬間だけは、甘えたかった。

アルフという存在に。

ただ、委ねるだけで・・・

此処にいる自分自身が、安心できる。

「殺せェェェ!!!」

夢を見た。

それは、自分が、今まで見た夢の一つの現象。

いや、目覚めた時に、ティアナと見たものだ。背中に、悪寒が、ゾワっと、する感覚が流れた。

人が、人を殺しあう。

初めて、久しぶりに、自分達以外の人間を見たときだった。

人間達は、殺し合いをしていた。

醜い、醜い、殺し合い。

管理局の人間達は支配し、民衆は世界をこのようにした管理局を信用する事が出来なくなっていた。

瑠璃の頭の中で、人と人が、戦い、殺し、そして、血が、大地を汚していく、そのシーンが、べっとりとこベリつき、忘れようにも、忘れられない。

あの光景は・・・

人が、デバイスで人を殺し、別の人は、瓦礫を手に持って、管理局の人間を殺す。

その光景のなかに、人の本来の醜さを見てきたような気がした。

人類の根源の一つの中にある物は、闘争である。

支配するために・・・

自由となるために・・・

殺しあう。

話し合うということすら、忘れて。

誰もが管理局を敵とし、誰もが支配される民衆を奴隷と思う。

言い出した奴の問題ではない。

既に、そう言う、心が、植え付けられている人間の心と言う物が、ある種、トランス状態となり、今の、人間を作り出した。

醜く動き、殺戮を行う。

彼等は、殺戮を行っているつもりなど、無い。

それは、彼等にとっては、正義であり、それに従おうとしない、サラには、支配しようとする奴等は、悪であるからだといえる。

傷ついた物でさえ、あるべき、必要悪に等しい犠牲と同じであるといえる。

奴等にとっては、崇高な犠牲。

戦というのは、人の闘争心をかきたて、知らず知らずに凶暴になり、人の死など、必要犠牲と奇麗事、美辞麗句を並べながら、戦を起こす。

管理局も、民衆も。

掻き立てる闘争本能を人は美化し、戦う理由を正当化する。

正義のために、人を殺す。

それが、戦争だ・・・

そして、あの時見た、管理局の残党と、民間人の争いは、正に、それと同等の物であるといえるだろう。

あのときの恐怖を思い出し、自然と、瑠璃は、ティアナを抱きしめていた。

瑠璃達は、その隣の部屋で、全裸になりながら、そこにいた。

予備の服―

などという、便利なものなど、存在しているはずもなく。

一枚の毛布と、簡易製のベッドの上にいた。

「馬鹿ね・・・こんな所で・・・」

「今、落ち着いている間に、私とティアナの証を・・・刻め付けておきたいの・・・」

唐突も無く、寝る前に、瑠璃は、ティアナをそっと、抱きしめた。

温かく、柔らかい、胸の感触が、ティアナの背中を占領する。

首筋には、瑠璃の呼吸する時の息が、当たる。

陰毛は、ティアナの太ももの裏に擦りつけられ、乱れた、黒い髪は、雑になり、ティアナに絡みつく。

抱きしめている腕は、ティアナの下乳にあたり、べっとりとした、汗まみれの、ティアナの体と合わさり、余計に熱く感じてしまう。

それでも、文句の一つも出ないのは、愛し合ってるし、自分も、交わりたいとは思っている。

密閉された、部屋の熱気から、少し、うっとうしさを感じてしまうものの、それでも、こうして、まともに過ごした時間は、今は無いが故に、何も言わなかった。

「ティア・・・私では、嫌ですか?」

「嫌じゃないわ・・・ほら、シャワーとか、浴びてないから、汗臭いし・・・」

「私は、それくらいのこと・・・ティアなら・・」

「でも、またしたいときは・・・絶対に、シャワー浴びてからって・・・思ってたから・・・それに、ここ、繋がってないし・・・」

先の、襲撃によって、水分は、確保されたものの、体のべとつきを落とすほどの、余裕はなかった。

巨神の中に入れば、あらゆるものは、浄化されるが。

それでも、いつでも、呼び出せるというわけではない。

悠介の体力的なものもあるし、そのような事のために、呼び出すわけにもいかなかった。

「良かった。その言葉が聞けただけで、私は、満足ですわ。」

「本当に?」

「うん・・・」

ただ、

「きょうは、こうさせて・・・」

「うん。良いわ。瑠璃・・・」

苦悩・・・

その中で、ただ、戦う気は起きなくなる。

故に、目覚めないように、この部屋を一つの隔離空間とした。

ただ、今は、この二人の状態のままで・・・

二人きりのままでいたい。

「五腹・・・減ったな・・・」

全てが、何もかも、存在しないと思った中で、空腹だけは、抑えられない。

「私は、悠介から、血から貰ってるけど・・・」

「此処の施設・・・どれだけ、食物残ってるんだろ?」

何せ、アレから、三年経った。

数多くの食物があったとしても、3年経てば、どれくらい消えてしまうことか。

「自給自足のシステムがあったからよ?そこは、何とかなるんじゃないのかい?」

「そうだな・・・」

目覚めたら、行こうか。

そう、言おうとする前に、悠介は、眠りについた。

これまでの辛さを忘れるかのように。

歩く。

歩く。

歩く。

夢の中で、かつての世界の戦場を歩く。

ただ、そこに、歩くのみ。

動く。

動く。

動く。

寝ながら、先ほど、語った、夢を見た。

自分の一日は、敵を殺して、敵を破壊した戦争。

何故、此処で、戦い、そして、殺す。

それは、向こうが、侵略してくるから。

ただ、向こうにとっては、それは聖戦で、やることは、愚かな戦い。

人殺し。

人は、人によって、統治されるべき。

その考えをお互いに通していたのだ。

そして、今の敵は・・・

今の敵は?

ふと、思う。

殺す。

殺す。

殺す。

ただ、敵を殺す。

迷い無く、敵を殺す。

意味無く、敵を殺す。

いや、意味はあった。

侵略から、敵を守る。

故に、戦いと言うのは・・・

ある種、意味はあったのだろう。

侵略を敵から、護ると言う。

だが、結果としては・・・

死。

死。

死。

全てが、死によって、連なった物。

あぁ、この結果が、望むべき形になった事なのだろうか。

もう、良い。

だから、

「本当は、戦いたく・・・なかった・・・?」

アンゲルスノイドである、ハルモニアは・・・

「人間だったんだ・・・」

アルフに、抱かれながら、かつての思い出がふと、蘇る。

蘇るのか。

いやな思い出が、何故、こうも、蘇ってしまうのか。

殺した感覚が、蘇ってきた。

感覚・・・

自分の感覚。

「いやだな・・・」

思い出して、気持ち悪くなる。

あぁ・・・

また、この感覚が、くるのか。

ただ、全てを観た時、思い出した。

また、京都以来だと。

来る事は、解っていた。

京都以来・・・

あの、闘い。

今度は、自意識を完全に、奪われている。

完全に、奪われている。

やはり、コアを破壊しただけでは、ダメだったのかと。

既に、ミッドチルダと言う世界では、朝と呼ばれる明るさの世界である。

別に、解っている。

この世界のことは。だから、

「来る事も、解ってた。」

「もう、助ける手は無いのかい?」

「わかっているだろ・・・あいつ等の洗脳技術は、俺でさえ解除するのが、難しい・・・それに、決定的なコアも存在しないしな。」

決定的なコア・・・

故に・・・!!

もう、

「解除するのも面倒くさい。」

「付き合うよ。」

「頼んだ。」ヴィ

ヴィオは、ただ、気付く。

迫って来る気配と言う物に。

| TESTAMENT IS SAVER | 23:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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