もう、なんか、演技とかは百歩譲ってなんとやらだけどさ。それにしても、この展開や内容よ。
日本のヒーローリメイク映画の失敗作…と、でも言ったところか。
嫌さ、ギャバンTHE MOVIEとかも見てて思ったけどさ。こういう話をやるなら、せめて、1クールで深夜でも良いから、いったん、ドラマをやってからさ。その後に、映画の製作に踏み切った方が良いんじゃねーの…?って、思ってしまう。
いやさ、なんていうか、内容を覚える気にすらならないほど退屈だった。
あの、ジローとミツコの関係が薄いんですよ。それを描くための前半の退屈な逃避行シーンがあるんですけどね、そこで、ちゃんと描く訳でもなく、なんか、ミツコとマサルにとってじろーはこういう存在なんだよ。って描写を入れ…て、いたような気もするけど、そういうものを忘れるほどの退屈さがありですね。
なんていうか、あの、色々とおかしい…運…
いや、もうちょい、ミツコにとってジローガどういう存在かをね、簡単に強く描けなかったものだろうかと。そういうことを思ったりしているわけでござーます。
しかも、葛藤シーンって基本的に退屈だから、いかに見せるかが大変な訳ですよ。あたしも、下手なSS書きをやってる端くれとしてはね。
んで、肝心の、その葛藤シーンがね、退屈だし、間延びしてるの。無駄な葛藤の描写に入れるくらいなら、もっと敵のアクションとかにも力を入れとくれよ。とか思う。
アメリカのアメコミ映画を意識した作りなんだろうけど、あの場合は、最低限、掘り下げる人物は一人か二人だったりするやん。
もう、最低限、深いドラマをやるなら、バットマンで言えば、バットマン、ジョーカー、トゥーフェイスな訳じゃないですか。この三人が密接に絡んでドラマが展開されていくわけですよ。基本、この3人以外は脇役です。
でも、日本の、この手のリメイクの場合は設定だけでも掘り下げなきゃいけないのがかなりいるから、失敗すんだと思うわ。掘り下げ足らずで色々とやりすぎて。掘り下げるべきキャラが、かなりいるわけですよ。
これで言えば、光明寺博士、ジロー、ミツコ、マサル、ギル、後、なんか、偉そうなおっさん、例の心理学者だなんだ。って、単なる脇役にしてはいけないキャラの多さがなんていうかですね…大井の。
なんか、適当にやっておけば良いべ。って言う、そういう部分がね…ってか、無駄にハイティーン層を取り込んで中途半端になったようにも思える。
あぁ、アクションも単調だしね。
単なる殴り合いで。
いや、もう、マサルを攫うために特殊部隊が入り込むのも良いよ。もう、演出上、そういうものだと見受けてもさ。許すとしても、最悪なんだよ。
良心回路だなんだって、あの、従来のファンが喜びそうな物を記号として入れているだけでね、活かしきっているかと言えば、そうでもないんだ。ただ、釣るためだけですよ。そういうかつての要素、正義だ、悪だってなんだーって言うけど、そんな葛藤するどころか、女がどうのこうのな感じで。とってつけたようなギルの笛とかね。
いや、もう中途半端に出す位なら、出さなくて良いよ。なんか、もう、全部が全部曖昧だったもん。それで、マリに負けたまま、ついでに、なんやかんやで、進んで、行くわけでしょ?なんかね。
なんかなー。
悪いところばっか覚えちゃうの。粗を探すつもりも無いのに、そういう部分が面白くないから目立っちゃうんですよ。この構図は、あの、ガンダムAGEに似てる。
そんな、あの、面白さっていうか関係の描写が薄いからさ。
途中でミツコが留学をやめて、ジローとの戦いを見に行く―って言うけど、えぇー!?あんな、拒否ばっかして低印象残した言葉は一つくらい、言ったかどうかもわからないのにー!?って、なっちゃっててさ。
何から何までうっすいの。
だって、そこにヒロインが行っても、何もやること無いじゃん。
見てるだけで、何が出来んの?ってなるし、それ以前に関係がうっすいから、そこに行く説得力すらない。
まぁ、あと、なんか、色々と現代の若者らしい悩みを入れて、それっぽく引き伸ばしていたけど、ぶっちゃけ、どーでも良い感がすごい。正直、何を言ってたかすら覚えてない。んで、どうでも良いシーンで長くして、肝心な部分は短かったりとかさ。いや、もっと、その時間で長くやれることとかあっただろう?と、そんな風に思った。
後、現代風にアレンジした、なんかの設計図を勝の身体に仕込んだ。って奴、アレは、アーマゲドンゴッドの伏線とかでもあるんだろうな。とか、思った。
あの、退屈すぎて、後半にさしかかると前半の内容を忘れちゃってるのが正直な感じ。
対象年齢は、どっちなの?って、思ったけど、両方取ろうとして失敗した感じ。
この感覚、何かに似てるな。って思ったら、ガンダムAGEだった。
何で、この手のリメイク物って対象年齢をわざわざ上げちゃうんだろ。ギャバンも、最初に変に三角関係を意識させてたし。
02の場合は、少年エース等で連載していたからこそ、ああいうのが出来てたけど、この手の鎧武とコラボしてまで行ったキカイダー…どっちも取ろうとして失敗した感じかね。
普通にさ。仮面ライダーW運命のガイアメモリのようにさ、ああいう感じにしておけばいくんですよ。翔太郎が、フィリップを攫われて、前世代メモリは使えないから変身できないしで、どうすりゃいいんだ!?って、思ったところで、おやっさんの幻影が出てきてドライバーを置いて、そして、雨漏りの伏線が、此処に来て出てきてさ。
ジョーカーに変身するだけで熱い訳ですよ。
ただのね、あれだよ。普通の筋の通ったカタルシス溢れるヒーロー映画で良い訳ですよ。悪い奴がいて、そいつが悪いことをしようとして、そいつを止めるためにヒーローが出てきて…って、感じでさ。
アメコミヒーローって言うのは、こういう部分はちゃんとしてて、単純でありながら、ダイナミックなアクションをするから面白い訳ですよ。単純明快。そして、ダイナミックなアクション。
無理に原作を今風にリメイクしたら、絶対、もう、尺は100分位じゃ足りなくなるっての。
だから、アニメーションの1作目だって、ああいう12話構成にした訳じゃん。01は4話だったけどさ。
キカイダー02をやるにしても、あれほどの尺じゃないとダメだしね。
いや、ホント、キカイダーをちゃんとリメイクするなら映画じゃ駄目だと思う。ってか、この後に繋げるにしても、序章としても詰め込み過ぎだし。
宇宙刑事NEXT GENERATIONが良い例じゃないですか。あれこそ、単純明快でエンターテイメントもあって、ちゃんとしたドラマもあって、テーマ性もあって、そんな感じですよ。それでいてかっこいい。子供が真似したくなる。アレが、最近の東映の一番まともな奴ですよ。もう、変にキカイダーって名作の枠にこだわりすぎた結果が、これだよね。
そういう部分じゃ、THE FIRSTシリーズの方が良かったし、よく出来てたよ。あれ、色々と言われてるけど、俺は好きだし。
ってか、やるなら、ここまでやった方が良かったよ。
正直に言うなら、雨宮監督のハカイダーが凄い好きなんですよ。アレは、もう、ノンストップで進む退屈しないドラマがあるわけですから。主人公であるハカイダーが一貫してるんですよね。
余計な原作要素をいれず、ただ、オリジナルで、こういう物語をやる。的な感じで。単純明快なんですよ。こういう悪い奴らがいてーって、感じで。
今の日本、短い映画をやるならさ。
これくらいがちょうどいい訳ですよ。
あぁー、なんか、話とか単純だったけど、その分、解りやすいし面白かったねー
って、感じで、そういう風にやっておけばさ。
良かったの。
これだって、間違った正義なんて人によっては悪みたいな感じで、色んな解釈が出来る訳じゃないですか。お前らが悪と断定しようとも、それが俺の正義だから、お前らにとって悪で十分だーみたいな。
なんか、そういう感じで良いんだよね。
うん・・・いや、あの、キカイダーREBOOT,残念だった。