2023.04.27 Thu
あのころ
「かれん……こんなに感情をぶつけてくることなんてなかったのに……」
「それだけ、大人になった。って言うことなのかもね。良い意味でも、悪い意味でも。」
ぶっきらぼうと言うわけではないが、セックスの疲れから、思考して相手を配慮する言葉遣いを忘れてしまう。ただ、それ以上に、かつての生徒会長とセックスしたことで生まれた優越感と言うのは何物にも代えがたい心地よさに包まれたものだった。
この心地よい疲れと言うのは、そんなことなど些細なものにさせてくれるほどに愛らしいものでもある。
「ねぇ、かれん……私、かれんの、こういうこと受け入れてるの……」
ふとセックスの余韻の後、一糸纏わぬ姿、自分の夢が叶わぬ中で、かれんは劣情を自分にぶつけてきた。プリキュアが終わった後、余り、会わなかったのに、いざ会えば、まるで思春期の忘れ物を全て取りに行くような知性の青き泉が皮肉に思えるほどの情熱的なセックス、まるで発情期の獣だった。
「かれんって、ああいう激しいところ……」
「そうね……意外だった。でも、これでも、皆と別れてからは、それなりに慕われてたの。」
[女性と、こういうこと、したの?」
「大学時代に、それなりにね。皆、ストレスがたまるから。お酒にも逃げられないしね。病院とかに勤務もすると。」
(そう言えば、飲んでなかった……)
夢を叶えた人間達は、そこからがスタートであって、そこからの苦しみに……叶えても地獄、叶わなくても地獄、八方塞がりだと理解するからこそ、こうして快楽の逃避に逃げてしまう。
こまちも、そういう時は一人で満たすことはあったが、かれんは、既に……ある意味では酒よりも刺激的で情熱的な女同士のまぐわい……
誰もが、夢の奥底にある負の感情。それに戦っているが、誰もが、それに抗えられるわけじゃない。
「だから、快楽に逃げる?」
「そうね……でも、私の場合は……」
(私は、あの頃の自分の答えを求めるために、こまちとセックスをした……)
今、思えば、あの頃の、こまちに抱いていた感情を答え合わせするようなセックス、あの頃に抱いていた、こまちへの、よくわからない感情が肉欲を覆う。
それが大人になってから再会した、こまちとなし崩しにセックスをしてしまったことに繋がる。
プリキュアにならなければ。そんな未来を考えてしまうほどには。結局、役割を終えてしまえば別世界の住民と言うことで片付けられた方が、その方が良いのかもしれない。
ただ、思うところは「結局、妖精と恋仲になるのは幻想なのかもしれない」と言うことを数年経過して大人になった彼女を見るとそういうことを考えてしまう。
友人の失恋に安堵してしまう自分は何処か最低な人間なのかもしれないと漠然とした感情が沸き上がる。
しばしば、その美貌を持っての花にかけるつもりはないが女子人気も高かった、かれんからすれば、あの頃は自然と、のぞみの言葉によって自分のアイデンティティを確立していた水無月かれんは多くの女性に黄色い声援を受けることに心地よさを覚えると同時に未知なる感情に溺れていた。
女性同士の恋愛小説を読み漁っていた時期があった。
そうして、自分が、こまちに抱く感情は恋なのか、それとも友人なのか、しかし、出会えれば彼女は自分を友人としてしか見ていない部分が伝わってくる。それが妙に心に突き刺さるのだから、息苦しさしかない。
それを仮面で隠して友人として接するたびに心が息苦しくなる。
そうして接していく半面、こまちに抱いていた感情に今、思えば自然と学園の卒業と同時に彼女と疎遠になったのは夢のこと以上に、こまちと結ばれたかった側面、でも、結ばれなかった自分の気持ちにふたをしていた側面がある。
負い目……
そう、時代のせいにして、こまちに自分の感情を隠していた負い目。
自分を慕っていてくれていたくるみと、そういう関係になることもなく別れて、時代があったとはいえ、今、女性同士で付き合っているカップルを見ていると、どうにも、自分の抱いていた感情は、それは言い訳がましくて、自分に嘘を付いていた人間に思えてしまう。
あの時代には、もう、そういうカップルがいたのだし、自分は受け入れられない。
しかし、友人として接するうちに肉体に宿る感情は……
「ねぇ……また、会える……?」
「えぇ。」
「そっか……」
こまちは、今、何を考えているのだろう。そして、自分は確信していた。あの時、学生時代、自分の中に宿っていた、こまちに抱いていた感情。
「私、もし、ナッツが戻ってきても貴女を渡すつもりはもうないわ。自分に、もう、嘘はつきたくないから。」
「それだけ、大人になった。って言うことなのかもね。良い意味でも、悪い意味でも。」
ぶっきらぼうと言うわけではないが、セックスの疲れから、思考して相手を配慮する言葉遣いを忘れてしまう。ただ、それ以上に、かつての生徒会長とセックスしたことで生まれた優越感と言うのは何物にも代えがたい心地よさに包まれたものだった。
この心地よい疲れと言うのは、そんなことなど些細なものにさせてくれるほどに愛らしいものでもある。
「ねぇ、かれん……私、かれんの、こういうこと受け入れてるの……」
ふとセックスの余韻の後、一糸纏わぬ姿、自分の夢が叶わぬ中で、かれんは劣情を自分にぶつけてきた。プリキュアが終わった後、余り、会わなかったのに、いざ会えば、まるで思春期の忘れ物を全て取りに行くような知性の青き泉が皮肉に思えるほどの情熱的なセックス、まるで発情期の獣だった。
「かれんって、ああいう激しいところ……」
「そうね……意外だった。でも、これでも、皆と別れてからは、それなりに慕われてたの。」
[女性と、こういうこと、したの?」
「大学時代に、それなりにね。皆、ストレスがたまるから。お酒にも逃げられないしね。病院とかに勤務もすると。」
(そう言えば、飲んでなかった……)
夢を叶えた人間達は、そこからがスタートであって、そこからの苦しみに……叶えても地獄、叶わなくても地獄、八方塞がりだと理解するからこそ、こうして快楽の逃避に逃げてしまう。
こまちも、そういう時は一人で満たすことはあったが、かれんは、既に……ある意味では酒よりも刺激的で情熱的な女同士のまぐわい……
誰もが、夢の奥底にある負の感情。それに戦っているが、誰もが、それに抗えられるわけじゃない。
「だから、快楽に逃げる?」
「そうね……でも、私の場合は……」
(私は、あの頃の自分の答えを求めるために、こまちとセックスをした……)
今、思えば、あの頃の、こまちに抱いていた感情を答え合わせするようなセックス、あの頃に抱いていた、こまちへの、よくわからない感情が肉欲を覆う。
それが大人になってから再会した、こまちとなし崩しにセックスをしてしまったことに繋がる。
プリキュアにならなければ。そんな未来を考えてしまうほどには。結局、役割を終えてしまえば別世界の住民と言うことで片付けられた方が、その方が良いのかもしれない。
ただ、思うところは「結局、妖精と恋仲になるのは幻想なのかもしれない」と言うことを数年経過して大人になった彼女を見るとそういうことを考えてしまう。
友人の失恋に安堵してしまう自分は何処か最低な人間なのかもしれないと漠然とした感情が沸き上がる。
しばしば、その美貌を持っての花にかけるつもりはないが女子人気も高かった、かれんからすれば、あの頃は自然と、のぞみの言葉によって自分のアイデンティティを確立していた水無月かれんは多くの女性に黄色い声援を受けることに心地よさを覚えると同時に未知なる感情に溺れていた。
女性同士の恋愛小説を読み漁っていた時期があった。
そうして、自分が、こまちに抱く感情は恋なのか、それとも友人なのか、しかし、出会えれば彼女は自分を友人としてしか見ていない部分が伝わってくる。それが妙に心に突き刺さるのだから、息苦しさしかない。
それを仮面で隠して友人として接するたびに心が息苦しくなる。
そうして接していく半面、こまちに抱いていた感情に今、思えば自然と学園の卒業と同時に彼女と疎遠になったのは夢のこと以上に、こまちと結ばれたかった側面、でも、結ばれなかった自分の気持ちにふたをしていた側面がある。
負い目……
そう、時代のせいにして、こまちに自分の感情を隠していた負い目。
自分を慕っていてくれていたくるみと、そういう関係になることもなく別れて、時代があったとはいえ、今、女性同士で付き合っているカップルを見ていると、どうにも、自分の抱いていた感情は、それは言い訳がましくて、自分に嘘を付いていた人間に思えてしまう。
あの時代には、もう、そういうカップルがいたのだし、自分は受け入れられない。
しかし、友人として接するうちに肉体に宿る感情は……
「ねぇ……また、会える……?」
「えぇ。」
「そっか……」
こまちは、今、何を考えているのだろう。そして、自分は確信していた。あの時、学生時代、自分の中に宿っていた、こまちに抱いていた感情。
「私、もし、ナッツが戻ってきても貴女を渡すつもりはもうないわ。自分に、もう、嘘はつきたくないから。」
| ARIA The MOONLIGHT Neo VENEZIA INFORMALE | 00:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑